グラディウス400のスペックとインプレ:はじめに
妖艶なシルエットとトルキーなエンジン
スズキのグラディウス400は妖艶なシルエットにトルキーな90°V型2気筒エンジンを搭載した異色の400ccネイキッドバイクです。2009年の12月に新型として販売が開始され、2015年モデルまで生産されました。絶版バイクとなって久しいものの、デザインの強烈なインパクトは今も新鮮さを失っていません。
美しいバイクとのツーリングはすべてを肯定してくれる
グラディウス400のベースになったのは海外モデルのグラディウス(650)で、SV400のエンジンがインジェクション化されて搭載されました。実質上の後継車種は現行モデルのSV650です。グラディウス400のユーザーインプレを確認すると、購買動機はデザインとのこと。美しいバイクとのツーリングにはすべてを肯定してくれる何かがあるのです。
グラディウス400のスペックとレビューをチェック!
では本題!ここではグラディウス400のスペックとユーザーインプレを確認して全貌を明らかにしていきます。現行モデルの400ccバイクとも比較しますので、グラディウス400の中古車を検討しているバイク乗りさん必見です。なお、この記事は2020年11月30日現在の情報をもとに作成しますことをご了承ください。
グラディウス400のスペックとインプレ:エンジン
唯一無二の速いエンジン
グラディウス400のエンジンには水冷DOHC4バルブの90度V型2気筒エンジンが搭載されています。90°V型エンジンは理論上において振動が発生しないので、バランサーを仕込まなくてもいいのがメリット。ダイレクトな加速レスポンスは速い印象を強めます。並列2気筒に換算すると270度クランクとなり、心地いい蹴り出し感も格別です。エンジンスペックは2020年現行モデルの平均値を大きく上回っていますね。
グラディウス400のスペック:エンジン | ||
グラディウス400 | 2020年400cc 現行モデル平均値 |
|
最高出力 ps/rpm |
55/11000 | 42.5/9232 |
最大トルク kgf・m/rpm |
4.1/8500 | 3.56/7414 |
グラディウス400ユーザーのインプレ:エンジン
グラディウス400ユーザーのインプレを確認すると、高回転域でフィーリングが変貌するとのこと。ツーリング派は中回転域のパルス感が心地いいと評価し、ファンライド派は7000回転以上の豪快な加速感が速いと評価しています。現行モデルの400ccバイクは扱いやすさが重視されていますので、グラディウス400の個性的なエンジンは貴重な存在だといえますね。
何より特徴があるのがVツインエンジンで、スリップオンを付けていますが回さず5000回転くらいで流すのが気持ちいい。
7-8000回転からエンジン音が変わりスポーティなフィーリングへと豹変する。
ギアを変えずずぼらに運転しても、積極的に回して攻めることも出来る。
グラディウス400のスペックとインプレ:最高速
豪快な加速フィーリング
グラディウス400のスペック:加速 | ||
グラディウス400 | 2020年400cc 現行モデル平均値 |
|
120km/h rpm |
6675 (78.5%) |
6883 (101.2%) |
100km/h rpm |
5562 (65.4%) |
5735 (84.3%) |
80km/h rpm |
4450 (52.4%) |
4588 (67.5%) |
60km/h rpm |
3337 (39.3%) |
3441 (50.6%) |
※トップギヤでの理論上のエンジン回転数 ※()内は最大トルクを発生させるエンジン回転数を占める割合 |
速度ごとの理論上のエンジン回転数を2020年現行モデルと比較すると、グラディウス400の加速力にはかなり余裕があるといえます。空気抵抗やライダーの体重を考慮すると、高速道路120km/h区間でやっと楽しいエンジン回転数に到達するレベルです。理論上の最高速度は197.8km/hで、レッドゾーン入口(12500rpm)までエンジンを回すと224.7km/h!驚異的に速いですね。
グラディウス400ユーザーのインプレ:加速
