冬ツーリングでのハクキンカイロの使い方:はじめに
仕組みや発熱時間にバイク乗り注目の逸品
「白菜ができたから取りにおいでやぁ」と母から電話。私の父と母は近所の人から畑を借りて家庭菜園を営んでいます。私の実家は気候が冷涼な奈良県北部の山間地域にあるためか、父と母が育てる野菜は絶品です。6歳の息子が野菜嫌いにならなかったのは実家でできる野菜がおいしいからなのでしょう。収穫体験も楽しいようです。しかし、実家の冬は極寒!冬には結露で窓が開かなくなることもあります。どうも!暮らし~のでライターをしておりますhosokawa_takaです。
ハクキンカイロの発熱量は使い捨てカイロの13倍
私は寒い地域で育ったので寒さに強いほうなのですが、それでも人間には限界があります。実家の冬の寒さに使い捨てカイロの発熱量は無力でしたので、私は長年ハクキンカイロを愛用してきました。ベンジンを入れたり火口をライターで炙ったりなどの手間は必要ですが、ハクキンカイロはゴミを減らせるのもメリット。奈良市では使い捨てカイロを燃えないゴミで出さなければならないのですが、ベンジンのペット容器はリサイクルゴミで出せます。
私のハクキンカイロの使い方
ハクキンカイロは驚くほど発熱量が高くて持続時間が長いので、私は冬のツーリングでも愛用しています。仕組みを理解して使い方をマスターすれば効率よく温かさを得られるのです。では本題!ここでは私のハクキンカイロの使い方について語ります。仕組みや発熱時間、携帯用の袋についても述べますね。ベンジンを使うから火事ややけどの事故につながる?なお、この記事は2020年12月16日現在の私の心境をもとに作成しますことをご了承ください。
冬ツーリングでのハクキンカイロの使い方:注意点
発熱する仕組みと注意点
ハクキンカイロにはベンジンの気化ガスとプラチナが接触して発熱する化学原理が用いられています。ベンジンが燃えて発熱しているのではありませんので、使用中に火事の事故が起こることはありません。火事ややけどの事故が起きる可能性があるのは注油時と点火時。ハクキンカイロの本体タンクや手にベンジンが付着したまま火口を火で炙ると炎が上がって危険です。注油時にベンジンがこぼれたらすぐに拭き取り、手もしっかり洗いましょう。
液体燃料がこぼれて発火すると火事ややけどなどの事故につながる
火気のある場所でベンジンを注油するのも厳禁です。ベンジンは揮発性が高く、火に触れると発火します。ですので、煮炊きをしているガスコンロのそばや暖房用のストーブの近くでベンジンを充填するのは危険です。液体はこぼれると広がって浸み込みますよね。そこに火が付くと高い確率で火事ややけどの事故につながります。常識レベルの注意事項ですが、ハクキンカイロの使い方では重要なポイントです。
専用のベンジンカップで火事ややけどなどの事故を防ぐ
ハクキンカイロ専用のベンジンカップで注油すれば、ベンジンが本体タンクから溢れることは稀ですし、溢れたとしてもごく少量です。面倒がらずにハクキンカイロ専用のベンジンカップでベンジンを注油しましょう。注油時にベンジンが溢れるのは本体タンクにベンジンが残っているため。途中で発熱を止めるとタンク内に残ったベンジンの量がわからなくなりますので、私は布団に入れてベンジンを使い切っています。次の注油でベンジンが溢れなくなりますし、就寝前に布団を温められるのです。
余談:途中で発熱を抑える袋について
ハクキンカイロをジップロックなどの袋に入れて酸欠状態にすると発熱を止められます。一旦発熱を止める程度で使うのには便利ですが、止めた後にベンジンをつぎ足しするのはおすすめできません。
冬ツーリングでのハクキンカイロの使い方:持続時間
妻が作ってくれたハクキンカイロを入れる携帯袋
妻は毛糸でハクキンカイロを入れる携帯袋を編んでくれました。妻にはいいづらいのですが、発熱時間がもっとも長かったのは付属の携帯袋です。妻が作ってくれた携帯袋にハクキンカイロを入れると発熱量は増したのですが、発熱時間は短くなりました。妻が毛糸で編んだ携帯袋にハクキンカイロを入れると通気口に酸素がたくさん流入するからです。ちなみに、私のハクキンカイロに付属していた携帯袋はアクリルウールでした。※現在の付属の袋はフリース生地です。
仕組みの特徴から発熱量と持続時間を調整する:アルミテープ
