ロードバイクの洗車方法をパーツごとに解説
ロードバイクはスポーツサイクルの中でも非常に高い性能を誇るため、自転車のレースなどの競技でも使用されています。そんなロードバイクは定期的に洗車しなければ、性能が落ちるだけでなく自転車自体の寿命を縮めてしまいます。
本格的に洗車するためにはプロの人に任せるのが一番ですが、簡単な手洗い程度なら自分でも簡単に行うことができます。しかし初心者の人の中にはロードバイクの洗車の仕方が分からない、という人もいることでしょう。
そこでロードバイクの洗車方法を徹底解説していきます。洗車の方法はもちろん、必要な道具や洗車の効果なども紹介するのでぜひ参考にしてください。
ロードバイクの洗車に必要な道具
ここからはロードバイクの洗車に必要な道具について紹介します。自宅で洗車を行う際には最低限必要な道具なので必ず揃えておきましょう。入念に洗車する場合は特殊な専用器具が必要なパーツもありますが、手軽な洗車程度なら自宅にある道具でも代用することができます。
そんな自宅でできる簡単な洗車を行う際に必要な道具を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
手袋
洗車の際、手袋を着用するのは手が汚れないようにするためや怪我をしないようにするためです。そのため、洗車を行う際には必ず手袋をしましょう。洗車用の手袋が販売されていますが、無ければゴム手袋で代用しても問題ありません。
しかし、中には手袋を着用せずに洗車を行う人もいます。これは手袋を着用すると洗車がしにくい、という理由からですが、初心者の人は手袋を着用することをおすすめします。
マイクロファイバーウエス
ロードバイクの洗車にはマイクロファイバーウエスと呼ばれる洗車専用の布を使用します。自宅にある汚れたタオルや雑巾などでも代用できないことはありませんが、ロードバイクには鋭利なパーツがあります。
そのため、パーツに負けてタオルなどがボロボロになってしまうこともあり、糸切れが逆に汚れとなることもあります。洗車を行う際には専用のマイクロファイバーウエスなどを使用することをおすすめします。
自転車の汚れ具合によってはすぐに真っ黒に汚れてしまうこともあるため、一枚ではなく複数枚用意しておきましょう。
クリーナー
フレームやフォーク部分を洗浄するための洗浄液のことを一般的にクリーナーと呼びます。これは車の洗車に例えると、シャンプーに当たります。直接フレームなどに吹きかけるタイプやタオルに吹きかけて使用するタイプなど様々なタイプがあります。
また、フレームだけでなく、スプロケットやハンドルなどを一緒に洗浄できる万能タイプのクリーナーもあります。どの種類が優れているということは特にないので自分が使いやすいタイプを選ぶことをおすすめします。
クリーナーほどの洗浄力は期待できませんが、自宅にある洗剤でも代用することができるため、どうしても購入できない、という人は洗剤を使うことをおすすめします。
ディグリーザー
ディグリーザーは主にロードバイクのチェーンやスプロケットの油汚れを落とすための洗浄液です。揮発性が低いため、チェーンやスプロケットの隙間にまで入り込み、油汚れを浮かすことができます。
また、チェーンなどだけでなくタイヤなどに使用して脱脂洗浄することも可能です。使用後は必ずクリーナーなどで洗い流しましょう。
ブラシ
チェーンやスプロケットの汚れを落とすためにブラシを使用します。古くなった歯ブラシでも代用することができますが、専用のブラシを使用した方が効率よく汚れを落とすことができます。
洗車用のブラシは歯ブラシよりも毛が柔らかめにできています。そのため、チェーンの隙間などの汚れも効率よくかき出すことができるのです。ディグリーザーにブラシが付属している商品もあるので、ブラシを持っていない人は付属しているタイプを購入しましょう。
チェーンオイル
チェーンオイルとはロードバイクのチェーン部分に使用して動きを滑らかにするための潤滑油です。オイルを使うことでギアチェンジがスムーズになったり、ペダルが軽くなったりします。
水で落ちやすいが、粘度が低く汚れが付着しにくいドライタイプ、水に強いが、粘度が高く汚れが付着しやすいウェットタイプなどの種類があります。自分に合ったタイプを選ぶようにしましょう。
スタンド
無くてもロードバイクを立てかけたり逆さまにすることでも洗車はできますが、スタンドがあった方がより楽に洗車を行うことができます。スタンドがあれば、立てかける場所がないような場所でもロードバイクを自立させることができます。
立てかけるよりも安定感がある上、自転車が浮いている状態を作ることができるので、クランクを回転させながら洗浄でき、非常に効率よく洗車することができます。
ロードバイクの洗車を行うことの効果
ここからは洗車の効果について解説します。実は洗車を行うことにより様々な効果が期待できるのです。そんな洗車で得られる効果について具体的に解説していきます。
見映えが良くなる
洗車を行うとロードバイクの汚れが落ちて見映えが良くなります。見映えが良くなると、サイクリングのモチベーションが向上するためサイクリングの頻度が増えて、よりサイクリングが楽しくなることでしょう。
