塔ノ岳登山はバカ尾根コースがおすすめ
塔ノ岳は神奈川県西部の秦野市にある標高1491mの山
神奈川県西部の秦野市にそびえる標高1491mの「塔ノ岳」。標高599mの高尾山の2.5倍も高い山です。それだけ本格登山を楽しめる魅力的な山が、首都圏エリアにあるから驚きです。
しかも丹沢山地南側の表丹沢では最高峰。山頂からの展望も最高峰です。なお秦野市観光協会によると「塔ノ岳」の読み方は「とうのたけ」。「とうのだけ」ではないようです。
塔ノ岳登り口までは電車とバスで気軽にアクセス
本格登山が楽しめる「塔ノ岳」ですが、都心からわずか1時間半の移動で登山開始できるコースがあるもの魅力です。さすがに電車のみで登り口まで行くことはできませんが、電車とバスでスムーズに登り口までアクセス可能。そのバスも電車の到着時間に合わせたものが多く、本数も多いので移動のロスも少ないのが魅力です。
塔ノ岳は1年を通して気軽に登山できる
登山シーズンといえば「春・夏・秋」ですが、塔ノ岳なら冬シーズンでも気軽に登山できます。塔ノ岳の登山コースの中には南斜面が多いものもあるので、雪が降っても気温の割に雪も残りにくく、シーズンが冬でも登山しやすいです。
登山コースも整備されたウッドデッキや階段が多いので、本格登山ながらも難易度はそれほど高くありません。春は桜、夏は緑、秋は紅葉、冬は冬晴れの絶景が魅力の塔ノ岳です。
塔ノ岳山頂からは富士山や相模湾の絶景
塔ノ岳は丹沢山地南側で最も高さがあり、山頂からの展望はまさに絶景。南側には相模湾などの海が広がり、そして西側には富士山の絶景が楽しめます。
さらに塔ノ岳の山頂は360度のパノラマが期待できるので、丹沢の中でも富士山絶景を特に楽しみたい人にはおすすめ。さらに登山コースによっては、登山している途中でも景色を楽しめるものもあるので、登山途中でも富士山や相模湾の絶景を楽しめるので人気です。
塔ノ岳登山コースは多種多様!おすすめは「バカ尾根コース」
日本百名山の丹沢山地には、塔ノ岳以外にもたくさんの山があり、多種多様なコースで塔ノ岳の山頂へ行くことができます。その中でもおすすめは、塔ノ岳の南側から登る「バカ尾根コース」。
登り口から山頂まで直通コースなのでわかりやすく、難易度がそれほど高くなくて比較的楽なコース。登り口までのアクセスもしやすく、初心者からベテランまで楽しめるバカ尾根コースです。
塔ノ岳バカ尾根コースとは?
ひたすら尾根を登ることから「バカ尾根」と呼ばれる
「バカ尾根コース」とは、大倉の登り口から始まる塔ノ岳山頂への登山コースで、ひたすら尾根ばかり登るのでバカ尾根という名称で親しまれています。
比較的楽なコースながらも、尾根ばかりを通るので常に展望が望める絶景コース。さらに登山コースは南向きに開けているので、常に明るく開放的。気温が低い冬でも日差しが常にあるので、寒さもきついとは感じないコースです。
登り口まで都心から1時間半で行ける
塔ノ岳バカ尾根コースの魅力はアクセスしやすさ。なにせ都心の新宿駅から電車とバスを利用してわずか1時間半で、バカ尾根コース登り口の「大倉」に到着できます。
登り口までのバスの本数も、最寄り駅となる「渋沢駅」から平日で30分に1本、土日の朝ともなると15分に1本あり。待ち時間のロスも少なく、さくっと行って、さくっと帰ることができるのも人気です。
比較的難易度が低めの楽なコース
塔ノ岳バカ尾根コース登り口は標高290m。山頂が標高1491mということは、標高差は1201m。富士山登山の富士宮ルートでも標高差だけを見れば約1300mなので、塔ノ岳なら本格的な登山が楽しめることがわかります。
バカ尾根コースは標高差こそ大きいものの、登山道が整備されていて登りやすく、難易度はそれほど高くありません。比較的楽なコースと言えるでしょう。
分岐点が少なく迷いにくい
塔ノ岳バカ尾根コースはひたすら尾根を登るので基本的に分岐なしの1本道。分岐点が少なく迷いにくいのも魅力です。分岐点が多いと迷いやすいのはもちろんのこと、登山地図などに神経を使うのできついですが、分岐点が少ないと気分的にも楽になります。