グラディウス400加速感に関するユーザーインプレを確認すると、速いエンジンの割に扱いやすいと大絶賛されています。ユーザーの使い方に合わせて性格を変えてくれる万能的な加速感でありながら、速い加速も楽しめるとのこと。現行モデルのSV650でも同様のコメントが見受けられますね。パワーみなぎる加速感を得られる、あなどれない400ccバイクです。
低速で少しVツインらしさを感じ、中速でなめらかな並列2気筒という感じ、高速では4気筒のようにスムースかつ力強く伸びてゆきます。
このエンジンはすばらしい。不快な振動もありません。
街乗りでは3000~4000回転くらいで走ってる時の鼓動感のあるフィーリングが楽しめ、高速などでの中回転域では無振動に近く滑らかに回るエンジン…
グラディウス400のスペックとインプレ:車体サイズ
やや大きい車体サイズ
グラディウス400のスペック:車体サイズ | ||
グラディウス400 | 2020年400cc 現行モデル平均値 |
|
全長 mm |
2130 | 2100.9 |
全幅 mm |
760 | 763.2 |
全高 mm |
1090 | 1188.2 |
グラディウス400は650ccのグラディウスをベースに開発されましたので車体サイズは少し大きめです。エンジンの速い加速感に見合った車体サイズだといえますね。しかしその差は僅差!ベースが650ccであることを考えるとコンパクトです。また、車体サイズの迫力はデザインの妖艶さにも貢献しています。取り回しに関してはユーザーインプレを確認しましょう。
グラディウス400ユーザーのインプレ:車体サイズ
グラディウス400の車体サイズは現行モデルの400ccバイクの平均値を上回っているものの、取り回しでの印象はコンパクトとのこと。車体サイズよりも重い車両重量を気にしているユーザーのほうが多いですね。90°Vツインエンジンはバンク角(前シリンダーと後ろシリンダーの挟み込み角)が大きいので、エンジンの重心が高くなってしまい、車両重量も重い印象になるのです。
車体サイズが他の同クラスに比べて小柄なのがとても良いです。Vツインの利点を表現しています。駐車時やバックの時も楽に押すことができます。
自分は平均的な成人男性より力は強い方だと思うので苦労することはありませんが、女性の方や体力に自信の無い方は引き回しに苦労するかもしれません。
グラディウス400のスペックとインプレ:街乗り/足つき
重心の高さに重い印象を受ける
グラディウス400のスペック:街乗り性と足つき性 | ||
グラディウス400 | 2020年400cc 現行モデル平均値 |
|
シート高 mm |
785 | 778.6 |
車両重量 kg |
206 | 190.4 |
最小回転半径 m |
3.0 | 2.71 |
現行モデルの400ccバイクと比較すると、グラディウス400の街乗り性や足つき性は良好とはいえません。最小回転半径は大きめ、シート高はやや高め、2気筒エンジンの割に車両重量は重いですね。650ccのグラディウスがベースになっているのが理解できます。重い車両重量は乗れば加速感で帳消しになるものの、足つき性は数値だけで量れませんのでユーザーのインプレを参考にしましょう。
グラディウス400ユーザーのインプレ:街乗り性/足つき
グラディウス400の足つき性に関するユーザーレビューを確認すると、スペックの数値ほど悪い印象を受けません。街乗りでは重い車両重量に神経を使うユーザーもいますが、足つき性は良好とのこと。250ccクラスから乗り換えても問題ないというコメントもありました。足つき性をよくするためのくびれなのか?それともボリューム感のあるシルエットのためのくびれなのか?タンクの後方やシートの前方が絞られているのが足つき性を悪くさせていない原因です。
GSR250からの乗り換えですが、足つきもよく車重も特別重い感じはしません。
高い重心に四発とそう変わらない車重決して取り回しが良いとはいえない。しかしそういうマシンなどいくらでもある。グラディウスは足付きも悪くないためなんとかなる。
グラディウス400のスペックとインプレ:ツーリング
重い、速い、加速がいい…しかし燃費もイイ!
