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初心者からベテランまで楽しめる!鳥海山の登山ルート8選!難易度別にコースを解説!

標高2200m以上もある鳥海山には多彩な登山ルートがあります。真夏でもスキーを楽しめるユニークな場所やクマに似た岩が話題のスポット、カラフルな高山植物を鑑賞できる散策道もあります。そんな魅力的な鳥海山の登山ルートを初心者とベテラン向けに分けてご紹介します。
2021年2月3日
haekon
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目次

はじめに

鳥海山(ちょうかいさん)は秋田と山形にまたがる2200m以上もある山です。山頂からは日本海や周辺の山の絶景を眺められほか高山植物や紅葉も鑑賞できる人気スポットになります。4月には雪の回廊でも有名な鳥海ブルーラインが開通、6月から10月までは雪も減り初心者でも登山を楽しめます。

真夏でもスキーを楽しめるユニークなところやクマによく似た溶岩と2ショット撮影ができるスポット、カラフルな高山植物を鑑賞できる散策道もあります。そんな魅力的な鳥海山の経路を初心者とベテラン向けに分けて4つずつピックアップしていきます(本記事は2021年2月1日の情報をもとにしています)。

登山地図

下には鳥海山の各入口からの経路を掲載した公式地図をリンクしておきます。基本的なものだけでも9ルートもあり、行き・帰りで組み合わせたり分岐の仕方を変えたりすれば無数の登山ルートが出来上がります。

鳥海山登山マップ

鳥海山の登山ルート4選【初心者編】

ここからは初心者でも安心してチャレンジできるルートを4か所ご紹介します。最初にルートの概略やアクセス方法などを述べ、ルートの見どころや注意点についてレビューします。距離や所要時間などは往復で記述してありますが往路と復路を別ルートにするのもおすすめです。

1:百宅口ルート

コースの行程やアクセス方法

こちらは公式の登山地図の右側にある日帰りでも楽しめるルートです。百宅(ももやけ)口を発着点にして大倉→屏風岩→唐獅子平→鳥海山山頂を経由、七高山(しちこうざん)を登ったのちに同じ道を引き返します。全長が12㎞・標高差1400mで所要時間は7時間15分ほどになります。

登山口にある休憩所にはトイレや自炊施設のほかキャンプ場もあり宿泊することも可能です。交通手段は自動車のみで山形道の酒田みなとICから90kmほど、電車の場合は由利高原鉄道・矢島駅からタクシーをご利用ください。

見どころや楽しみ方

大清水からしばらくはブナの原生林が広がりムラサキヤシオやショウジョウバカマなどの高山植物がお見送りしてくれます。5合目にある大倉ノ滝(おおくらのたき)周辺からは樹木が少なくなり見晴らしも良くなります。

大きな岩がゴロゴロしている屏風岩(びょうぶいわ)周辺からは6月でも雪道が混じり急こう配が続きます。唐獅子平には避難小屋があり近くにはリアルなクマの形をした溶岩が鎮座します。少し登ると水場があり定番の休憩スポットになります。9合目から上にある上り下りのある岩場が最大の難所です。

基本情報

百宅口

  • 住所
    〒015-0516
    秋田県由利本荘市鳥海町手代沢国有地内
  • 公式サイトURL
    https://www.akitafan.com/archive/tourism/1913
  • 電話番号
    0184-57-2205
  • アクセス
    JR羽後本荘駅から車で約1時間

2:矢島口ルート

コースの行程やアクセス方法

矢島口は登山地図の右上にある古くからの人気の日帰りルートの起点です。定番は祓川(はらいがわ)駐車場を発着にして祓川神社→賽ノ河原(さいのかわら)→御田→七ツ釜避難小屋→康新道(やすしんどう)分岐→氷ノ薬師を経由して七高山に到るルートになります。

往復で全長9㎞・標高差1000mほど、所要時間は7時間程度です。起点の祓川駐車場駐車場には綺麗なトイレも完備、車でのアクセスなら山形道・酒田みなとICから約60km、電車の最寄りは由利高原鉄道・矢島駅でそこから車で30分ほどかかります。

