ミモザの特徴
マメ科の常緑高木
銀色がかった葉と、丸くて小さな黄色い花が特徴のミモザは、マメ科の常緑高木です。大きなものは10~15m以上に成長します。開花時期は2月~4月。開花時期を迎え花盛りの時は樹全体が黄色の山のようになり見ごたえ満載です。
原産地はオーストラリアやタスマニア島です。ミモザはたくさんの園芸品種があり、私たちがよく見るミモザは「ギンヨウアカシア(銀葉アカシア)」や「フサアカシア(房アカシア)」と呼ばれる種類です。フランスではこれらの種類を総称して「ミモザ」と呼んでいます。
学名や属名はざまさまに表記されている
本来ミモザはマメ科の多年草でピンクの花をつける「オジギソウ」のことを指していたのですが、形がよく似ているこれらの本種を、フランスで「ミモザ」と呼びだしたのが「ミモザ」という名前の由来だと言われています。
日本では「ギンヨウアカシア」や「フサアカシア」を総称して「ミモザアカシア」と呼んでいます。生花店で「ミモザ」と言えば「ミモザアカシア」が飾られており、それが「ギンヨウアカシア」であったり「フサアカシア」である場合があるので、「ミモザアカシア」と紹介されているミモザを見て、種類が判断できない場合は、スタッフに尋ねてみるのもよいでしょう。
ミモザの属名や学名について
属名は「オジギソウ属」と表記されるべきなのですが、「アカシア属」と表記されていることも間違えではなく、一般的には「アカシア属」と表記されることがほとんどです。また植物図鑑などでは「ミモザ属」と表記されている場合もあります。「アカシア属」と呼ばれる意味はアカシアの仲間であるからです。
学名は一般的にミモザとみなしている「ギンヨウアカシア」はAcacia baileyana F. Muell.、「フサアカシア」はAcacia dealbata.と表記します。
それぞれの呼び名の意味
「ギンヨウアカシア」の名前の由来は、その名前のとおり銀白色の魅力的な葉がその名の由来となっており、「フサアカシア」は鮮やかな黄色の球形の頭花が寄り集まり房状に垂れ下がるので、それがこの名の由来となっています。
いずれも開花時期や、樹の大きさは同じでどちらも黄色い小さな球状の小花をまとめて咲かせます。またどちらも香りは強くはありませんが、開花時期である花の咲き始めにほんわりと優しい香りがします。
ミモザとアカシアの関係
「ミモザ」という呼び名がこの花の総称であるというのなら「ギンヨウアカシア」も「フサアカシア」も、「ギンヨウミモザ」とか「フサミモザ」となぜ呼ばないのか疑問にもたれることでしょう。そこでミモザとアカシアの関係を解説しておきましょう。
そもそもミモザとアカシアは同じマメ科の植物です。どちらもマメ科のアカシア属の種類で、アカシア属の種類はたくさん存在し、ミモザはその中の1つなのです。総称してミモザと呼んでいる「ギンヨウアカシア」も「フサアカシア」もアカシアと同じ仲間なので「ギンヨウアカシア」「フサアカシア」また「ミモザアカシア」などと呼ばれるのです。
ただミモザはアカシアと同じ仲間で、ミモザはアカシアでもあるのですが、アカシアがすべてミモザだというわけではありません。
ミモザの花言葉
「秘密の恋」「秘めやかな愛情」「友情」
鮮やかな黄色い小花が可愛いミモザの花言葉は「秘密の恋」「密やかな愛」そして「友情」です。「秘密の恋」「密やかな愛」というミモザの花言葉の意味は、かつてネイティブなアメリカ人の男性が女性にミモザの花を愛の告白に用いたことに由来して、このような言葉でイメージされています。
「友情」というミモザの花言葉の意味は、たくさんの小さな花が集まって1つの花になっているからだと言われています。
「繁栄」「生命力」
あまり知られていないミモザの花言葉に「繁栄」「生命力」という花言葉があります。これは黄色い花を枝いっぱいに咲かせることや、繁殖力が旺盛な樹であることに由来し、このような言葉でイメージされています。
2月にミモザ祭りが開催される!
