黒い花の魅力
黒い花とは
花の世界で「黒い花」と呼ばれるものは、純粋な黒色というより黒に近い赤や紫、濃い褐色をしています。染料を使うことで、より深い闇のような黒い花を創ることは可能ですが、そのほとんどがブリザーブドフラワーです。シックで高級感のある黒い花は、仏花や贈りもの、お祝いごとなどに使われています。
黒い花が人に与えるイメ―ジ
黒は、あらゆる色を吸収する色です。車やピアノなど人工物においては、黒は高級感や威厳を、精神世界においては闇や死を想起させます。自然界においては、柔らかな質感の黒い花が放つのは、気高くおしゃれな印象です。花束や庭の中で他の花と混ざっても、その存在感のある強い色が神秘的に人を惹きつけます。
フラワーアレンジメントにおける黒い花
高級感を与える黒い花は、ギフト用のフラワーアレンジメントの花材としても利用されています。大人っぽくかっこいいアレンジや、シックでモダンな印象のアレンジを望む方に選ばれる色です。また、ブリザーブドフラワーの技術では、染色により真っ黒なバラやカーネーションを生み出すことができます。
おしゃれガーデニング:黒い花①バラ
花束の中に綺麗な黒い花が混じると、シックで大人っぽい印象になります。淡い色の花と組み合わせることで、メリハリのあるアレンジメントも可能です。花の女王と呼ばれるバラを筆頭に、人を引きつけてやまない高貴な黒い花の種類をご紹介してまいります。
花の名前:ブラックバッカラ
ブラックバッカラという種類の黒バラです。四季咲き性なので、春から秋にかけて綺麗な花を咲かせます。花束にすると、圧倒的な高級感が出るのが魅力です。このバラを庭栽培で育てる場合、つぼみのうちに切って花瓶に挿しておくと、木に咲かせるよりも綺麗な深い黒色の花が咲きます。
花の名前:ルイ14世
深みのある綺麗なボルドーが混じった、魅力的な黒バラです。四季咲き性で、春から秋にかけて花が咲きます。ダマスクとティーの混じった強い芳香を持ち、コンパクトに育つので鉢植え栽培も可能です。バラの名前は、フランスの太陽王、ルイ14世に捧げられたことに由来しています。
黒バラの花言葉
黒バラにはいくつかの花言葉があります。マイナスイメージの花言葉「憎しみ」「恨み」は、黒色の持つ不安・恐怖のイメージから生まれたものでしょう。一方、プラスイメージの花言葉「あなたは私のもの」「不滅の愛」「永遠」は、力強い愛を表しています。黒バラを贈る時は、後者の意味であることもそっと伝えたいですね。
おしゃれガーデニング:黒い花②ユリ
ユリといえば白ユリが有名ですが、対照的なクロユリという名前をご存じでしょうか。植物学的にはユリの仲間ではありませんが、やや下向きに咲く花姿がユリに似ており、綺麗な黒紫の花弁が特徴です。また、バットリリー(コウモリユリ)やデビルフラワー(悪魔の花)という異名を持つ、珍しい黒い花もご紹介します。
花の名前:クロユリ
クロユリは北海道や本州の高山地帯に分布する植物で、秋に植え付けると初夏に花が咲きます。球根から育てる多年草で、寒冷地であれば庭栽培も可能です。綺麗な黒紫の花弁がやや下向きに咲くところが、クリスマスローズと似ています。北海道型は草丈50cmほどですが、本州型は小さく20cm前後です。
クロユリの花言葉
クロユリの花言葉には「恋」「恋の魔術」「狂おしい恋」といった恋愛に関するものと、「呪い・復讐」といった怖いイメージのものがあります。これらの花言葉は、クロユリの黒い花色から生まれたのでしょう。狂おしいほど好きになった人を振り向かせようとする、恋の魔術を想わせますね。
花の名前:タッカ・シャントリエリ
なんともエキゾチックで珍しいこの黒い花の名前は、タッカ・シャントリエリ(和名:黒花タシロイモ)です。コウモリの羽根のような形から、バットリリー、デビルフラワー、ブラックキャットとも呼ばれます。観葉植物としても綺麗なこの花は夏に開花しますが、20℃以上では一年中開花するのが特徴です。
タッカ・シャントリエリの花言葉
