空に近い花畑が絶景!飯豊山の登山コースや難易度をご紹介!装備の注意点も!

空に近い花畑が絶景!飯豊山の登山コースや難易度をご紹介!装備の注意点も!

福島・山形・新潟にかかる飯豊山は、お花畑で有名な百名山です。登山の難易度は高く、1,500メートル前後の標高差があるため、日帰り登山は最短コースでも難しいといわれています。三県にある飯豊山の主な6コースの詳細や装備など、飯豊山登山の注意点についてご紹介します。

記事の目次

  1. 1.飯豊山は飯豊連峰の主峰
  2. 2.飯豊山の難易度・注意点
  3. 3.飯豊山のおすすめ時期
  4. 4.飯豊山のおすすめ登山コース6選
  5. 5.飯豊山登山の装備と服装
  6. 6.飯豊山の登山は1泊2日以上で満喫!

飯豊山は飯豊連峰の主峰

磐梯朝日国立公園内にある標高2,105メートルの飯豊山(別称:飯豊本山)は、飯豊連峰では2番目の高さを誇る主峰です。山形県・福島県・新潟県の三方向から2,000メートル前後の山が連なり、その中心部分にあります。

飯豊連峰の最高峰は西側にある大日岳(標高2,108メートル)ですが、飯豊山は堂々とした風格・山岳信仰の拠点・高山植物の豊富さなどの理由から飯豊連峰の盟主とされているのです。

いびつな県境

飯豊山の山頂は福島県喜多方市に属していますが、地図を見ると山形県・福島県・新潟県の県境は何ともいびつな形です。その原因は、飯豊山の山頂だけが山形県と新潟県境に深く割り込んだ飛び地になっているからなのです。

飛び地の理由は、明治時代の廃藩置県で新潟県への編入に反対した福島県の意向に沿ったため。県境の形はいびつですが、盟主の飯豊山を大切に思い続けた福島県人の真っすぐな心意気を感じます。

飯豊山の難易度・注意点

飯豊山の登山は難しいとされ、レベルは高く、重装備で飯豊山の長時間歩行に耐えられる中・上級者向け。全ての登山口の標高は500メートル前後で、標高差は1,500メートルほどのため、最低でも1泊2日の山小屋泊かテント泊の装備などの準備が必要です。

登山口も奥深い場所にあり、主なアクセス手段は車です。飯豊山は初心者が安易にアクセスして登山できる山ではないため、他の山で十分な経験を積んでから挑戦しましょう。

飯豊山のおすすめ時期

Photo bycobaltstock

飯豊山のおすすめ登山時期は、やはり新緑や高山植物が美しい6月中旬から紅葉の10月中旬です。

飯豊山は山並みの美しさで知られていますが、お花畑の美しさでも有名。大日杉小屋コースの地蔵岳付近のヒメサユリ、飯豊山頂近くの草履塚のヒナウスユキソウ、御西岳までの稜線のイイデリンドウ、チングルマ、ニッコウキスゲのお花畑が見ものです。難しい飯豊山を登り切った、飯豊山からのかけがえのないご褒美を堪能しましょう。

飯豊山のおすすめ登山コース6選

飯豊山は山形県・福島県・新潟県に接しているため、三方の山々の尾根伝いに登山道があります。飯豊山を中心にして放射状に登山道が延びているのです。

飯豊山の登山コースは、あまり使われていないルートも含めると8つほどあり、それぞれ難易度や見所が異なります。最短ルートも含めて難しいながらも、全く飽きの来ない登山ができるのです。これらのコースから、福島県2つ・山形県2つ・新潟県2つを取り上げました。

①川入登山コース

福島県の川入コースは、飯豊山の稜線に出るまでの約3時間30分の長坂尾根が最大の特徴です。展望のないブナ林の長い登りのため、ある意味で難関といえます。長坂以降の注意点は、鎖場のある剣ヶ峰や岩尾根、急登などですが、水場やお花畑、展望なども楽しめる比較的難しくないルートです。

