芽だし フリージア球根
はじめに
地植えやプランター栽培も!フリージアの育て方
球根を地植えして楽しむ花としてポピュラーなフリージアの花。プランターや鉢植えの室内で香りと色・形を楽しむための花としても売られています。フリージアの球根や鉢植えを買ったらその水やり・肥料や翌年も花を咲かせるためのお世話をしていきましょう。この花を育てるのがはじめたの方が困ったりわかりにくかったりする点を中心に手順を追って詳しく解説しますので御覧ください。
フリージアについて
フリージアの育て方の前に基本的な情報を頭に入れておくとなぜこうしなければいけないのかという理解がしやすく記憶に残りやすいです。この花の開花時期や特徴的な甘い香りの成分・効果も見ていきましょう。
基本情報
科・属:アヤメ科フリージア属
原産地:アフリカ南部
英語名/学名:Freesia/Freesia
フリージアの特徴
この植物はスラッと伸びた茎の先端に外側に向けて花をつけるのが特徴。またとても甘い香りの強い花なので甘すぎる香りは苦手という方は注意した方が良いでしょう。白や黄色・オレンジ色などをはじめとして紫やピンクなどの花色も楽しめます。草丈は高いので花がたくさん付くと茎が弓なりになったり、豊作だと折れてしまうことも。状況に応じて支柱を立てて対応する必要もあるくらいきれいな花がたくさん見られる植物です。
フリージアの香り成分はリナロール
リナロールの香りを嗅がせると確かに不安様行動が減り、抗不安作用が確認できました。
フリージアの甘い香りはラベンダーにも含まれるリナロールという成分によるもの。この香りは抗不安効果があると鹿児島大学の柏谷英樹講師、桑木共之教授の研究チームが検証・発表しています。そのため室内用の切り花としてもベランダでのプランター栽培室内の鉢植えなど身近なところで育てることのより落ち着き効果を期待できるのではないでしょうか。
フリージアの開花時期・旬の季節
花が咲く季節は春。花屋では年末年始の飾り用の生花素材として冬の季節から卒業・入学時期の花束用の切り花として並びますが、自分で育てるフリージアの花の季節3-4月の暖かくなった春の季節の花です。
季節の花フリージア栽培のコツ1.置き場所
その香りには人をリラックスさせる効果があるとの研究結果も公表されているフリージア。早速好む日当たりや室内管理の場合の置き場所などからレクチャーしていきます。
地植え時に注意!フリージアが好きな日当たり
鉢植えの花は水やりをきちんとしてある程度の明るさがあれば、室内でも花を咲かせるくらいまでは比較的どなたにでも可能です。特に球根植物は球根の中に養分が備蓄されていますので、1年目はみごとな花が咲きますが次の年に向けて球根を育てるには日当たりが大切。地植えにする場合は日当たりがよいところがおすすめ。また冬場は土の温度が3度を下回らない(霜がおりない)ところが必須なので、寒い地域の場合は地植えではなく鉢植えにして夜から早朝までは玄関に入れてしまった方がおすすめ。
プランターや室内での鉢植えの置き場所
お正月用の花として鉢植えでも売られているフリージア。地植えではなくプランター。室内での鉢植えで管理する場合も日当たりは必要。昼間は窓辺の日光が差し込むところへ置き夜になったら部屋の窓から反対側で外気の影響を受けにくいところへ移動してあげれば完璧です。
日当たりや置き場所・育て方ポイント
日当たりも秋から冬・春と時期によって太陽の向き・高さが変わるため地植えの場合は球根で冬を過ごすので暖かさ優先、春からの開花時期の日当たりを重視した植える場所を選択。移動可能な鉢植え・プランター栽培は特に午前中に日当たりがよい場所で水やりも日があたっている時にすると良いでしょう。特に寒冷地は冬場の屋外管理は難しいため鉢植えで育てる選択肢をおすすめします。
季節の花フリージア栽培のコツ2.球根の選び方
開花した鉢植えを購入するのではなく球根から自分で育てる場合、最初は購入する球根を選びましょう。フリージアにも種類があり、花色などに個性があります。それだけでなく球根にも良い品質とあまりおすすめできないようなものも時折売られています。球根を買う時の選び方ポイントを御覧ください。
