ペチュニアについて
基本情報
科名・属名 | ナス科・ペチュニア属 |
原産地 | 南アメリカ、ウルグアイ |
英名 | petunia |
学名 | petunia×hybrida |
植物分類 | 多年草 |
開花期 | 3月〜11月 |
ペチュニアはウルグアイで発見され日本に伝わりましたが、寒さに弱い特徴があるためあまり人気のない花種でした。しかし、日本で品質改良が進み「サフィニア」が誕生したことから人気に火がつき、現在はさまざまな種類のペチュニアが花壇をいろどっています。今ではガーデニングに欠かせない主役級の多年草の植物です。
特徴
ペチュニアは種類が豊富で一重咲きから八重咲き。大きさも小輪なものから大輪なものまであり、色に至っては無い色は存在しない程の種類があります。本来多年草の植物ですが冬の時期には枯れてしまい、冬越しできないのが特徴です。また梅雨になると少し元気がなくなりますが、切り戻しやお手入れをすることで再び開花します。お手入れも簡単なのでこれからガーデニングを始める人におすすめです。
花言葉
ペチュニア全般の花言葉は「あなたと一緒なら心がやわらぐ(your presence soothes me)」「心のやすらぎ」「心がなごむ」などがあります。その他にも色別で花言葉があります。赤色「決して諦めない」、青色「ためらう気持ち」、白色「淡い恋」ピンク色「自然な心」、紫色「人気者」、黒色「危険な愛」など、ペチュニアの色によってさまざまな花言葉があります。ペチュニアをプレゼントする場合、贈る相手によって変えてみるのはいかがでしょうか。
開花時期
花を咲かせる期間が3月から11月までと長いペチュニアは、次々に可愛い花を咲かせてくれます。一方、高温多湿を嫌うため梅雨時期になると病気になりやすくなるのが特徴です。またこの時期に、花にも元気がなくなるので思い切って切り戻しを行い風通しをよくしておきましょう。ペチュニアは上手に栽培できれば2、3度繰り返し花を楽しむことができます。本来多年草植物なのであたたかい場所であれば冬越しも可能です。
ペチュニアの育て方⑴日当たりと置き場所
日当たりの良い場所で育てよう
ペチュニアは日光のよく当たる場所に置き、風通しの良いところで育てるのがポイントです。日に当てることで次々と新しい花を咲かせてくれます。日照時間が短いと花付きが悪くなるので注意が必要です。また梅雨の時期になると病気になったり、枯れることがあります。しっかりと剪定を行い、お手入れをしてあげることで春から秋まで長い期間花を楽しむことができます。
置き場所
ペチュニアは雨に弱いのが特徴です。雨の場合は軒下などに鉢植えを移動させてあげます。そうすることで花びらが破れたり、病気になることを防ぐことができます。また、ペチュニアは花弁が薄いので雨に濡れてしまった場合、こまめに花がらを摘んだり、枯葉を取り除くなどのお手入れを欠かさないようにしましょう。多年草の植物ですが冬には枯れてしまうので翌年新しく買い直すか室内で育てるようにしましょう。
ペチュニアの育て方⑵水やり
地植えの水やり
地植えの場合、基本は雨だけで育ちますが、雨の降らない日が続く場合は3日に1回のペースで水をあげます。水のあげすぎは病気の原因になることもあるので気をつけましょう。また、水やりや雨で跳ね返った土が葉につくことで病気になることがあります。水やりの際は優しくあげるようにして、土がついた時は落としてあげましょう。
鉢植えの水やり
土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげましょう。涼しい時期は水のやりすぎには注意が必要です。根腐れをおこしたり、病気にかかりやすくなるので毎日水をあげる必要はありません。土の状態を確認しながら水やりをします。夏場は土がすぐに乾くので、朝夕2回あげることもあります。また、ペチュニアは成長が早くすぐに株が混み合って来るのが特徴です。こまめにお手入れを行いましょう。
ペチュニアの育て方⑶用土・肥料
土の選び方
保水性が高く、通気性の良い土が適しています。市販で売られている草花用の培養土は花つきもよくなるのでおすすめです。
