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【マッターホルン】高見山の登山ガイド!移りゆく景色を春夏秋冬に合わせて楽しもう!

奈良県と三重県にまたがる高見山は、春夏秋冬、さまざまな表情を持つ人気の登山ルートで知られています。今回は、初心者も楽しめる高見山の登山ルートについて、難易度や歩行時間、コースタイムなどとともにご紹介します。山頂の様子や下山後の温泉も贅沢に楽しみましょう。
2021年3月31日
水木誠人
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関西のマッターホルン・高見山の登山コースへ

Photo by Ryosuke Yagi

高見山は、奈良県と三重県にまたがり、日本三百名山にその名を連ねる標高1248mの山です。南北に視線を放つとなだらかな稜線を有する山に見えますが、東西方向からは鋭くとがったとなるその山容から「関西のマッターホルン」と呼ばれ、多くの登山者から親しまれています。

春夏秋冬、季節ごとの景色が美しく、一年中、登山者を魅了する霊山で、山頂にはさまざまないわれのある景勝ポイントや高角神社が祀られています。今回はそんな魅力的な高見山の登山コースについてご紹介したいと思います。

登山を楽しむ高見山とはどんな山?

奈良県吉野郡東吉野村と三重県松坂市にまたがり、関西方面の登山の山として人気の高い高見山。その人気の秘訣は、山頂からうかがえる絶景、春夏秋冬、季節を問わず楽しめる山容、初心者から上級者までそれぞれの難易度で楽しめるバラエティに富んだコースです。登山の下調べとして、どのような楽しみができるのかチェックしてみましょう。

山頂からの絶景がすばらしいと大人気

高見山は、神武天皇が東征の際に登ったとされていて、山頂には登ったとされる国見岩、道案内を勤めたとされるヤタガラスが祀られている高角神社があるなど、実に興味深いポイントが点在します。

また、高見山の山頂には、高見山地が眺望できる展望台が設置され、この山頂からの景色は奈良県の景観資産として登録されるほど。西には吉野川や吉野山、北には鎧岳、兜岳、曽爾高原、東には三峰山、天気がいい日は伊勢湾が見えることもあるのだとか。

春夏秋冬の景色を満喫できる

奈良県吉野郡東吉野村と三重県松坂市にまたがり、冬に樹氷を楽しみながら登山できる山として有名な高見山。麓にはシダレザクラで有名な高見の郷があり、3月ごろにはあたり一面が桜色に染まり、夏になると新緑の緑、秋には美しい紅葉が萌え、色とりどりの景色に心が躍ります。

さらに高見山を特徴づけるのが冬景色です。12月ごろから高見山のアクセスポイントとなる榛原駅から高見山登山口まで、雪山登山客のための霧氷バスが運行されます。初心者の方はガイドやベテランの方といっしょに雪山登山の計画を。

初級者から上級者まで難易度いろいろ

高見山は、標高1248mとさほど高い山ではなく、登山道もしっかりとしているため、初心者でも登れる山です。また、冬の雪山登山では、ある程度の登山経験が必要とされるため、中級者以上の方が楽しく登ることができます。さらに、1000m級の山が連なる峰御を連泊しながら縦走するなど、難易度に合った楽しみ方も可能です。

このように、高見山では、初心者から上級者まで、その難易度に応じたルートを楽しむことができます。

春夏秋冬の景色を楽しむ高見山の登山コース6選

高見山の登山コースは、同一ルートを往復するピストンコース、別のルートと組み合わせるコース、近くの山を縦走するコースなど、さまざまなコース設定が可能です。天候や体力、経験に応じた登山計画を立てて、高見山登山を楽しみましょう。

①たかすみ温泉~高見山ルート

【難易度:初級者~、コースタイム:登り2時間半、下り2時間】

このルートは、たかすみ温泉から高見杉、杉谷・平野の分岐を経て、高見山の山頂を目指すルートです。雪山登山の場合、経験や体力に合わせて歩行時間を計算しましょう。

たかすみ温泉の裏手に位置する高見川沿いを経て、赤い橋を渡ると、登山口入口に道標が出てきます。民家の脇から山道へ入ると、整備された登山道に。ここから本格的な登山がスタートします。

高見山山頂を目指す登山ルートのポイント


登山道を進んでいくと、木漏れ陽の杉や檜の林の途中に高見杉が立ちはだかります。ここまではおよそ40分、樹齢700年といわれる老木で、避難小屋もあるポイントです。ここから登りが徐々にキツクなり、ガレ場を抜けると木の階段に。杉谷・平屋分岐までおよそ30分。ここから高見山山頂までは急登が続きます。

ブナの林を抜けると、神武天皇が見渡したとされる国見岩、言い伝えのある揺岩や笛吹岩などの見どころが点在。見晴らしがよくなり、さらに進むと山頂の高角神社の境内が見えてきます。

