スノーボードのスイッチの滑り方を徹底解説
スノーボード初心者を脱出しある程度スノーボードができるようになったら、今まで滑っていた向きとは逆方向に進むフェイキーと呼ばれるスイッチ滑走を練習することをおすすめします。
具体的にはレギュラースタンスの方はグーフィーで、グーフィースタンスの方はレギュラースタンスで滑ることです。この記事ではそんな安全で確実なスノーボードスイッチの練習方法や上達のコツなどを解説するのでぜひ参考にしてください。
スノーボードスイッチの練習を始める前に
スノーボードスイッチの練習を始める際、無計画に行うと怪我のリスクが高まるため、非常に危険です。練習を始める前に練習に最低限必要なことから整理しましょう。スノーボードは季節のスポーツでありチャンスは限られています。
怪我をしてしまうと上達のチャンスも失い最悪です。スノーボードスイッチの技術を習得するには闇雲に行うのではなく、しっかりと計画して行いましょう。
レギュラースタンスでの滑走レベル
スノーボードでスイッチ滑走を練習し始める最低条件は、ゆっくりでもいいから中級以上の斜度のコースを転ばずに降りられることです。これは減速と停止がいつでもできて、スノーボード板をある程度コントロールできている目安となります。
これができない場合はスイッチを始めたい気持ちを抑え、まずレギュラーでの滑走からスノーボードの練習したほうが安全にスイッチ滑走を始められるでしょう。
スノーボード板の形状の違いとスイッチへの影響
基本的にノーズとテールの形状が変われば変わるほど、レギュラーとスイッチの操作感が変化します。そのため、スノーボードスイッチの練習を始める前に練習しやすい板の種類を把握しておきましょう。
基本的にノーズとテールの形状が同じような板がスイッチの練習に適している、とされています。ここからはスノーボード板の形状の違いによるスノーボードスイッチのしやすさについて解説するのでぜひ参考にしてください。
ツインチップ
スノーボード板の真ん中からノーズとテールまでが同じ形状となっており、最もスノーボードスイッチに向いているモデルです。そのため、初心者の方がスイッチを始める際にはツインチップに近いものを選ぶことをおすすめします。
ハンマーヘッド
基本的にノーズ幅とテール幅の狭さの度合いを示すテーパードが強いスノーボード板ほどノーズとテールの違いが大きく、スノーボードスイッチの違和感につながります。ハンマーヘッドと呼ばれる形状はそんなテーパードが強い板の1つです。
ハンマーヘッドはカービングや直進性に特化しているため、スピード感ある滑りには向いていますが、スイッチスタンスにとても違和感があるスノーボード板といえるでしょう。
フィッシュテールなどパウダー用の板
スノーボード板のテールが極端に短いものが多く、テール側で滑走すると滑走中にテールが雪面に刺さってしまうことがあります。そのため、練習が全くできないということはありませんが、スノーボードスイッチの練習には不向きな板といえるでしょう。
初心者の方は違うスノーボード板を使用することをおすすめします。
スノーボードスイッチの練習方法
スノーボードスイッチを効率的に上達させるコツはオフシーズンの内にどれだけスノーボードスイッチの知識を学べるかにあります。季節限定のスポーツであるスノーボードだからこそ、オフシーズンの時期にできることはオフのうちから始めておきましょう。
ここからはそんなオフシーズンにできるスノーボードの練習も含めスイッチの練習方法について解説します。
スキー場に行く前にできること
室内、夏スキーができる山など特殊な場所を除いて、スノーボードができる時間はとても短いです。他人と差をつけたい、必ず習得したいという目標がある場合はスキー場以外の場所でどれだけ時間をかけられるかがスノーボードスイッチの習得には重要になってきます。
主にできることはアングルやスタンスなどのセッティング、基本的な姿勢の確認、スキー場のゲレンデやコース選びなどです。それぞれ具体的に解説していきます。
セッティング
スタンスやアングルのセッティングはスノーボードを行う上で非常に重要です。後ろ足の角度がノーズ側を向いている前振りセッティングはスイッチがやり辛いので両足を軽く外側に開いたダックスタンスのようなアングルが良いでしょう。
ダックスタンスはいざというときにアングルを変えずにレギュラー滑走に戻りやすい利点があります。しかしあまり足が開きすぎると、かかと側に体重が乗ってしまうので角度差が小さいアングルがおすすめです。
基本姿勢の確認
スイッチ初心者の方はスノーボードスイッチに慣れる必要があるため、スイッチ時の前足の上に頭と腰がくる姿勢を確認しておきましょう。
