PMCハンドルバーZ900RS
FATExpressバー レールハンドルZ900RS黒
カワサキZ900RSのスペック:はじめに
往年の名車の面影
カワサキのZ900RSは往年の名車Z1(正式名称900スーパーフォア)の面影をまとったネイキッドバイクなのはみなさんもご存知の通り。Z900をベースにしたとは思えないほど完成度の高いデザインは多くのバイク乗りを魅了しています。商業的な成功を収めたところもZ1譲りとなりました。メーカーカスタムともいえるZ900RSカフェも人気です。ここではZ900RSのスペックを確認し、気になる評判をまとめます。
評判やカフェとの違いは?
Z900RSの登場に懐古的な印象を受けるバイク乗りもいれば、Z1とのギャップに戸惑うバイク乗りもいます。Z900RSは水冷エンジンでZ1を再現したバイクなのでしょうか?カワサキがZ900RSに見出した方向性は?デザインについては敢えて省略しますが、スペックと評判をもとにZ900RSを徹底検証します。なお、この記事は2020年10月29日現在の情報をもとに作成しますことをご了承ください。
カワサキZ900RSのスペック:車体サイズ
排気量の割にコンパクトな車体サイズ
車体サイズのスペック | |||
Z900RS | Z900RS カフェ |
Z900 | |
全長 mm |
2100 | 2070 | |
全幅 mm |
865 | 845 | 825 |
全高 mm |
1150 | 1190 | 1080 |
シート高 mm |
800 | 820 | 800 |
Z900RSの車体サイズに関するスペックを確認すると、シート高は平均的な数値ですが、車体サイズは大型バイクの平均値よりコンパクトだといえます。400ccクラスのバイクよりは大きいものの、750ccクラスのバイクに近い車体サイズですね。ゼファー750のハンドル幅を広げたような大きさですので、ツーリング先での取り回しで手ごわさを感じさせられることはないでしょう。コンパクトなZ900をベースに開発されたことがよく分かります。
Z900RSの評判:車体サイズ
Z900RSの車体サイズに関する評判を確認すると、ライディングポジションはZ900RSカフェのほうがしっくりするというコメントが目立ちます。Z900RSのハンドル幅は広くて高い感触で、カスタムパーツへの換装を検討するユーザーが多いですね。Z900RSカフェのハンドルは遠めに感じるとのこと。また、両車ともステップが太ももに干渉するというコメントが多めです。ハンドルやステップはカスタムパーツに交換しても全体のシルエットに影響しにくいので、体格に合わせてカスタムしましょう。
【Z900RSカフェ】Z900RSにも試乗しましたがハンドル幅が広く違和感を感じました。それに比べ(Z900RSカフェは)ちょうど良い感じです。
【Z900RS】平均くらいの身長あるはずなんですが、そのまま足を下ろすとふくらはぎにちょうど当たる位置にステップがあり、足の置き場に困りました。
カワサキZ900RSのスペック:エンジン
重厚なエンジンフィーリング
エンジンのスペック | |||
Z900RS | Z900RS カフェ |
Z900 | |
最高出力 ps/rpm |
111/8500 | 125/9500 | |
最大トルク kgf・m/rpm |
10.0/6500 | 10.0/7700 |
Z900RSのエンジンのスペックを大型バイクの平均値と比較すると、Z900RSは低いエンジン回転数で最高出力と最大トルクを発生させる設定です。4気筒エンジンを搭載している大型バイクではもっとも低いですね。Z900RSとZ900RSカフェは全く同じですが、Z900はエンジン回転数が高めに設定されています。なお、Z900の最高出力や最大トルクを発生させるエンジン回転数は平均値に近い数値です。
Z900RSの評判:エンジン
Z900RSのエンジンに関する評判を確認すると、回転フィーリングが重めでありながらギヤ比はハイギヤードな印象を受けます。低速時のアクセルのオン/オフでギクシャクしない設定で、中回転域の加速感は心地いいとのこと。スムーズでありながらも官能的な加速フィーリングを得られるエンジンです。水冷エンジンでありながらも有機的なスパイスが効かせてあります。また、排気音のサウンドチューニングを高く評価するユーザーは多いですね。
【Z900RS】Z900RSは低速トルクは十分にあるが、低回転域での加速がZRXより弱い印象です。ただ、4000から5000rpmまで回せば大型らしい加速をしていきます。(中略)アクセルのつきはかなり良く、4000rpmからの加速だと直ちに加速していきます。
5速の3000rpmで60km/h丁度くらいになり、この速度を維持するのがすごく楽です。良い意味でアクセルレスポンスがゆっくりなんですよ。公道の制限速度を維持しながら走るのが本当に心地良いです。
カワサキZ900RSのスペック:最高速度
大型バイクの平均値に近い最高速度
最高速度のスペック | |||
Z900RS | Z900RS カフェ |
Z900 | |
最高速度1 km/h |
229.3 | 228.6 | |
最高速度2 km/h |
175.3 | 185.3 | |
6速100km/h rpm |