グラディウス400のスペック:ツーリング | ||
グラディウス400 | 2020年400cc 現行モデル平均値 |
|
燃費 km/L |
28.33 (実燃費) |
26.4 (WMTCモード値) |
燃料タンク容量 L |
14 | 14.9 |
航続距離 km |
約396.6 | 393.1 |
※グラディウス400の実燃費はみんカラの数値を参考 |
ツーリングで気になるのは燃費と航続距離です。現行モデルの400ccバイクのWMTCモード値燃費と比較すると、グラディウス400の実燃費性能の優秀さに驚かされます。加速が速い上に車両重量が重い、そんなバイクとは思えない燃費性能です。燃料タンクは14Lと少なめですが、航続距離は十分だといえます。※2020年現在とではスペックシートにおける燃費の記載方法が違います。
グラディウス400ユーザーのインプレ:ツーリング
グラディウス400ユーザーのツーリングに関するインプレを確認すると、燃費の良さに満足する反面、ツーリングでは尻痛対策が必要とのこと。シートの座り心地は250ccオフロードバイク並みによくありません。ツーリングではこまめに休憩を入れたいですね。長距離ツーリングではカスタムシートへ換装する余地があります。なお、ツーリングで重い車両重量を気にするユーザーインプレは見受けられませんでした。
グラディウス400のスペックとインプレ:カスタム
ノーマルのシルエットを崩さないカスタムが主流
グラディウス400はノーマルのままでもかっこいいので外装をカスタムするユーザーは少ないですね。グラディウス400のヘルメットホルダーはシートを外さないと使えませんので、中古車市場でヘルメットホルダーを追加した個体は多く見かけます。また、小ぶりなウインドスクリーンで全体のシルエットが崩れないようにしているユーザーや、重い車両重量を軽くするためにカスタムマフラーに換装するバイク乗りもいます。どちらかというと、実用性重視でカスタムされる事例が多いですね。
エクセーヌ仕様シート/ユニコーンジャパン
エクセーヌ仕様シート/ユニコーンジャパン
グラディウス400の乗り心地を改善するにはカスタムシートへの換装がおすすめです。世界で唯一のカタナ専門店であるユニコーンジャパンからカスタムシートがリリースされています。
ハイシート/スズキ純正
ハイシート/スズキ純正
スズキ純正のハイシートは乗り心地が改善されると評判がいいですね。約20mmシート高が高くなるものの、シート前方が盛り上がるだけですので、足つき性への影響はさほどありません。座面が地面に対して水平になりますので、お尻への負担が少なくなります。
シート加工業者に依頼する!
グラディウス400は販売期間が短かったので、カスタムパーツは思いのほか少なめ。徹底的に乗り心地を改善するなら、シート加工業者でのカスタムも検討したいですね。体格や好みに合わせて加工してくれる専門業者を選びましょう。足つき性と重い車両重量が気になるバイク乗りにおすすめです。
グラディウス400のスペックとインプレ:中古車価格
内容を見れば中古車価格は安い!
グラディウス400の中古車価格は年式相応だといえます。もともと価格が高めの400ccバイクでしたし、年式を考えれば妥当なレベル。コンディションがいい中古車が選べる今が買い時かもです。現行モデルにはない個性を手に入れられるなら安いといえますね。400ccバイクのラインアップは縮小傾向にありますし、中古車といってもスズキの400ccMT車は貴重な存在です。今も新車在庫を販売しているショップを見かけますよ。
グラディウス400の中古車価格 | |
中古車全体の価格 | 約25~60万円 |
ノーマル車の中古車価格 | 約25~54万円 |
新車価格 | 約69~85万円 |
※2020年11月30日現在 |
グラディウス400の足回りは豪華ですので、最新の人気モデルよりもお買い得感が高いですね。リヤのプリロード調整はもちろん、フロントのスプリング調整もできます。ローダウンしてもフロントのスプリングでバランスを調整できるのが大きなメリット!フロントのスプリング調整ができるのは新車価格が80万円を超えるホンダ車のみ。そう考えると、グラディウス400の中古車価格にお買い得感が増します。
グラディウス400のスペックとインプレ:まとめ
デザインに惚れたら買わない理由はない
グラディウス400は妖艶なシルエット、万能でありながら官能的なエンジンフィール、軽快なハンドリングでワインディングロードも楽しめる400ccのネイキッドバイクです。「デザインに惚れたら買わない理由はない」そのユーザーレビューに重みを感じます。今も新鮮に映えるシルエットはバイクを眺める時間を楽しくしてくれますし、スズキ車ならではのメッセージ性の強さを感じながらのツーリングは楽しいですね。
デザインに惚れたら買わない理由はない。美しさ力強さを兼ね備えた流麗なスタイリング、所有感を満たすデザイン。
スズキ車が気になる人はこちらをチェック!
スズキはユーザーの要求に真摯に応えながらも、使い方を限定するバイクメーカーです。少し変わったバイクメーカーと揶揄されることもありますが、一度スズキ車の虜になるとツーリング先での風景が強烈に脳裏へ焼き付けられる不思議現象も。やや毒性は強いのですが、目的に沿った手抜きのないバイクづくりに共感できることでしょう。他のスズキ車についてもチェックしてくださいね。
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