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日本百名山「白山」の登山ガイド!おすすめコースやアクセス情報など総まとめ!

日本三霊山の一つであり、古来より山岳信仰の霊山として崇められてきた「白山」は、遅くまで残る雪に覆われた神々しい山容で登山人気が高く、多くの登山者が訪れます。日本百名山にも選ばれ、高山植物も豊富な白山登山のおすすめのコースやアクセスルート情報をご紹介します。
2021年1月28日
Meigen Oka
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目次

霊峰「白山」

Photo by stanchow

実は白山は山の名前ではなく、石川、富山、福井、岐阜の各県に広く亘っている三主峰のうち標高2,702mの「御前峰(ごぜんがみね)」、標高2,684mの「大汝峰(おおなんじみね)」、標高2,677mの「剣ヶ峰(けんがみね)」の”白山三峯”を主なものとした、周囲の山群が連なる連峰の総称のことを言います。富士山、立山と並んで日本三霊山のひとつであり、活火山でもある最高峰の御前峰には白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)の奥宮が鎮座されており、霊峰として崇められてきました。日本百名山、花の百名山共に選定されています。稜線や頂上からの絶景と高山植物のお花畑は訪れる人々の目を和ませる癒し空間となること請け合いです。

景色抜群の白山

降雪量が多く遅くまで雪が残ることから「越白嶺(こしのしらみね)」と呼ばれ、美しい山容から万葉集や古今和歌集などに詠まれてきました。現在でも白嶺の地名が残されていますが、後に転訛して「白山(しらやま)」となり、現在の「白山(はくさん)」となりました。

山頂からは360度の絶景が一望でき、また、火山活動によって出来た七つの山湖があり、残雪とのコラボレーションは美しい景色を造り出します。高山植物の豊富さは群を抜いたもので、7~8月の時期は見事な景色が見られ、登山ピーク時期は大勢の登山者で混雑します。

白山への登山

Photo byKANENORI

霊山と崇められてきた白山は、多くの人たちが登拝してきました。登山口は、越前(福井)、加賀(石川)、美濃(岐阜)の三方にあって登山道は“禅定道”と呼ばれ、登山口は馬を繋ぎ止めておくという意味で“馬場(ばんば)”と呼ばれたものです。

現在は福井、石川、岐阜側から12コースがあり、日帰りコースもありますが、山行距離が長いのが殆どで初心者には難易度が高く、1泊以上の山行がベスト。一般的には別当出合から砂防新道を辿り山頂を目指し、帰路は観光新道とするコースで日帰り可能です。御前峰山頂付近の山湖を巡る”山頂池巡りコース”も人気があるおすすめコースになります。

白山おすすめ登山ルート4選!

1、砂防新道~御前峰コ-ス

白山登山のポピュラーな登山ルートとなっています。別当出合をスタートし、吊り橋を渡って砂防新道に進みます。砂防新道は砂防ダム建設用に作られた林道で、そのまま登山道として利用されたために付けられた名前です。

中飯場まで谷沿いに樹林帯の道を歩きます。中飯場にはトイレと水場が有りますので小休憩しましょう。登ってゆくと右側に不動の滝が見えてきます。別当覗では谷を挟んだ向かいに観光新道の尾根も望めます。甚之助(じんのすけ)避難小屋に着いて休憩をとります。
 

甚之助小屋から白山室堂


南竜道分岐から十二曲りでのガレ場に注意して登り、観光新道と砂防新道が合流する大きな岩が佇立する異様な景色の黒ボコ岩に着きます。エコーライン分岐を経て五葉坂を乗り切って室堂に到着です。1日目は室堂ビジターセンターに宿泊します。白山室堂ビジターセンターは収容人員700名という大きな山小屋で、年間2万人という登山客が利用しています。

御前峰から観光新道



翌日、御前峰頂上に登りご来光を拝して、頂上からの雄大な絶景を楽しんだら下山路を黒ボコ岩分岐まで戻り、帰路は観光新道に向かいます。夏の時期には蛇塚周辺に広がる高山植物のお花畑が鑑賞できます。ガレ場のヤセ尾根に注意して進み、殿ヶ池避難小屋で一休み。別当坂分岐から別当出合に下山します。