ハクキンカイロは発熱量と持続時間を調整できます。フタの内部に酸素をたくさん取り込めば発熱量が増し、制限すると持続時間が伸びる仕組みです。ですので、私はフタの通気口の一部をアルミテープで塞いで調整しています。長時間発熱してほしいときは多めに塞ぎ、最強レベルの発熱量が必要なときは全開です。冬のツーリングでは最強レベルの発熱量を求めて全開、普段使いではベンジンを節約するために1/3ほど塞いで…と使い分けています。
仕組みの特徴から発熱量と持続時間を調整する:仕舞うポケット
酸素量とは別に、ハクキンカイロ自体の発熱もベンジンの気化量に影響するようです。アンダーウエアの胸ポケットに入れるとハクキンカイロ自体が冷えにくくなり、ベンジンの気化が促進されて発熱量が高くなります。私の場合、冬のツーリングではミドルレイヤーの胸ポケットに入れるのがベストです。暖かい時間帯はハクキンカイロをアウターの内ポケットに入れてベンジンの気化を鈍らせ、気温が低くなる時間帯に備えるようにしています。
冬ツーリングでのハクキンカイロの使い方:燃料
ジッポーオイルやホワイトガソリンも使える仕組み
ハクキンカイロはベンジンだけでなくジッポーオイルも燃料に使えます。ハクキンカイロは炭化水素を触媒燃焼させる仕組みだからです。ジッポーオイルはコンビニで入手可能ですので非常時に使えます。また、ハクキンカイロはキャンプ用のホワイトガソリンでも使用可能です。コスパ重視の私はホワイトガソリンを使っています。キャンプツーリングでコールマンのガソリンストーブを愛用しているのですが、割安だからと買った4L缶のコールマンのホワイトガソリンがたくさん残っているからです。
持続時間が優秀な燃料はベンジン
ベンジンとホワイトガソリンを比較すると、発熱量は五分五分ですが持続時間はベンジンのほうがわずかに長い印象を受けます。ホワイトガソリンは1割ほど持続時間が短いですね。ガソリンストーブにレギュラーガソリンを入れ、ハクキンカイロにホワイトガソリンを入れる…あくまでも実験という名の暴挙と考えてください。それぞれの性能を発揮させるのには専用の燃料を入れるのがベストです。ハクキンカイロにレギュラーガソリンは?レギュラーガソリンは不純物が多いのでプラチナの寿命を縮めてしまいそう。残念ながら試していません。
火口の耐久性は抜群!
ハクキンカイロの火口の耐久性もなかなかのもの。ベンジンからホワイトガソリンに替えたときに持続時間が減ったのですが、それは火口が寿命を迎えたためだと思って新品の火口を購入しました。ところが、新品の火口でホワイトガソリンを使っても持続時間は変わらなかったのです。私のハクキンカイロは勤続12年ですので、火口の耐久性は10年以上だといえます。また、少しくらい発熱量が低くなったり持続時間が少なくなったりしても気づかないほどハクキンカイロは高性能です。
冬ツーリングでのハクキンカイロの使い方:まとめ
取扱説明書通りに使えば性能を発揮
ハクキンカイロは取扱説明書の通りに使うのがベストなのはいうまでもありません。具体的な使い方は取扱説明書に記載されていますので省略し、ここではイレギュラーな私の使い方を述べました。しかし、ハクキンカイロの魅力は発熱量や持続時間だけではありません。滑らかで手触りがいいフォルム、鈍く光るクロームの輝き、パーツを交換しながら長年愛用できるところ、そして、使い方を間違えれば重大な事故に発展しかねない使い方。何かに似ていませんか?
私はクラシカルなキャラクターが好き
私はハクキンカイロの有機的なキャラクターに魅せられたのだと思います。フタの通気口にアルミテープを貼って発熱量や持続時間を調節したり、燃料を替えて性能を確かめたり…。寛容度が高くて手を加えると確実に反応を得られるキャブレター車に似ています。使い方次第で楽しくも危険にもなるところはバイクそっくりです。冬のツーリングは寒い地域で育った私にとっても辛いものですが、ハクキンカイロは体も心も温めてくれるのです。
ベンジンの取り扱いに注意しましょう?
自宅に戻って妻が白菜を洗っていると「いゃーっ」と声を上げました。キッチンのシンクを見るとぐったりした青虫が一匹。葉の間で冬を越そうとしていたのでしょう。野菜に虫がついているのは常識ですし、洗えばおいしくいただけます。ハクキンカイロの燃料となるベンジンの危険性について「こぼして火が付いたら火事になるなんて常識」とは書けませんし、注意喚起するのが常識です。しかしそのうち「バイクは停止時に足をつかないと立ちゴケする恐れがあります」という記事を書く日が来るかもです。
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