こんな花言葉を持つミモザの花。開花時期は早いもので2月から咲き始めますが最盛期は春。春の訪れを告げる花として知られていますが、フランスでは毎年2月にミモザ祭りが開催されて、新しい季節を祝うそうです。
ミモザの花言葉を象徴するランス映画
フランス映画に象徴される花言葉
ミモザの花言葉「秘めた愛」という言葉は、ジャック・フェデー監督のフランスの戦前の映画「ミモザ館」のテーマでも象徴されています。この映画のストーリーは、養母と義理の息子が抱く秘めた愛がテーマで、このテーマがミモザの花言葉に象徴されていると言っても過言ではないと当時言われていました。
可愛い花ですが、鮮やかな黄色い花は、秘密の愛情を密かに約束させるがごとく咲き誇る。そんな大人の心もくすぐる面も持ち合わせている花であるようです。
ミモザの花言葉にまつわる「ミモザの日」とは
3月8日は「ミモザの日」
男女の愛の告白の時に使われた花だという話に花言葉が由来していることにちなみ、イタリアでは男性が妻や恋人にミモザの花を贈って感謝する日があります。3月8日は「ミモザの日」と呼ばれ、イタリアでは男性が女性にミモザを贈り感謝する日。現在もその習慣が行われています。
日ごろの感謝を込めて男性が妻や恋人、親しい女性にミモザを贈る3月8日の「ミモザの日」。こんなおしゃれな習慣がDNAに刻み込まれているからこそ、イタリアの男性は今もおしゃれで紳士な男性のたとえにあげられるのかもしれません。
ミモザの切り花を長持ちさせる方法!
せっかく頂いたミモザの花束や、お庭のミモザをカットして切り花にしたときに長く楽しむには、細い枝は斜めにカットして切り口をできるだけ大きくして水揚げしやすいようにしてあげることです。太い枝なら切り口を十文字にハサミを入れて水に差します。
水は器の1/3程度で構いません。市販の栄養剤を入れてあげるのも、長く楽しめるコツです。切り花にとって栄養剤はごはんのようなものです。栄養剤を入れてあげると、花は養分がもらえるので元気に長持ちしてくれます。
ドライフラワーにするには
せっかく頂いたミモザの花。長く楽しみたい場合はドライフラワーにするのもおすすめです。ミモザの生花をドライフラワーにするには自然乾燥が1番おすすめです。乾燥材を使用して早く乾燥させる方法もありますが、吊るして乾燥させる過程も楽しみの1つです。
風通しのよい室内の場所に逆さに吊るし、花がパリパリになるまで乾燥させます。ドライフラワーになったミモザは、ポプリの中にいれたり、リース作りに活用したり、また近年は蓋つきのガラスの瓶にオイル(ハーバリウムオイル)を入れ、その中にミモザを浸けて標本を作りオブジェとして楽しむのも流行です。
花言葉を知ってミモザを観賞しよう!
丸く黄色い小花を枝いっぱいに咲かせるミモザを見ると、春の訪れを感じ元気が出てきます。イタリアでは3月8日は日ごろの感謝を込めて男性が親しい女性にミモザを贈る習慣があるそうです。おしゃれなイベントですね。日本の男性もイタリアの習慣に習い、日ごろの感謝を込めて親しい女性にミモザを両手いっぱいにプレゼントしてみてはどうですか。花言葉はちょっとワクワクしそうな「秘密の恋」「秘めやかな愛情」という言葉。見た目とは裏腹に大人の雰囲気の花言葉です。花言葉を知って鮮やかなミモザの花をとくと楽しんでください。
花言葉についてもっと知りたい方はこちらもチェック!
当サイト「暮らしーの」では花言葉について他にもまとめています。特に月曜日は連載して季節の花を追いながら、その花の花言葉や、名前の由来、その花にまつわる伝説を解説しています。花を贈るシーンではメッセージの代役もしてくれる花言葉。花言葉についてもっと知りたい方はこちらもチェックしてみてください。
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オジギソウ