鏡や動画撮影など自分の姿勢を外から見て感覚と実際の動きを気軽にできるように練習することがスノーボードスイッチ習得には重要なのです。
コース選択
シーズン券以外の方はスキー場選択から、シーズン券の場合はコース選択とそのコースでスノーボードをする自分のイメージを作ってみましょう。比較的斜度が緩い初心者用のコースがスイッチ練習にはおすすめです。
しかし、斜度が緩くても人が多いと周りに迷惑をかけてしまうため、注意しましょう。
スキー場で実践
スキー場でスノーボードスイッチの練習を行う際の基礎的な方法とその流れ、注意点を紹介します。ちなみにスイッチは今までの滑り方と反対になるだけです。そのため、スノーボード初心者の方が行う練習方法とよく似ています。
初心者に戻ったような感覚で、スノーボードの滑り方の基礎からしっかりと習得していきましょう。
停止状態から直滑降
斜面を見下ろすようにして停止し立っている状態から、スノーボードスイッチ時の前足の上に頭を移動させます。あとは前足側のつま先を下ろしていくだけで板が縦になり、スイッチ側で滑ることになるのです。
その後はあまり加速する前にまた元の状態に戻り減速しましょう。この際、上半身を板より先にひねると効果的に板が動きますよ。
斜滑降
続いて斜面を斜めに進む斜滑降の練習に入ります。ここでは目線を進む先に向けること、エッジの立て具合、重心を意識してやってみましょう。また、スノーボードスイッチではかかと側とつま先側両方のエッジで滑れるように練習する必要があります。
通った後が細い線になる斜滑降(エッジに乗った状態)は加速しやすいので注意しましょう。
直滑降からの斜滑降
斜滑降ができるようになったら、直滑降と斜滑降を交互に行い、スイッチ状態で曲がる感覚を養いましょう。コツは上半身をいつもと違う方向にひねること、スイッチ状態で前足に体重を乗せることです。
また、ターンを行う際、エッジに乗った斜滑降はスピードに乗りやすいので、はじめはワザとエッジをずらすことをおすすめします。
エッジの切り替え
スイッチ状態で滑ることに少しずつ慣れてきたら、切り替えの練習を始めてみましょう。切り替えとはつま先側のエッジからかかと側、またはその逆へとエッジを切り替える動作のことでターンの基本です。
スノーボード板をねじるイメージで、前足をつま先からかかとへ、かかとからつま先へ切り替えるイメージで行うと簡単にできますよ。どうしてもできない場合はまずレギュラー側でやってみましょう。レギュラーでできないことはスイッチでもできません。
止まらずにターンを続ける
一連の流れが成功したらいよいよ連続でターンをつなげていきます。周りの人や地形に注意し、安全には配慮しましょう。人が多い場合などは無理に行おうとせず減速と停止を使いチャンスをうかがいましょう。
練習をしていれば、レギュラーで滑れるようになったのと同様にスイッチでもできるようになるはずです。
スノーボードスイッチが役に立つ場所とレベル
スノーボードスイッチの第一歩を踏み出したところで、実際にスノーボードスイッチが有効に活用できるシーンとそのジャンルで必要なスイッチ滑走のレベル、注意点を見ていきましょう。
当然スイッチの技術レベルは高いほうがいいのですが、カービングの技術上達などは好みによる部分もありますので、自分がやりたいスノーボードジャンルに合わせて考えてみましょう。
グラトリ
グラトリのトリックの中には弾き系トリックで半回転した時、乗り系でコンボを決めるときなど、スイッチの滑り方が必須となるトリックがあります。最低でもスイッチ方向に慣れていないとトリックの精度も上がりにくいとされているのです。
とはいえ基本的にグラトリでいろんな体重移動を練習しているうちに自然とスイッチ方向の滑走も上達していくでしょう。
パーク
キッカーの回転トリック以外でオーリーを行うだけならスイッチは必要ありませんが、着地姿勢がスイッチになる可能性なども考えるとスノーボードスイッチの滑り方を習得する必要性は高いといえます。
キッカーにおいてスイッチを習得するとバリエーションが単純に二倍以上になるメリットもありますよ。
キッカー
小さいキッカーでオーリーを使ったストレートジャンプだけでも楽しめますが、キッカーやポコジャンで回転の練習をする場合は必ずスノーボードスイッチを練習してからがよいでしょう。
レギュラーで入ってスノーボードスイッチで着地する際など、スイッチ滑走自体に慣れてないと転倒する可能性があります。スイッチで踏み切る際は簡単なカービングの技術があると回転の練習がスムーズにできるでしょう。
ジブ
