カモミールとは
薬用茶として親しまれてきた植物
愛らしい白い花は観賞用だけではなく、中心部の黄色い部分に薬効成分が含まれているため、その効果や効能に期待されてカモミールティーが人気であるカモミールは、キク科シカギク属の植物です。学名は Matricaria chamomillaと表記します。開花時期は春。4月から7月ですが、近年は周年出回っています。
カモミールには翌年も生長する多年草の品種のローマンカモミールと、その年以内で終わってしまう1年草の品種のジャーマンカモミールがあります。どちらも生命力が強く、1年草のジャーマンカモミールはこぼれ種からでも芽を出し増えていきます。
花名はギリシャ語で「大地のリンゴ」!
カモミールの原産地はヨーロッパ、そして中央アジアです。優しい香りは心身を安らかにする効果や、調子が悪い時に体調を回復させる効能がある薬用植物として、古くから親しまれてきました。日本には江戸時代にオランダから薬用植物として渡来してきました。
「カモミール」という名前は、ギリシャ語で「大地のリンゴ」という意味で、白い可憐な花にはリンゴのような甘酸っぱい優しい香りがあります。別名「カミツレ」「カモマイル」などとも呼ばれ、和名は「加蜜列」と書いてカモミールのことを指します。
カモミールの花言葉
「あなたを癒す」
カモミールの花言葉「あなたを癒す」の由来は、今も注目を集めるカモミールの効能が由来して付けられた言葉です。4000年以上もの昔、メソポタミアの南部の地域でも薬草として用いられていたカモミール。現在でも安眠やリラックス効果のあるハーブとして有名です。
ヨーロッパで古くから薬草茶として人気であったカモミールティーは、日本でもリラックス効果のあるお茶として人気。そんなことが由来し、カモミールには「あなたを癒す」という花言葉があります。
「苦難に耐える」
カモミールの花言葉には「苦難に耐える」という言葉もあります。丈夫でどのような環境でも育つことで、このような花言葉が付いています。
カモミールは、最初に解説したように多年草の種類と1年草の種類がありますが、どちらも繁殖力がとても強く、踏まれても踏まれても丈夫に育つ花だと言われるほど強い生命力がある花であるため、「苦難に耐える」という言葉でイメージさています。
「清楚」
見た目の印象から、カモミールは「清楚」という花言葉もあります。世界で1番古いハーブともいわれるカモミールは、昔、エジプトで、神様や太陽に捧げる植物に使われていました。
見た目の可憐な花姿や白い花に共通する印象から「清楚」という言葉へと由来しているほかに、神聖な花としてのイメージから、こんな言葉が付けられています。
カモミールが密かに持ち合わす花言葉
「母の愛情」
カモミールの花言葉では、あまり紹介されていない言葉ですが、カモミールは「母の愛情」という言葉でもイメージされています。カモミールは昔、ドイツでは「母の薬草」、中国では「母菊」と呼ばれていました。
これはドイツでも中国でも、カモミールにはいろいろな効能があることで、子供の調子が悪くなると母親が子供に民間生薬として使っていたからだと言われています。そのような謂れから、「母の愛情」という言葉でイメージされているといる説があります。
ピーラー・ラビットのワンシーンにも登場!
ちなみに可愛いウサギの話でお馴染みの、イギリスの作家が書いた児童書「ピーター・ラビット」の話の中でも「母の愛情」という花言葉にまつわる場面があります。ピーター・ラビットが冒険から帰り、高ぶる気持ちを静めるために、母ウサギにカモミールティーを飲ませてもらうシーンです。そのシーンが「母の愛情」という花言葉を象徴すると話題になったことがあります。
花言葉に由来するカモミールの効果・効能
不眠や疲労を回復させる効果がある!
