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磐梯山の登山ルートガイド!ベストシーズンや時間など交えておすすめコースを解説!

磐梯山は日本百名山に数えられ、猪苗代からは吾妻富士と呼ばれる山容と、自然な風景が広がる裏磐梯からも雄大な山容が眺められます。登山の醍醐味も味わえるポピュラーな山ですが、そんな磐梯山への登山のベストシーズンやおすすめのトレッキングルートなどをご紹介します。
2020年10月14日
Meigen Oka
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会津富士とも呼ばれる磐梯山

Photo by TAKA@P.P.R.S

福島県の猪苗代町、磐梯町、北塩原村にまたがり、主峰となる磐梯山の標高は1,816mであり、標高1,636mの櫛ヶ峰(くしがみね)、標高1,430mの赤埴山(あかはにさん)の三つの峰にて形成されています。流麗な円錐形をした山姿から会津富士とも称され、“会津磐梯山は宝の山よ”と郷土の民謡としても歌われて親しまれています。その昔、高い山容から、「天にも通じる磐(いわ)の梯子(はしご)である」ということから、磐梯山(いわはしやま)と呼ばれていたのが、後にバンダイサンと音読みされた経緯が山名の由来とされています。

磐梯山の大噴火

磐梯山は近来でも火山性地震を観測している安山岩質の成層火山(ほぼ同じ火口からの溶岩や火山砕屑物が重なり合い円錐状に形成された火山)です。大同元年(806)の大噴火によって猪苗代湖が作られ、明治21年(1888)には火山史上類を見ない大噴火によって北側の小磐梯山の半分以上が大崩落を引き起こして、山麓の11集落を埋没させての大災害をもたらしました。

裏磐梯の誕生

明治21年の大噴火によって主に北側の一帯の風景は一変してしまい、裏磐梯と呼ばれる地域が生まれます。長瀬川の流れが堰き止められ檜原湖や秋元湖の他大小の湖沼群が出現し、美しい風景の景勝地となりました。大爆発後の異様な山容の裏磐梯からの眺めは独特な趣があります。現在では五色沼を代表格に風光明媚な観光地として生まれ変わり、特に秋の紅葉シーズンは絵画の様な景観を作り出します。湖沼群を巡るトレッキングコースも整備されており、磐梯山への登山の起点にもされています。

磐梯山登山の心得

Photo by y_katsuuu

磐梯山は1888年の大噴火以降、大きな噴火などは起きてないものの火山性微動が度々観測されるなど、今でも活動を続けている山と言っても良いでしょう。登山の難易度もそれほど難しくなく、シーズンを問わず登山は可能ですが、まずは、無理のない登山計画を立て、日帰り登山であっても必要な服装及び装備は十分に整え、出発日の天候などの情報を確認しておきます。できれば単独行は避け、パーティーを組んで複数の人数で登ることをおすすめします。

入山者カードの提出

磐梯山登山に当たっては、例え日帰りトレッキングであっても、万一を考えて必ず入山者カードを提出しておきましょう。特に冬山の季節は登山の難易度が高く危険を伴います。登山届(入山者カード)の様式はダウンロードできますので、登山計画を立てたら福島県警察本部地域部『総合運用指令課』宛にファクスやメールで送っておくか、登山道入口に設置してある入山カードポストに投函しましょう。

磐梯山登山の服装と装備

Photo bymaxmann

山の状況にあった十分な装備が整えられると気持ちにも余裕ができ、楽しい山行を楽しむことができます。山の天気は変わりやすく、思わぬ事故や事態に遭うことがありますので、スニーカーではなくトレッキングシューズが必要です。防寒具を兼ねた雨具、飲料水、非常食の携行は忘れずにしましょう。基本としては、磐梯山の登山ルートを侮るとどんな事故が発生するかも知れませんので、必ずマップとコンパス、ヘッドランプ、携帯電話の充電器、無線機などの通信機器が用意できれば万一の場合を考えても万全です。火山での登山ですので、万一を考えてヘルメットの持参もおすすめします。