宿泊の山小屋は本山小屋のほかに、ルート上に2ヶ所あります。標高差は1,637メートル、目安時間は登りが約10時間、下りは約7時間。

コースタイム

川入バス停(30分)→御沢登山口(3時間30分)→〈長坂尾根〉→地蔵山分岐(1時間30分)→三国小屋※秡川コース合流(2時間30分)→宿泊候補:種蒔山・切合小屋※大日杉登山コース合流(1時間45分)→〈草履塚・姥権現・御秘所〉→宿泊候補:本山小屋(15分)→飯豊山 

※宿泊は1泊2日ですが、種蒔山の切合小屋にすると体力の消耗を防げます。飯豊山頂の野営指定地でテント泊も可能。

登山口までのアクセス

川入登山口

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住所〒969-4108
福島県喜多方市山都町一ノ木
アクセス鉄道・バス/JR磐越西線山都駅下車。山都駅発で町営バスあり。本数が少ないのでタクシー利用がベスト。車/磐梯道路会津坂下ICから約35キロメートルで御沢野営場。
駐車場あり

②秡川登山コース

福島県の弥平四郎集落に登山口がある秡川コースは、途中の種蒔山の切合小屋で1泊すればよいため難易度は中級レベル。飯豊山コースの中では、登山時間は最短なほうです。飯豊山稜前の疣岩山(いぼいわやま)までの約3時間の新長坂は比較的ゆるやかな登りで、注意点は山頂近くの岩尾根。

疣岩山から大日岳・飯豊本山・三国岳が眺望できます。標高差1,667メートル、目安時間は登りが10時間15分、下りが6時間15分。

コースタイム

弥平四郎登山口(20分)→秡川山荘(2時間)→松平峠(1時間)→疣岩山(50分)→三国小屋※秡川コース合流(2時間30分)→宿泊候補:種蒔山・切合小屋※大日杉登山コース合流(1時間45分)→〈草履塚・姥権現・御秘所〉→宿泊候補:本山小屋(15分)→飯豊山 

※宿泊は1泊2日ですが、種蒔山の切合小屋にすると体力の消耗を防げます。飯豊山の野営指定地でテント泊も可能。

周回コースも楽しめる

弥平四郎登山口からの秡川コースは、疣岩山を周回するルートがあります。飯豊山に登るときは新長坂ルート利用で問題ありませんが、下山時に余裕があるときは、疣岩山から巻岩山を回り込んで戻ってくるのもよいでしょう。

疣岩山から標識のない巻岩山に下り、アップダウンを幾度か繰り返すと新潟県境の上ノ越に到着します。先は見事なブナ林の急坂の連続ですが、ゆっくり下ると弥平四郎登山口を経て弥平四郎集落に戻れます。

登山口までのアクセス

秡川登山口

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住所〒969-4731
福島県耶麻郡西会津町奥川字飯根弥平四郎
アクセス鉄道・バス/町営バスは弥平四郎自治区まで。自治区から登山口までは徒歩1時間。車/JR磐越越西線の野沢駅から約1時間。「弥平四郎」集落から林道入口に入って「祓川駐車場」まで15分ほど。
駐車場あり

③大日杉登山コース

山形県にある大日杉コース(標高612メートル)は、飯豊山の中では登りやすい最短コース。注意点は登山開始後のザンゲ坂という長い鎖場の急登ですが、地蔵岳以降は比較的ゆるやかです。三国岳で川入コース・秡川コースと合流し、アップダウンの尾根道やお花畑、雪渓などを経て本山小屋に到着です。

標高差1,493メートル・片道歩行距離11キロメートル・登りの所要時間約9時間。登山口にも山小屋があるため前泊も可能。

コースタイム

Photo by ngcurly

大日杉小屋(3時間)→〈ザンゲ坂〉→地蔵岳(1時間30分)→御坪(1時間30分)→〈ダケカンバ林〉→宿泊候補:種蒔山・切合小屋※大日杉登山コース合流(1時間45分)→〈草履塚・姥権現・御秘所〉→宿泊候補:本山小屋(15分)→飯豊山 

※日帰り登山をする人もいますが、宿泊がおすすめです。行程は最低でも1泊2日で、種蒔山の切合小屋にすると体力の消耗を防げます。飯豊山頂の野営指定地でテント泊も可能。

