ナデシコの特徴
秋の七草のひとつ
日本に自生するものをはじめ、世界中に約300種が分布し、園芸品種も豊富であるのが特徴のナデシコは、ナデシコ科ナデシコ属の草花で、種類によって1年草のものや多年草のものがあります。学名は Dianthusと表記されます。ナデシコの開花時期は7月~10月。秋を彩る秋の七草のひとつに数えられ、寒さにも強い育てやすい可愛い花です。原産地はヨーロッパ、北アメリカ、アジア、南アフリカ、日本、中国、朝鮮半島などです。
和名は撫子と書く
ナデシコという名前は「撫でたくなるほど小さくて可愛らしい」花の様子を子供にたとえて「撫でし子(なでしこ)」から転じた呼び名で、和名は「撫子」と書きます。英名は「pink」。ナデシコの花の色はピンク、白、赤、複色などですが、「ピンク色」という色は、このナデシコの花の色に由来する色名だそうです。ナデシコの小さく可愛い花には香りがないのが特徴です。
ナデシコの誕生説
西欧に伝わるナデシコの伝説
ナデシコの誕生説は西欧に伝わる伝説です。その伝説はこんな話です。ギリシャで暮していた1人の若者が、仕事を探しにローマへやってきました。その頃ローマの街では詩人や勝利者などに捧げる花の冠を作る仕事が流行っていたので、その若者も花の冠を作る職人となりそれを仕事としました。彼は仕事がとても楽しく、どんどん腕前を上げていきました。また彼は誰にでも親切で、誠実に注文をこなしていったので、彼の冠はとても人気がありよく売れ、彼はとても幸せな毎日を送っていました。
その若者の魂から咲いた花がナデシコ
しかし人というものは時として残酷な生き物になってしまうもので、若者の成功を妬ましく思った他の職人から、その若者は殺されることになってしまったのです。若者が作った冠を被ったことのある詩人たちは、彼の死をとても惜しみました。そして芸術(詩)の神様であったアポロンは、若者が生前、熱心に神に祈りをささげていたことを思い出して、若者の魂を赤い花に宿らせた。それがナデシコであったという話です。この話がナデシコの誕生説として西欧に伝えられています。
ナデシコの花言葉
「無邪気」「可憐」「愛らしさ」
見ていると撫でたくなるほど可愛いナデシコの代表的な花言葉は、「無邪気」「可憐」「愛らしさ」です。これらの花言葉の由来は、ナデシコの見た目の花のイメージにちなんだ言葉です。英名のpinkとはオランダ語で「まばたき」という意味ですが、花の中央部が目のようにくぼんでおり、花びらの縁がまつ毛を連想させることで「可愛い瞳」などという花言葉もあります。秋の七草のひとつに数えられるナデシコは、万葉集の中で26首もナデシコを詠んだ歌があります。
大胆
ナデシコには「大胆」という花言葉もあります。可憐で可愛い花姿をしているのに「大胆」という言葉のイメージがわかない方も多いことかと。ナデシコの「大胆」という花言葉の由来は、ナデシコは見た目とは裏腹に、寒さにも強く丈夫で育てやすい花で、雑草にまじりひときわ目立つピンクの花を咲かせる、そんな花姿から「大胆」という花言葉が付いています。
ナデシコの色別の花言葉
ピンクのナデシコは「純粋な愛」
色鉛筆や絵の具のピンク色は、このナデシコのピンクの花の色から派生したと言われるピンクのナデシコ。ナデシコの花言葉で、特にピンクのナデシコの花言葉は「純粋な愛」です。ピンクという色のイメージが優しい色であること、ほのかな恋愛をイメージさせる色であることが由来した言葉です。
赤いナデシコは「純粋で燃えるような愛」
撫子の中で特に赤いナデシコは「純粋で燃えるような愛」という花言葉が付いています。これも赤という色のイメージから、燃えるような愛という言葉に由来した花言葉です。純粋はナデシコの花のイメージにちなむようです。
白いナデシコは「才能」
ナデシコの花言葉で、特に白いナデシコは「才能」という花言葉が付いています。白という色のイメージは神聖、純粋、信頼感などというイメージを与えるカラーですが、花言葉に「才能」とはどのような由来でついたのか?疑問の持つ点ですが、白いナデシコの花言葉「才能」の由来について、はっきりした根拠は不明です。しかしながら「才能」という花言葉を持つ白いナデシコは、クリエーターなど何かを作り出す又は極めるような才能のある職の人を励ますような場面に贈る花束の中によく利用されます。
由来として考えられること
根拠は不明ですが、数多くの品種が存在し、色々な種類が誕生する可能性を秘めた花であることを、神聖なる白いナデシコにイメージしたのであろうか?または万葉集、枕草子、徒然草、源氏物語など歴史に残る文芸作品に幾度も登場している花であるため、これら作者の才能を白いナデシコでたたえているためであろうか?そんな推測をしてみました。しかしながらこれらは推測にすぎず、白いナデシコの花言葉の由来については謎であるのは、残念ながら本当のところです。
ヤマトナデシコとその花言葉について
ヤマトナデシコ(大和撫子)の特徴
清楚で容姿端麗、言葉使いも美しく、男性を立てる日本女性の控えめな美しさをたたえる言葉である「やまとなでしこ」。この言葉は、ナデシコの同属品種である「カワラナデシコ(河原撫子)」の別名です。カワラナデシコの見た目の印象から日本女性の美しさを代表する言葉を、カワラナデシコの別名の「ヤマトナデシコ=大和撫子」と表現しています。日本原産のナデシコで、細く糸状になった繊細な花びらが特徴です。花色はピンク、白、赤などです。
他国原産のナデシコと区別する呼び名
ヤマトナデシコという名は、ナデシコの多くの園芸種の中で、同属のセイヨウナデシコや中国から渡来してきたナデシコのセキチク(唐撫子)などと区別するために、「ヤマトナデシコ」と呼ばれるのだとも言われています。ただ花図鑑によっては、ナデシコの別名を「ヤマトナデシコ」と紹介している図鑑もあります。
ヤマトナデシコ(大和撫子)の花言葉
カワラナデシコことヤマトナデシコの花言葉は「大胆」です。ヤマトナデシコは「カワラナデシコ(河原撫子)」という呼び名のとおり、繊細な花びらでありながら、河原や清涼地を好む山野草。そんな中で可憐に咲く花姿から付いた花言葉だという説があります。山野に大胆な鮮やかなピンクの花を咲かせるからだという説もあります。可憐に見えて実は大胆なヤマトナデシコ。女子サッカー日本代表チームの愛称「なでしこジャパン」は、この花のイメージから付いた愛称です。ちなみにこの愛称は2004年のアテネオリンピックの時、一般公募から選ばれた名前だそうです。
ナデシコの花言葉を知ってナデシコを観賞しよう!
ナデシコは花壇に植えたり鉢植えにするのはもちろん、草丈のあるものは花束やアレンジメントにするのもおすすめの花です。花の愛らしさを子供にたとえ、撫でてしまいたいほど可愛い「撫でし子」が転じて「ナデシコ」という名が付いたほど、とても可愛い花です。白いナデシコは才能を称えられた人に贈る花束に加えるにも最適な花言葉が付いています。秋の七草のひとつに数えられ、初夏から秋に見頃を迎えるナデシコの花言葉を知って、ぜひ可愛い花をご観賞ください。
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