特にバカ尾根コースの登りは合流はあっても分岐がないのでさらに楽なコース。下りも山頂からの下山口さえ間違えなければ、あとは道なりに進めば登り口まで一気に下山できます。
山小屋が多いので安心して登山できるコース
塔ノ岳バカ尾根コースは「山小屋の多い」のも魅力。登り口や山頂にある山小屋はもちろんのこと、コース途中にも休憩や軽い食事が補給ができる山小屋があるのも人気です。
しかもその多くが宿泊も可能な山小屋。塔ノ岳バカ尾根コースなら安心して登山をすることができることでしょう。山小屋の中には名物グルメがいただけるものもあり、名物目当てに登山できるのも魅力です。
標準的な登下山時間は約7時間
標高差が1201mもある塔ノ岳バカ尾根コースですが、比較的難易度が高くないコースということもあり、標準的な登下山時間は大倉から山頂までの往復で約7時間。日帰りでも十分楽しめるのも魅力です。
ちなみに標準的な時間は登りが約3時間40分、下りが約2時間20分です。ただしシーズンによって時間は変わりますので注意しましょう。
塔ノ岳バカ尾根モデルコース(登り口へのアクセス)
最寄り駅は小田急線「渋沢駅」
おすすめの塔ノ岳「バカ尾根コース」。登り口へのアクセスから、登山、山頂、下山と下山後も含めたモデルコースを紹介いたします。
まずは登り口へのアクセス。最寄り駅「渋沢駅」まで小田急線で移動。新宿からは快速急行、急行の「小田原行き」と「新松田行き」なら、乗換なしで最寄り駅の渋沢駅まで行くことができます。ただし「藤沢行き」だと途中で乗換が必要になるので注意しましょう。
登り口まではバスでわずか15分
最寄り駅の渋沢駅に着ついたら「北口」へ。階段を下りると2つのバス停があり、2番乗り場から出ている「渋02大倉行」に乗車しましょう。
目的地は終点の大倉バス停。そこが塔ノ岳登り口なので、降りるバス停を間違えることはありません。時間もわずか約15分で到着です。ちなみに最寄り駅の渋沢駅から塔ノ岳登り口の大倉までの距離は約4km。駅から登山開始する強者もいます。
ビジターセンターで登山者カード(登山届)を出そう
終点の大倉バス停で下車すればすぐに登山可能なのも魅力。バス停のすぐ先が登り口です。バス停の目の前には「神奈川県立秦野ビジターセンター 」があり、いろいろな登山関連の情報を入手できます。
またビジターセンターには登山者カード(登山届)が置いてあるので、登山日程・住所・氏名・緊急連絡先・人数・登山計画などを書いて提出しましょう。
塔ノ岳バカ尾根モデルコース(登り)
住宅街からスタート
塔ノ岳バカ尾根コースのスタートはビジターセンターに向かって左側にある舗装路。最初は住宅街を通りますが、舗装路でもかなりの急坂です。準備運動がてらに坂道を歩くといいでしょう。ただし道路のすぐ脇に住宅がありますので、大声を出さずに静かに登りましょう。
本格的な登り口は「丹沢大山国定公園」が目印
500mほど舗装路の坂を登ると分岐点にさしかかります。まさにそこが塔ノ岳バカ尾根コースの本格的な登り口。目印は「丹沢大山国定公園」の表示です。秋シーズンは紅葉が綺麗な場所なので要チェックです。
坂が急な左側の道に入れば、塔ノ岳バカ尾根コースのスタートです。右側の道はバカ尾根コースではありませんので間違えないようにしましょう。
序盤は森林浴を楽しめる林間コース
塔ノ岳の山頂へと続く本格的な登山道に入ると、バカ尾根コースの序盤は緩やかな林間コースとなります。登山コースと言うよりハイキングコース。森林浴を楽しめるほどなので、きついと思うことはないでしょう。
この森を抜けると一気に急勾配の登山道になりますので、まずは準備運動がてらに林間コースを進みましょう。
中盤は急勾配も緑豊かな絶景コース
塔ノ岳バカ尾根コースは、開けた尾根ばかりを通るコースなので、基本的にとても明るいコース。森の中でも明るさは十分あるので不安になることはないでしょう。