登山口までのアクセス

大日杉小屋登山口

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住所〒999-0436
山形県西置賜郡飯豊町岩倉640
アクセス鉄道・バス/バスはないため羽前椿駅からタクシー。車/大日杉までは国道113号の手ノ子付近から約35キロメートル。
駐車場あり

④ダイグラ尾根登山コース

山形県の飯豊山荘から開始する飯豊山一直線のダイグラ尾根登山コース(標高406メートル)は、飯豊山登山で一番高い難易度とされています。危険個所の多さから注意点も多く、特筆すべきが切歯尾根との異名がある、急峻で長い尾根のダイグラです。特に下山時は集中力が切れやすいため慎重に進みます。

標高差1,699メートル・登りの歩行距離11キロメートル・登り所要時間9時間、山小屋は本山小屋しかなく、1泊2日の行程。

コースタイム

飯豊山荘(30分)→温身平(1時間20分)→檜山沢出合(3時間30分)→休場ノ峰(2時間30分)→〈千本峰・ダイグラ尾根〉→宝珠山(2時間)→飯豊山(20分)→※宿泊:本山小屋(山小屋)

登山口までのアクセス

ダイグラ尾根登山口

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住所〒999-0436
山形県西置賜郡飯豊町岩倉640
アクセス鉄道・バス/小国駅から小国町営バスで飯豊山荘へ。車/国道113号から県道15号・260号線を南進し、小玉川集落と梅花皮荘の分岐も過ぎ、山道を4キロメートル進めば到着。
駐車場あり

⑤足ノ松尾根登山コース

新潟県の秘境と呼ばれている奥胎内からの足ノ松尾根登山口(標高424メートル)コースは、長丁場のため3泊4日は必要。大石山(北側に朳差岳)・門内岳・烏帽子岳・御西岳を経ての飯豊山となり、飯豊山から2時間で大日岳への登頂もできますが、十分な体力が必要な上級者レベルです。

下りは、飯豊山での中では最短レベルの秡川コースへ縦走します。標高差は1,617メートル、目安時間は登りが25時間、下りは6時間20分。

コースタイム

奥胎内ヒュッテ(1時間)→足ノ松尾根登山口(4時間30分)→大石山(50分)→宿泊:頼母木小屋(3時間50分)→梅花皮小屋(1時間10分)→烏帽子岳(2時間50分)→宿泊:御西小屋(1時間40分 ※大日岳まで2時間)→飯豊山(20分)→本山小屋(1時間40分)→宿泊:切合小屋(1時間30分)→三国岳(1時間)→疣岩山(2時間30分)→〈新長坂〉→秡川山荘(1時間20分)→弥平四郎登山口。

エスケープルート

この飯豊山登山コースは長丁場のため、飯豊山頂に行くまでに途中で体調を崩したり天候が悪くなったりした場合は、エスケープルートを使って飯豊山荘へ行きましょう。

飯豊山荘へのエスケープルートは2ルートあり、頼母木小屋から1時間ほどの丸森尾根(標高1,000メートルほど)か、さらに1時間10分先の門内岳手前の梶川尾根(標高1,600メートルほど)になります。

登山口までのアクセス

足ノ松尾根登山口

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住所〒959-2661
新潟県胎内市下新沢胎内山1202-49
アクセス鉄道・バス/JR羽越線中条駅下車。バスはないためタクシーか車での利用。中条駅から約29キロメートル。車/日本海東北自動車道中条ICから胎内川沿の県道53号より、胎内第一ダム方向に約33キロメートル。
駐車場あり

足を延ばして朳差岳

朳差岳(標高1,636メートル)は、奥胎内ヒュッテ登山口から大石山(標高1,562メートル)までの足ノ松尾根登山コースを利用します。登山口から山頂までは片道歩行で約6時間10分かかるため、難易度は上級者向けです。日帰りではなく朳差岳避難小屋泊りの1泊2日のコースとなります。

朳差岳は標高が1,700メートルもありませんが森林限界のため、日本海や南側の飯豊連峰、朝日連峰も見渡せる絶景です。

⑥実川登山コース

新潟県の実川登山口(標高670メートル)コースは、ダイレクトに飯豊連峰の最高峰である大日岳に登山できますが、難易度は上級レベルです。注意点は、長い林道歩きをしなければいけない点や、山頂到着までの山小屋が湯ノ島小屋の一か所しか無い点、エスケープルートが無い点、飯豊山を目指す登山者がほとんどいない点です。