そのため、汚れが目立つようになってきたら洗車を行うようにしましょう。また、見映えが良くなると周りの人からも自転車を大切にしているのだなと思われることでしょう。
ロードバイクの寿命が延びる
洗車はメンテナンスの基本です。そのため、洗車を行えば、ロードバイクのパーツの寿命を延ばすことができます。ロードバイクは他の自転車と比較すると、高速で走行します。そのため、砂ぼこりや砂利などがパーツの隙間に入り込み傷つけてしまうこともあります。
そんな汚れを洗車で取り除けば、パーツの寿命を延ばすことができるのです。また、チェーンやスプロケットは特に汚れやすい、とされているので、こまめに洗浄することをおすすめします。
ロードバイクの破損を予防できる
洗車を行うことで、ロードバイクに傷がないか確認することができます。細かい傷などは問題ありませんが、タイヤに致命的な傷がついていた場合や緩んでいるパーツなどが事前に確認することができます。
つまり、洗車を行うことでサイクリング中の事故を事前に防ぐことができるのです。事故の種類によっては命にかかわる重大な事故につながる恐れもあります。そのため、洗車を行うことは非常に重要なのです。
ロードバイクの性能が上がる
洗車を行うことで、ロードバイクの本来の性能を引き出すこともできます。洗車を行えば、ペダリングが軽くなったり、ギアチェンジがスムーズになったりすることが実感できることもあります。汚れたチェーンよりも綺麗なチェーンの方がスピードが上がるため、より快適にサイクリングが楽しめるのです。
ロードバイクを洗車する際の注意点
ここではロードバイクを洗車する際の注意点について解説していきます。洗車を行うパーツによっては洗車方法を誤ると、逆に寿命を縮めたり、破損したりするパーツもあります。そのため、洗車を行う際には注意点を守りながら行いましょう。
付属品は取り外す
ロードバイクでサイクリングを行う際はサイクルコンピューターやライトなど様々な付属品を装備させているかと思います。そんな付属品は洗車前に必ず外しておきましょう。特に水洗いを行う際は水で濡れると使えなくなる道具もあります。
そのため、水洗いを行う前には必ず付属品を取り外しておきましょう。
水洗いの際は水圧に注意する
初めて水洗いを行う人は、ホースの水圧に注意しましょう。なるべく緩い水圧で水を掛けることがポイントです。水圧を強くしてしまうと、パーツの隙間に水が入り込んでしまい、錆の原因にもなります。そのため、水洗いを行う際にはなるべく弱い水圧で行いましょう。
洗車後は入念に水気をふき取る
水洗い後は入念に水気をふき取る必要があります。そのまま放置してしまうと、水垢などの汚れが残ってしまうだけでなく、フレームの隙間から水気が入り込み錆の原因にもなります。
また、ナット部分は特に錆びやすいとされているので、入念に水気をふき取るようにしましょう。
ホイールやブレーキ部分には注油しない
注油は基本的にチェーンやスプロケットに行います。決してホイールやブレーキ部分に使用してはいけません。この部分に注油してしまうと、ブレーキが利かなくなり、事故につながる原因にもなります。
万が一誤ってホイール部分にオイルが付着してしまった場合は洗浄してオイルを落としましょう。
初心者でも簡単なロードバイクの洗車方法
ここからは初心者でも簡単にできるロードバイクの洗車方法をパーツごとに分けて紹介します。洗車用の道具さえあれば、洗車は誰でも簡単にできるので、洗車の仕方が分からない、という初心者の人は、必ず覚えましょう。
ロードバイクの洗車方法①チェーン・スプロケット
特に汚れやすいチェーンとスプロケットの洗浄方法から注油の仕方までを紹介します。チェーンとスプロケットの洗浄は洗車の基本ともいえるので、ロードバイク全体を洗車しなくても、このパーツだけはこまめに洗浄と注油を行うことをおすすめします。
誰でもできる簡単な作業なので、ぜひ覚えておいてください。
チェーンとギアにディグリーザーを吹きかける
チェーンとギアにディグリーザーを吹きかけます。吹きかけ方はまずチェーンにクランクを回転させながら数秒ほど全体に使用します。その後ギアにも吹きかけていくのですが、すべてのパーツに使用しましょう。
この時必ず片面だけではなく表と裏の両側に吹きかけるようにしましょう。
ブラシで磨く
ディグレーザーを使用したらブラシで磨いていきます。チェーンを磨く際はブラシがチェーンと平行になるようにして磨くと当たる面積が増えてより効率よく磨くことができます。ギアの部分は隙間が狭くて磨きにくいかと思いますが、焦らずにクランクを回転させながら入念に磨きましょう。
なるべく時間をかけて磨いた方がより汚れが落ちやすくなるので、急がずに入念に磨いていきましょう。
タオルでふき取る
ブラシで磨いたら、マイクロファイバータオルで入念にふき取っていきます。汚れがひどいと、タオルがあっという間に真っ黒になってしまうこともあります。そのため、入念にふき取り、汚れを落としましょう。
