テント泊とは
登山とキャンプのこと
テント泊とは登山にキャンプを足したスタイルのことです。止まり方が数種類ありテントを担いで山頂付近までいき、そこで山小屋を使わずテントで一泊するタイプは一番大変ですが、その分朝日、夕日、雲海、星空とありとあらゆる絶景が楽しめますよ。ベースキャンプ型は6合目や7合目のキリのいい場所で一泊し翌朝山頂を目指すスタイルで時間にゆとりできます。登山口で一泊するスタイルだと初心者も簡単に楽しめてデビューしやすいです。
登山ではテント場に泊まる
キャンプ場のフリーサイトのように山の中の好きな場所でテントを張って寝てもいいというわけではないので注意してくださいね。詳しいマナーについては後述しますが、テント泊はテント場(テン場)と呼ばれる専用の場所にテントを張るようになっています。各山のテント場にはさまざまなルールがあり、焚き火が禁止されていたり、許可制だったりしますよ。きちんとルールやマナーを守って自分も他人も楽しいテント泊になるようにしましょう。
テント泊に必要な装備・グッズ1:テント
登山専用のテントが必要
テント泊を楽しむには専用のテントがあるといいでしょう。キャンプ用とテント泊用では構造が少し異なり、テント泊用のテントは快適さよりも持ち運びやすさ、耐風性などの強度に重点が置かれていて軽くてコンパクトなものが多いです。前室も最低限の広さしかなく、高さも低めのテントが多いですよ。デビュー仕立ての初心者でも必要な装備としてできるだけ専用のものを用意しましょう。山岳テントもしくは登山テントとして発売されています。
初心者ほどテントを確認
基本的にはキャンプのテントと同じ選び方で大丈夫です。ただし、山岳テントならではの選び方として短辺に出口があるか、長辺に出口があるか確認しておきましょう。短辺だと狭い場所でも設営でき、複数人でも出入りしやすいですが、前室が小さいです。長辺に出入り口があると狭い場所では設営しづらく、複数人で使う場合手前の人を越えないと奥の人が出られません。そのぶん長辺に前室があり、広いため快適に過ごせるようになりますよ。
テント泊に必要な装備・グッズ2:寝袋・マット
マットや寝袋は寝るときに必要
外で一泊するためには標高や気温に合った寝袋が必須です。またキャンプ場は芝生などで比較的柔らかいですが、山は場所によって岩のように硬い場所もあり下に敷くマットも必要です。コンパクトで軽量なものが運搬しやすいことから、デビューしたてのころは高額に思うかもしれませんが、ダウンシュラフがおすすめになります。またマットもウレタン入りのインフレータブルより空気で膨らむエアーマットやロールマットがおすすめグッズですよ。
山小屋でも必要な装備?
山小屋で一泊する場合は不要な装備になります。しかし標高が高い場所にあるとなかなか手入れも難しく寝具がきれいと言い難い場所もあり、インナーシュラフなどを持参する方も多いです。一部の山小屋では寝具を持参すると利用料金を割り引いてくれるという場所もあり必要な装備かは山小屋に問い合わせてみてもいいでしょう。寝具がある山小屋にシュラフを持ち込んでもマナー違反とはならないので安心してくださいね。マットは不要です。
枕は便利グッズ
詳しくは後述しますが、枕は衣類で代用できます。しかしデビューしたての初心者は、きちんとした枕は寝心地がよくしっかりねむれるので荷物に余裕があるという場合は専用の枕を持っていったほうがいいでしょう。必須の装備ではないため便利グッズとなります。ダウン製品は濡らすとクッション性や保温性がなくなるので注意してくださいね。デビューしたてのころは天気に関わらず防水袋を使うといいでしょう。
テント泊に必要な装備・グッズ3:食事類
登山中の朝食や夕食
普段持っていく行動食以外に必要になのが朝食や夕食です。一泊する登山となるためきちんと用意しておきましょう。また食料以外にもシングルバーナーやクッカーなどの調理器具、お皿などが必要になります。初心者はリストを作っておくと忘れにくくなりますよ。シングルバーナーのガス缶も忘れないようにしてくださいね。キャンプでは便利なカセットボンベ(CB)は山だと気温次第で不安定になります。できるだけOD缶を準備しておきましょう。
OD缶とは
OD缶はアウトドア向けのガス缶です。太くて短い円柱状でクッカーの中に収まりやすくなります。さらにシングルバーナーの台として安定する形のため、登山用のシングルバーナーはバーナー部分を支える脚が不要になり、持ち運びやすくする効果があります。また、充填されているガスも少し異なり寒い場所でもきちんと使えるように一般的なガス(ノルマルブタン)に加えプロパンガスなどの寒さに強いガスが充填されています。
