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【連載】お正月飾りにはどんな種類がある?由来や意味、おしゃれな飾り方も

花屋で買える、お正月飾りの種類をご紹介。由来や飾り方などを合わせて解説します。ネットが普及した今、お正月飾りもシンプルでおしゃれなものなど多様化しています。また、伝統的な地域特有の飾りや風習も見直される昨今。お気に入りを探して、お正月をもっと楽しんでみて!
2020年12月21日
しまうま花屋
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お正月飾りの種類いろいろ

お正月の花屋

Photo by nubobo

12月も中旬になってくると、お正月飾りの準備が始まります。花屋では大きな青竹を切ってせっせと門松の準備をしたり、しめ縄飾りを作成したりと忙しくなる季節。クリスマスも過ぎるとお正月らしい花たちが店先を彩ります。最近は通販やSNSでおしゃれなお正月飾りを気軽に買え、幅広い層に人気があります。

おうちをお正月モードに

Photo by haru012

普段は家を空けるけど…という人も、今年はおうちで過ごすことも多いであろうお正月。お正月の飾りや生花を買って、お正月の気分をぐっと上げてみるのも楽しいかも。今回は、お正月飾りの種類と花屋で実際に買えるお正月飾りをご紹介。マンションやワンルームでも楽しめるものが結構あるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

お正月飾りの意味と由来

お正月とは

Photo by whitefield_d

お正月はもともと迎える新年を祝い、その年の歳神様を迎えて豊作を願うという行事。歳神様は地域によっては祖先の神ともされ、1年間の幸せをもたらしてくれると言われます。また、数え年の風習があった戦後頃までは正月に皆一斉に1つ歳を取ることになり、無事ひとつ歳を取れたことを祝う意味合いもあったといいます。

お正月飾りとは

フリー写真素材ぱくたそ

お正月飾りは、歳神様を迎えるためのもの。門松は歳神様が降りてくるための目印(依代)で、しめ縄は歳神様をお迎えする神聖な場所を示すもの、など言われます。飾り方や期間などの風習は地域によっても違いますが、昔は飾り終えたらどんと焼きなどで焼くのが一般的で、その立ち上る炎で神様が帰るとも言われていました。

変容する正月飾り

現代は住宅事情や家族構成もさまざまになり、お正月自体の風習もお正月飾りもどんどん多様化されてきました。簡略化されつつもありますが、時代に合わせて変容しながら受け継がれている文化でもあります。ここからは、お花屋さんで買えるお正月飾りの種類と飾り方を、もともとの由来や意味とともにご紹介していきます。

花屋で買えるお正月飾り1:門松

歴史と謂れ

Photo by zunsanzunsan

お正月といえば、まず思い浮かぶのが門松。神様が迷わず降りてくるための目印で、対で門のわきに飾ります。庭に松などの常緑樹を1本立てて依代としていましたが、江戸時代頃に対になったと言われています。またこの頃に庶民にも竹が普及し、竹が入れられるようになったとも。

由来や意味と飾り方

現在一般的な門松は、中心に3本の竹、その周りに松や梅、足元などにナンテンやハボタンなどが使われます。成長が早くまっすぐ伸びる竹は長寿や繁栄の意味が、梅には1年の始まりの花として縁起がよいとされています。ナンテンは「難を転ずる」、ハボタンは重なり合う葉に「吉事が重なる」などの意味が込められています。

花屋で買えるのは?


