検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

【連載】バイクのオイル交換を自分でする方法!やり方やセットは?

バイクのオイル交換はトルクレンチさえあれば簡単にできます。ショップでオイル交換すれば安心ですし、不具合があっても責任を転嫁できます。しかし、自分ですれば費用を抑えられますし、バイクのコンディションを確認しやすいですね。やり方も含めて解説します。
更新: 2021年1月8日
hosokawa_taka
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

目次

バイクのオイル交換のやり方:はじめに

幼馴染Mのスティード400

年末に実家でバイクの洗車をしていると幼馴染のMが訪れてきました。Mもバイク乗りで若いころはキャンプツーリングをしていましたが、早くに結婚したためバイクに乗れておらず、所有しているスティード400は長らく不動状態が続いています。しかし、今も鈴鹿サーキットへのレース観戦は続けているとのこと。バイクの楽しみ方は人それぞれです。どうも!暮らし~のでライターをしておりますhosokawa_takaです。

バイクに乗り続けるのは難しい

Mは近々孫ができるとのこと。若いときに苦労した分だけ人より早く幸せが訪れました。「Mもおじいちゃんかぁ」「せやねん。俺、絶対に甘やかすねん」と爺バカぶりを垣間見せます。もっとバイクに乗りたかったでしょうが、それはMが選択した生き方です。そろそろバイクを楽しんでもいいのでは?とも思うのですが、一本気で真面目な性格のMは自分のことを後回しにしてしまいます。そんな近況報告をしているとあっという間に時間が過ぎてしまいました。

オイル交換を自分でする方法は?

Mが帰っていき、オイル交換、ドライブチェーンへの給油、チェーンの張り調整、エアフィルターの洗浄と給油を終えたのは夜8時。あたりはで真っ暗になっていました。メンテナンスしておきたい項目は他にもあったのですが、最低限のメンテナンスはできたのでまぁヨシです。では本題、ここではバイクのオイル交換を自分でする方法について語ります。なお、この記事は2021年1月6日現在の私の心境をもとに作成しますことをご了承ください。

バイクのオイル交換のやり方:抜いて入れるだけ!

バイクのオイル交換はいたって簡単!作業の流れは①オイルを抜いて②入れるだけです。ボルトを指定の強さで締め付けしなければなりませんのでトルクレンチは必要ですが、それ以外は手持ちの道具でなんとかなります。まずはオイルをエンジンから抜きましょう。

エンジンからオイルを抜く

オイル交換の一般論


エンジンからオイルを抜くには①暖機運転をして②オイルフィラーキャップ(オイルの給油口)を外し③メガネレンチでドレンボルトを外します。暖機運転をしたりオイルフィラーキャップを外したりするのはオイルが抜けやすくするためです。オープンレンチやモンキーレンチでドレンボルトではボルトの頭を痛める可能性がありますし、力を上手く加えられませんのでメガネレンチを使います。コンビネーションレンチでもOKです。

私のXR250の場合

ウェットサンプ式のバイクならクランクケースオイルドレンボルトを抜けばすべてのオイルが排出されます。しかし、私のXR250はドライサンプ式ですのでフレームにもドレンボルト(ダウンチューブオイルドレンボルト)があります。すべてのオイルを抜くにはダウンチューブオイルドレンボルトを先に、クランクケースオイルドレンボルトを後に外します。ドライサンプ式はひと手間多くかかりますが、クランクケース内のオイル量が一定に保たれるのがメリットです。

オイルフィルターの交換は?

オイルフィルターの交換はオイルがある程度排出されてからします。オイルフィルターカバーを外すと思いのほか大量のオイルが出てきますので、クランクケースや地面を汚さないように養生しておくのがおすすめです。といいながら私は地面にウエスを敷くだけ。クランクケースに付着した廃オイルは錆止めという言い訳のもとクランクケースやフレームに塗り付けます。ちなみに私は熱ダレ対策に洗浄して再利用できるスコッツ社のミクロンフィルターを愛用しています。

エンジンにオイルを入れる

オイル交換の一般論

エンジンオイルを入れるには①ドレンボルトを締め付けて②規定量のオイルを給油し③オイル量を点検します。ドレンボルトのシーリングワッシャーは新品に交換するのがおすすめです。ドレンボルトの締め付けにはトルクレンチを用いましょう。オイルジョッキに既定のオイル量を入れて、溢れないように注意しながら注ぎます。オイル量の点検方法は取扱説明書に記載されていますが、ドレンボルトの締め付けトルクは記載されていません。

あまりおすすめできませんが…

新品のシーリングワッシャーが手持ちにない場合、私はサンドペーパーで凹みを均して再利用しています。平らな机などにサンドペーパーを敷き、均等に力を加えて慎重に均します。まっすぐに削るのは難しいのですが、幸いにも再生したシーリングワッシャーでオイル漏れしたことはありません。ちなみにXR250の締め付けトルクはダウンチューブオイルドレンボルトが39N・m、クランクケースオイルドレンボルトが24N・m、オイルフィルターカバーボルトが12N・mです。

