はじめに
可愛い白い花ノースポールのお手入れは?剪定や害虫越冬まで
ノースポールは冬から春までずっと開花時期が続く寒い時期の庭植えの代表的な花です。挿し木や株分け・種まきで簡単に増やすことができるので新しい苗を作って花壇を埋めたり他の方にプレゼントすることも可能です。はじめてこの植物を育てる方向けに種まきから苗をつくり植える時期や水まき等のお手入れ・花が咲かない場合の対処法や気をつける害虫など植物栽培・育て方の特徴をご紹介しましょう。
ノースポールについて
基本情報
科・属:キク科フランスキク属
原産地:北アフリカ
英語名/学名:Snow daisy/Leucanthemum paludosum
この植物の開花時期は
ノースポールは冬の花。12月ころから咲きはじめ越冬して翌年5月ころまでが開花時期。地植え・庭植えをして冬場の花のない花壇の彩りとしてやお客様に見ていただくための玄関先の寄せ植えなどにするのに適している開花時期の長い植物です。
ノースポールの特徴
特徴1.開花時期が長い
ノースポールの一番の特徴といえばその長い開花時期といっても良いでしょう。冬の間中ずっと咲き続けてくれるので、地植えにすればあまりお手入れいらずで長い間楽しめます。
特徴2.花色は白のみで育てやすい
花の咲き方の特徴といえば、よく似ているキク科の白い花の代表・マーガレットとの違いをあげてご紹介しましょう。マーガレットはノースポールと比べると花びらが長くスリム。花の形だけでなく株の形も丸いのがノースポールの特徴で剪定などしなくてもこんもりと丸い形に整い咲いてくれて初心者でも上手に育てられたという満足感を得られやすい植物といえますね。
特徴3.葉はギザギザの特徴的な形
続けてマーガレットとの違いですが、葉には特に大きな特徴があらわれています。比較的丸みをおびた葉の形のマーガレットと比べノースポールはキク科の特徴である葉のギザギザが顕著にあらわれているでしょう。もし白のマーガレットとノースポールが並んでいて見分けなければいけないときは、葉をチェックしてみてくださいね。
楽しいガーデニング!ノースポール栽培1.日当たり
ノースポールの開花時期や特徴を見てきたところで早速育て方解説をしていきます。まずは植え付け場所や鉢の置き場所に向く日当たりについてから見ていきましょう。
ノースポールが好む日当たりは
庭植えではなかなか頻繁に移植することは無いので最初に植える場所決めは重要です。冬の花で寒さにはとても強いので冬場はよく日の当たる場所。逆に夏の暑さで枯れることはもありますので夏には風通しの良い少し日陰になるようなところが好ましいでしょう。もし夏場もカンカン照りの場所であれば寒冷紗などで少し日差しと気温を弱めてあげるお手入れをしてください。株が弱っていると害虫や病気になりやすいため、花の時期が長く続いている間だけでもできるだけストレスを避けるようにお世話してあげてください。
お手入れのコツ:日当たり
丈夫な花ですので日当たり・風通し・蒸れに注意してあげれば他にはあまり手のかからない育てるのが簡単な地植えに向く植物です。特別越冬させるために何かするということは心配ありませんので、日当たりと風通しのよい場所に植え付けてあげましょう。
楽しいガーデニング!ノースポール栽培2.土つくり
ノースポール用の土づくり
日当たり同様一般的に植物が好む水はけのよい肥沃な土が向いています。赤玉土と腐葉土の混合土を用土としてください。割合は6:4か7:3程度。植え付け時にはこれに緩効性肥料を元肥として混ぜ込んであげればベストです。庭植えの場合はひごろからpH管理をされていれば何も問題はありませんが、土を長く放置していて酸性に傾いていると思われる場所への地植え・寄せ植えをされるときのみ2周間前に苦土石灰でpH調整してから作業を進めてくださいね。
市販の培養土もおすすめ
いろいろな土を買ってきて混ぜるという作業が苦手という方はもちろん市販の培養土も適した用土としてバランスがとれているのでおすすめ。pH調整もする必要なく買ってきてすぐに植え付けられるので忙しい方、庭のない集合住宅のベランダ栽培や室内に置く寄せ植えなどの用土としても十分です。また古い土には病気の菌であったり害虫のたまごが含まれていることもあります。それを対策するという意味でも市販の培養土はおすすめ。
お手入れのコツ:土づくり
植物が大きく成長し花を咲かせるには根の成長が大切です。すなわち土の状態が良いことがポイント。気をつける点は蒸れに弱いということくらいなので、いつもじめじめと湿っているような土は苦手。逆に少しくらいの水切れではびくともしないのがキク科植物の特徴でもありますので水はけのよい土づくりをしてあげてください。
楽しいガーデニング!ノースポール栽培3.種まき
ノースポールの種まき時期は