花屋では店舗や会社など向けに伝統的な大きい門松の作成もしますが、一般客向けには小さめの門松風アレンジメントや寄せ植えも販売しています。大きさや種類もさまざまで、玄関にも飾れるようなコンパクトなものも。切り花が入った華やかなアレンジや、ナチュラルな雰囲気のシンプルなものも人気です。

花屋で買えるお正月飾り2:しめ縄飾り

歴史と謂れ

Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋)

しめ飾りは、しめ縄の一種です。しめ縄とは、神社の鳥居や拝殿などにつけられている縄状のあれ。神様のいる神聖な場所であることを示すものであり、結界の役割をしています。しめ縄の起源は古事記にもさかのぼりますが、しめ縄を個人宅で飾るしめ飾りが一般化されたのは室町時代頃と言われます。

由来や意味と飾り方

しめ飾りは神様への目印であり、また禍いが中に入って来ないようにする結界の役割があります。地域によって形状に違いがあり、おもしろい文化のひとつです。飾りは松竹梅をはじめ、シダ植物のウラジロは「長寿」、ユズリハとダイダイは「子孫繁栄」などといった意味が込められています。

花屋で買えるのは?

しめ飾りは現代の住宅でも飾りやすく、どんどん多様化しています。スーパーでも買える簡単なものから、おしゃれな一点物まで種類もさまざま。花屋でもプリザーブドフラワーやドライフラワー、造花や生花など個性的なしめ縄がたくさん並びます。SNSでもたくさん販売しているので、ぜひお気に入りを探してみて。

花屋で買えるお正月飾り3:鏡餅

歴史と謂れ

Photo by tamakisono

鏡餅は、歳神様への御供物のひとつ。またはお正月の間歳神様が宿る依代だともいいます。ハレの食であるお餅を使い、豊作や健康祈願の意味合いがあります。この風習は平安時代には存在していたと言われていますが、民家にも広まったのはやはり室町時代頃と言われています。

由来や意味と飾り方

丸い形は3種の神器である鏡や人の心臓を模したものと言われています。丸い形や2つ重なった姿が「家庭円満」という縁起物でもあり、代々栄えるようにという意味のダイダイを上に乗せ、ウラジロを敷いて飾ります。地域によって異なりますが鏡開きの日に割って食べます。このお餅がお年玉の起源とも言われています。

花屋で買えるのは?

鏡餅はお餅屋さんをはじめ、今ではホームセンターやスーパーなどでいろんな形のものが販売されています。毎年使えるような置物など種類も豊富。花屋では、ウラジロの販売はもちろん、まんまるのピンポンマムで鏡餅を模したアレンジメントなど工夫を凝らしたものなどもあります。

花屋で買えるお正月飾り4:餅花

歴史と謂れ

Photo by YukiNoSato

お正月のディスプレイや商店街などでもよく見かける、垂れ下がる枝に紅白の丸いものがついた飾りが餅花(もちばな)です。地域によって餅花の風習がない場所や、呼称が違う場合もあります。小正月(1月15日)の行事である地域が多く、豊作祈願の意味があります。


由来や意味と飾り方

ヤナギなどの枝に、紅白のお餅を交互につけるのが餅花の一般的な形です。このお餅は飾り終わった後に焼いて食べます。養蚕文化のある東日本ではこの玉を蚕の繭に見立て、繭玉(まゆだま)とも呼びます。玉は米粉で作り、餅花と同様に飾り終わったら食べるのが風習です。

花屋で買えるのは?

餅花は、花屋で枝を買ってきて自分でお餅をつけて飾るという家庭が多め。お餅を温めて食紅で赤い色をつけ、等間隔にくっつけていくだけなので意外と簡単です。子どもと一緒に作るのも楽しいかも。もちろん完成したものも販売しています。餅花用の枝も、完成した餅花も、12月の初めには予約しておくと確実です。

花屋で買えるお正月飾り5:正月アレンジメント

現代の正月飾り

お正月らしいお花を使ったアレンジメントは置き場所も選びやすく、贈呈用にも自宅用にも人気があります。店舗など向きの大きなアレンジメントから、マンションの玄関にも置きやすいアレンジメントまで、大きさも価格もさまざま。たいてい、12月初旬から予約受付しています。

帰省や挨拶に行けない時に

アレンジメントは大きく華やかなものからシンプルでおしゃれなものまで種類が豊富で、好みのものを見つけやすいのがメリットです。お正月のお菓子とのセットなど、通販でもいろんな商品が販売されています。実家や親戚の家に帰省したり挨拶に行けない時に贈るのにもおすすめです。