磐梯山おすすめ登山・トレッキングルート/初心者向き

Photo byFree-Photos

磐梯山は、猪苗代湖側からは秀麗な山容が眺められ、裏磐梯からは爆発によって生まれた荒々しい山肌の山容が見られます。吾妻連峰の端に位置していますが、本峰は1,818mの標高がある独立峰で、四方に裾野を伸ばしていて、登山入口へのアクセスが良いために春から夏、秋のシーズンには家族連れなど多くの登山者が訪れます。まずは、難易度としては低レベルの初心者向け登山ルートをご紹介しますが、トレッキングルートを見失うことも想定してマップは必携ですよ。

初心者向きトレッキングルートその①/八方台登山入口~磐梯山頂コース


磐梯山登山ルートとしては一番ポピュラーで、マップ通りに進めば最短の初心者の方にはおすすめ日帰りコースです。磐梯山ゴールドラインに登山口があり、駐車場、トイレなども整備されています。山頂までの高低差もそれほどきつくない難易度レベルも低い初心者向きのルートです。シーズンを問わず登山者が最も多く利用されています。登山道入口までのアクセスとしてはバスなどの運行はされていませんので、タクシーなど車の利用が必要です。

コース紹介

磐梯山ゴールドライン途中の登山道入口をスタートし、森林浴に最適なブナの樹林帯をしばらく歩くと展望が開け、磐梯山頂が見られます。バンダイ温泉中ノ湯跡の裏磐梯方面への分岐を過ぎ、湿原脇の木道を滑らない様に注意しながら進むと傾斜がややきつくなります。お花畑分岐から右手は近道ですが、左手のお花畑方向に向かうのがおすすめ。櫛ヶ峰の火山壁の眺めとシーズンに咲く高山植物を鑑賞しながら弘法清水で一休み。急登の磐梯山頂に登り、帰路は八方台に戻ります。

ルート基本DATA

【アクセス情報:日帰り、難易度(低)、距離約7.1km、標高差690m】
【ルートマップ参考所要時間:約4時間】八方台登山入口スタート⇒(40分)中の湯跡分岐⇒(70分)弘法清水(岡部小屋)(水場)⇒(30分)磐梯山頂⇒(20分)弘法清水⇒(50分)中の湯分岐⇒(30分)⇒八方台登山口ゴール

初心者向きトレッキングルートその②/表登山入口(猪苗代スキー場)~赤埴山~磐梯山コース

猪苗代スキー場の急なゲレンデを登ることからスタートし、岩石の多い登山道を歩き、途中の標高1,430mの赤埴山からの素晴らしい眺望を堪能したら、弘法清水から磐梯山頂を目指します。少し距離がありますので、日帰りコースですが前泊して余裕のある登山をすることがおすすめです。

コース紹介

猪苗代スキー場の表登山入口からスタート。スキーゲレンデを登り登山道に入ります。岩石が多いので注意して進み、赤埴山(あかはにやま)への分岐から赤埴山へと向かい、樹林帯を過ぎると赤っぽい地質の稜線に出て眺めの良い赤埴山に到着。沼の平分岐までは勾配も緩やかで、檜原湖も見えてきます。弘法清水で喉を潤しながら一息。急登を進めば直ぐに山頂到着です。猪苗代湖や裏磐梯など360度の風景を楽しんだら往路を戻り下山します。

ルート基本DATA

【アクセス情報:前泊日帰り、難易度(低)、距離約14.5km、標高差1,117m】
【ルートマップ参考所要時間:約7時間30分】表登山入口(猪苗代スキー場)スタート⇒(70分)一合目(天の庭)⇒(40分)赤埴山⇒(20分)沼ノ平⇒(60分)川上コース分岐⇒(30分)弘法清水⇒(30分)磐梯山頂⇒(20分)弘法清水⇒(20分)川上コース分岐⇒(40分)沼ノ平⇒(40分)赤埴山⇒(80分)表登山入口ゴール