②高見登山口~高見山ルート

【難易度:初級者~、コースタイム:登り2時間、下り1時間50分】

こちらのルートは、①のたかすみ温泉ルートと組み合わせて登山コースとする方が多いルートです。登山のスタートは旧伊勢南街道で、石畳のような歴史ある道を進んでいきます。途中、撞木(しゅもく)松、古市(ふるいち)跡など、当時を思わせる説明が書かれた看板が見えてきます。天狗岩、雲母曲(きららひじ)を経由し、小峠の分岐。

ここから急坂を登ると、①のコースの杉谷・平野分岐に通じます。また、そのまま急伊勢南街道を進めば、大峠の別称を持つ高見峠を経由して高見山山頂へと行くコースになります。

高見山山頂を目指す登山ルートのポイント

小峠分岐から急伊勢南街道を進むルートは、ゆるやかに下り、苔むした岩がゴロゴロする景勝ポイントを通過します。高見峠の入口には県境標やトイレもあり。急登の高見峠には、途中、ススキが広がる休憩広場もあります。

つづら折りのキツイ登山道を登りきると、山頂の高角神社が見えてきます。山頂のすばらしい景色を堪能したら、ピストンまたはたかすみ温泉ルートなどを使って下山しましょう。

③高見峠~高見山ルート

【難易度:初級者~、コースタイム:登り1時間、下り45分】

高見山登山ルートの中で、もっとも山頂に近い登山口からのルートがこちらです。ここから山頂まで1時間ほどなので、体力のない方、小さな家族連れの方、はじめて登山する初心者の方などは、こちらから高見山山頂を目指すのもおすすめです。

高見峠から高見山山頂までは、つづら折りの急な登りとなります。時折、後ろを振り返ると、国見山の遠景も美しく見えますので、途中の休憩時にはぜひ周囲の景色にも目を投じてみましょう。

高見山山頂を目指す登山ルートのポイント

高見峠から高見山山頂までのピストンルートは往復2時間程度です。最短で高見山山頂にたどり着きたい方は、こちらのルートを選びましょう。また、この高見峠は、国見山へ行く縦走ルートのスタートポイントとしても有名です。体力や歩行時間などを考慮して、別のルートを楽しむのもおすすめです。

なお、高見峠のあたりはドライブコースとしても知られています。大きくワインディングする道となっていますので、ドライブも合わせて楽しみたい方はぜひアクセスルートを工夫してみて。

④舟戸登山口~高見峠~高見山ルート

【難易度:初級者~、コースタイム:登り2時間、下り1時間30分】

こちらのルートは、舟戸登山口から高見峠を経由して、高見山山頂を目指すルートです。舟戸登山口から和歌山街道と呼ばれる歴史ある道を進んでいきます。人工林で幅の広い林道なので、歩きやすく、また、蘇我入鹿のものといわれる五輪の塔、江戸時代の茶屋跡など、情緒あふれる立ち止まりスポットも点在します。

こちらの登山道は整備され、急ではあるものの、足元に注意すれば快適な登山時間を満喫できます。下山では、別のルートを使うのもおすすめ。

高見山山頂を目指す登山ルートのポイント

舟戸登山口から国道166号線を波瀬地区へと進んでいくと、昔懐かしい趣の街道となります。和歌山街道の宿がおかれていた波瀬本陣跡、さらに進んでいくと、陶芸の森「虹の泉」や波瀬植物園、口窄口🚏から細い路地を入っていくと、子授かりの寺として有名な泰運寺となります。

このあたりは、散策路としても有名で、真夏の7月中旬から下旬ごろには、波瀬ユリが美しい花を咲かせます。時間があればぜひ立ち寄りたいです。


⑤高見山・黒石山・天狗山縦走コース

【難易度:中級者~、コースタイム:6時間半】

この縦走コースは、たかすみ温泉からスタートし、いくつもの峰を歩き、登山の最後に温泉で疲れを癒してから帰ることができるすばらしいコースです。高見山までは①のルートを参考に、山頂まで登ります。

その後、天狗山へ向けて大ガレ、讃岐峠分岐を経て、天狗山へ。天狗山からは右の巻き道ではなく、左へ歩を取り、大天狗岩を経由して船峯山へ。ここから黒石山、差杉峠(西杉峠)までアップダウンの多い登山道に。

高見山山頂を目指す登山ルートのポイント

黒石山から林業用のマーカーがあちこちに点在し、ルートがわかりにくくなります。コンパスやGPSなどで位置確認して進みましょう。黒石山から高井山に到達したら、東側の尾根へ。差杉峠への下りは要注意。

この差杉峠には役の行者の像が祀られ、ここからしばらく笹やぶが続きます。次第に沢沿いを進み、林道出合から林道へ。瀧野(県道28号線との出合)、その後、しばらく車道を歩き、たかすみ温泉へと戻ってきます。