アクセスルートDATA

登山口までのアクセス JR金沢駅よりバス利用約2時間10分
(車)北陸道美川ICより約1時間20分
(※7月中旬~10月中旬はマイカー規制により一ノ瀬でバス乗換)一ノ瀬に駐車場有り
登山ピーク時期 7月~9月 高山植物見頃時期7月下旬~8月上旬
山行 1泊2日 難易度:☆☆☆★★(初心者向け)
アクセス情報 距離:12.4km 累積標高差:上り・下り1,663m
マップ上標準総コースタイム:約8時間50分
コースタイム(1日目) 【約4時間30分】
別当出合スタート(砂防新道)⇒(50分)中飯場
(40分)別当覗⇒(60分)甚之助避難小屋⇒
(30分)南竜道分岐⇒(50分)黒ボコ岩⇒(40分)室堂(泊)
コースタイム(2日目) 【約4時間40分】
室堂⇒(40分)御前峰頂上⇒(30分)室堂⇒
(30分)黒ボコ岩⇒(観光新道)(50分)殿ヶ池
避難小屋⇒(70分)別当坂分岐⇒(60分)別当出合ゴール

2、平瀬道~御前峰コース

岐阜県側からの唯一の登山道で古くから平瀬道と呼んでいます。日帰り可能ですが、初心者は1泊以上がおすすめです。世界遺産の合掌集落「白川郷」も近くに有る大白川ダムが登山道入口です。しばらくはブナの樹林帯のなかの道を進みます。

樹林帯を抜けて熊笹のなかを登ると展望が開け白水湖が眼下に見えます。稜線に出ると白山主峰の御前峰が見えてきます。稜線を進んで標高2,039mの大倉山の頂上を少し下って大倉山避難小屋で休憩を取りましょう。

白山室堂から御前峰頂上

大倉尾根の登山道を進むと狭い稜線になりカンクラ雪渓が右手に見えるでしょう。高山植物のお花畑も見られます。滑落注意の看板があるガレ場の狭い稜線を注意して歩き、展望歩道分岐を過ぎると平坦な道になり室堂に到着します。

室堂ビジターセンターに宿泊。ビジターセンターの北側には白山比咩神社が建てられていますので参拝をしましょう。翌朝、御前峰を目指し、ハイマツのなかの平坦な場所の高天原を過ぎて日の出前に標高2,702mの頂上に登頂です。

お池巡り~大白川ダム

1等三角点と石柱が建てられています。ご来光を拝み、頂上からの絶景を楽しんだら左手の稜線を浮石に注意して下り、奇岩のある御宝庫を通り抜けて、紺屋ヶ池、翠ヶ池、血の池、千蛇ヶ池などの火口湖が点在する道に下りましょう。

紺屋ヶ池から振り返ると御前峰の火山らしい山容の景色が抜群です。翠ヶ池から血の池を過ぎたらお池巡り分岐を伝説の残る千蛇ヶ池方面に進み、ザレ場とハイマツ帯を下って室堂に戻り、往路を辿って大白川ダム登山口に下山します。健脚者であれば日帰りは可能でしょう。

アクセスルートDATA

登山口までのアクセス JR高山駅から平瀬温泉までバス利用約70分。
平瀬温泉より車利用約45分。
(車)東海北陸道白川郷ICより約50分
登山ピーク時期 7月~9月 高山植物見頃時期:7月下旬~8月上旬
山行 1泊2日 難易度:☆☆☆★★
アクセス情報 距離:16.2km 累積標高差:上り・下り1749m マップ上標準総コースタイム:約9時間45分
コースタイム(1日目)
 
【約4時間30分】
大白川ダム(平瀬道登山口)スタート⇒(170分)
大倉山避難小屋⇒(45分)カンクラ雪渓⇒(45分)展望歩道分岐⇒(10分)室堂ビジターセンター(泊)
コースタイム(2日目)
 
