コットンツリー特徴
アオイ科ワタ属の1年草
綿の原料としてお馴染みのコットンツリーは、アオイ科ワタ属の1年草の植物です。本来は多年草の植物なのですが、日本では気候の関係から1年草として扱われています。学名はGossypiumと表記します。別名「ワタ(綿)」とか「コットンフラワー」「アジワタ」「綿の木」などと呼ばれています。「綿の木」と呼ばれるわけは、綿が収穫できることや、実がはじけて綿が顔を出す頃の茎は、まるで枝のように見えるからです。「綿の木」とも呼ぶ人がいますが、コットンツリーは樹木ではなく、植物学上では草花に分類されます。
夏に淡い黄色の可憐な花が咲く!
コットンツリーの花は夏、7月から8月に咲きます。淡い黄色の可憐な花で、花びらはとても薄くて繊細な5枚の花びらが付いています。コットンツリーの花は、1日しか咲かず、昼間開花し、夕方には紅色を帯びてしぼんでしまいます。花がしぼむとツンと尖った丸い実ができます。そしてその実は1か月ほどで割れて、中から真っ白な綿ボールが見えてきます。その綿ボールを付けた姿がとても可愛くユニークだと人気です。
コットンツリーの草丈は80cm~150cmくらいです。アオイ科の植物の仲間にはハイビスカスやオクラがありますが、コットンツリーの花も、ハイビスカスやオクラの花と似ています。
花言葉の謂れともなるコットンツリーの歴史
綿を採るために栽培されていた植物!
コットンツリーの原産地は中央アメリカおよびインドなどの熱帯アジアです。古代インダス文明の地では紀元前2500年ごろには、すでに綿を採るために栽培していました。日本には奈良時代に渡来してきました。コットンツリーから採取される綿は木綿に、そして実がわれて出てきた綿の中には種が隠れており、この種からは油が取れます。
この油は「綿実油(めんんじつゆ)」または「コットンシードオイル」と言って、世界中で食用油として幅広く使われています。綿は木綿に、種からは食用油が採取され、生活の支えとなってきた植物です。それがこの後に解説する花言葉の謂れともなっています。
綿は茶色や緑色や赤い色もある
実が割れて出てくる綿は、真っ白であるのがポピュラーですが、中には茶色や緑色、また赤い綿が出てくる種類もあります。コットンツリーの茶色や緑色や赤い綿は、決して染めたものではありません。また綿というと白いイメージですが、本来のコットンツリーから採取される綿の色は茶色ものでした。
茶色い綿から白い綿が主流になったわけは、繊維になる綿を草木で染めるには白い色の方が染めやすかったからだそうです。そして品種改良されて白い綿が主流になったのだとか。やがて茶色の綿が邪魔になりだし、茶色の綿のなるコットンツリーの栽培が禁止された時代もあったようです。
こうして茶色のコットンツリーは姿を消していきましたが、近年、果実が割れて、中から綿ボールが見える姿が可愛いと人気となり、クリスマスのリースやオーナメントとして注目されだしたコットンツリーは、園芸に茶色や緑色の綿ボールが顔を出すコットンツリーの栽培も再び行われるようになったのです。
コットンツリーの花言葉
「優秀」「有用」
コットンツリーの花言葉は「優秀」「有用」です。この花言葉の由来は、花が咲き終わった後になる実が割れて、そこから採取できる綿と、綿の中にある種から採れる油を、昔は生活の支えにしていたことからの謂れで付いた花言葉です。
夏に咲くハイビスカスやオクラに似たコットンツリーの淡い黄色の花にイメージされる言葉ではありませんが、コットンツリーの一番の見どころが、開花した花よりも綿ボールを付けた姿だということからも知れるところです。
「私を包んで」「偉大さ」
コットンツリーは「私を包んで」「偉大さ」という言葉でも密かに表現されています。身近なところでは紹介されていませんが、綿ボールを付けたその見た目の印象から、こんな言葉でも印象付けられているのです。
コットンツリーの育て方
種を取って種まきしよう!
コットンツリー(綿の木)は綿ボールを付けている11月~1月の姿が見どころで、その姿のコットンツリーが切り花としてお花屋さんなどに流通しているのが一般的ですが、種を取って鉢植えにして楽しむことも可能です。コットンツリーの種はネット通販などで入手できますが、コットンツリーの切り花を買い、綿ボールの中から種を取って植えれば問題ありません。
日当たりはよく、乾燥気味に管理!
コットンツリーの育て方で、地植えはあまりおすすめできませんが、できないわけではありません。夏の花も楽しみたいのなら鉢植えに種まきして育てる方がおすすめです。種まきの適期は3月から4月です。
種をまいてからの育て方は芽が出るまでは欠かさず水やりをしますが、そのあとは日当たりのよい場所で、乾燥気味に管理します。肥料も元肥のみで構いません。高温と乾燥を好むので、梅雨時期など蒸れに注意し、雨の当たらぬ場所に鉢を移動して管理するのもおすすめします。
綿が顔を出したら綿を収穫!
夏に花が咲いた後、1か月ほどで実ができます。11月にはいると、実が割れて綿が顔を出しますが、綿毛が出てきたら収穫するか、切り花やドライフラワーにして楽しみましょう。ちなみに実が割れてから雨に当たると綿が汚れてしまいます。
コットンツリーの飾り方
飾り方1:切り花を飾る
コットンツリーの飾り方ですが、ほとんどが切り花として流通しています。花の咲いている時期は、稀に黄色い花を咲かせている切り花をお花屋さんに見かけることがありますが、コットンツリーが流通するのは、実が付いている姿のものや、綿が顔を見せ始めた頃のもの、また綿ボールとなっているものが観賞用として飾ります。この時期のコットンツリーは、ほかの花と一緒のときは別ですが、単独で飾る場合は花器に水はいりません。
飾り方2:綿ボールをリースやオブジェに使う
切り花のコットンツリーはそのまま水の入っていない花器に挿しておけば自然とドライフラワーになります。ただし、綿にふわふわ感を持たせ、綿ボールを綺麗なドライフラワーとして飾りたい場合は、綿ボールが開いたら、茎から切り取って、低温のドライヤーを当てて、水分を完全に飛ばしてやると、ふわっふわの状態で、リースやクリスマスツリーのオブジェとして可愛く飾れます。
綿を採った後の綿がらも、そのまま乾かしておくとドライになり、綿と一緒にテーブルの上に飾るとよいでしょう。またドライの綿ボールをユーカリなどのグリーンのドライフラワーなどと組み合わせてリースを作ってみいても素敵です。綿ボールを無造作に置いておくだけでも可愛い冬のオブジェとなります。飾り方は志向を凝らさなくとも可愛く飾れるのがコットンツリーの楽しいところです。
花言葉を知ってコットンツリーを飾ってみよう
綿を採るために栽培されていたコットンツリー。近年は綿ボールの可愛い姿が冬の季節の人気となっています。昔の人々の生活を支えていたことから「優秀」「有用」という花言葉が付いていますが、ふんわりと柔らかな綿が出ている見た目の様子は、「私を包んで」という言葉を口に出してしまいそうな姿です。夏に咲く花も淡い黄色の可憐な花ですが、コットンツリーの見どころは花より冬に実が割れて出てくる綿ボールを付けた姿。ぜひ寒い季節に、花言葉を想いながらコットンツリーを飾って心を綿で暖かくしてみてください。
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出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1323184?title=%E7%B6%BF%E8%8A%B1&searchId=243017269