選び方手順1.花色や草丈で球根を選ぶ
どの球根にしようか考えたらまずは自分が花を見たい種類の中から選びます。市販の球根であればよほどシーズンの終わり頃でもない限りいろいろと揃っていますので、まずは色柄草丈丈夫さなどその種類の特徴の中から気に入ったものを買うようにしましょう。
選び方手順2.丈夫さ健康さで球根を選ぶ
好みの種類が決まったら、次はその中からできるだけ健康で丈夫そうなしっかりと栄養を蓄えた球根を見つけます。選び方目安は球がふっくらと膨らんでいる・手に取ってみて重みがある・カビなどが生えていない・皮もできるだけむけていないものが良いですね。
選び方手順3.芽が出ている苗の選び方
芽だし フリージア球根
フリージアの球根はすでに芽が少し出ている芽だし球根というものが売られています。こういったものを購入すると芽が出なくて困ったということがないので初心者の方にも育てやすいでしょう。
球根選びの育て方ポイント
球根選びはまずは好みの花。その中からできるだけ大きくて重みがあり、カビもなく皮もついている健康そうなものと順に選びます。芽だし球根・発芽ずみの苗を買う場合は葉色が濃く徒長(日陰で育ったひょろひょろとした草の様子)していないものから選ぶのがコツ。
季節の花フリージア栽培のコツ3.土と植え付け
球根を買ってきたら早速植え付けですが、それには土が必要。フリージア栽培用の土の配合や寒冷地での植え付け方法を解説していきます。
フリージア用の土づくり
地植えは植え付けの2週間前くらいには土を耕し柔らかくしてから酸性に傾いているようであれば苦土石灰で中和しておきます。室内での鉢植え・プランターの場合は赤玉土と腐葉土を6:4程度の割合いで配合したものを用いると良いでしょう。これは一般的な草花用として多くの植物に流用できるので比率を覚えておくと良いですね。あらかじめ水やりをして土を湿らせておくのも大切。
植え付け時期は?寒冷地栽培のコツ
球根の地植え時期は秋。9月末ころから11月までが適期と言われますが寒冷地ではあまり地上部分が伸びないようにギリギリの11月の植え付けがおすすめ。室内管理できる鉢植えプランターであれば、寒さにこだわらず2ヶ月くらいの植え付け時期の中から都合の良いタイミングで。
土と植え付け・育て方ポイント
土は一般的な用土の配合でOK。土づくりが大変という方は市販の草花用培養土を使うことで手間もかからず酸性度の中和もせず買ってきてすぐ植え付けできるので便利。植え付けタイミングは地植えは温暖地域以南でのみおすすめ。室内での鉢植えプランターならば時期9-11月が適期です。
季節の花フリージア栽培のコツ4.水やりと肥料
植え付けまで終わったら球根植物の育て方は簡単。適切な水やり管理とタイミングを見た肥料やりで立派な花を見ることまではすすめることができるでしょう。
フリージアの水やり
地植えの場合は冬場はあまり水やりをせず乾かし気味に管理します。霜対策に敷きわらなどをしておけば蒸発も防げますので必要ないくらい。室内での鉢植えプランターの場合水やりは土が乾燥したら2日ほど我慢してから水やりをしましょう。
フリージアの肥料の時期と与え方
肥料は地植え・室内鉢植えプランター共に花の時期の前に。具体的には温暖地域で3月中旬-末くらいに一度緩効性肥料を株元に置く形で良いでしょう。水溶性肥料であれば水やりと一緒に固形肥料と同じ時期にあたえてください。
水やりと肥料・育て方ポイント
水やりはプランター等と地植えでは少し違うのでご注意を。肥料は水溶性のものであれば月に2回程度を目安に水やりと一緒に。はじめての方には一度まけば花が終わるまであげなくてもよい緩効性肥料をあげるやり方が手軽で手間不要なため向いています。
季節の花フリージア栽培のコツ5.季節の剪定
花を見たら終わりでも良いのですが、球根を育てることにより翌年もフリージアを育てることができます。来年も咲かせたい場合は花後の剪定も試してみてくださいね。
翌年も花を見たいなら剪定をしっかりと