見どころや楽しみ方


初心者向けですが積雪量が多いルートで夏でも雪が広く残っているのが特徴になります。例年4月に山開きが行われ真夏でもスキーができるところです。2合目の木境(きざかい)展望台からは男鹿(おが)半島までを眺望できます。

その先からは林が続きしばらくは快適な森林浴ルートになります。6合目にある賽の河原(さいのかわら)から上は7月までは半分以上が雪渓なので足元にはご注意ください。宿泊もできる七ツ釜避難小屋を通過すると「氷の薬師」なる溶岩の渓谷にでます。最後に少し難易度の高い鎖場を登ると目的地の山頂に到着します。

基本情報

矢島口

  • 住所
    〒015-0418
    秋田県由利本荘市
  • 公式サイトURL
    https://yurihonjo-kanko.jp/yrdb/%E9%B3%A5%E6%B5%B7%E5%B1%B1%EF%BC%88%E7%9F%A2%E5%B3%B6%E5%8F%A3%EF%B...
  • 電話番号
    0184-55-4953
  • アクセス
    由利高原鉄道・矢島駅から車を利用

3:湯ノ台口ルート

コースの行程やアクセス方法

こちらは登山地図の下側にある初心者からチャレンジできる日帰りの経路です。標高1200mほどとリストアップした中でも登山口が最も高く山頂まで最短で登れます。トイレも完備の滝ノ小屋をスタートし河原宿→伏拝岳→行者岳→新山を経由して山頂までトレッキングします。

全長11㎞・高低差1000mほどで所要時間は7時間30分程度になります。湯ノ台口の近くにある「鳥海高原家族旅行村」へは酒田駅からのバスが運行(八幡総合支所を経由)、車でアクセスの場合は日本海東北道の酒田みなとICから35分ほどです。

見どころや楽しみ方

このルートは難易度は低いですが夏でも雪が残っているのでアイゼンなどを装着しステッキも併用するのがおすすめです。登山口近くにある滝ノ小屋から視界が開けた快適な道を1時間弱登るとトイレも完備の河原宿小屋に到ります。

小屋周辺からは外輪山の眺めも良く、夏の時期にはニッコウキスゲなどの高山植物がカラフルに咲きます。更に上るとトレッキング道の両側には7月までは雪が一面に残る雪渓スポットに到着、雪の感触を楽しみながら進みます。山頂手前にあるあざみ坂という平均斜度26度の坂を越えると目の前に絶景が広がります。

基本情報

湯の台口

  • 住所
    〒999-8207
    山形県酒田市草津字湯ノ台149
  • 公式サイトURL
    https://niigata-kankou.or.jp/event/30750
  • 電話番号
    0234-64-3115
  • アクセス
    JR酒田駅より車で約45分

4:猿倉口ルート

コースの行程やアクセス方法

こちらは登山地図の右上にある比較的穴場の初心者ルートです。近くに猿倉(さるくら)温泉なる温泉地があるのも特徴、宿泊しての登山もおすすめです。4合目にある駐車場を発着点にするのが一般的で棚池→見返り坂→鶯谷→七ツ釜を経由し七高山に到る往復ルート、全長13㎞・高低差1200mほど、所要は8時間30分程度になります。

入口へは電車の場合は矢島駅から「鳥海荘」まで乗り継ぎでバスを利用、そこからは車で25分ほどになります。自家用車の場合は高速道路の酒田みなとICから20分ほどの距離です。

見どころや楽しみ方

入口からしばらくは林に囲まれた歩道が続きます。5合目にある棚池(たないけ)に山や青空が映る姿がインスタ映えと口コミでも評判、初夏までは雪も残り鳥海山らしい景色も楽しめます。

6合目にある見返り坂は名前の通りこのコースでも有数の絶景名所、東北の山々や日本海などを見ながら一息つくことができます。鶯谷には水場があり周辺の湿原ではたくさんの高山植物を鑑賞できるほか9月には山麓の綺麗な紅葉を見下ろせます。更に上にある七ツ釜(ななつがま)避難小屋付近では矢島からの経路と合流します。

