ハーフマラソン平均タイムから自分のペースを考えよう!
気になるハーフマラソン平均タイムを参考に
これまで10kmマラソンに出場していた人や「マラソンに挑戦したい!」と本番前にハーフマラソンを選ぶ人がたくさんいると考えられます。「マラソンの半分の距離だから大丈夫!」と軽い気持ちで臨むと思い通りの結果を得られないことも。男性・女性と年齢別の平均タイムを参考にしながら自分のゴールタイムを逆算すると目標を達成しやすくなります。標準となるゴールタイムからペースを割り出す際の参考にしてみてください。初心者が目標タイムで走り切るコツも解説します!
ハーフマラソンの平均タイムをチェックしよう!
ハーフマラソン平均タイムとは?
「アールビーズスポーツ財団」が日本陸連公認コースで開催したハーフマラソンのレース結果を集計しています。対象レースに参加した人の名前・年齢を入力するとランキングでどの位置にいるのか知ることが可能です。当記事では平均タイムが掲載されている2018年の「第3回ハーフマラソンランキング」を参考に平均タイムを紹介します。
残念ながら年齢別の統計がなかったため、こちらは2019年「第4回日本ハーフマラソンランキング」から抽出した年齢別の100位に入賞した人の平均タイムから年代ごとの特徴を比較してご紹介。
2018年1月~12月に開催された加盟大会113大会を集計
■第3回ハーフマラソンランキング 集計の特徴
・対象大会完走者数:21万6,565人(昨年:20万901人)
・対象大会数:113大会(昨年:106大会)
・男女比率:男性80.5%、女性19.5%
男性の平均タイム
男性の平均タイム
- 1時間56分42秒
男性の平均タイムは2時間を切っています。これは競技人口が増えたことや、マラソンを継続している人が増えてレベルが上がってきたことが理由かもしれません。トップランナーが目指す1時間30分以下で走り切る人は全体の7.5%となっており、初心者が目指すタイムとは言えません。初心者は2時間30分で完走することを目指しましょう。
女性の平均タイム
女性の平均タイム
- 2時間14分53秒
女性の平均タイムは男性よりも20分程度の差が出ています。女性にとって2時間を切るのは高いハードルと言えます。男性と同じ1時間30分以下で走り切る人の比率は全体の1.3%程度となっています。2時間から2時間30分で完走する人の比率が半分を超えており、3時間以下の完走タイムと合わせると73.3%の人が分布されているので2時間30分〜3時間を目標にしましょう。
30代・40代・50代の100位に入賞した人の平均タイム
冒頭にもお話したように参考になる年齢別平均の統計がなかったため、20歳から90歳まで1歳ごとに1位〜100位のランキングが掲載されていたのを利用した「30〜39歳・40〜49歳・50〜59歳」の100位に入賞した人の記録から平均値を求ました。100位と言えども相当速い部類に入りますので、初心者がそのまま参考にできる記録ではありません。しかし、年代を比較しながら見てみるとペース設定の目安になりますので、参考にしてみてください。
30代男性・女性
30代男性の平均タイムは1:18:46となります。初心者ランナーからは想像もつかない速い平均タイムです。
30代女性の平均タイムは1:50:29となります。女性の参加者の方が少ないということもあり、100位の記録も身近に感じやすいタイムです。
40代男性・女性
40代男性の平均タイムは1:21:49です。30代よりも3分ほど遅くなっています。
40代女性の平均タイムは1:44:01です。30代よりも6分弱速くなっています。
50代男性・女性
50代男性の平均タイムは1:28:31となります。30代と比較すると10分ほど遅い記録です。
50代女性の平均タイムは1:49:45となります。30代と比較してもまだ50代女性の方が速い記録です。
年代別の平均比較表と傾向
男性 | 女性 | |
30代 | 1:18:46 | 1:50:29 |
40代 | 1:21:49 | 1:44:01 |
50代 | 1:28:31 | 1:49:45 |
男性は30代をピークに記録が落ちていく傾向です。驚いたのは女性も同じように記録が下がるのかと思いきや40代をピークに30代と50代ではほとんど記録に差はありません。このことから考えると男性は目標タイムを設定するときに30代を基準としたときに40代は+3分、50代は+10分すると細やかなペース調整につながるかもしれません。女性の場合は年齢別のばらつきが少なかったため自分の練習ペースから本番の標準ラップを想定してみてください。
目標タイムそれぞれのペースを知る
目標時間ごとに1kmの参考ペースをチェック!