チェーンの汚れをふき取る際のコツはチェーンをタオルごとつかんでそのままクランクを回転させれば綺麗にふき取れます。ギアの部分も同様にタオルを当てながらクランクを回しましょう。
タオルだけでは汚れが落とせないほど汚れがひどい場合は、指でつかんでそのままクランクを回転させましょう。この時必ず手袋を着用してください。
クリーナで洗浄して注油する
ふき取ったら、クリーナーをチェーンに使用して洗浄していきます。チェーン全体にクリーナーを使用して、入念に洗浄していきましょう。洗浄したら再度マイクロファイバータオルでふき取り、注油していきます。
本来なら、クリーナーで洗浄した後にフレームなどの洗車に移り、最後に注油を行います。注油はオイルのタイプによって方法が異なるのですが、チェーン全体に差していきましょう。注油した後少し時間を置き、軽くふき取りましょう。
ロードバイクの洗車方法②フレーム
ロードバイクのフレームの洗車方法について紹介します。専用のクリーナーを使用すれば水洗いをする必要がないのですが、ここでは専用のクリーナーを使用しない水洗いの方法を紹介します。
全体に水を掛ける
まずロードバイク全体に水を掛けましょう。この時ホースを使って水を掛けることになると思いますが、決して強い水圧を使ってはいけません。水圧を強くすると、フレームの隙間から水が入ってしまい、錆の原因になります。
また、サドルやハンドルには水を掛けても問題ありませんが、サドルの下やハンドル部分の可動部に重点的に水を掛けるのもやめましょう。
スポンジに洗剤を含ませてフレームを磨く
洗剤をスポンジに含ませてフレームを優しく磨いていきます。スポンジは車の洗車に使用するような柔らかめのスポンジがおすすめです。間違ってもたわしなどでごしごしとこするような洗い方はやめましょう。フレームが傷だらけになってしまいます。
専用のクリーナーほどの洗浄力はありませんが、目立つ汚れを落とす程度なら洗剤でも十分な洗浄力はあります。使用する洗剤は車のシャンプーや皿洗い用の洗剤などで問題ありません。
全体的に水を掛けて泡を落とし水気をふき取る
ロードバイクをスポンジで磨いたら、水を全体的にかけて泡を落とします。この時完全に泡を落とさなければ、乾いた泡が汚れになるので、しっかりと洗い流しましょう。泡を完全に落としたら、乾いた布で水気をしっかりとふき取ります。
この時ナット部分は特に錆びやすい箇所とされているので、しっかりとふき取るようにしましょう。気温が高い時期はある程度ふき取ったら、自然乾燥させて問題ありませんが、水垢が残ることがあるため、水滴が残らないようにはふき取る必要があります。
ロードバイクの洗車方法③ハンドル・サドル
ロードバイクのハンドルとサドルの洗車方法について紹介します。ハンドルやサドルは汗などが染みこみ、汚れやすいパーツでもあります。基本的にフレームを洗う際に一緒に行うことができるので、洗車の際はぜひセットで洗ってみてください。
ハンドルとサドルに水をかける
まずハンドルとサドルに水をかけます。フレームと一緒に洗う人は、フレームに水をかける際に一緒に水をかけて濡らしておきましょう。注意点として前記でも紹介しましたが、重点的にかけないようにすることです。
全体にさっと軽くかけて、濡らす程度で構いません。また、サドルに傷がついている場合はサドルに水をかけないようにしましょう。
ブラシに洗剤を含ませてバーテープを磨く
ハンドルを洗浄する際はブラシに洗剤を含ませてバーテープを磨きましょう。マルチクリーナーと呼ばれる万能クリーナーを使用すると汚れを効率よく落とすことができますが、洗剤を使用しても効果があります。
ブラシは古い歯ブラシなどを使用しましょう。
サドルは基本的に拭くだけ
ロードバイクに使われるサドルは基本的にふき取るだけで汚れを落とすことができます。そのため、全体的にタオルなどの布を使ってふき取りましょう。また、特に汚れやすい箇所はサドルの裏側です。
ロードバイクには泥除けがないため、水たまりなどを走行すると水が跳ねてサドルの裏側についてしまうのです。そのため、サドルの裏側は入念にふき取りましょう。汚れがひどい場合はフレームを洗う時と同様にスポンジで磨きましょう。
水気をふき取り自然乾燥
洗い終わったら、ある程度水気をふき取って、自然乾燥させましょう。風通しが良い場所においておけば自然乾燥できますが、盗難には十分注意が必要です。また、水気が残っている状態で保管してしまうと、カビが繁殖する原因にもなるため、必ず乾燥させましょう。
清潔なロードバイクでサイクリングを楽しもう
自宅で簡単にできるロードバイクの洗車方法について紹介しました。ロードバイクは洗車を行うことで見映えが良くなるだけでなくパーツの寿命を延ばすこともできます。洗車には専用の道具が必要ですが、長くロードバイクを使いたい人は必ず洗車方法を把握しておきましょう。
また、洗車を行えばロードバイクに愛着も湧いてくるので、サイクリングがより楽しくなりますよ。初心者でも自宅で簡単にできるので、汚れが気になっている人は是非洗車を行ってみてください。
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