この植物は涼しくなってきた秋9-10月くらいが種まきの時期となります。お住まいの地域にもよって多少ずれもあるでしょうが、夏の暑かった気温が落ち着いてきた頃がまきどきと思っていただければ良いです。発芽温度が15-20度ですので、日本の本州中間地域であれば9月末ころの標準気温がこれにあたるためこの頃を種まきと発芽の適期としてください。
種まきのやり方
花壇に直まきでもよいのですが、寄せ植えなどに使ったり株の大きさを揃えるという点でもプランターなどに一旦種まきをして十分葉の枚数が増えてきた株を地植えや庭植え・寄せ植えなどに用いるのが一般的なやり方です。大きな箱やプランターに10センチ間隔を目安として種まきをしましょう。
お手入れのコツ:種まき
種まきとその後の生育には高い気温はご法度。茎がしっかりと太くこんもりとした株に育てるには秋冬の涼しさが適しています。焦って早めに種まきをしてしまうと小さな株の状態から生育が悪い株になりその後の成長にも影響がでてくるでしょう。十分に涼しくなってからの種まきをしてくださいね。
楽しいガーデニング!ノースポール栽培4.植え付け植え替え
苗を植える時期
植える時期は涼しくて人も過ごしやすいと感じる気温のころ。秋であれば10-11月ころか翌年春の3-4月ころが植え付けにも適している時期。大株の越冬の心配はありませんが植え付けてすぐの幼い株に霜をあてるのはよくありません。もし種まきからの成長が遅く霜がおりるような時期になってしまったら翌年少しあたたかくなったころまで庭植えにするのは控えた方がよいでしょう。
植え付けのやり方
苗や鉢植えを購入してきた場合の植え付けはまずポットから出して根の状態を確認してください。あまりにも根がまわっていて硬くなっているようでしたら、底と肩の部分を少しだけ崩して新しい根がそこから出てくるようにしてから植え付けます。
植え替えのやり方
植え替えができるような涼しい地域では、適期は植える時期に準じます。日本の夏はノースポールには暑すぎて1年草扱いとなっているため普通は植え替えの心配は不要です。種まきや挿し木・株分けで増やした新しい苗を新たに秋ごろからまた育ててあげてください。
お手入れのコツ:植え方
植える時期は必ず涼しくなってから。あまり寒い年は霜の心配もあるので翌年少し暖かくなって霜の心配がなくなってからの方が失敗が少なくおすすめ!1年草なので植え替えは必要なしというのが植え方のコツです。
楽しいガーデニング!ノースポール栽培5.水やり・肥料
水やりの方法
水やりは他の植物よりも少しだけ乾かし気味にしてあげた方がノースポールには向いています。あげすぎは厳禁。もし寄せ植えにして湿り気を好む植物があった場合はその中間程度にしてあげないと根腐れしてしまうことも。できれば似たような乾燥に強い植物同士を寄せ植えにするのがおすすめ。どうしても狭い場所にたくさんの草花を植えるため水切れは必至となってしまいますが、それにはこの花はとても強いです!
肥料の時期と与え方
肥料はそれほど必要としまん。植え付け時の元肥とした緩効性肥料とその後開花時期のみ月2回程ほど水溶性肥料を適した濃度に水で薄めて水やりのときに与えてあげる程度。肥料不足は葉が黄色くなってきたことでも確認できるので、そんな時は水溶性肥料をまぜた水やりをしてください。ただし水のやりすぎは根腐れの原因となるのでほどほどに。
お手入れのコツ:水やりと肥料
水のやりすぎにご注意ください。特に花が咲かないという原因としてよくあげられるのが根腐れです。その理由として土の水はけがよくない・水分の与えすぎ・葉がしげりすぎと土質が粘土などを含むためいつまでも乾かないなどが考えられます。花が咲かないという場合は土と水やりを見直してみてください。
楽しいガーデニング!ノースポール栽培6.切り戻し剪定
ノースポールはそのままでも株がこんもりの丸い形になっていきますので特に剪定をしなくてはいけないということはありません。はじめてのガーデニングなら剪定を失敗したら怖いという恐れもあるでしょう。そんな方には無理にすすめることはしませんが、脇芽をもっと増やしたい。もっともっとこんもりさせたいという人は切り戻し剪定をすることで切り口から枝分かれして葉や花が増えてくるでしょう。
切り戻し剪定の時期
切り戻しする時期は成長期に合わせるのがセオリーです。この植物に関しては3-4月がその時期にあたります。やり方は長い茎の半分くらいを目安に。株単位ではなく茎1本1本を見てやるのが特徴です。
剪定のやり方
こんもりと茂るのでひとつの大きな固まりと思われるのですが、株をよく観察するといくつかの茎と葉に分かれているのが確認できるでしょう。わかりやすいのは飛び出ている茎。これをまず下までたどってみましょう。剪定するのはその長さの半分あたり。ただしこの半分というのもある制約があります。
