梅の花の花言葉を解説!
万葉集の中でも多くの句に詠われている梅の花。花も実も日本人の暮らしのそばで、古くから愛されてきた植物です。全国に分布している梅の花は、北海道と関東地方では開花する時期が違いますが、梅の花が咲きだすと、それぞれの地方では長い冬がそろそろ終わることを感じます。花はその土地ごとの季節や暮らし、そして文化と関連し、その姿にふさわしい花言葉が付けられています。花は地球上ではごく小さな自然ですが、それでも季節の移り変わりを知らせてくれる大きな恵みを持っています。花言葉を知ると、花との距離が縮まり、一層豊かな気持ちにもなれます。自宅に飾るときや友人に贈るときの花選びの楽しみも増えます。今回はもうすぐ咲き出す梅の花の花言葉を解説します。梅の花の花言葉を知って、豊かに次の季節を迎える準備をしましょう。
梅の花の種類と特徴
梅はバラ科の落葉低木。古くから日本で親しまれていますが、原産国は中国で、遣隋使の時代に中国から日本に渡ってきた樹木です。今では春の風物詩といえば「桜の花」ですが、航海の技術がまだまだ未熟だった時代の日本では、春を告げつ花といえば「梅の花」があげられていました。甘い香りが特徴で、別名にはコウブンボク(好文木)、コノハナ(木の花)、ハルツゲクサ(春告草)などという名前で呼ばれています。
梅の種類と観賞用の梅の花の花色は
梅の木には花を観賞するための「花梅」という種類と、実を収穫することを目的とした「実梅」という種類があります。観賞用の花梅は、白い花を咲かせる「白梅」、そして赤い花を咲かる「紅梅」があります。白梅にも早咲きや、八重咲きのもの、白くてもほんのりピンクの種類などいくつかの種類があり、紅梅にも濃い赤や、ピンク、明るい赤いなどの花を咲かせるいくつかの種類があります。
梅の花は春の到来を知らせる縁起のよい花
梅の花は早咲きのものは1月の中旬には咲き始めます。そして2月から3月に見頃の時期を迎えます。寒い時期に花を咲かせるけれど、梅の花が咲くと春が来るということで「春を告げるめでたい木」と昔から梅の花を見ては、そのように思われていました。見頃の時期には暖かな日差しを思わせることで「ことぶれ」の花ともいわれます。5枚の花びらを持つ可愛い花は、「長寿」「富福」「無病息災」「徳を好む」「天命を全うする」という五福を表すとされ、梅の花は縁起のよい花として、昔も今も好まれています。
梅の花にまつわる伝説に由来する花言葉
花言葉とは、その花の特徴が由来する言葉であったり、その花にまつわる伝説が由来して付けられた短い言葉です。その短い言葉はその花を象徴する、いわばその花の「シンボル」となる言葉。花言葉の中には由来が不明なものもありますが、昔から縁起のよい花として愛されている梅の花の花言葉は、日本の歴史上の伝説が由来となり、梅の花らしい素敵な花言葉が付けられています。
梅の花にまつわる「飛梅伝説」とは
梅の花にまつわる「飛梅伝説」とは、平安時代にさかのぼり、当時活躍した菅原道真公にまつわる伝説です。時は平安時代。そのころ偉大な才能を発揮し国の政治に貢献していた菅原道真公でしたが、藤原一門の策略により、京の都から太宰府に左遷されることになってしまったのです。都を離れる季節は、ちょうど梅の花がぽつりぽつりと咲き始める季節でした。梅の花をこよなく愛していた道真公はその時、京都の自宅の梅の木に別れを告げ、梅に向けて「主人がいなくとも春を忘れるなよ」という意味の歌を残しました。その後、なんと残されていた梅は、道真公を慕うあまりに、一夜のうちに後を追って、左遷先の太宰府に降り立ったしたという話です。
梅の花の伝説が由来する花言葉