【約5時間15分】
室堂⇒(40分)御前峰頂上⇒(40分)お池めぐり
分岐⇒(40分)室堂⇒(10分)展望歩道分岐⇒
(30分)カンクラ雪渓⇒(30分)大倉山避難小屋
⇒(120分)大白川ダム登山口ゴール


3、御前峰~大汝峰~釈迦新道コース

市ノ瀬から釈迦岳方面へは長い登りの登山道となり室堂までは10時間を要しますので下山道とします。登山口を別当出合まで進んでスタートし室堂、御前峰、大汝峰と進んで七倉山分岐から釈迦新道を下って市ノ瀬へ下山するコースです。

砂防新道に向かって水場のある中飯場を過ぎ、右手に不動の滝を眺めながら別当覗を経て甚之助避難小屋で休憩。開花時期が合えば美しいお花畑の景色を鑑賞できます。南竜道分岐を黒ボコ岩に進み、黒ボコ岩からは40分ほどで白山室堂に到着し室堂ビジターセンターに宿泊します。

大汝峰~七倉山分岐

早朝に室堂ビジターセンターから御前峰頂上を目指します。40分ほどで登頂し、頂上からの360度の絶景を楽しんだら火口湖の紺屋ヶ池、翠ヶ池、血ノ池と巡り、お池巡り分岐、大汝峰下分岐を経て大汝峰に向かいます。

急登を進んで大汝峰に登頂。雪渓が見られる時期もあるでしょう。山頂からの絶景を楽しんだら七倉山方面に進み、途中、登山道鞍部にある、大きな岩の窪みにきれいな水が溜まっている御手水鉢(おちょうずばち)を見物。七倉山分岐(七倉の辻)までの道にはハクサンイチゲやシナノキンバイ、ミヤマキンポウゲなどのお花畑を鑑賞できます。

七倉山分岐から釈迦新道

七倉山分岐(七倉の辻)は加賀禅定道、岩間道(楽々新道)と釈迦新道が交わる分岐点です。ここから市ノ瀬への下山道である釈迦新道に進みます。湯の谷乗越までにはハクサンフウロの大群落や他数種類のお花畑が見られるでしょう。

釈迦岳西側の巻道を進みます。釈迦岳前峰からは四山塚、大汝峰、別山などの山容の景色が望めます。下山道の途中に沢からの湧き水が出ている水場を経て湯の谷林道登山口から林道を下り、林道と越前禅定道との分岐から市ノ瀬登山口にゴール。白山温泉で登山の疲れを癒すのも良いでしょう。
 

アクセスルートDATA

登山口までのアクセス 【別当出合】
JR金沢駅よりバス利用約2時間10分
(車)北陸道美川ICより約1時間20分
(※7月中旬~10月中旬はマイカー規制により一ノ瀬でバス乗換)一ノ瀬に駐車場有り
【市ノ瀬】
JR金沢駅よりバス利用約1時間45分
(車)北陸道美川ICより約1時間
登山ピーク時期 7月~9月 高山植物見頃時期:7月下旬~8月上旬 
山行 1泊2日 難易度:☆☆★★★
アクセス情報 距離:22.0km 累積標高差:上り2,214m・下り2,644m マップ上標準コースタイム:約12時間
コースタイム(1日目) 【4時間30分】
別当出合スタート⇒(50分)中飯場⇒(40分)別当覗
⇒(60分)甚之助避難小屋⇒(30分)南竜道分岐⇒
(50分)黒ボコ岩⇒(40分)白山室堂(泊)
コースタイム(2日目) 【7時間30分】
白山室堂⇒(40分)御前峰頂上⇒(お池巡り分岐)⇒
(5分)大汝峰下の分岐⇒(20分)大汝峰頂上⇒(15分)巻き道分岐⇒(50分)七倉山分岐(七倉の辻)⇒
(80分)湯の谷乗越⇒(50分)釈迦岳前峰⇒(70分)
水場⇒(50分)湯の谷林道登山口⇒(40分)越前禅定道分岐⇒(30分)市ノ瀬ゴール