お手入れのコツ:切り戻し剪定
その制約が切り戻しのコツといえることなのですが、葉の量を確認してください。茎の半分くらいで切り戻し剪定をした場合その下に葉がほとんどついていない茎は葉を残す形でもう少し上から切らないといけません。これを要約すると切る目安は茎の半分の長さ。ただし葉の量によりもう少し上。葉がないと光合成ができずに枯れてしまうためです。剪定した枝は挿し木に使うことができるでしょう。
楽しいガーデニング!ノースポール栽培7.挿し木の増やし方
ノースポールの増やし方は3種類
ここまででノースポールの日常管理や切り戻しのお手入れまではできるようになったことでしょう。ここからはもっと株の数を増やしたいという方へ向けた内容となります。ノースポールの増やし方は挿し木・株分け・種まきと3種類もあるのでやる時期・自分の得意な方法を選べるということです。
挿し木の時期
挿し木の時期は特に決まっていませんが、成長速度がアップする3月以降枯れてしまう夏前までにするのが良いです。おすすめは剪定をしてカットした若々しい水分をたくさん含んだ枝を使うこと。この時挿し木にする枝には多少でよいので葉があるものを選んでください。
挿し木での増やし方
挿し木のやり方は簡単で花のついていない枝を7-8センチほどにカットして鹿沼土などに刺すだけ。この土は乾燥させてはいけません。また葉が多すぎる場合は少し残してむしりとってしまってください。1ヶ月を目安に発根してきますので、それまでは日陰で管理。根が出た(枝や葉が枯れずに成長してくるのでわかります)らだんだんと日光に慣らしていきましょう。
お手入れのコツ:挿し木
挿し木のコツは切り口をよく切れる刃物で斜めにカットして、2-3時間程度水を吸わせてから土に刺すことで発根確率があがります。土は絶対に乾燥させないこと。水やりは毎日。ただし腐らないよう水はけはよい土(赤玉土や鹿沼土など)にするというところがポイントでしょう。
楽しいガーデニング!ノースポール栽培8.株分けの増やし方
株分けの時期
増やし方2つめは株分けです。これは春先の成長期におこないましょう。しっかり大きくなっていない株では株分けすることができませんので、株分けが可能かどうかはそれまでのお世話やそのノースポールの出来に左右されます。どんな株でも試せる増やし方ではないのでご注意ください。
株分けでの増やし方
株分けのやり方は大きくなったノースポールを掘り起こしていくつかの株に分けるところからはじめます。株分けのタイミングで先が黒くなってダメになった根は切り取ってしまいましょう。3号鉢程度の小さな鉢に鉢底石・培養土・株分けした株を入れて深植えにならないようにかつ根元がグラグラしないよう土を軽く押さえて株分けは完成です。
お手入れのコツ:株分け
株分けでの増やし方は大株になったものに限られます。小さければ分ける株がありませんし、無理に小さくすると溶けてしまうことも考えられます。思ったよりもわさわさと増えてきたというときにやると良い増やし方でしょう。
楽しいガーデニング!ノースポール栽培9.病気と害虫
気をつける病気
キク科の植物にはうどんこ病が発生しやすいという特徴があります。ノースポールも例外ではありません。菌類の病気ですので、殺菌剤を散布するのがうどんこ病対策には効果的。
気をつける害虫
越冬させている間には虫は出てきませんが、春あたたかくなるとアブラムシ被害が出てくるでしょう。見つけ次第捕殺するのが良いですが、オルトランなど浸透性の農薬が汁を吸う害虫には効果的。春になったら予防と対策として株元に散布してあげると良いでしょう。
お手入れのコツ:病気と害虫
害虫被害で特に気をつけて欲しいのが秋10月ころの小さな株と春の新芽です。この時期に害虫が大発生すると株の危機ともなってしまいます。虫ですから越冬している間は安心できますがその反動として秋と春にはより大きな被害が予想できるので前もって薬剤散布をしておくなど予防をするのも良いですね。
まとめ
ノースポールの花を庭植えや寄植えで楽しもう!
いかがでしたでしょうか?冬から初夏まで長く花を楽しめるノースポールの植える時期や日常管理・病気害虫対策から増やし方までご紹介してきました。キク科の花はどれも丈夫で乾燥につよいため少しくらい水やりを忘れても元気でいてくれる管理しやすい植物で初心者にもおすすめ!種まきでの増やし方が基本ですが、切り戻し剪定をした枝を使って挿し木などにもチャレンジしてみてくださいね。白い可憐な花は花壇だけでなく寄せ植えにも好まれますので、たくさん育ててあなたのガーデニングライフに積極的に活用していきましょう!
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