オイルは一度に入らない

XR250はオイルを一度に入れられません。フレームのオイルタンクがいっぱいになっても、エンジンを回さなければクランクケースまでオイルが送られないからだと考えられます。ですので私は規定量の半量のオイルを入れたら一旦アイドリングし、クランクケースまで送られた頃合いにエンジンを止め、残りの半量を給油します。そのあと再度しばらくアイドリングをして、レベルゲージのUPPERマークスレスレまでオイルを足します。


注)ドライサンプ式のオイル量をチェックする方法はウェットサンプ式と異なります。取扱説明書通りに行いましょう。XR250は①5分くらいのアイドリングをし②車体をまっすぐに立ててエンジンを止め③レベルゲージをねじ込まずにオイル量をチェックします

バイクのオイル交換で使う道具と費用

私がオイル交換で使っている道具セットは①メガネレンチ②トルクレンチ2本③オイルジョッキ(3L)④浅いバケツです。メガネレンチはホームセンターで購入した安価なものを愛用しています。オイルジョッキは自動車と兼用です。浅いバケツは廃オイルの受け皿として使っています。トルクレンチ以外は手軽に入手できるものばかり。初心者にとっての難関はドレンボルトの締め付けですが、締め付けトルクはネット上で探せば見つかります。

トルクレンチ

エンジン用と足回り用

トルクレンチは5~25N・mと19~110N・mの2本セットを使い分けています。5~25N・mはエンジン回り、19~110N・mは足回り用なのですが、エンジンオイルを交換するだけなら19~110N・mだけで作業をします。今回はオイルフィルターの洗浄をしましたので5~25N・mが必要でした。あまりおすすめできませんが、トルクレンチをセットで入手するまでは「手ルクレンチ」つまり感覚でドレンボルトを締め付けていました。

手ルクレンチはおすすめできませんが…

あまりおすすめできませんが「オイルが漏れなければいい」そんな感覚でドレンボルトを締め付けるのもありです。感覚が鋭い人はトルクレンチよりも手ルクレンチのほうが信用できるという人もいます。実際に私も傷んだボルトをトルクレンチで締め付けてねじ切ってしまい、レッドバロン奈良店さんのレッカーサービスを頼ったことがありました。XR250のエンジン回りに用いられているボルトはネジ穴の破損を防止するために柔らかいのです。

工賃を節約して費用を圧縮

私の場合は2000円弱

自分でオイル交換をするとショップでオイル交換を依頼するより費用は安く抑えられます。オイル代(10W-40化学合成油1.6L)=約800円、シーリングワッシャー代(クランクケース用1枚、ダウンチューブ用1枚)=約250円で合計1050円。ペーパータイプのオイルフィルターに交換したらパッキン込みで約700円、合計1850円です。オイル代やパーツ代だけで済み、工賃を支払う費用を節約できます。

エンジンの状態を確認できる


自分でオイル交換をするメリットは費用を圧縮できるだけではありません。オイルの劣化を自分の目や肌で感じられ、オイル交換のタイミングを見計らいやすくなります。オイル交換のタイミングは走行距離で決めるのがベスト?答えはノー。走行距離は目安に過ぎません。季節や走行条件により、走行距離とエンジンにかかる負担は一致しないからです。また、オイルを自分で交換すれば、エンジンのコンディションを気遣うきっかけになります。

ショップに依頼するのもありですよ

自分でオイル交換をする前に、ショップに支払う費用を安いと思うか?バイクと関われる時間を増やせるのが楽しいと思えるか?を判断すべきです。「オイル交換をする時間をお金で買い、ツーリングを楽しむ時間を増やしたい」そんな考え方もありです。「バイクは自分でメンテナンスをするほうが楽しい」それは紛れもない事実なのですが、それ以上に楽しいことがあるのならオイル交換はショップに依頼するのもおすすめです。

バイクのオイル交換:まとめ

バイク乗りとしてのプライド

話は戻って幼馴染Mのスティード400。もう何年も乗っておらず、オーバーホールをしても調子を取り戻せないとのこと。「400ccアメリカンの名車を車庫の隅に追いやるなんてモッタイナイ」そう思われる人もいるでしょうが、私はスティード400を今も手放さない幼馴染の気持ちが分かります。乗れない状態であってもバイクはバイク。Mはスティード400を手元に置いておくことでバイク乗りとしてのプライドを保ってきたのです。

バイクとのかかわり方は人それぞれ

ずっとバイクに乗り続けている私もバイク乗りなら、バイクに乗っていないMもバイク乗り。バイクとのかかわり方が違うだけで、バイクが心の杖になっているのは言うまでもありません。動かないスティード400を眺めながら、Mは仕事や子育てに励んできたのでしょう。かといって母ちゃん、実家で採れた野菜を詰め込んだ段ボール箱をXR250に積んで持って帰れってどうよ!XR250乗りのプライドがズタズタになるやん!