初心者向きトレッキングルートその③/川上登山入口~磐梯山コース

秘湯と言われる国道459沿いに位置する川上温泉の登山道入口から、鬱蒼(うっそう)とした暗い樹林帯を進んで荒々しい噴火壁がそびえ立つ噴火口を巡って磐梯山頂を目指すルートです。ガレ場などがあり、降雨などによって地形が変わる場合がある登山道ですので、事前に確認が必要です。

コース紹介

川上温泉からの南登山口は閉鎖されていますので、北登山入口からスタートします。しばらくは自然味いっぱいの樹林帯を進むと、裏磐梯方面への分岐点の荒涼とした火口原に到着。シーズンによって山野草の花々を鑑賞できます。分岐周辺は土石流などの影響で迷いやすいので注意します。その先樹林帯の中の急登を進み、見晴らしが良く櫛ヶ峰が見える場所に出て、ガレ場に注意しながら表登山入口からの道と合流。弘法清水から山頂を目指します。

ルート基本DATA


【アクセス情報:日帰り、難易度(中)、距離約12.3km、標高差1,174m】
【ルートマップ参考所要時間:約7時間30分】川上北登山入口スタート⇒(30分)二股⇒(100分)火口原(分岐)⇒(80分)表登山口コース分岐⇒(30分)弘法清水⇒(30分)磐梯山頂⇒(20分)弘法清水⇒(70分)火口原(分岐)⇒(90分)川上北登山入口ゴール
 

磐梯山おすすめ登山・トレッキングルート/中・上級者向き

Photo by TAKA@P.P.R.S

磐梯山は、どのトレッキングルートも良く整備されて比較的安全に登ることができます。ほとんどのルートが日帰りで踏破できますが、初心者の方は、自身の体力に応じて時間的に余裕のあるコースを選び、シーズンの山野草の花々を楽しみながら歩くことが良いでしょう。ベテラン登山者は数種あるコースを自分なりにバリエーションルートマップを作り、磐梯山の新しい魅力を探りながら登山するのもおすすめです。

中・上級者向き登山ルートその①/翁島登山入口~磐梯山コース

翁島登山入口(グランドサンピア猪苗代リゾートスキー場)からの磐梯山頂コースは磐梯山頂まで標高差もあり、ほぼ直線上に登って行くルートです。急登が続くコースですが、会津盆地や遠く飯豊連峰などの山並みなど絶景も楽しめます。最短のルートですが、ガレ場のある急登が続きますので、難易度としては中レベルで健脚向きのルートです。

コース紹介

翁島登山道入口をスタートし、しばらくは広葉樹林帯の中を進みます。低木の樹林帯を抜けると一気に展望が開け、見上げると磐梯山頂、見下ろすと猪苗代湖が眺められます。ガレ場の急登を進んで山頂到達です。登山道沿いにはミヤマキンンバイなどの山野草の群落など花のシーズン中に見られます。帰路は往路を辿って下山します。

ルート基本DATA

【アクセス情報:日帰り、難易度(中)、距離約6.5km、標高差1,056m】
【ルートマップ参考所要時間:約6時間】翁島登山入口スタート⇒(210分)磐梯山頂⇒(150分)翁島登山入口ゴール

中・上級者向き登山ルートその②/渋谷(しぶたに)登山入口~磐梯山コース

ファミリースノーパークばんだいx2スキー場からスタートして、八方台登山入口をゴールとした日帰りコースです。鬱蒼(うっそう)とした樹林体を歩くルートで、シーズン中には高山植物の群落も鑑賞でき、登山者が少ないマイナーなコースですので静かな登山を楽しめるコースですが、急登があったり狭い登山道や崩落している個所など、迷いやすいコースでもあることから、経験度の高い上級者向けのコースです。十分な装備とマップ・コンパスは必携です。

コース紹介

ファミリースノーパークばんだいx2スキー場のゲレンデ上部からしばらく林道を渋谷登山入口まで草地を歩きます。登山道入口からは爽やかな樹林帯の中を進みます。登山道はリボンによって示されていますが、猪苗代コースとの分岐手前までは迷いやすいので注意。櫛ケ峰の山容を眺めながら、川上コース分岐から弘法清水を経て磐梯山頂を目指します。帰路は中ノ湯を経て八方台登山入口をゴールとします。

