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初心者も日帰りで楽しむ焼岳の登山ルートを解説!気になる所要時間もご紹介!

上高地の大正池には焼岳の秀麗な山容が映ります。日本百名山にも選ばれていて、活火山でもありながら登山者には根強い人気がある山なのです。焼岳周辺も四季折々に美しい景観を作り出します。日帰り登山も可能です。初心者の方にも分かり易い焼岳の登山ルートをご紹介します。
2020年10月31日
Meigen Oka
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上高地の象徴「焼岳」

フリー写真素材ぱくたそ

沢渡の駐車場からシャトルバスで上高地に向かい、釜トンネルを抜けると目に飛び込んでくるのが、どんと聳(そび)え立つ格好をして、緑の中腹と山頂付近は岩肌もあらわな焼岳が見えてきます。標高は2,455m、長野県と岐阜県の境に位置し、今も山頂付近から噴煙をたなびかせる活火山であり、独立峰の様相をして、自然な山麓の景色と山頂の荒らしい山肌のコントラストが美しさを演出していることから、深田久弥氏によって「日本百名山」に選ばれ、”まるで五色の着物を着せている様だ”と言わしめました。また、一大観光リゾートとして帝国ホテルなどの宿泊施設も整い、多くの観光客も訪れる「上高地」からも間近にその雄姿を眺めることができます。

焼岳の噴火活動

フリー写真素材ぱくたそ

トロイデ形(鐘状火山)火山で溶岩ドームを形成しています。南峰と北峰間に火口湖があります。大正4年(1915)6月6日の大爆発によって梓川を堰き止め「大正池」を現出させました。以来小規模ですが火山活動が断続していたことから登山規制の措置が取られていました。現在は鎮静化が見られ、噴火警戒レベルも1に設定されていますので、近来は北峰のみ登山規制が解除されています。アクセスも良く、整備された登山ルートでもあることから日帰り登山も可能で多くの登山者の姿が見られます。

焼岳の概要

フリー写真素材ぱくたそ

焼岳周辺の小火山の集まりを称する焼岳火山群の主峰であって、今なお噴煙を上げている標高2,455mの活火山です。山域は中部山岳国立公園内の特別保護区にも指定されています。焼岳の名は長野県側でのみの呼称で岐阜県側からは「硫黄岳」と呼ばれ親しまれていました。噴煙を立ち昇らせる姿から“北アルプスの香炉”とも称されています。火山活動によって周辺の地域には中の湯、上高地、坂巻、岐阜側の平湯など豊富な温泉資源をもたらしています。

焼岳登山の注意点

Photo by r-lab

焼岳は活火山であることから山頂付近では今も火山性ガスが断続的に噴出していますので、立ち入りが制限されている個所に入るのが厳禁です。火口湖を囲む外輪の稜線は南峰(2,455m)と北峰(2,444m)と二つのピークがありますが、登頂できるのは北峰のみです。また、頂上付近は火山特有の火山礫(れき)などで滑りやすくなっています。水分補給は一番大事です。登山道には水場が有りませんので、水は必ず十分に用意しましょう。最近では例年になく熊の出没が多く確認されていますので注意が必要です。そして、万一の備えに登山届は必ず提出しておきましょう。登山は早立ち・早着きが基本ですので、前夜は宿泊をして無理のない山行にしましょう。

焼岳登山・装備と服装

Photo bymaxmann

焼岳登山は上高地からのアクセスも良く日帰りもできるルートがありますが、簡単に考えないで下さい。コースによっては急斜面もあり、天候不順になると道にも迷い易くなります。マップ・コンパスは必携で、ストック、ヘルメット、ヘッドランプ、水筒、行動食、救急用品(薬)、服装は、レインウェア、防水グローブ、防寒着、ウェアはアンダーウェア、ミドルウェアなどについては綿製品は汗や雨に濡れても乾きにくいので化繊物がベストです。同時に替え衣類も必ず用意。出来れば緊急連絡用に無線機が携帯できれば尚良いでしょう。


焼岳の登山ルート

フリー写真素材ぱくたそ

焼岳への登山の時期は雪解け後の5月下旬から冬支度が始まる10月下旬頃までが時期となります。特に緑が映える夏から紅葉の美しい秋の時期は、上高地という人気観光スポットもあることと日帰り登山ができることから登山者で賑わいます。登山ルートとしては5つ有りますが、中の湯ルートは現在通行禁止となっています。また、上高地ルートは冬の時期は通行止めになります。この項では初心者向けコースと中・上級者向けルートに別けてご紹介してします。