花屋で買えるお正月飾り6:寄せ植え

長く楽しみたいなら

アレンジメントと同様、お正月の寄せ植えもこの時期人気。お正月のお庭や玄関先を彩り、お正月が過ぎても春まで楽しめるのでコスパも抜群です。門松に模した竹のレプリカやハボタンを中心に、ナンテンやセンリョウに似た赤い実をつけるヤブコウジやマンリョウなどが入っているものが多く見られます。

洋風の住宅にも合わせやすい

従来の門松より洋風に合わせやすく、今の住宅にも飾りやすいため人気があります。12月に入るといろんな花屋や園芸店で販売され、和風らしいものから洋風のお花を中心にしたおしゃれなもの、シンプルでかっこいいものまでさまざま。アレンジメントとおなじく、挨拶に行けないような時の贈り物にもおすすめです。

花屋で買えるお正月飾り7:ヒカゲノカズラ

掛け蓬莱飾りとは

お正月の飾りのひとつ、蓬莱飾り。お米や昆布、串柿、伊勢海老などの飾りを盛ったもので、理想郷・蓬莱山を模して作った五穀豊穣や商売繁盛を祈る飾りです。この蓬莱飾りの一種で、京都では平安時代からヒカゲノカズラというシダ植物を使った「掛け蓬莱」という伝統的な飾りがあります。

神話にも登場する植物

Photo by bobistraveling

ヒカゲノカズラは天岩戸伝説にも登場する、日本には古来から自生している植物。ヒカゲノカズラを蓬莱山を昇る龍に見立てた飾りで、長ければ長いほどよいともされています。この飾りがインターネットやSNSでも広まり、神聖なたたずまいとシンプルな見た目で人気があります。


ネットや注文で

掛け蓬莱を販売している花屋やお店は多くありませんが、インターネットなどで注文できます。ヒカゲノカズラ自体はお花屋さんで予約しておけばたいてい手に入るので、自分で作ってみるのもよいかも。飾り方もアレンジしやすく、ヒカゲノカズラを使ったシンプルなリースもおしゃれで人気です。

花屋で買えるお正月飾り8:仏手柑

仏の手指のような形

Photo by kanonn

仏手柑(ぶっしゅかん)とはインド原産のミカン科の植物。その果実が仏の手や指のように見えることから名付けられました。果実には果肉がほとんどないため食用としてはあまり用いられませんが、不老長寿の漢方薬などにも利用されてきました。

不老長寿の縁起物

日本には室町時代頃に伝わり、お茶席の生け花や正月飾りなどの縁起物として親しまれてきました。仏手柑をお正月飾りにするのは主に京都など近畿地方、西日本に多い風習です。東日本でも寺院などで見られます。珍しい植物で流通量は少ないですが、年末になると八百屋さんやお花屋さんの店頭に並びます。

飾り方もシンプル

仏手柑の飾り方は地方によってもさまざまですが、ウラジロを敷いたり上に水引を乗せたり、ナンテンなどと一緒にお皿に飾ったりします。香りもよく見た目もシンプルで、場所も取らないのでワンルームなどでもおすすめです。見つけたらぜひ手に取ってみて。

さいごに

いろんな種類を探してみて

Photo by an-k

お正月をはじめとした伝統行事は簡素化しつつもありますが、最近はインターネットやSNSなどを通して、いろんな地域の風習が見直されつつもあります。個人的には、伝統を大切にしつつ、素敵だな、おしゃれだなと思ったものから由来や歴史を知ってさまざまな風習を見直してみるのもよいなあと思います。

過去の連載はこちらから

この日曜連載では、花屋で買える花たちを中心にいろんなテーマでお送りしています。12月の花屋はクリスマスに正月に大忙し。同時に、この時期にしか出回らない切り花たちがたくさん出回る季節です。ぜひお花屋さんを覗いてみてくださいね。ほかにも12月に買える植物について記事にしていますので、こちらもご覧ください。