標高差1,458メートル、大日岳までの目安時間は、登りが12時間10分、下りは9時間。

コースタイム

実川登山口(3時間30分)→湯ノ島小屋(3時間)→月心清水(3時間)→〈おんべ松尾根〉→櫛ヶ峰稜線(2時間40分)→大日岳(1時間)→宿泊:御西小屋(1時間40分)→飯豊山 ※飯豊山町の野営指定地でテント泊も可能。

登山口までのアクセス

実川登山口

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住所〒959-4303
新潟県東蒲原郡阿賀町日出谷
アクセス鉄道・バス/バスはないため、タクシー利用。JR磐越西線津川駅から約75分。車/5台分ほどの駐車スペースあり。
駐車場あり

番外:石転び沢コース他

石転び沢コースは飯豊山を目指すルートではなく、山形県の梅花皮岳(かいらぎだけ)や新潟県の朳差岳(えぶりさしだけ)へのルート。梅花皮小屋とダイグラ尾根コースの温身平をつなぎますが、クレバスも多い雪渓歩きのアイゼンが必須なルートのため危険です。ブログで紹介されていますが、関係機関はおすすめしていませんのでご注意ください。

北股岳のおういんの尾根コースは、加治川沿いの林道が土砂崩れのため利用できません。

飯豊山登山の装備と服装

登山時の装備

Photo bycsharker

飯豊山の登山装備は、宿泊用の装備を準備してください。シュラフや着替え、防寒具、ヘッドランプ、タオル、コップ、歯ブラシ、宿泊分+非常食、サブバッグなどの準備が必要で、テント泊はマットも準備しましょう。

注意点は、軽量化を図りながらも体力が消耗しないよう工夫すること。万が一のことを考えて地図やコンパスも準備しましょう。地図は、周りの山を確認するのにも役立ちます。時期とルートによってはアイゼンも必要です。

服装

Photo byPexels

登山時の服装は重ね着が基本です。テント泊にしても山小屋泊にしても、飯豊山の夜は非常に冷え込むため、防寒具は必ず準備しましょう。防寒具の種類は、フリースのほかにVネックか丸首のセーター、ダウンジャケット、ズボンの上に履く防寒パンツもあると便利です。

調理の際に役立つ指無し手袋、毛糸の帽子、ネックウォーマーもあると重宝します。雨具も、真夏の降水確率が0パーセントでも必ず準備しましょう。

飯豊山の山小屋事情

飯豊山にはルートによっては複数の山小屋が設置されてあり、有料で利用(協力金)できます。注意点は食事についてで、切合小屋以外の山小屋は食堂などのない避難小屋のため、食事の用意は自分でしなければいけません。山小屋利用でもテント泊の場合でも、料金を管理人に支払って利用しましょう。

今回紹介した登山ルート上の管理人常駐山小屋は、本山小屋・切合小屋・三国小屋・頼母木小屋・梅花皮小屋・御西小屋です。

飯豊山の登山は1泊2日以上で満喫!

Photo byAG2016

飯豊山は、最短ルートの大日杉登山コースでも登りの所要時間が約9時間かかります。飯豊山の登山は日帰りは避けて、1泊2日以上の準備をして出かけましょう。テント泊でも山小屋泊でも、必ず充分な準備をしてください。

ルートによって飯豊山登山の難易度が異なりますが、季節のお花畑が出迎えてくれるので、いずれのルートも登山のし甲斐があることでしょう。登山経験が少ない人はベテラン同行でぜひ飯豊山をお楽しみくださいね。

東北の山が気になる人はチェック!

東北には飯豊山以外にも素晴らしい山がたくさんあります。まずは有名どころから楽しんでみましょう。おすすめの東北の山を紹介しているので、ぜひチェックしてくださいね。

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ライター

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地形から、自然の成り立ちと人間の営みについて思いを巡らせるのが好きです。野山&街歩きを楽しんで四半世紀ですが、いつまでも【センス・オブ・ワンダー】を大切にし、多くの人と喜びをシェアできれば幸いです。


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