春を告げる梅の花。しかし、開花の時期は日本はまだ寒さの厳しい日もある時期です。寒い中でも凛として咲く花姿の特徴からくるイメージが由来している意味もありますが、梅の花にまつわる「飛梅伝説」が由来となり、梅の花は「忠実」「高潔」「澄んだ心」「潔白」という花言葉が代表して付けられています。花姿の特徴からくるイメージもありますが、道真公の無実の罪で左遷させられた思いや、飛梅伝説にちなんだ意味でもあります。こんな伝説から菅原道真公の御神霊を祭る福岡県の太宰府天満宮では、ご神木として白い梅の木が植えられているのです。
赤色の梅の花の花言葉
梅の花の代表的な花言葉は、先にご紹介した言葉で象徴されますが、梅の花は花色のイメージからも花言葉が付けられています。赤色の花を咲かす紅梅の花言葉は「艶やか」「優雅」「優美」という言葉です。梅の花はかわいらしい花の形をしていますが、赤色の梅の花はかわいらしさの中にも艶やかで上品で美しい、そんな見た目のイメージから付いた言葉です。こんな花言葉を思いながら赤い梅の花を観賞してみてください。きっと赤色の花の花言葉にあやかり、優雅で優美な気分になれることでしょう。
白色の梅の花の花言葉
白色の花を咲かす白梅の種類にも、白色の花色ならではの花言葉をもち合わせています。白梅の花言葉は「上品」「気品」「澄んだ心」です。白い梅の花は赤い梅の花に比べて、可愛いという表現よりも凛としたイメージから「気品」と付けられたと言われています。専門家が見なければわかりませんが、白色の梅の花の木の枝を折ると断面が、赤い花を咲かす梅の木の枝より綺麗だそうです。そんな隠れた美しさも「上品だ」とされ、花言葉の由来となっているそうです。
中国では「美しさ」「純粋な少女」「多福」
原産地の中国でも、梅の花はポジティブな花言葉を持つ花として親しまれています。中国では梅の花は女性にたとえられることが多く、そんなイメージから「美しい」とか「清純な少女」という言葉に由来しているのだとか。「多福」という花言葉の由来は、中国では梅の花と竹を組み合わせてめでたい時に活けることが多いのです。日本でも松竹梅はめでたい植物ですが、中国でも同じで、寒さに耐える松竹梅はめでたい時に飾る花。そんなことが由来して「多福」と付けられています。
中国に伝わる梅の花の伝説
中国では、香りのよい花を次々に咲かせる梅の花の姿が女性にたとえられています。花言葉の「清純な少女」という言葉は、特に若い女性の初々しい美を表現している花言葉だそうです。中国に伝わる伝説では、南朝宋の武帝の娘が寝ていたところに、風に乗って飛んできた梅の花ごらが娘の額に落ち、そのまま取らずに飾りにしたのだという伝説があります。その話からその時代「梅花粧」といって、女性の額に梅の花を描くお化粧がはやったそうです。美しい女性がそうした化粧をしたことで「美しい」という花言葉が付いているそうです。この様子は万葉集の中で松尾芭蕉も歌にして詠んでいます。美しい花にまつわる風流な伝説ですね。
梅の花を飾ろう!
春を告げる梅の花。梅の花の5枚の花びらは「五福」を表し、縁起のよい花だと昔から慕われています。梅の花の開花は1月の半ばから。見頃は2月から3月です。お友達に贈るにも素敵な花言葉を持つ梅の花。白い梅の花を自宅に飾って、上品なティータイムもいいですね。夢物語のような伝説も、梅の花をじっと見ていると、本当にあった出来事のように思えてきます。地球の中では花はほんの小さな自然ですが、花は底知れぬ大きな恵みを運んできてくれ、心を癒してくれます。梅の花は素敵な花言葉を持つ春を告げる花です。梅の花の季節は優雅、優美に、澄んだ気持ちになって梅の花と共にお過ごしください。
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