基本情報

猿倉口

  • 住所
    〒015-0512
    秋田県由利本荘市鳥海町猿倉字湯ノ沢103-1(鳥海荘)
  • 公式サイトURL
    http://www.chokaizan.com/route/sarukura.html
  • 電話番号
    0184-57-2205
  • アクセス
    東北道・酒田みなとICより車で約20分

鳥海山の登山ルート4選【ベテラン編】

ここではベテランにもおすすめのルートを4か所ご紹介します。危険個所は少なく距離の長いルートが中心となりますので長めの休憩や宿泊を入れてゆっくりと山登りを楽しむのがおすすめです。初心者コースと同様、往復で違うルートを楽しむこともできます。


1:二の滝口ルート

コースの行程やアクセス方法

登山地図の左下にあるロングコースです。一の滝駐車場を発着にして二の滝→森の清水→不動滝→千畳ヶ原→鳥海湖→御田ヶ原→七五三掛(しめかけ)を経由して山頂へと至ります。往復24㎞・高低差1700mほどで所要時間は14時間ほどです。

一の滝の駐車場までは電車の場合は遊佐駅(ゆさえき)からタクシー利用(約40分)、車の場合は山形道・酒田みなとICから30分ほどになります。危険個所はありませんが距離が長く日帰りは困難、山頂にある御室小屋や麓にある遊佐町営の滝の小屋などで宿泊するのがおすすめです。

見どころや楽しみ方

このコースは滝などの水辺のトレッキングが多いのが特徴です。駐車場近くにある一の滝から始まり落差20mの二の滝や三の滝、玉粋滝など多数の名所があり飽きずに山登りができます。

千畳ヶ原(せんじょうがはら)は木道が整備された広々とした草原で夏でも気持ちの良い風を受けながらの散策を楽しめます。7合目にある鳥海湖は初夏までは雪化粧が綺麗なスポット、雪が解けると高山植物が湖岸をカラフルに彩ります。また、この辺りは日本海や庄内平野を一望できる絶景スポットとしても人気です。

基本情報

一の滝駐車場

  • 住所
    〒999-8302
    山形県飽海郡遊佐町吉出懐ノ2-2
  • 公式サイトURL
    https://www.yuzachokai.jp/itinotakininotaki
  • 電話番号
    0234-72-5666
  • アクセス
    遊佐駅から車で約40分

2:長坂口ルート

コースの行程やアクセス方法

こちらは登山地図の左下にあり二の滝口ルートとも並行する比較的難易度の高いルートです。長坂口を出発して山の神→堅餅岩(かたもちいわ)→ガラ場→笙ヶ岳→御浜小屋に到るコースで全長20㎞・高低差1600mほどで所要時間は10時間程度になります。

日帰りも可能ですが経路の先にある山頂にも立ち寄る場合は宿泊がおすすめ、経路の折り返し点・御浜小屋などを利用できます。登山口までは公共交通の場合は遊佐駅から町営バスが運行、車の場合は酒田みなとICを下りて20分ほどになります。

見どころや楽しみ方

長坂口周辺には高瀬峡という人気の観光地があり避暑や紅葉の絶景を満喫できます。駐車場がある山ノ神から森林浴をしながら進んでいくと堅餅岩なる名所があります。面白い名前はひび割れた餅に似ていることに由来します。

更に傾斜のある道を進むとガラ場という視界が開けた場所に到着、日本海などの眺めも良くここを目的地にする登山客も多い人気スポットです。標高1635mの笙ヶ岳は山頂付近が切り立った岩のため注意して登ります。この先は難易度の低い尾根道になり植物や花を鑑賞しながらトレッキングできます。

基本情報

長坂口

  • 住所
    〒999-8304
    山形県飽海郡遊佐町白井新田千度石長根
  • 公式サイトURL
    http://chokaizan.com/route/nagasaka.html
  • 電話番号
    0234-72-5886
  • アクセス
    酒田みなとICから車で約20分

