タープ用ロープの長さを計算する:はじめに
ガイラインの長さをタープに合わせて準備する
タープは張り方次第でテントサイトを快適にできるのが魅力のキャンプ道具です。メインポールとセットになったタープには張り方に適した長さの張り綱(ガイライン)が付属していますが、付属の張り綱が長すぎると適切な長さにカットしたくなります。
また、タープ、メインポール、ロープをバラで買うとロープの長さを計算してカットしなければなりません。張り綱が短すぎたり長すぎたりするとタープの設営に手間取るだけでなく、美しい立ち姿になりませんので、ロープの長さの計算にチャレンジしましょう。
簡単な方法から応用編まで解説
ここではロープの長さを計算して張り綱を作る方法について、簡単な方法から応用的な方法まで解説します。
テントサイトでこの記事をご覧になられているキャンパーさんもいらっしゃるでしょうから、まずはすぐに計算できる方法を紹介し、その後に応用的な計算方法を解説しますね。
また、後半では長すぎる張り綱を調整するロープワークについても触れます。急いでいるキャンパーさんもいらっしゃるでしょうから早速本題!タープ用ポールの長さを計算する方法を会得しましょう。
タープ用ロープの長さを簡単な方法で計算する①
メインポールのガイライン:直角二等辺三角形(1:1:√2)
まさに今、テントサイトで長すぎるロープをカットして張り綱の長さを調整しようとしているキャンパーさんへ結論!タープ用のロープはメインポールの2倍の長さにカットすれば、張り綱と地面の角度を45°で設営できます。
直角二等辺三角形の辺の比は「1:1:√2」、角度は「45°+45°+90°」。ポールの長さ×√2(1.414)で斜辺(直角と向かい合っている辺)の長さを計算できます。これに斜辺の1/2の長さを加えると、そのポールに適した張り綱を作れます。斜辺×1/2はペグから折り返す長さです。
タープサイドのガイライン
タープのサイドに張るロープも同様です。メインポールを立てた後、タープのサイドを好みの高さに持ち上げ、その高さの2倍の長さでロープをカットすると角度45°で設営できます。
タープの屋根の角度を45°より緩やかにしたい場合は、ロープを長めにカットしましょう。机上で計算するよりも、テントサイトでの感覚を基準に加減したほうが、ロープは正確な長さにカットできます。
ロープの端はライターの火で炙ったりビニールテープを巻き付けたりしてほつれないようにするのがおすすめです。
タープ用ロープの長さを簡単な方法で計算する②
メインポールのガイライン:直角三角形(3:4:5)
ロープの長さを計算する基準になる直角三角形は直角二等辺三角形だけではありません。
「3:4:5(角度約37°、約53°、90°)」の直角三角形で張り綱を作ってみましょう。「メインポールが3なら斜辺は×1.667」「メインポールが4なら斜辺は×1.250」で長さを測り、斜辺×1/2の長さを加えたのが必要なロープの長さです。
メインポールが3本継ぎ、4本継ぎ、5本継ぎなら節を定規代わりにロープの長さを測れます。張り方を選ばない角度は利用価値が高いですね。
長さを測る道具がないときは…
キャンプに長さを測る道具を持っていくキャンパーは少ないでしょうから、テントサイトにあるもので長さを測りましょう。2.0mのメインポールが3本継ぎなら1本0.667m、4本継ぎなら1本0.5m。コピー用紙A4サイズの長辺は0.297mです。
自動車の車検証で車体サイズを確認すれば、長めのロープも測れます。自分の体を基準に長さを測るのもあり。両腕を広げた長さは身長とほぼ同じです。ウエストや股下でロープの長さを測ってなかまを笑わせる方法もあります。
余談:2:1:√3の直角三角形は?