男性・女性ともに平均タイムを知ったところで目標とするゴールタイムがどれくらいのペースを刻み続ければよいのか紹介します。男性にとって2時間切りを目標にする場合が多く、女性の場合は2時間30分から3時間を目安にしてみてはいかがでしょうか?もちろん普段の練習や走れるペースを元に考えて、無理のない設定が完走するためのポイントです。
1時間30分以下
ハーフマラソンの完走タイムで1時間30分切りはマラソンの「サブ3」と並んで上級者の証しです。男性7.4%/女性1.3%のごくわずかな人数に限られます。1kmあたりのペースに換算すると「4分10秒」のペースで走り続けると1時間27分54秒の完走タイムが目安です。
1時間31分〜1時間45分
1時間31分〜1時間45分はマラソンの「サブ3.5」に相当します。男性18.4%/女性5.8%が達成しているタイムです。フルマラソンより速いペースで走ることができるのでハーフマラソンなら達成できるタイムと認識している中級者もたくさんいます。1kmあたりのペースに換算すると「4分20秒〜4分55秒」が目標となり、初心者にとってはまだまだハードルが高いゴールタイムです。
1時間46分〜2時間
1時間46分〜2時間はマラソンの「サブ4」に相当します。男性28.6%/女性17.5%が達成しているタイムです。男性の多くがこのゴールタイムを目標設定していることも。しっかりとした練習を積めば見えてくる目標タイムとなります。こちらの場合も1kmあたりのペースに換算すると「5分〜5分40秒」が基準ラップです。達成できないことはありませんが、初心者が目標にするとオーバーペース気味な目標と言えます。
2時間1分〜2時間30分
2時間1分〜2時間30分はマラソンの「サブ4〜サブ5」に相当します。男性36.7%/女性54.2%が達成しているタイムです。初心者が目指す完走タイムとして理想的となり、もっともおすすめします。1kmあたり「5分45秒〜7分」ペースで走ると達成可能です。練習をしっかりと積めば見えてきます。また、ハーフマラソンでは制限時間を2時間30分に設定していることが多く、不安な人は事前に情報確認して、2時間30分以上が制限時間のレースを選ぶとよいでしょう。
2時間31分〜3時間
2時間31分〜3時間は1kmあたり「7分10秒〜8分30秒」の緩やかなペースで走り続ければ達成できます。しかし、事前に積めるだけの練習をしておかなければ完走は難しくなります。また制限時間が3時間以上に設定されているレースを選ぶことも忘れないでください。
参考ペース早見表5分30秒〜5分55秒
1km | ゴールタイム |
5分30秒 | 1時間56分02秒 |
5分35秒 | 1時間57分48秒 |
5分40秒 | 1時間59分33秒 |
5分45秒 | 2時間01分19秒 |
5分50秒 | 2時間03分04秒 |
5分55秒 | 2時間04分50秒 |
参考ペース早見表6分00秒〜6分30秒
1km | ゴールタイム |
6分00秒 | 2時間06分35秒 |
6分05秒 | 2時間08分21秒 |
6分10秒 | 2時間10分06秒 |
6分15秒 | 2時間11分52秒 |
6分20秒 | 2時間13分37秒 |
6分25秒 | 2時間15分23秒 |
6分30秒 | 2時間17分08秒 |
参考ペース早見表6分35秒〜6分55秒
1km | ゴールタイム |
6分35秒 | 2時間18分54秒 |
6分40秒 | 2時間20分39秒 |
6分45秒 | 2時間22分24秒 |
6分50秒 | 2時間24分10秒 |
6分55秒 | 2時間25分55秒 |
参考ペース早見表7分00秒〜8分00秒
1km | ゴールタイム |
7分00秒 | 2時間27分41秒 |
7分10秒 | 2時間31分12秒 |
7分20秒 | 2時間34分43秒 |
7分30秒 | 2時間38分14秒 |
7分40秒 | 2時間41分45秒 |
7分50秒 | 2時間45分16秒 |
8分00秒 | 2時間48分47秒 |
男女別!初心者におすすめの目標タイム!