タッカ・シャントリエリの花言葉は、「孤独な主張」「邪悪」です。その見慣れない個性的な容姿が悪魔を連想させ、「邪悪」という花言葉に結びついたのでしょう。苞葉と呼ばれるコウモリの羽根のような部分を猫の耳として眺めれば、一転して可愛らしさが感じられます。
おしゃれガーデニング:黒い花③コスモス
コスモスの花といえばピンクや白を思い浮かべますが、黒いコスモスもあるんです。チョコレートのような甘い香りがすることから、チョコレートコスモスと呼ばれます。花の種類が豊富で、花束やガーデニングの花材としても人気です。夏咲きタイプと冬咲きタイプがあり、冬咲きは10・11月に花が咲きます。
花の名前:チョコレートコスモス「チョカモカ」
「チョカモカ」は、チョコレートコスモスの改良品種で特に色が濃く、春・夏・秋と長い期間花が咲きます。寒さにも強いので屋外で冬越し可能ですが、霜が当たらない軒下などに置きましょう。球根を乾燥させないよう冬の間も掘り上げずに管理します。ガーデニングでも人気の高い、シックな色の花です。
花の名前:チョコレートコスモス「キャラメルチョコレート」
チョコレートコスモスの「キャラメルチョコレート」という種類は、チョカモカよりやや明るい色の花びらに、オレンジが筋状に入った珍しい品種です。花は秋咲きで、自然分球により増えます。花茎が強く切り花としてもおすすめです。葉が傷む原因になるため夏の強い日差しは避け、半日陰に植えるようにします。
チョコレートコスモスの花言葉
ピンクのコスモスの花言葉が「乙女の真心」「謙虚」「調和」と少女のようなイメージを持つのに対し、チョコレートコスモスの花言葉は「恋の終わり」「恋の思い出」「移り変わらぬ気持ち」と、終わった恋の哀しさを表しています。落ち着いた深い花色が、そのような大人の恋を連想させるのでしょう。
おしゃれガーデニング:黒い花④チューリップ
冬の終わりと春の訪れを告げる花、チューリップにも黒い種類があります。黒いチューリップだけを花束にすると、花の形は可愛らしいのに、全体から受けるのはシックで大人びた印象です。濃い紫や赤を混ぜたような黒い花びらは、光に透けるとより綺麗な輝きを放ちます。
花の名前:クイーンオブナイト
秋から初冬にかけて球根を植えると、翌春には綺麗な黒紫の花が咲きます。冬の寒さに当てることで開花を促すため、鉢植え栽培の場合、冬はなるべく寒い場所に置いてください。ビロードのような質感の花びらは女王のような気品があり、根強い人気です。
花の名前:ブラックヒーロー
綺麗な八重咲きのブラックヒーローは、切り花としても人気の高いチューリップです。水切れを起こすと花が咲かない可能性がありますので、冬の間も水やりを欠かさないように育てます。花にボリュームがあるため華やかな印象で、黒から紫へのグラデーションが荘厳な美しさですね。
黒チューリップの花言葉
赤やピンクのチューリップが愛の喜びを象徴する花言葉を持つのに対し、黒いチューリップの花言葉は、「私を忘れてください」「愛の苦しみ」など、涙を誘う愛のイメージです。黒いチューリップを贈る際には、「綺麗だったから」や「珍しい色でしょう」など、肯定的な言葉を添えて贈るといいですね。
おしゃれガーデニング:黒い花⑤ビオラ
花の種類が豊富なことで知られるビオラは、庭を明るく彩る人気の花です。丸い花弁のタイプが定番ですが、フリルのような珍しい花弁の種類もあります。黄色と青、ワインとピンクなど2~3色混合した花のイメージがありますが、黒や白などの単色も綺麗です。花期が長いのが魅力で、秋、冬、春と次々に新しい花を咲かせます。
花の名前:ペニーブラック
黒いビオラは珍しいため人気が高く、フラワーショップを何軒もはしごしてやっと手に入れる方もおられます。ペニーブラックは花芯の黄色以外はオールブラックで、特に大人の女性に好まれるシックな色です。ガーデニングにおいてはアリッサムなど白い小花との相性がよく、寄せ植えにも向きます。
花の名前:ブラックデライト
ブラックデライトは黒に近い紫のシックなビオラで、植えつけ時期・開花期ともに、秋・冬・春と長く楽しめる花です。ガーデニングにおいては花壇をはじめコンテナやハンギングバスケットなどにアレンジして楽しみます。白やピンクなど、対照的な淡い色の花と一緒に植えると黒が引き立ち、おしゃれです。