さらに登山道は急勾配になっても、階段やウッドデッキが整備されており、比較的楽なコースです。冬シーズンでも凍結の心配が少ないのも安心です。
中盤に難所のガレ場あり
比較的整備された登山道が多い塔ノ岳バカ尾根コースですが、中盤にガレ場の難所があります。正しいルートを通らないと、足を滑らせてしまいます。ガレ場に残る他の登山者の軌跡をたどって、難所をクリアしましょう。
特に他の登山者とすれ違うときは要注意。瓦礫を落とすと事故になる可能性もありますので、慎重に難所をクリアしましょう。
終盤はウッドデッキで快適登山
ガレ場の難所をクリアすると、再びウッドデッキの登山道になります。そこからは急勾配になるものの、比較的登りやすく勾配ほどきついとは感じないでしょう。滑り止めも付いているので、安心して塔ノ岳の山頂を目指すことができます。
さらにここから先はさらに展望が開けるので、絶景を楽しみながら一歩一歩登りましょう。途中には展望スペースもあるので小休止におすすめです。
ラストは急勾配の階段も振り返ると超絶景
塔ノ岳山頂が近くなるとさらに急勾配。ひたすら階段になります。足だけでなく登山ストックなどで腕も使い、階段を一歩一歩登っていきましょう。
塔ノ岳の山頂付近は高木も少なく常に展望が開けていますので、休憩がてらに振り返れば相模湾などの絶景が楽しめます。こまめに休憩しながら山頂を目指しましょう。
塔ノ岳バカ尾根モデルコース(山頂)
約3時間40分で開放感抜群の山頂到着
長い長い階段を登りると展望が一気に開けます。まさにそこが標高1491mの塔ノ岳山頂です。標準的な登山時間にして約3時間40分。朝登り始めれば昼前には山頂到着です。
山頂には展望を遮るものがないので、開放感抜群。まさにパノラマ絶景を展望できます。さらに山頂は階段状に組み木が施してあるので、どこでもベンチ的に座ることができるのも人気です。
富士山も相模湾も楽しめる塔ノ岳山頂
塔ノ岳山頂からはまさに「360度のパノラマ」の展望。南に相模湾、西に富士山、北に丹沢山地の山々、東に塔ノ岳に並んで人気の大山など、どこを向いても絶景です。
ちなみに富士山は夏シーズンだと雲がかかることも多いものの、冬シーズンなら空気が澄んでいて見えやすく、さらに雪化粧をしているので綺麗に望めることでしょう。
塔ノ岳山頂に記念撮影スポットあり
塔ノ岳山頂といえば「塔ノ岳山頂1491m・神奈川県」の表示が名物。人気の記念撮影スポットです。しかもその文字が望める方角からなら、背後に富士山がフレームイン。奇跡の1枚を撮影できるかもしれない、塔ノ岳山頂名物です。
人気スポットなので常に登山者が記念撮影していますが、順番待ちをしてでもここでの記念撮影はして欲しいものです。
塔ノ岳山頂には山小屋もある
塔ノ岳の山頂には山小屋「尊仏山荘」があります。宿泊も可能ですが、日帰り登山でも利用可能です。軽い食事も可能ですのでエネルギー補給もできることでしょう。
さらに山小屋には売店もあり、登頂記念になる名物グッズも販売。初めての塔ノ岳登山の際は、山小屋にも寄ってみるといいでしょう。
他の山への縦走もできる
塔ノ岳山頂は頂上としての役割の他に、他の山への縦走の拠点にもなっています。丹沢山や蛭ヶ岳などのさらなる標高が高い山へ行くこともでき、鍋割山やヤビツ峠など他の下山コースへ行くこともできます。ただしこれらのコースは難易度が高め。塔ノ岳山頂からの下山もバカ尾根コースなら楽々です。
塔ノ岳バカ尾根モデルコース(下山)
相模湾を展望しながらの下山は約2時間20分
標準的な登山時間。登りは約3時間40分ですが、下りは約2時間20分と1時間以上も短く済みます。さらに眼下に相模湾の絶景を展望しながら下山できるので、爽快な気持ちで下ることができます。
ただし登りも難所だったガレ場は下山時も難所。滑落しないように注意しましょう。また下山時に登山者とすれ違うときは、登山の基本「登り優先」を守ってゆっくり下りましょう。
降り口から渋沢駅まで約4kmは歩ける?