初心者は簡単なもので大丈夫
慣れると登山でもおいしい料理が作れるますが、デビューしたてのころや初心者は無理に手の混んだ料理をしなくても大丈夫です。最低限の準備で作れるものを用意しておきましょう。防災グッズの非常食は初心者でも簡単に作れ準備しやすく、意外とおいしいものが多くおすすめです。
テント泊に必要な装備・グッズ4:服装
登山でも必要なウェア類
日帰りの登山よりも服装が多く必要になります。登山のため防寒対策などのアウター、ミドルレイヤーは用意していると思いますが、一泊するテント泊では着替えを忘れないように準備しましょう。靴下、シャツ、パンツ(ズボン)、下着などはお風呂に入れないため準備しておいたほうがいいでしょう。また着替えは防水袋などに入れておくなどして濡らさないようにしておくと便利です。衣類は枕として収納袋に入れて使うこともあります。
細引きロープは便利グッズ
テント内にロープが張れるものも多いです。細引きのロープを使えば即席の物干し竿となり服などを干しておけて便利ですよ。必ず持っていきたいグッズの一つとなります。部屋干し状態となるので臭いが気になるという方は、荷物に余裕があれば消臭剤もおすすめですよ。スプレータイプなら移動中でもこぼれにくいです。ビーズタイプは封を開けてしまうと管理が大変ですよ。香りを不快に感じる方もいるので無香のものを準備しましょう。
小さなボトルは便利グッズになる
リセッシュやファブリーズなどの部屋の消臭剤の霧吹きタイプのスプレーは大きいためそのまま持っていかず小分けして持っていくと便利です。小さな霧吹きタイプのボトルは非常に便利なグッズですよ。デビューしたての初心者の方でも上級者でも荷物は軽いに越したことありません。大きなものは小さな詰替容器に入れて準備しておきましょう。
テント泊に必要な装備・グッズ5:登山用品
上記の装備と登山の装備が必要
テント泊は冒頭で紹介したように登山とキャンプです。普段の登山で必要になる道具や装備も必要になりますよ。ただの登山と比べどうしても荷物が増えるため初心者の方は忘れ物に注意してくださいね。具体的にはテントなどの宿泊用の荷物と登山用の荷物が入る大きなザックや保険証、救急キット、虫除けブレスレットなどのグッズ、さらに地図や登山計画、コンパス、ゴミ袋、行動食などの登山に関する道具や装備になります。
虫除けは標高次第
テントの虫除け対策が必要になるかは場所次第です。森林限界地よりも上だと虫はいません。草むらや湿地や周囲に木があると虫がたくさんいて、開けていたり草が少ない場所はあまりいません。事前にテント場の環境がわかる場合は、調べて虫除け対策が必要か判断しましょう。虫除けスプレーの他に天然のハッカ油なども虫除けとしての効果が期待できる便利グッズです。火器が使える場所なら蚊取り線香きちんと焚けば強力な虫除け対策になりますよ。
ゴミ袋はしっかり準備する
虫除けグッズなどよりも重要なアイテムがゴミ袋です。自然の中にゴミを残さないようにするというのは非常に重要なマナーであり、過ごし方になります。デビューしたての初心者でも上級者でも関係なく、自分で出したゴミはきちんと持ち帰るのが基本です。暇つぶしの道具、虫除けグッズ、おやつ、カメラなどの趣味の道具はなくてもある程度テント泊が楽しめますが、ゴミを持ち帰れないのは山小屋などテント場を管理している所に迷惑を掛けます。
テント泊のマナー・過ごし方1:場所は貴重
場所は譲り合い
キャンプ場のように広くはなく、限られた場所を他の登山家と一緒に使います。できるだけテントの感覚を詰めて譲り合いながら使いましょう。キャンプのようにタープを張り、机を出して、コンパクトチェアを使って、炭火で肉を焼いてと過ごすのではなくできるだけテントの中で完結するようにして過ごします。火の取り扱いについてはテント場ごとにルールがあるので注意してくださいね。
複数なら複数人用テントを使う
複数のパーティーで登山をしている場合それぞれソロテントを設営せず、できるだけ一塊になるという過ごし方が大切です。3人用などの複数人用のテントを使いましょう。小さなテントをたくさん立てると、無駄なスペースができ、テント場はフリーサイトのように広くはないため他の登山家に迷惑を掛けてしまいます。できるだけ詰めてスペースをとりすぎないというのは非常に大切なマナー、過ごし方となります。
テント泊のマナー・過ごし方2:時間
時間厳守