⑥台高山脈北部縦走ルート

【難易度:中級者以上、コースタイム:10時間半】

こちらのルートは、1泊2日で登山計画を立てたほうがいいルートです。スタートは大又の登山口で、薊岳から明神平へと歩きます。明神平でテント泊、翌朝、国見山、伊勢辻山、雲ヶ瀬山、高見峠、高見山と峰を渡り、たかすみ温泉でひと風呂浴びて帰路に着くというルートとなります。

このルートには、多くの山が連なっているため、さまざまなコース設定が可能です。途中、ルートから外れやすい箇所があるため、コンパスで現在地を確認しながら進む必要もあり。

高見山山頂を目指す登山ルートのポイント

日帰りで縦走を考えてらっしゃる方は、薊岳に登らず、大又林道終点から明神平に登り、高見山も山頂まで登らず、高見峠まで行くルートにするという方法もあります。

時間と登山スケジュールによってコース設定はいろいろできますので、周辺の山への登山も考慮して、体力や難易度を考えて、登山計画を立てましょう。ただし、この縦走ルートは、地図やコンパスを使って現在地をしっかりと確認できるほどの登山経験も必要とされますので、無理をしないで臨みたいです。

高見山の登山ルートへのアクセス方法

①たかすみ温泉(たかすみの里)

高見山からの下山後にたちよりたいたかすみ温泉。公共交通機関によるアクセス方法は、近鉄榛原駅からバスを利用します。車の場合、国道166号線から県道28号線を経由してアクセスします。たかすみ温泉には30台以上駐車できる駐車場があります。駐車場にトイレあり。高見山の登山口へは、高見川沿いを歩き、赤い橋を渡ると登山口への道標があります。

たかすみの里

  • 住所
    〒633-2303
    奈良県吉野郡東吉野村平野
  • 電話番号
    0746-44-0777
  • アクセス
    近鉄榛原駅または大和上市駅からバスにて45分、たかすみ温泉バス停下車名阪国道針ICより国道369号線、国道166号線、県道28号線で約35kmほど
  • 公式サイトURL
    http://higashiyoshino.com/pg66.html

②高見登山口

公共交通機関でアクセスする場合、近鉄の榛原駅で下車し、東吉野村役場[15]行きのバスで鷲家バス停で下車、その後、東吉野村が運行するふるさと号にて杉谷方面行に乗車し、高見登山口で下車します。ただし、週末は事前予約が必要なので、東吉野村役場に要予約。なお、冬季限定で霧氷バスの臨時運行があります。

車でのアクセス方法は、国道166号線を目指します。ただし、高見登山口付近には駐車場がなく、車でアクセスする場合、駐車場がないため、公共交通機関を利用するか、①のたかすみ温泉経由での登山計画がベター。


③高見峠

高見峠へは車でアクセスします。国道166号線から側道に入っていくルートです。「高見峠」の道標はあちこちに点在しているため、とくに迷うことなくたどり着けるはず。

高見トンネルをはさんで、奈良側からも三重側かわらもアクセスできます。奈良川は凍結時は通行止めとなり、三重側も冬期には積雪が多いため、スタッドレスタイヤやチェーン必須。駐車場には10代程度のスペースあり。トイレもありますので、準備して山頂を目指しましょう。

④舟戸登山口

舟戸登山口はいささかわかりにくいところにあります。国道166号線を波瀬集落を過ぎ、落方トンネルの手前から舟戸川(櫛田川)に沿って上流へ登ります。この先に舟戸集落があり、この最後の民家を通り過ぎたところに、歩行者用の橋があります。ここが登山口となります。

この橋の向かいの道路は広くなっていて、ここで駐車可能。ただし、3台程度しか駐車できないため、注意が必要。

⑤大又登山口

国見山などから高見山までの縦走をする際に利用する大又登山口。マイカーでアクセスする場合、国道169号線から県道262号線などに入って、県道220号線を進んでいくと、一般車両が侵入可能な終点に駐車場があります。ここが大又林道駐車場です。

この手前、1kmほどに笹野神社がありますが、駐車スペースがありません。薊岳を目指す方も、大又林道駐車場を利用し、神社まで引き返すことになります。鳥居の右側に「薊岳」の道標あり。

高見山登山から三重や奈良観光へ出かけよう

奈良県と三重県の県境に位置し、3月の桜の季節、秋の紅葉、冬の霧氷など、見どころの多い高見山。12月ごろからはじまる雪景色を楽しみたい初心者の方は、ガイドなどのベテラン登山家とともに、白銀の世界を登山する楽しみもあります。季節を問わず、高見山登山から、近くの観光へと足を伸ばす小旅行の計画を立てましょう。

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