バリエーションを増やそうと思ったらスイッチの滑り方は必須ですが、ジブを練習していると自然とスノーボードスイッチの技術にも生かせる部分が多いため、並行して練習すると効果的です。
フリーラン
スイッチ滑走ができることによって滑りの幅が広がります。同じ滑りばかりしているよりも周りを楽しませることができ、注目される確率もグっと上がりますよ。
減速せずにスイッチとレギュラーを組み合わせることができれば、それだけで自分の存在感をアピールできるでしょう。
ハーフパイプ
スノーボードスイッチができなければバリエーションがかなり限られてしまいます。ハーフパイプに入りながらスイッチを習得するというのも難しいので、事前にスイッチで簡単なカービングができる程度のレベルまでは練習が必要でしょう。
スノーボードスイッチの活用と応用
スイッチを習得した後は、発想次第で無数の活用方法があります。簡単な知識から、もう少し踏み込んだ不快に知識について紹介します。ゲレンデで一際注目されるには、まず自分がやりたいことを自由に表現できるようになることが重要です。
おすすめのスイッチの入り方
カッコ良く人に見せる、または気持ちよくスイッチを取り込んで滑るという点を考えると、ただ止まった姿勢からスイッチを行うだけでは芸がありません。
滑り出しから止まるまでを一つのストーリーとして、スイッチをどこに使うのか考えてみる時間もカッコいいスノーボーダーには必要です。
グラトリをはさむ
もっとも一般的なスイッチの取り入れ方で、一番簡単なものはバター180で向きを変えスイッチを始める方法です。コンボの中に違和感なくスイッチ滑走を取り入れられればゲレンデのヒーローになれる日は近いでしょう。
スイッチからレギュラーに戻る際もトリックを挟めると注目度アップです。
地形を利用する
オールマウンテンを意識するなら地形遊びに長けているところを見せられると一味違うことを見せることができます。
反りあがった壁で180を決めたり、キッカーのようなギャップを使ってスイッチになり違和感なく滑走できたりすれば初心者スノーボーダーグループからは注目されることでしょう。また自分の満足感もかなり高まりますよ。
スイッチカービング
フリーランでスイッチを行いたいと思ったときはぜひスイッチカービングができるようになるまで練習することをおすすめします。ターンもトリックと同じように人に魅せることができる武器です。
そしてほとんどの人が左足前のレギュラースタンスであることが多いため右足前のグーフィー方向に進んでいる人がいるだけで注目されるでしょう。グラトリにスイッチカービングまで取り入れられれば完璧です。
リバースターンとの違い
スイッチ滑走と見間違えられる滑り方の一つにリバースターンがあります。リバースターンとスイッチはフェイキーなどの名称の違いではなく滑り方そのものが違うターンです。ここではリバースターンとスイッチの簡単な違いを紹介します。
リバースターンとは?
スイッチとの一番の違いは、進んでいく方向を見ないということです。通常は進行方向に視線を向けて滑走しますが、このリバースターンについては山側を向きながら滑ります。
当然ですが、進行方向が見えないため、周りには細心の注意を払わなければなりません。
スイッチとは違う
スイッチ滑走は普段とは逆のアングルで行う滑り方に対して、リバースターンは通常の滑り方から向きを逆にしたトリックです。一瞬進行方向はどちらなのだと見間違うような滑走方法となります。
また、リバースターンはスイッチとは違い、前振りアングルでも簡単に行うことができる滑り方です。そのため、スイッチとリバースターンは全く違う滑り方となります。
スイッチで二倍楽しいスノーボードライフ
スイッチ滑走はスノーボードの幅を広げてくれる滑り方の1つです。スイッチを習得することで、トリックはもちろん、ただ滑るだけでも様々なバリュエーションを持たせることができるため、周りから注目されることでしょう。
ただ滑るだけのスノーボードに飽きてきたらぜひスイッチを習得してみてください。スノーボードがより楽しくなりますよ。
スノーボードの基本的なトリックに興味がある方はこちらもチェック
今回の記事ではスイッチの滑り方について具体的に解説しましたが、基本的な習得するとスノーボードの幅がより広くなるトリックは他にもあります。そんなスノーボードの基本的なトリックについて興味がある方がこちらの記事もチェックしてみてください。
また、自宅でもできるスノーボードにおすすめのトレーニングメニューを紹介した記事も掲載します。スノーボード初心者の方はこちらに記載してあるトレーニングを行えばより効率的に上達できますよ。
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