それぞれの目標時間がどのようなペース・難易度なのかを知った上で、初心者におすすめする目標タイムを男性・女性に分けて紹介します。練習量や実力によっても異なりますし、自分に合ったペース作りの参考にしてみてください。
男性は2時間〜2時間15分を
男性の平均タイムは1時間56分42秒となっており、練習を積めば2時間切りも可能。初心者が初めてハーフマラソンに挑戦する場合は2時間15分切りを目指して1kmあたり「6分20秒」以下のペースを標準ラップに設定してみてください。
女性は2時間15分〜2時間30分を
女性の平均タイムは2時間14分53秒となっており、54.2%の人が2時間〜2時間30分で完走していることを考えると2時間15分を目標にすると達成しやすくなります。1kmあたりのペースは「6分20秒〜6分30秒」を標準ラップに設定してみてください。
初心者が目標タイムで走り切るコツ!
レース前・レース中に心掛けること
10kmマラソンを経験したことがある人はハーフマラソンへ臨む際、単純に「2倍」の距離に伸びるだけと思わない方がよいでしょう。10kmであればコンディションによっては給水すらも不要なままレースを終えてしまうこともあります。これがハーフマラソンになると終盤のペースダウンにつながるのでコツをしっかりと押さえておきましょう。
10kmマラソンは初心者でも1時間程度で完走することが可能です。ハーフマラソンになると単純に2時間とはなりません。後半にペースが落ち込むことを考えるとおすすめ目標タイムの2時間〜2時間30分がどうしても掛かります。この間に適切な補給やペース配分を考えなければ目標はおろか完走も難しくなりますので、違いを意識してスタートラインを踏み出してくださいね。
コツ1:食事
ハーフマラソン当日から逆算して1週間前から食事や休息を意識しましょう。3日前には食事量の7割を糖質にするようにメニューを組みます。これはカーボローディングと言われる食事の摂り方となり、体内にエネルギー源となるグリコーゲンを貯蔵しておき、持久力の向上に効果があるとされています。
当日の朝食はスタートの3時間前までには済ませ、さらに1時間前の段階で消化しやすいフルーツジュースやバナナ、エナジージェルなどを活用します。
コツ2:水分補給
給水ポイントはハーフマラソン会場の状況によって箇所数が異なります。事前に何km地点で給水できるのかを確認しておきましょう。給水所ごとでの補給はもちろんですが、少しでも不安を覚えた人はペットボトルを身につけて持ち運べるランニングベルトやポーチを準備して本番に挑むようにしてください。
10kmマラソンでは味わうことがなかった感覚をハーフマラソンでは経験できます。
コツ3:ペース設定
10km未満のレースでは「なんとなく」のペース設定でも気がつけばゴールを迎えています。しかし、ハーフマラソンになると適切なペース設定ができていなければ15km地点で確実に足が止まります。スタートラインから時間を計測して1kmごとにラップを計測しましょう。できれば毎kmごとのペースを計画したラップタイム±5秒の範囲に収められるとベスト。遅すぎる場合は一気に取り返すのではなく、1kmにつき10秒速めるなど微調整を繰り返してください。
急にペースを上げたり下げたりすると必要以上に体力を消耗するので注意が必要です。また、目安となる距離をもう一つ想定しておくと自分がどれくらいのタイムでゴールできるかを考えやすくなります。例えば「5kmごとにどれくらいの時間で走れているのか」を覚えておくと走りながらでも計算しやすくおすすめです。
コツ4:補給食
補給食も携帯しやすいエナジージェルやスポーツようかんなどを携帯しておきましょう。補給の目安としては中間ポイントとなる10km地点で1つ、最後の一踏ん張りで15〜17km地点で1つ食べるようにしてみてください。本番前に味に慣れる意味でもランニング練習中に「走りながら食べる」経験をしておくと慌てません。
ハーフマラソンを気持ちよく完走!
ハーフマラソンの平均タイムを男性・女性に分けて紹介しました。30代・40代・50代と年齢別の統計結果を得ることができなかったため、独自に平均を算出しましたので、普段の練習ペースと照らし合わせてレースペース調整の目安にしてみてください。ハーフマラソンはマラソンよりも速いペースになりがちです。自分の力量をしっかり把握して周りに引っ張られることなくマイペースを刻み続けられるようにチャレンジしてみましょう!
マラソン・ランニングが気になる方はこちらもチェック!
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