設営が夕暮れには「終わる」よう早くテント場につきましょう。テント場は山の限られた場所しかなく先客で泊まれないケースもあります。また、テント泊は早寝早起きして御来光を拝みたいという方も多く、遅い時間に設営していると周囲の方に迷惑を掛けます。キャンプ場ではそこまで気にならないかもしれませんが、テント場ではすぐとなりに他の登山家がいる状態のためデビューしたばかりの初心者の方は特に時間にゆとりを持って行動しましょう。
夜の過ごし方も注意
夜の暇つぶしにおしゃべりして過ごす、音楽やラジオを聞くという方もいると思います。暇つぶしにはなりますが、前述したように早朝に出発する方もいるため大きな声で話すのはNGです。初心者の方はキャンプとテント泊はぜんぜん違うと意識しておきましょう。暇つぶしに音楽を聞くという方はイヤホンを準備しておくと便利です。設営時間、調理時間、就寝時間を守るようにして他の登山家に迷惑を掛けないようにしてくださいね。
テント泊のマナー・過ごし方3:勝手な行動
決められた場所以外でのテント泊は禁止
テント泊がいっぱいだからといって決められた場所以外でのテント泊は禁止です。デビューしたてのころは他の登山家に迷惑を掛けなければ問題ないと思うかもしれませんが、定められた場所以外では危険だったり、自然に影響を及ぼします。特に自然に影響与えるのはマナー違反です。人間が自然につけた痕跡がなくなるまで長い歳月がかかりますよ。キャンプで直火の焚き火が禁止なのも同じ理由です。前述したようにゴミもきちんと持ち帰りましょう。
整地は論外
せっかくのテント泊デビューで泊まれないからといって草を抜いたり、石を移動させて場所をつくるのはもはや論外です。記念として草や木、石を勝手に持ち帰ることもマナー違反となるため整地は自然保護の観点から重大なマナー違反となりますよ。注意してくださいね。
人間の痕跡、影響を自然に極力与えない過ごし方が大切になります。料理をするときも地面から離れた場所でバーナーを使うようにしてローインパクトを心がけてください。
テント泊の暇つぶし1:読む
迷惑にならない過ごし方とは
テント泊の暇つぶしは迷惑にならない過ごし方というのが大前提です。音楽やラジオを聞くのも暇つぶしになりますが長時間のイヤホンは耳に悪いですよ。おすすめは「読む」ことです。読むだけでもいろいろな暇つぶしができますよ。漫画を読む、小説を読むというのは昔は本を携帯しなければ無理でしたが今は電波が入ればスマホなどで電子書籍が利用できます。専用の端末(オフライン対応アプリ)があれば電波がなくてもいいので便利です。
ブラウザビュアーはオンライン専用
電子書籍(漫画)のうちブラウザを使って読むブラウザビュアーは電波がある状態、オンライン専用となるため電波の届かない場所では使えなくなります。また、オフラインで見えるものは端末内に電子書籍をあらかじめダウンロードしておく必要があります。きちんと準備しておかないと見えないので注意してくださいね。
テント泊の暇つぶし2:話す
過ごし方に気をつけて話す
夜遅くまで話すのはマナー違反ですが、明るいうちなら問題ありません。複数で登山していたら仲間との話だけで十分暇つぶしになりますよ。デビュー下ばかりの初心者だと道中の感想から装備などの情報交換など話題は尽きません。また、他の登山家とも話しして時間をつぶすこともあります。ただし女性の方は知らない人と話す場合は距離感に注意してくださいね。テントの外で暇つぶしするときは虫除けグッズを忘れないように準備しましょう。
テント泊の暇つぶし3:見る
拠点が決まると行動しやすい
時間を有効活用した暇つぶしになるのが見ることです。周囲の景色を見に行ったり、周囲を散策してみたりと野営地が決まれば重たい荷物をいちいち運ばなくてもいいので初心者でも行動しやすいですよ。テントの外に出る際は虫除けグッズを準備してからでかけましょう。標高や環境によりますが、ブヨやアブのように蚊よりも厄介な害虫が発生している場合もあります。特に水源が近い場所は発生しやすいですよ。
予定を見る
一泊した後のルート、バスなどの時間、これからの予定を再確認する時間にもなります。予定や寄っておきたいスポットなどを地図で確認してもいいでしょう。行程を確認していると自然と暇つぶしになっている場合がありますよ。
テント泊のまとめ
忘れ物はないように
キャンプだと忘れ物に気づいても管理事務所などでレンタルできたり、店にたちよって買い足せますが、テント泊はできません。きちんと必要な装備、道具をリストにまとめておきましょう。虫除けグッズや細引きロープ、消臭剤などの便利なグッズもたくさんありますよ。有効利用して快適なテント泊を目指してくださいね。またテント泊はキャンプとはマナーやルールが違うため注意しましょう。
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