焼岳登山/アクセスルート初心者向け①新中の湯~北峰ルート

焼岳登山ルートの内では難易度も低レベルの最短で日帰りできる特に初心者向けのルートです。以前は中の湯ルートがありましたが、中の湯と中の湯新道分岐間が通行止め(廃道になる予定)となっています。アクセスはバスかマイカーを利用。北峰山頂からは北アルプスの山容や南アルプスも遠望できる絶景が楽しめます。

コース概要

国道158号線沿いにある中の湯温泉に駐車場があり、登山道入口までは3kmほど歩きます。登山口からしばらくは針葉樹林の中を進みます。急斜面があり注意してのぼり、更に進むと休憩ができる広場に着きます。中の湯新道分岐からは岩石やガレ場の少々きつい道程を進んで焼岳の尾根に到着。北峰と南峰のコル(鞍部)から火口湖が望めます。ここから北峰頂上まで岩登りもありますので注意しましょう。頂上からの景観を堪能したら往路を中の湯駐車場まで戻ります。

アクセスルート基本DATA

【登山ピーク時期:5~9月、日帰り、難易度中レベル】
【アクセス情報:距離約6.8km、標高差974m】
【ルートマップ参考所要時間:約5時間30分】中の湯駐車場スタート⇒(20分)焼岳登山道入口⇒(90分)中の湯新道分岐⇒(80分)北峰山頂⇒(60分)中の湯新道分岐⇒(70分)登山口⇒(10分)駐車場ゴール

焼岳登山/アクセスルート初心者向け②中尾高原~焼岳ルート

中尾高原ルートは長い距離を歩きますが、登山道は比較的歩きやすく、マップとコース上にある目印通りに辿れば初心者でも安全な難易度も中レベルのルートです。中尾高原まではバスも発着しており、合掌の森中尾キャンプ場の付近には小規模ですが駐車場もあります。樹林帯の中を長々と歩きますが、白水の滝展望台などの見どころもあり、心地よいルートといって良いでしょう。

コース概要


登山者用駐車場から少し歩いた所にある登山道入口からスタート。緑濃い樹林の中、途中急斜面もありますが、比較的なだらかで歩きやすい登山道を白水の滝展望台まで進み、そこからはダケカンバなどの樹林の中を急登します。鍋助横手を過ぎて雨量観測所を過ぎると道は緩やかになり秀綱神社を過ぎると展望が開け中尾峠分岐から焼岳北峰に登頂します。帰路は駐車場まで往路を戻りゴールします。

アクセスルート基本DATA

【登山ピーク時期:5~10月、前夜宿泊日帰り、難易度中レベル】
【アクセス情報:距離約9.5km、標高差1,383m】
【ルートマップ参考所要時間:約7時間50分】中尾高原バス停⇒(30分)登山口スタート⇒(50分)白水の滝展望台⇒(70分)秀綱神社⇒(40分)中尾峠⇒(70分)北峰山頂⇒(60分)中尾峠⇒(120分)登山口⇒(30分)中尾高原バス停ゴール

焼岳登山/アクセスルート中・上級者向け①上高地~焼岳ルート

槍ヶ岳や穂高連峰などの登山起点でもあり、山岳リゾート地として有名な上高地から焼岳登頂を目指すルートです。宿泊施設も点在していますので、焼岳登山では前夜に宿泊し早立ちをして余裕のある登山をおすすめします。上高地へのアクセスはマイカー規制がありますので、沢渡駐車場からシャトルバスで入ります。コースには急登、岩登り、ハシゴ場がありますので、少々の登山技術を要しますので難易度は高く、中・上級者向けとなります。尚、11月上旬から翌年5月中旬期間は上高地、焼岳小屋までの登山道は閉鎖されます。