黒いビオラの花言葉
ビオラの花には黒い色素はなく、紫の色素が多いため人間の目には黒く映ります。そのため、黒いビオラの花言葉は紫のビオラの花言葉と同じ、「思慮深さ」「誠実」「揺るがない魂」です。中でも「揺るがない魂」は、黒いビオラの持つ力強さを雄弁に物語っています。
おしゃれガーデニング:黒い花⑥クリスマスローズ
冬に花を咲かせるクリスマスローズは、秋になると株が元気になってきます。逆に夏の強烈な日差しには弱いため、夏の間だけ観葉植物のように室内で育てることも可能です。紫系の品種が多い中、黒のクリスマスローズは格調高く、凛とした美しさがあります。
花の名前:ブラックスワン
ブラックスワンは、マットな質感が魅力のクリスマスローズです。八重咲きの大輪品種で、冬の寒さにしっかり当てることで花びらの厚みが増し、インクのような青紫が濃くなります。冬の終わり、2月から4月にかけてが花期です。夏の直射日光は避けますが、秋から冬にかけて適度に日光が当たる場所に植えます。
花の名前:ブラックパール
ブラックスワンが八重咲き・大輪なのに対し、ブラックパールは一重咲き・小輪です。病害虫に強い丈夫な品種で、花付きも良いことから大変人気があります。綺麗な白い花芯を囲む黒い花びらが印象的でおしゃれな花です。品のある美しさは和・洋どちらのお庭にも似合います。
黒いクリスマスローズの花言葉
クリスマスローズは、冬に花を咲かせる貴重な植物です。その花言葉は「私の不安をやわらげて」「いたわり」「追憶」などで、花の色によって区別はされていません。厳しい冬の終わりに可憐な花を咲かせることから、春の到来を予感させ、「不安をやわらげる」「いたわり」といった花言葉が生まれたのでしょう。
おしゃれガーデニング:黒い花⑦観葉植物
観葉植物の中にも、黒い花が咲く種類、または黒い花のように見える種類があります。寒い季節は暖かい室内で、ミステリアスなムード漂う黒い花の観葉植物を育ててみませんか?贈り物や観葉植物として、人気の高い種類をご紹介いたします。
観葉植物の名前:黒法師
黒法師は、アエオニウムと呼ばれる多肉植物の一種です。ロゼット型の葉が特徴で、美しい黒い花のように見えます。黒法師の観葉植物としての価値は、この花のような形の葉にあると言っても過言ではありません。冬に強く夏に弱い性質があるため、冬は屋外で日光に当てますが、夏は半日陰で雨を避けて育てます。
黒法師の花言葉
黒法師の花言葉は「いい予感」です。春・秋・冬とたくさんの日光を浴びることで、黒法師の葉はより深い黒になります。バラの花のような美しいロゼット型を形成してゆく過程は見守り育てる楽しさがあり、まさに「いい予感」を感じさせる植物です。
観葉植物の名前:カラー
黒いカラーは、シックな花の代表格です。シュワルツワルダー、スプリーム、メモリーズブラックといった種類があります。夏は、暑さで本来の黒さが出ないことがありますので、ブライダルやお祝い事など大切なシーンでブーケとして利用したい場合は、秋から冬にかけてのシーズンがおすすめです。
黒いカラーの花言葉
観葉植物としても人気の高い黒いカラーの花言葉は「贅沢の美」です。シンプルなフォルムが美しいカラーの花は、黒い衣装をまとった大人の女性のしなやかな美しさを連想させます。人気のフラワーアレンジは、メリハリを強調する白い花との組み合わせや、大人びたワインカラーの花との組み合わせです。
まとめ
ガーデニングやインテリアにおいて、黒い花は大人っぽく魅力的な雰囲気作りに役立ちます。シックなガーデンやモノトーンでまとめたインテリアの中に、黒い花を飾ってみませんか?黒い花は観葉植物のグリーンとも相性がよく、白やピンクなど淡い色の花との寄せ植えも映えます。
花の色が気になる方はこちらもチェック!
色別にまとめられた花や、花言葉をご紹介する記事もあります。暑い夏も寒い冬も、四季折々の美しさを見せる花の魅力をご紹介していますので、ぜひご一読ください。

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