3707 (57.0%) |
4156 (54.0%) |
|
6速60km/h rpm |
2224 (34.2%) |
2494 (32.4%) |
|
※最高速度1:最大トルクを発生させるエンジン回転数での速度(6速) ※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での速度(6速) ※()内は最大トルクを発生させるエンジン回転数との割合 |
Z900RSの理論上の最高速度を計算すると、大型バイクの平均値に近い数値になりました。ほんの少しだけ下回っている程度で、900ccのネイキッドバイクとしては十分すぎるくらいに余裕のある最高速度です。Z900は大型バイクの平均値に近い最高速度。ギヤ比を確認すると、Z900とでは6速の変速比と二次減速比が違います。やはりZ900RSはZ900よりハイギヤードな設定です。紳士的な雰囲気を演出するためだと考えられます。
Z900RSの評判:最高速度
Z900RSの最高速度に関する評判を確認すると、スペック上ではZ900より速いはずなのですが、回転フィーリングの重さが原因で追いつけないというコメントを見つけました。Z900RSは速さよりもフィーリングを重視したエンジンだからだと考えられます。軽いふけ上がりなら400ccクラスでも十分を楽しめますよね?大型バイクらしい重厚なエンジンフィーリングを楽しんでほしい、そんなカワサキのメッセージが込められていると考えられます。
結構頑張りますが、リミッターのない高回転型のZ900と比べると悲しいです。
Z900がその気になれば全然付いていけず、スペック以上の差があります。
6速90キロで高速道路を巡航しているとエンジンのあたりから、飛行機のジェットエンジンのような吸気音が聞こえてきます。デザインだけでなく音でも楽しませてくれます。
カワサキZ900RSのスペック:足回り
素直でニュートラルなハンドリング
足回りのスペック | ||||
Z900RS | Z900RS カフェ |
Z900 | ||
ホイールベース | 1470mm | 1455 | ||
キャスター /トレール |
25°/98mm | 24.9°/110 | ||
フレーム | ダイヤモンド(トレリス) | |||
サス | F | Φ41mm倒立フォーク 調整:スプリング・減衰力(伸び側・圧側) |
||
R | ホリゾンタルバックリンク 調整:スプリング・減衰力(伸び側) |
|||
タイヤ | F | 120/70ZR17M/C 58W | ||
R | 180/55ZR17 73W |
Z900RSの足回りに関するスペックを確認すると、Z900と共通なのが分かります。倒立フォークにホリゾンタルバックリンクの前後サスペンションはZ1やZ2を愛してやまないカワサキファンにとって惜しい見た目かもですが、最高にして最後を表す「Z」の称号にふさわしい内容です。Z900との違いはホイールベースとキャスター/トレール。クラシカルなネイキッドバイクにふさわしいハンドリングを与えるためだと考えられます。
Z900RSの評判:足回り
Z900RSの足回りに関する評判を確認すると、素直でニュートラルなハンドリングが高く評価されています。クラシカルなネイキッドバイクにふさわしいハンドリングで、ワインディングロードからツーリングまでバランスよく楽しめるといっていいですね。Z900の足回りの評判と比較すると、Z900RSは落ち着いた感触に仕上げられた印象を受けます。足回りをカスタムするユーザーは少なめ。サスペンションは初期設定から微調整するレベルでOKです。
ZRXが「よし、曲がるぞ」と意識していたのに対し、Z900RSでは力むことなく自然に曲がっていけます。
車体が小さく軽いため、街乗りからワインディング、ロングツーリングまで万能です。カワサキにしてはクセのない車両だと思います。
カワサキZ900RSのスペック:燃費
ハイオク仕様だが良好な燃費性能
燃費のスペック | ||||
Z900RS |
Z900RS カフェ |
Z900 | ||
WMTCモード値燃費 km/L |
20.0 | 18.4 | ||
燃料タンク容量 | 17.0 | |||
航続距離 | 340.0 | 312.8 |
Z900RSの燃費に関するスペックを確認すると、大型バイクの平均値に近いですね。4気筒エンジンを搭載しているバイクとしては優秀な燃費性能だといえます。WMTCモード値燃費×燃料タンク容量で計算した航続距離も平均値い近いですね。Z900は最高出力や最大トルクを発生させるエンジン回転数が高いので、Z900RS&カフェより燃費性能は低い数値です。しかしこれはWMTCモード値燃費。実際の燃費についてはZ900RSの評判を確認しましょう。
Z900RSの評判:燃費
燃費のスペック | ||||
Z900RS |
Z900RS カフェ |
Z900 | ||
実燃費 km/L |
20.87 | 18.68 | 18.05 | |
燃料タンク容量 | 17.0 | |||
354.79 | 317.56 | 306.85 | ||
※実燃費はみんカラの数値を参照 |