「2:1:√3(角度30°+60°+90°)」の直角三角形の場合、角度60°は使えますが、角度30°は張り綱が長くなってしまいます。張り方によっては足を引っかけやすくなりますので、テントサイトで使うには現実的ではありません。
ルートの計算も面倒です。しかし、タープ泊で低い高さから張り綱を張る張り方では有効です。
タープ用ロープの長さを三平方の定理で計算する
ポールの長さとペグの位置からガイラインの長さを計算する方法
三平方の定理を用いて、メインポールの長さとペグまでの距離をもとにロープの長さを計算する方法も会得しましょう。数学の授業で習ったa²+b²=c²という公式です。ルートの計算をしなければなりませんので、ここでは複雑な計算を表計算ソフトに頼ります。
まずは「タープ用ロープの長さ計算1-1」の表を作り、手持ちのメインポールの長さとペグまでの距離を入力します。テントサイトで素早く計算するには、スマートフォンに表計算ソフトのアプリを入れておくのがおすすめです。
表計算ソフトに数値と計算式を入力
A2には手持ちのメインポールの長さを入力(高さ)、B2にはペグを打ち込みたい距離(底辺)を入力します。計算式を入力するのはここから。C2に「=SQRT(A2^2+B2^2)」、D2に「=C2*1/2」、E2に「=C2+D2」と入力しましょう。
「SQRT()」は√を、「^2」は2乗、「*」はかけ算の×です。D2とE2については先述しましたので省略しますね。ちなみに、平方根にはプラスとマイナスの数値がありますが、三角形の辺はマイナスになりえません。
事前にロープの長さを計算するのに最適
直角二等辺三角形(1:1:√2)と直角三角形(3:4:5)でタープ用ロープの長さを計算する方法は簡易的でありながらも実用的です。
しかし、ペグを打ち込む位置に制限があるテントサイトでの張り方では、メインポールの長さとペグまでの距離をもとにする計算方法が有効です。
また、キャンプ場へ向かう前にロープをカットするのにも便利。メインポール用のロープとサイド用のロープにテープを色分けしてマークしておけば、テントサイトでロープを見分けやすいですね。
余談:三平方の定理を用いてロープの長さを筆算で計算する
三平方の定理を用いてロープの長さを電卓で計算するなら、以下のように電卓のボタンを押しましょう。「メインポールの長さ、×、=、M+、ペグまでの距離、×、=、M+、MRC、√、÷、2、×、3」これで張り綱を作るのに必要なロープの長さを計算できます。
地面と張り綱の角度を三角関数で計算する
ガイラインの角度がわかれば張り方をイメージしやすい
三平方の定理でタープ用ロープの長さを計算するのは実用的ですが、地面と張り綱の角度が分かりません。角度の確認ができれば、テントサイトでの張り方をイメージしやすいですね。
メインポールに使うロープはもちろん、タープのサイドロープの角度はタープの屋根の角度に影響します。
三平方の定理を用いてタープ用ロープの長さを計算した表に、ロープと地面の角度を計算するセルを付け加え、三角関数を用いて角度を計算します。
ポールの長さとガイラインの長さから角度を計算する方法
F2に「=ATAN(A2/B2)*180/PI()」と入力して度数表記の角度を計算します。tanθ=メインポールの長さ/ペグまでの距離、書き換えてθ=tan⁻1*メインポールの長さ/ペグまでの距離、「tan⁻1」ですので逆関数の「ATAN(アークタンジェント)」で計算します。
「*180/PI()」はラジアン表記の角度を度数表記の角度に変換する計算です。なお、「=DEGREES(ATAN(A2/B2))」でも角度を計算できます。
ロープと地面の角度がわかればタープを設営するイメージがしやすいですね。コンパクトに設営したいなら角度を45°以下になるよう、タープの屋根の角度を緩やかにして日差しや雨が当たる面積を増やしたいのなら45°以上にします。
昼間と朝夕では太陽の角度が違いますよね。タープの角度を変えることも踏まえてロープの長さを調整するのもありです。次はタープに必要なロープの本数を見ながら必要なロープの長さを計算します。
任意の角度でロープの長さを計算できる表を作りましょう。
必要なロープの長さ合計を本数と張り方から計算する
ガイラインの本数と必要なロープの長さ:設営スタイル1
タープ用ロープの長さを計算する3-1 | |
セル | 数式 |
C3 | =C2-SIN(RADIANS(G3))*(C1/2) |
E2 | =C2/TAN(RADIANS(G2)) |
E3 | =C3/TAN(RADIANS(G3)) |
F7 | =SUM(F5:F6) |
G2 | 任意の角度 |
G3 | 任意の角度 |
G5 | =E5*F5 |
G6 | =E6*F6 |
G7 | =SUM(G5:G6) |
これまでのおさらいとして、張り方ごとに準備しなければならない張り綱の本数からロープの合計の長さを計算します。数式をたくさん含む表計算シートになりましたので、入力する数式は別欄を添付しました。