3:吹浦口ルート

コースの行程やアクセス方法

このルートは登山地図の左側にあります。ドライブにも人気の鳥海ブルーラインの中腹にある吹浦(ふくら)口を起点にするルートです。見晴台→清水大神→御浜→八丁坂→七五三掛→山頂を経由し新山まで往復、全長16㎞・高低差1100mほどで所要時間は10時間程度になります。 

近くには国民宿舎・大平山荘があり宿泊はもちろん食事や日帰り入浴にも立ち寄れます。公共交通の場合は JR吹浦駅からタクシーで20分ほど、自家用車の場合は日本海東北道の酒田みなとICから1時間ほどで到着します。

見どころや楽しみ方


登山口周辺は石畳みの坂が整備されています。難易度は低いですが急な場所もあるので滑らないように注意が必要です。坂を上りきった見晴台は展望の良い休憩スポット、その先の清水大神は夏には可憐な花の鑑賞スポットで9月になると草紅葉が見事です。

御浜周辺では湖や外輪山などの眺めを楽しみながら歩きます。八丁坂は花の種類が豊富で初夏までは雪とのコラボも見られます。七五三掛まで来ると足元は岩場になり見晴らしも良くなります。七五三掛の分岐にはベンチが設置されパノラマを見ながらランチを食べることもできます。

基本情報

吹浦口

  • 住所
    〒999-8521
    山形県飽海郡遊佐町吹浦字鳥海山
  • 公式サイトURL
    http://www.tanigawadake-rw.com/tanigawadake/
  • 電話番号
    0234-72-5886
  • アクセス
    酒田みなとICから車で約1時間

4:万助口ルート

コースの行程やアクセス方法

この経路は登山地図の左下にあり長坂口などのコースと並行しています。しらい自然館前のバス停や一ノ坂駐車場を起点に山の神→渡戸(わたど)→万助小屋→千畳ヶ原→山頂と登ります。片道で14㎞・高低差1750mほどで所要は7時間30分程度の難易度の高いコースになります。

ルート中には地元の方により整備された万助小屋(まんすけごや)があり宿泊での登山を楽しめます。公共交通の場合は遊佐駅からバスを利用し「しらい自然館」前の中村バス停で下車、自家用車の場合は山形道の酒田みなとICから20分ほどになります。

見どころや楽しみ方

一の坂周辺は森林浴や花々を眺めながら散策できる難易度の低いハイキング道です。山の神を越えてしばらくすると雨が多い日には川ができるぬかるんだ道に変化、滑りやすいので慎重に足を進めます。

しばらく上ると渡戸という清流が流れるところがあり休憩にもおすすめです。万助小屋を通過しブナ林や笹などに囲まれながらトレッキングを続けると広大な草原・仙人平に到着、景色を眺めながら更に進むと二の滝ルートとの合流地点に到着します。

基本情報

万助口

  • 住所
    〒999-8304
    山形県飽海郡遊佐町白井新田字見晴野21
  • 公式サイトURL
    http://shiraishizenkan.com/
  • 電話番号
    0234-72-5886
  • アクセス
    山形道・酒田みなとICから車で約20分

鳥海山で登山を満喫しよう!

口コミなどでもおすすめの登山経路を8つピックアップしてきました。矢島口のコースでは真夏でもスキーができるほどでオールシーズン雪景色を眺めながらのトレッキングができます。百宅口ルートではクマの形の溶岩が名物、絶景も楽しめる休憩ポイントでした。

吹浦口ルートでは可憐な花々が沿道に咲き楽しみながらトレッキングができます。設備の整った宿泊施設や麓にある温泉施設を併用するのもおすすめの楽しみ方です。秋田や山形方面で観光される場合はこのような魅力的な日帰り登山も計画に入れてみてはいかがでしょうか。

鳥海山が気になる方はこちらもチェック!

この山には他にも人気のトレッキング経路があります。おすすめの服装などの記事もありますので下にリンクしておきます。また、観光や登山とともに楽しめる秋田の温泉情報も追加しますので登山のご参考になさってください。