Z900RSの実燃費を車両レビューや整備記録が寄せられている「みんカラ」で確認するとWMTCモード値燃費に近い数値でした。Z900RSカフェの実燃費が低いのはユーザーの走り方が原因だと考えられます。同じバイク乗りが乗れば実燃費は大差ないでしょう。ちなみにZ900RSのエンジンはハイオク仕様です。ハイオク仕様のエンジンにはハイオクを給油しましょう。レギュラーガソリンを入れるとせっかくの性能が発揮されませんし、実燃費も落ちてしまいます。
【Z900RS】郊外を流している時は燃費がいいのですが、約リッターの4気筒なので渋滞にハマると一気に悪化します。目安として16km-22km/L程度でしょうか。
【Z900RSカフェ】街乗り:17~18km/l、ツーリング:22~24km/l、最高燃費:28.63km/l。
カワサキZ900RSのスペック:価格
実勢価格や中古車価格
価格 | ||||
Z900RS | Z900RS カフェ |
Z900 | ||
価格 | 135.3 | 138.6 | 104.5 | |
実勢価格 | 約116 ~150 |
約125 ~150 |
約89 ~105 |
|
中古車価格 | 約93 ~145 |
約110 ~140 |
約78 ~92 |
|
※万円、税込み(10%) ※ノーマル車の価格 |
Z900RSの価格を確認すると、大型バイクの平均価格より少し安いですね。大型バイクの平均価格は約143.8万円。同価格帯のバイクにはホンダのCB1100シリーズがあります。また、4気筒エンジンを搭載したバイクでもっとも安い大型バイクはホンダのCB650Rです。フレームやエンジンを共用したZ900より約30~34万円高いので、カワサキはZ900RS用にエンジンを改良するのにかなりのコストをかけたのだと考えられます。
Z900RSの評判:価格
Z900RSの価格に関する評判を確認すると「装備を考えれば納得できる価格」というユーザーが多いですね。安いというコメントは見受けられませんでした。Z1やZ2のスタイルを最新技術で楽しめるところにZ900RSの価値があります。また、市場には逆輸入車も出回っていますので、サーキットでフルパワーを楽しみたいバイク乗りなら一考の価値があります。なお、Z900RSとZ900RSカフェはブルートゥースでのスマートフォン接続ができません。
ZRX1200Rが税抜き975,000円、Z900RS CAFEが税抜き1,260,000円。価格差285,000円。(中略)原材料高騰のコストを除いても、28万5千円UPは高くなく妥当な金額だと思います。
正直言って少し高い印象です。本体価格110くらいなら納得できるのですがETC2.0が標準装備になっていたり結構、電子制御されているマシンなので致し方ないのかなぁとも思えます。
カワサキZ900RSのカスタムパーツ
Z900RSのツーリング向けカスタム
Z900RSはデザインの完成度が高いので、オリジナルのシルエットを崩さずにカスタムするユーザーが多いですね。ライトチューンやドレスアップパーツでのカスタムがメインで、ボルトオンパーツでのカスタムが人気です。Z1やZ2の外観に近づけるカスタムパーツもありますが、ゼファー1100/750ほどの主流のカスタム手法ではありません。
ツーリング向けカスタムパーツ:ハンドル
PMCハンドルバーZ900RS
Z900RSのハンドル位置は高く広いので、ハンドルバーの換装を検討しましょう。Z900RSの純正ハンドルはテーパータイプ。グリップとクランプの太さが違います(グリップ:22.2mm、クランプ:28.6mm)。ツーリングを想定してステップ位置を変更しないのなら、絞り角のみを変更できるハンドルがおすすめです。ちなみに、全幅を20mm以上変更したら15日以内に陸運局へ構造変更を届け出しなければなりません。
おすすめのツーリング向けカスタムパーツ:グラブバー
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Z900RSのタンデムシート下には4つの荷掛フックがありますので、キャンプツーリングでの積載性も加味されています。しかし、大きな荷物を積載して美しいテールカウルが傷つくのは悲しいですね。荷物とテールカウルの干渉を避けたいのなら、タンデム用のグラブバーがおすすめです。ツーリングネットのフックも掛けやすくなります。もっと大きな荷物を積むのなら、リヤキャリアの追加も検討しましょう。ただし、リヤキャリア追加するとZ900RSの美しいリヤビューを崩してしまうかもです。
カワサキZ900RSのスペック:まとめ
懐古からの脱却を目指したZ900RS
Z900RSは重厚なエンジンフィーリングとツーリングでの快適さを追求したクラシカルなネイキッドバイクだといえます。懐古的なデザインも美しいですが、大型バイクらしさを演出したエンジンが秀逸です。カワサキのエンジニアへ拍手を送りたいですね。Z1やZ2をイメージさせるZ900RSのカラーリングはもちろん、Z1RやZ1000Rを思わせるZ900RSカフェもかっこいい!スマートフォンと接続できるZ900も魅力的ですが、Z900RSは大型車ならではの豪快なフィーリングを堪能できるバイクです。
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カワサキ Z900RS