ルート基本DATA

【アクセス情報:日帰り、難易度(中)距離約11.5km、標高差1,260m】
【ルートマップ参考所要時間:約6時間】ファミリースノーパークばんだいx2スキー場スタート⇒(70分)渋谷登山入口⇒(120分)川上コース分岐⇒(30分)弘法清水⇒(30分)磐梯山頂⇒(20分)弘法清水⇒(50分)中の湯分岐⇒(30分)八方台登山口ゴール

中・上級者向き登山ルートその③/五色沼~火口原~磐梯山頂~銅沼周遊コース


五色沼にある裏磐梯ビジターセンター駐車場に車を置いて装備を整え、「五色沼自然探勝路」をトレッキングして裏磐梯スキー場の磐梯山登山入口からスタート。火口原から磐梯山頂に登頂後、八方台登山道コースから銅沼を経て五色沼入口へゴールの長距離を歩くコースです。長い距離を歩き難易度は高レベルですが健脚者にはおすすめのルートです。8時間余りの山行となりますので、前泊をして早朝出発をするのがベストです。

コース紹介

裏磐梯ビジターセンターの五色沼入口をスタート。それぞれ水色が特徴的な自然豊かな湖沼群を巡り、裏磐梯スキー場からしばらくは樹林帯を歩き、噴火口分岐から川上登山口コースの分岐点の火口原から左方向に見える櫛ヶ峰の火口壁のガレ場の急登を進んで川上コース分岐から弘法清水を経て磐梯山頂へ。帰路は八方台コースに向かい、中ノ湯分岐から裏磐梯コースを進み、赤色の水が特徴の銅沼(あかぬま)を経て裏磐梯スキー場へと戻り、更に五色沼入口にゴールします。

ルート基本DATA

【アクセス情報:前泊日帰り、難易度(高)、距離約18km、標高差1,210m】
【ルートマップ参考所要時間:約8時間】裏磐梯ビジターセンター駐車場スタート⇒(40分)弁天沼⇒(20分)湯平山⇒(30分)裏磐梯スキー場登山道入口⇒(20分)噴火口分岐⇒(30分)火口原⇒(60分)川上コース分岐⇒(30分)弘法清水⇒(30分)磐梯山頂⇒(20分)弘法清水⇒(50分)裏磐梯コース分岐⇒(30分)銅沼⇒(10分)噴火口分岐⇒(15分)裏磐梯スキー場⇒(90分)裏磐梯ビジターセンターゴール

磐梯山登山の注意点

Photo by Iwao Kobayashi

記載した磐梯山登山行程所要時間は大人が標準に歩ける時間をご紹介しました。お子様連れや年配者の方たちでは多少歩行時間にズレがあることと、途中の休憩時間が含まれておりませんので事前の計画と確認をしっかりしておきましょう。また、登山道にはトイレが無いので、携帯トイレの持参も必要です。不測の事態に備えてマップ・コンパスは備えておくことと、避難小屋などもありませんので、悪天候や道迷いには引き返す勇気を持ちましょう。

磐梯山登山のまとめ

Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋)

吾妻富士とも呼ばれる秀麗な山容と、裏磐梯からの爆裂跡も生々しい姿を見せる磐梯山のおすすめ登山ルートをご紹介しました。登山道入口へのアクセスも良く、周辺には登山の疲れを癒す温泉施設などもあり、登山者に大変人気があります。また、リゾート施設も数多く点在しており、自然いっぱいの裏磐梯の観光、冬のスキー、秋のシーズンの紅葉など多くの観光客が訪れます。

磐梯山の魅力や周辺の見どころなどはこちらもチェック!

磐梯山についてや、裏磐梯など周辺の訪れてみたい観光地をもっと知ってみたい方は「暮らし~の」のWEBマガジンでもご紹介したい記事が見つかりますので、ぜひアクセスしてみて下さい。

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