4、別山~南縦走路~御前峰コース

南縦走路は石徹白道とも呼び、古くは美濃禅定道とも呼ばれています。このルートは市ノ瀬から別山・市ノ瀬道を進んで別山に登り、南縦走路を辿って白山南竜山荘に宿泊、室堂から御前峰登頂後に観光新道を辿って別当出合に下山します。

市ノ瀬から舗装された道路を猿壁堰堤まで歩き、堰堤の右側に登山口がありますが、分かりにくいので注意が必要です。鬱蒼(うっそう)とした樹林帯の道を進みますので、熊の出没を警戒して熊鈴は必携です。チブリ尾根を進み樹林帯を抜けると視界が開け白山の山並みが望めます。

別山から白山南竜山荘


ガレ場の急登を進んで頂上からの絶景が素晴らしい御舎利山の頂上を経て御舎利山分岐を標高2,399mの別山を目指し、10分ほどで別山頂上に登頂。稜線沿いに別山平、三ノ峰が望見できます。御舎利山分岐まで戻り南縦走路に向かいます。

数箇所に危険マークがありますが、稜線歩きは爽やかで周囲の絶景と時期のお花畑を眺めながら進みます。天池という小さな池があり、油坂ノ頭のピークを過ぎると急な下り坂になり、赤谷の沢まで下ったら登り返して白山南竜山荘に到着して宿泊します。

御前峰から観光新道

ご来光を目的に早朝に南竜山荘を発って展望歩道をアルプス展望台に向かいます。北アルプスや八ヶ岳連山の山容も絶景です。展望歩道分岐まで登り進んで室堂方面に向かい、室堂ビジターセンターに着いて休憩したら御前峰に登頂します。

各火口湖を巡ってお池巡り分岐から千蛇ヶ池を経て室堂に戻り、黒ボコ岩分岐から観光新道に向かいます。蛇塚周辺のお花畑で目を和ませて、殿ヶ池避難小屋まではガレ場の痩せ尾根ですので注意しましょう。観光新道を下り、別当坂分岐から別当出合に下山します。

アクセスルートDATA

登山口までのアクセス 【市ノ瀬】
JR金沢駅よりバス利用約1時間45分
(車)北陸道美川ICより約1時間
【別当出合】
市ノ瀬よりシャトルバス利用約6km
登山ピーク時期 7月~9月 高山植物見頃時期:7月下旬~8月上旬
山行 1泊2日 難易度:☆☆★★★
アクセス情報 距離:27.0km 累積標高差:上り3,135m・下り2,704m マップ上標準コースタイム:約15時間20分
コースタイム(1日目) 【約7時間40分】
市ノ瀬スタート⇒(30分)猿壁堰提⇒(80分)上段床
⇒(120分)チブリ尾根避難小屋⇒(90分)御舎利山分岐⇒(10分)別山頂上⇒(10分)御舎利山分岐⇒
(80分)油坂ノ頭⇒(40分)白山南竜山荘(泊)
コースタイム(2日目) 【約7時間40分】
白山南竜山荘⇒(40分)アルプス展望台⇒(80分)展望歩道分岐⇒(10分)白山室堂⇒(40分)御前峰頂上
⇒(40分)お池巡り分岐⇒(40分)白山室堂)⇒
(30分)黒ボコ岩⇒(50分)殿ヶ池避難小屋⇒(70分)別当坂分岐⇒(60分)別当出合ゴール

白山登山のまとめ

Photo by tsuda

主峰御前峰頂上からの絶景の素晴らしさはもちろん、高山植物のお花畑も各所に見られることから登山初心者も含めて人気の高い山稜です。どの登山ルートも距離が長く山行時間も掛かることから、健脚者であれば前夜泊をして日帰りは可能のコースもありますが、初心者には日帰りはハードルが高いので1泊する計画をおすすめします。また、初心者は道迷いの恐れもあり、不慮の事故も想定して、ツァーの参加かベテランとの同伴をすることがベストです。

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