コース概要

上高地バスターミナルから梓川沿いに下り、田代橋を渡って西穂高登山口を通り過ぎ10分ほど歩くと焼岳登山口に着きます。途中から傾斜もきつくなりハシゴ場があったりします。峠沢から樹林帯を抜け焼岳小屋までは岩場にハシゴが掛かり、傾斜がきつい個所にはクサリの設置もされていますので注意して登ります。焼岳小屋でトイレを借り、水の補給をしてから向かう展望台には数分で着き、中尾峠からの笠ヶ岳や穂高の山容を眺めて、ザレ場を登って北峰に登頂。帰りは往路を戻ります。

アクセスルート基本DATA

【登山ピーク時期:7~8月、前夜宿泊日帰り、難易度中レベル】
【アクセス情報:距離約10km、標高差944m】
【ルートマップ参考所要時間:約7時間30分】上高地バスターミナルスタート⇒(30分)焼岳登山口⇒(30分)峠沢⇒(100分)焼岳小屋⇒(20分)中尾峠⇒(70分)北峰登頂⇒(60分)中尾峠⇒(15分)焼岳小屋⇒(70分)峠沢⇒(30分)焼岳登山口⇒(30分)上高地バスターミナルゴール

焼岳登山/アクセスルート中・上級者向け②西穂高~上高地縦走ルート

新穂高温泉からロープウェイを利用し、西穂高口駅をスタートして西穂高独標から西穂高岳登頂。西穂山荘へ宿泊して焼岳への縦走路を進み焼岳北峰登頂。上高地へと下山する1泊2日の難易度高レベルの山行ですが、北アルプスの雄大な景色を肌で感じ、また、高山植物の可憐な花々も楽しめる登山の醍醐味を十分に味わえるコースです。

コース概要1日目


新穂高温泉から新穂高ロープウェイで西穂高駅口をスタート。西穂山荘から西穂高岳を目指して登山道は広目ですがガレ場が続きます。西穂独標手前では岩場をトラバース気味に進み急斜面の岩場を注意して登り西穂独標から西穂高岳登頂。目の前に迫る穂高連峰の景観を楽しんだら西穂山荘に戻り宿泊。

コース概要2日目

西穂山荘から焼岳小屋への縦走路はアップダウンが多くあり、かなりきつい山行となります。天候が悪いと迷いやすいのでマップとコンパスで常にポイントの確認をします。西穂山荘から清涼で静かな樹林帯の道を進みます。割谷山からの登山道は笹薮とぬかるんだ場所やトラバース個所があり、滑落の危険性があるので注意します。急な斜面を下ると焼岳小屋に到着。中尾峠を経て北峰に登頂。帰路は焼岳小屋から上高地に下山します。

アクセスルート基本DATA

【登山ピーク時期:5~10月、1泊2日、難易度高レベル】
【アクセス情報:距離約18km、標高差1,729m、総コースタイム約14時間50分】
【1日目:ルートマップ参考所要時間:約7時間20分】新穂高ロープウェイ西穂高口駅スタート⇒(90分)西穂山荘⇒(80分)西穂独標⇒(120分)西穂高岳登頂⇒(90分)西穂独標⇒(60分)西穂山荘(宿泊)
【2日目:ルートマップ参考所要時間:約7時間30分】西穂山荘⇒(15分)上高地コース分岐⇒(70分)池⇒(80分)新中尾峠(焼岳小屋)⇒(15分)中尾峠⇒(70分)北峰登頂⇒(70分)焼岳小屋⇒(70分)峠沢⇒(30分)焼岳登山口⇒(10分)西穂登山口分岐⇒(20分)上高地バスターミナルゴール

焼岳登山ルートまとめ

フリー写真素材ぱくたそ

上高地のランドマークと称される焼岳への登山ルートを初心者向けとベテラン向けとに別けてご紹介しました。登山起点となる中の湯、中尾高原、新穂高温泉などには温泉施設があり、上高地周辺にも旅館、ホテル、ロッジなどがあり、登山の疲れを癒す宿泊施設があるのが嬉しいですね。ご紹介したルート上にも、一度は噴火によって倒壊してしまったが、新築されて再開した山小屋「焼岳小屋」、北アルプス縦走路には「西穂山荘」があって登山者には有難い存在です。登山には余裕のある山行をおすすめします。

登山が趣味の方はこちらの記事もご覧ください

焼岳登山だけではなく、こよなく登山を趣味とされている方は「暮らし~の」のWEBマガジンでも種々な登山に関する記事を見ることができますので、ぜひチェックされることをおすすめします。

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