登りに比べて下りはあっという間。気がつけば大倉の降り口に到着です。渋沢駅までのバスも本数が多いので、それほど待つことなく乗車可能です。
また降り口の大倉から渋沢駅まではずっと下りなので、そのまま下山を延長して歩いて移動することもできます。大倉から渋沢駅まで約4km。ビジターセンター前の道を下り、「大倉入口交差点」を右に曲がれば、あとは広い道をたどって進めばそのまま駅周辺まで行けます。
塔ノ岳バカ尾根モデルコース(下山後)
駅近くの国道246号線には食事処多し
渋沢駅のすぐ近くには「国道246号線」が通っており、幹線道路沿いには食事処がいろいろあります。ファミレスから焼肉屋にラーメン屋まで選び放題です。登山後の栄養補給におすすめです。また駅周辺にはコンビニもあるので、登山後はもとより登山前の買い出しもできます。
駅から徒歩8分の「マックスバリュ秦野渋沢店」は超便利
下山後に食事はもとより買い物にも便利なのが、渋沢駅から徒歩8分のところにある「マックスバリュ秦野渋沢店」。総合スーパーなので買い物には事欠きませんし、スーパーには食事可能なお店も併設されているので超便利。ただしバス路線からは外れていて、途中下車して行くことはできません。一度駅に戻ってから歩く必要があります。
駅から徒歩15分の「湯花楽 秦野店」で温泉気分
下山後にはやっぱり汗を流したいですよね。渋沢駅から徒歩15分のところに温泉にも入ることができる「湯花楽 秦野店」があるので行ってみましょう。読み方は「ゆからく」。
いわゆるスーパー銭湯で、温泉といっても「高濃度人工炭酸泉」と天然温泉ではありませんが、広い湯船に様々な施設はスーパー銭湯ならでは。エステやマッサージもあるので、登山の疲れを癒やすことができることでしょう。
天然温泉なら電車で3駅先の「鶴巻温泉」へ
登山のあとに15分も歩きたくない、天然温泉にこだわりたいという方は、電車で3駅先の「鶴巻温泉」へ行きましょう。駅名が鶴巻温泉なので、天然温泉間違いなしです。日帰り入浴が可能な温泉も多く、登山の後に温泉づくしもできることでしょう。
また温泉街もあるので、名物グルメなどの食事もできます。もちろんそのまま宿泊もできるので、塔ノ岳登山と鶴巻温泉宿泊をセットで検討するのもおすすめです。
まとめ
塔ノ岳バカ尾根コースなら気軽に絶景登山を満喫!
都心からわずか1時間半で登山口まで行けることはもとより、山頂で富士山や相模湾などの絶景を楽しめる「塔ノ岳バカ尾根コース」。初心者からベテランまでおすすめできる塔ノ岳の登山コースです。
しかも春夏秋冬といったシーズンで違った絶景を味わえるので、何度登っても楽しい登山コース。難易度もそれほど高くないので、週末に時間ができたら、モデルコースを参考にしてふらっと絶景登山に行ってみませんか?
塔ノ岳をはじめとする丹沢山地の詳細情報
バカ尾根コース以外も様々な登山コースがある塔ノ岳。さらに日本百名山の丹沢山地には、塔ノ岳以外にもたくさんの山があります。さらなる登山コースに、さらなる山に挑戦し、さらなる絶景を楽しみましょう。
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出典:ライター撮影