自分で土をブレンドする場合は赤玉小粒7、腐葉土3の割合で混ぜ合わせます。植え付ける時は肥料(元肥)を混ぜるようにしましょう。ペチュニアは開花期間が春から秋までと長いので、土は毎回新しいものを使うようにしましょう。
肥料の与え方
ペチュニアは長く花を咲かせるため肥料がとても大切となります。植え付けてから2週間たったら、液体肥料を10日〜2週間に一度のペースで与えると花つきが良くなります。だだし、弱っている時は肥料をうまく吸収できないので控えましょう。また、切り戻しを行った時は暖候性の肥料を与えます。
ペチュニアの育て方⑷ 種まきと植え付け
植え付けについて
ペチュニアは4月〜5月の間が一番植え付け適した時期です。梅雨の時期までににしっかりと根付かせておくことが大切です。梅雨に入ってから植え付けると上手く開花しなかったり、蒸れて株全体が枯れてしまうことがあるのでやめておきましょう。また、植え付ける時はあらかじめ混み合っている葉を取り除いて風通しをよくしておくことが大切です。
種まきについて
ペチュニアの発芽適温は20℃〜25℃と高いので種まきの時期は4月〜5月が適しています。しかし、その時期でも気温の低い時は室内で種まきをすることをおすすめします。種は大変小さくつぶれやすいので、紙の上で優しく叩きながら、重ならないように蒔くのがコツです。また、好光性種子のため土はかぶせず、霧吹きで水をあげると10日前後で発芽します。
ペチュニアの育て方⑸増やし方
挿し木での増やし方
ペチュニアは種での増やし方と挿し木での増やし方があります。挿し木で増やす場合、真夏と冬を避けて行います。
種のない枝を10センチ程残して切り取ります。その時葉を2、3枚残すようにします。1時間ほど発根促進剤を入れた水に付けておきます。その後、赤玉土に割り箸などで穴をあけそっと挿し木を行い、たっぷり水を与えます。数日間は日陰に置いておき、少しずつ日に当たる時間を伸ばしていきましょう。発根したかどうかわからない時は軽く引っ張った時、抜けずに抵抗があれば成功です。
ペチュニアの育て方⑹剪定の方法
摘芯の行い方
ペチュニアの花をたくさん咲かせるため摘芯(ピンチ)を行いましょう。咲いている花を摘み取るので躊躇してしまうかもしれませんが、摘芯をすることによって花にボリュームを出すことができます。
摘芯は真ん中の茎の先端にある成長点を手で摘み取ります。するとその下から脇芽が出てきます。それを繰り返すことによって1株でこんもりと咲かせることができます。
切り戻しの仕方
ペチュニアにとって切り戻しはとても大切な剪定の一つです。梅雨に入る前に行いましょう。切り戻しの方法は下に葉がある枝の部分を10センチ残してカットします。その時に葉を全て落としてしまうと枯れる場合があるので注意しましょう。少し勇気が入りますが思い切って切り戻してあげることで再びきれいに花を咲かせてくれます。
植え替えについて
ペチュニアはとても成長が早いので、すぐに根がパンパンに詰まってしまいます。早めに植え替えを行うようにしましょう。植え替えの際はふたまわり程大きい鉢を用意し、根っこを少しほぐしてから植え替えます。その時、黄色くなった葉は切り落として花がらもきれいに摘んでおきましょう。
ペチュニアの育て方⑺病害虫
灰色カビ病
カビ(糸状菌)が原因で発病します。最初は水がしみたような淡褐色の病斑ができ、少しずつ腐敗していきます。最後は灰色のカビが葉に広がりやがて枯れるでしょう。多湿になったり、花がらや枯葉をそのままにしてしまうことが原因です。風通しを良くしてこまめにお手入れするようにしましょう。
うどんこ病
うどんこ病もカビ(糸状菌)が原因で発症します。葉の表面に白いカビの斑点ができ、次第に全体に広がります。最後は白い粉をかけたような状態になります。見つけたらすぐに薬剤で処理をしましょう。時間がたってしまうと他の植物にも病気が広がります。
アブラムシ
アブラムシは、ガーデニングをしているとかなりの確率で遭遇します。繁殖力も強く気付いた時には茎にびっしりとついてることも多々あります。早めに見つけて対処しましょう。駆除の方法は、数が少ない場合、粘着の弱いテープを割り箸などに巻き付け、テープにくっつけて取り除く方法があります。数が多くなれば薬剤などで対処しましょう。