カモミールには花や葉に薬効成分があります。たとえばカモミールの花の香りには、不安や緊張を解き、気を静める効果があるほか、安眠を促したり、リラックス効果に期待されています。カモミールの香りによる効能は、お茶やハーブバスだけではなく、お菓子や、そしてアロマテラピーにも活用されています。
またカモミールティーやハーブバスにすると、体を温め、風邪の予防などに効果が期待されると言われています。香りだけではなくカモミールから浸みでた液は、肌をきれいにするなどの美容効果もあり、観賞用だけではなく、今も昔もその効能には注目されている植物です。
カモミールティーの作り方
カモミールティーはジャーマンカモミールを!
さてリラックス効果は抜群、体を温め風邪の予防や、安眠にも期待できるカモミールティーを、自分で育てたカモミールで楽しむのも、観賞だけではなく、カモミールのおすすめの楽しみ方です。
カモミールには1年草と多年草の種類があると解説しましたが、カモミールティー向きなのは1年草のジャーマンカモミールで、この花を乾燥させて使います。多年草のローマンカモミールの花でも薬用茶としての効果はありますが、中国の菊花茶のような苦味があります。
カモミールの花は、夜は閉じてしまいますので、昼間、しっかりと開花した花を摘み、ざるなどにのせて2~3日天日干しするか、1週間くらい風通しの良い場所で陰干しして乾燥させます。
ジャーマン種とローマン種の見分け方
カモミールティーに向いている1年草のジャーマン種と、少し苦味があるローマン種は、見た目は花も葉も育ち方もどちらもよく似ています。1年草のジャーマン種は小花で真ん中の黄色の部分がポッコリ盛り上がっており、まっすぐに伸びます。それに対してローマン種は比較的に花は大きく、平たい感じで、這うように成長していきます。どちらも香りはリンゴの香りがします。
最低5分は蒸らして淹れる
カモミールティーは1年草のカモミールの花を摘み乾燥させてお茶を淹れます。ノンカフェインなうえに、精神を安定させリラックス効果があるので、寝る前に飲むドリンクにおすすめです。
ノンカフェインのカモミールティーは子供も安心して飲める薬用茶。ミルクとも相性が良いので、子供が飲むときはミルクを加えてミルクティーにするのもよいでしょう。
1人分の目安はお湯150~160mlに大さじ1杯ほどの乾燥したカモミールの花をポットに入れて、5~10分蒸らしてカモミールの成分を湯の中に抽出してください。あまり長すぎても苦味が出てしまうのでご注意ください。
カモミールの育て方
春に苗を植えるか秋に種まき!
カモミールは丈夫な植物なので育て方は簡単で、ガーデニング初心者でも上手に栽培することができます。育て方の最初は春にポット苗を購入して植え付けるか、秋に種まきします。日常の管理は日当たりと風通しの良い場所で育て、水や肥料は控えめにして栽培していくのが育て方のコツです。
病気の心配はありませんが、春先にアブラムシが付きやすいので、見つけたら歯ブラシなどでこすり取ってください。観賞用だけなら薬剤を使うことも可能ですが、花や葉を乾燥させて薬用茶などに使う場合はこすり取りましょう。
花がら摘みはこまめにしよう
花は次々と咲いていくので、すぐに花を乾燥させない場合でも花がら摘みはこまめにしましょう。どのみち花がらを摘んで乾燥保存しておけば、いつでも絶やすことなく利用できます。
1年草のジャーマン種はこぼれ種からでも増えます。多年草のローマン種は株が大きくなったら挿し木や株分けすると、さらに増やすことができます。
花言葉を知ってカモミールを楽しもう!
カモミールの花言葉「あなたを癒す」は、カモミールのリンゴに似た香りが、不安や緊張をやわらげ、気を静める効果があることや、安眠を促す効果などに期待されていることが由来する花言葉です。花言葉を想いながら、自分で育てたカモミールで、美味しいカモミールティーを作り、心穏やかに毎日を過ごしてみてはいかがですか。可憐な花の観賞もおすすめですが、薬用茶などとしても活躍してくれる丈夫な花。花言葉を知って、カモミールをいろいろとお楽しみください。
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出典:https://unsplash.com/photos/9xhtgJxjrS8