この植物に対する剪定は株を整える切り戻しなどとは違った目的で、終わった花を切り取って他に養分を回すという意味でおこないます。枯れかけた花をいつまでもつけているのは無駄な養分を使うだけでなく見た目も悪く、病気の原因となることも。
剪定の季節とやり方
フリージアの花は順番に咲いていきますので時期は花が終わったとき。茎を分かれ目まで下にたどりその元のところから清潔な剪定ハサミでカットしてください。1本の太い茎の花がすべて終わったら、その茎を根元までたどり葉を残してあとは切ってしまいましょう。
剪定方法の育て方ポイント
葉は切らずに残しておくことで花の後に球根に養分を蓄え次の世代へと受け継がれていきます。花が終わったあとにも掘り返しはせずに、剪定が済んだあと葉が枯れるまでは水やりを続けていってください。地植えや鉢植えで楽しむ他、切り花としても使えますので花が咲いたら花の茎だけ切って早々に球根を育てても良いですね。このやり方ならひとつひとつ花が終わったものの剪定をせずとも放置で良いので簡単です。
季節の花フリージア栽培のコツ6.増やし方
花がら摘みまでしっかりとしたら球根も大きく育っているでしょう。ここでは分球という球根で増やす植物特有の増やし方とその球の夏場の失敗の少ない保管方法を解説します。
フリージアの増やし方は分球でおこなう
球根には子球を付けて分球をするタイプとしない種類があります。フリージアは後者。翌年にはこの子球を育てることでたくさんの花を咲かせることができるようになります。あまり小さな球の場合は翌年は花が咲かず葉だけのこともありますが、管理方法は同じ。花の咲く球根と一緒に植え付けて太らせてあげてください。翌年はだめでもその翌年には大きくなり花を付けてくれるでしょう。
増やし方方法1.分球の季節・時期
分球の時期は地上部分の葉が黄色く枯れてきたとき。だいたい真夏くらいにはこのような状態になるでしょう。そうなったら土を掘り返して球根ごと株を掘り上げてください。これは地植え・室内での鉢植えも同様。球根植物の中には分球せず植えっぱなしで翌年花を咲かせるものもありますが、これは球を分ける必要があるので必ず掘り起こします。そうしないと一箇所から葉が出て1つ1つの翌年の成長が悪くなることも。
増やし方方法2.球根の保管方法
掘り上げた球根は子球をひとつひとつバラバラにして、よく玉ねぎなどが入っているネットに入れ日陰で涼しい場所に吊るして管理します。この時風通しは大切。植え付け(9-11月)までそのまま置いておけるところが理想的です。
増やし方注意点と育て方ポイント
フリージアの球根は必ず葉が枯れたら掘り起こし、ひとつずつ子球をばらして植え付けの季節である秋まで保存します。暑い地域では気温や湿度には要注意。人が不快に思うような場所では球根もおちついて休むことができませんので、日は当たる必要はないのでできるだけ涼しくて風が通る場所で乾燥ぎみに管理してください。
まとめ
地植えや鉢植えでフリージアを育てよう!
いかがでしたでしょうか。プランターや地植え・室内での鉢植えでのこの植物の育て方、水やりや肥料・剪定の時期とやり方と翌年のための球根を太らせる方法のコツと夏場の保管方法など手順を追って詳しく解説してきました。肥料もシーズン中1度(液肥の場合は数度)で良くあまり手間がかからない花ですが、球根を育てようとすると少し難易度が上がる植物です。しかし失敗しづらい方法をレクチャーしてきましたので初心者の方でも育てられないという難しさは軽減されているはずです。フリージアの落ち着き効果のある香りを楽しみたい方はぜひ挑戦してみてはいかがですか。
植物栽培・育て方が気になる方はこちらもチェック
暮らし~のではフリージアの他にも球根で大きくなる植物栽培・育て方の解説をたくさんしています。特に同じ時期秋植えで育てられるものや人気の大輪の花など花壇や寄せ植えを華やかにいろどってくれる球根植物の育て方を知りたいという方におすすめ。下の記事だけでなく他にも気になる花の名前を検索窓に入れて探してみてはいかがでしょうか。

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