ナメクジ
ナメクジは夜間にどこからともなく這い出てきて、葉っぱや花を食べてしまいます。見つけたらすぐに駆除しましょう。少数であれば箸などでつまんで取り除きます。また、水で薄めた木酢などをまいておくのもおすすめです。頻繁に発生するようであれば薬剤を使用します。
ペチュニアの育て方⑻冬越し
冬越し
ペチュニアは多年草の草花なので、通年花を咲かすことができます。しかし、日本の寒い冬を乗り越えるには気温が低すぎるため一般的には一年草として育てることが多くなっています。もし冬越しさせたいのであれば、昼間は日当たりの良い場所で夜間は室内に取り込んで霜除け対策が必要です。ペチュニアの耐寒温度は5℃程度ですが、品質改良により一般のペチュニアよりも寒さに強い品種もあります。そういった品種を選ぶのもおすすめです。多年草とはいえ繰り返し冬越しさせると株が弱くなくので2、3年を目安に新しい苗に変えましょう。
ペチュニアの栽培の仕方
鉢植え
ガーデニング初心者の方に一番おすすめなのが鉢植えです。天候によって場所を変えることができるのでお手入れも簡単です。また、一つの鉢に種類や色の違うペチュニアを入れて育てる方法も、色鮮やかでおすすめです。形がくずれたら剪定をして整えてあげるといいですね。
花壇
ペチュニアは『花壇の女王』と呼ばれているので花壇に色鮮やかに咲かせるのもおすすめです。公園や庭先の花壇で栽培していることが多く誰にでも好印象を与えてくれます。ペチュニアは種類や色などバリエーションが豊富なので、ひとつの花壇で種類の違うペチュニアを育ててみるのはいかがでしょうか。
寄せ植え
寄せ植えでの栽培方法も人気の一つです。一つあるとパッと華やかにしてくれます。存在感のあるペチュニアは寄せ植えにしたら主役の花として彩ってくれます。開花期間も長いので他の草花と一緒に長く楽しめるのがいいですね。また、プレゼントとしても喜ばれるので大切な人にペチュニアの寄せ植えを贈ってあげるといいですね。
ハンギング
ペチュニアをハンギングで栽培する方法です。ペチュニアは下に垂れ下がる特徴を持っているので、壁やフェンスに吊るすハンギングはとてもきれいに花を見せてくれます。また、庭やベランダが狭くてガーデニングを諦めている人でも気軽に飾ることができます。道端でハンギングのペチュニアが飾ってあると、思わず見惚れてしまいます。
おわりに
ペチュニアは水やりと肥料の管理を行い、丁寧にお手入れすることで長く開花してくれます。丈夫な草花なので枯れる心配も少なく比較的育てやすい植物です。開花期間が終わったと思っていても、切り戻すことで再びきれいに花を咲かせてくれます。ガーデニング初心者の方にも育てやすくおすすめの草花です。ペチュニアは多年草の植物なので冬越しすることも可能です。色鮮やかなペチュニアを育ててガーデニングを楽しみましょう。
ペチュニア以外のお花の栽培方法が気になる方はこちらをチェック!
今回はペチュニアの育て方についてお伝えしましたが、当サイトではペチュニア以外にもさまざまなガーデニング植物について紹介しています。他の植物について知りたい方は、下記のリンクから気になる植物をチェックしてみてくださいね。

プランターで綺麗な花を育てよう!初心者のためのガーデニング始め方ガイド!
花を育てることは小さな自然に触れること。地植えでなくても、プランターで綺麗に花を咲かすことができます。ここではプランターで始めるガーデニング...

アリッサムの育て方!ガーデニング初心者でも枯れずに夏越しをする方法は?
長期間花を咲かせる人気のアリッサム。通常一年草として扱われていますが、多年草のように長く栽培させる方法をご紹介します。ガーデニング初心者でも...

日々草の栽培方法と育て方!剪定や植え付け・切り戻しのコツもご紹介!
日々草の育て方をご存知でしょうか?夏に楽しめる元気いっぱいの花と言えば日々草です。日々草はとても丈夫な花であり、剪定・切り戻し・摘芯といった...