設営スタイル1は、スクエアタープの辺の穴にポールを通し、四隅の穴に通したロープで引っ張るスタンダードな設営スタイル。
必要なロープの本数はメインポール用が4本、タープサイドを引っ張るロープが4本。ロープの本数は多いものの、人数が多いときに重宝する張り方です。
ガイラインの本数と必要なロープの長さ:設営スタイル2
タープ用ロープの長さを計算する3-1 | |
セル | 数式 |
C3 | =C2-SIN(RADIANS(G3))*C1/SQRT(2) |
E2 | =C2/TAN(RADIANS(G2)) |
E3 | =C3/TAN(RADIANS(G3)) |
F7 | =SUM(F5:F6) |
G2 | 任意の角度 |
G3 | 任意の角度 |
G5 | =E5*F5 |
G6 | =E6*F6 |
G7 | =SUM(G5:G6) |
設営スタイル2はスクエアタープの角の穴にメインポールとロープを通す設営スタイルです。タープのサイドを低くできますし、ロープを広範囲まで伸ばさなくてもいいのでコンパクトに設営できます。
必要なロープの本数は、メインポール用が4本、タープサイドを引っ張るロープが2本です。本数が少なく、サイドのロープが短いので、少ない長さのロープで設営できます。サイドの張り綱の本数が少ないので、太陽の角度に合わせて張り綱の位置を調節するのにも便利な張り方です。
余談:本数を少なくしたり色分けしたり
張り綱の本数は少なくするのがおすすめです。本数が多いと、どれがどこに通す張り綱なのかが分かりにくくなるからです。メインポール用のロープを2倍の長さにして2股タイプの張り綱にすれば、本数を少なくできます。
張り綱の本数や長さの種類が多くなりそうなら色分けするのもありです。メインポール用はオレンジ、サイド用はグリーンなど、色分けしておけばテントサイトで見分けやすくなります。
長すぎるロープをカットせずに調節する方法
長すぎるガイラインをロープワークで調整する
タープやテントに付属していた張り綱が長すぎる場合はロープワークを駆使して長さを調節するのもありです。タープやテントに付属しているロープは張り方に合わせて長さをカットされていますが、いろんな張り方に対応できるように長めにカットされています。
ですので、通常の張り方では張り綱の長さが余ってしまうのです。長すぎる張り綱を調整できるロープワークとロープの途中に輪っかを作るロープワークを紹介します。
縮め結びでガイラインの長さを調整する
縮め結びは少し難しいロープワークですが、長すぎる張り綱を調整するのに便利です。結んだ後からでも長すぎる張り綱を微調整できますよ。結び方は①3つの輪っかを作る②真ん中の輪っかを左右の輪っかに通す③左右の輪っかとロープを引く。
真ん中の輪っかは大きめに作るほうが長すぎる張り綱を調整しやすいですね。詳しくは記事末にリンクを張った「【ガイライン】テントのマストアイテムの種類と正しい使い方をご紹介!」で確認してください。
バタフライノットで長すぎるガイラインを消費する
バタフライノットは張ったロープの途中に輪っかを作るロープワークです。長すぎるロープを短くするためのロープワークではありませんが、張り綱の長さを無駄なく消化できます。
結び方は①ロープを2回ねじる②一つ目の輪っかに指2本を通す③指に本を2つ目のロープに通す④一つ目の輪っかを引っ張って2本の指で挟む⑤指を輪っかから引き抜くです。
張り綱の途中に輪っかを作っておけば、失いやすいペグやペグハンマーなどを吊っておけます。マーカーを吊るのにもおすすめです。
タープ用ロープの太さについて
ガイラインの太さは4mmや5mmがおすすめ
ロープの太さは4mmか5mmがおすすめです。太さが4mmや5mmのロープには安価なものが多いですし手軽に入手できます。アウトドアショップはもちろん、取り扱っているホームセンターも多いですね。
また、太さ4mmや5mmのロープは張り綱として以外でも使いやすいのがメリット。マットやポールなどの長物を束ねたり、小物を吊る輪っかを作ったりなど、ある程度の太さがあるので汎用性が高いですね。また、ロープワークでも手に馴染んで扱いやすい太さだといえます。
太さが3mm以下のガイラインは人力移動用
太さが3mm以下のロープは登山、徒歩旅、自転車ツーリングなどの人力移動に適しています。太さが3mm以下のロープは手触りがツルツルしていて絡まりにくく、細いのでかさばりませんし、ザックに収納しても重さを感じません。
しかし、太さが3mm以下のロープはオートキャンプやデイキャンプでオーバースペックです。太さが3mm以下のロープは価格がやや高めですし、手に馴染みにくいのでロープワークにはある程度の慣れが必要。レジャーキャンプ用のロープなら太さは4mmや5mmが使いやすいですね。
タープ用ロープの長さを計算する:まとめ
タープやテントのロープは直角三角形をイメージして長さを計算します。有名角度の直角三角形を用いると長さを計算しやすいですね。また、長巻のロープで張り綱を作るなら三平方の定理や三角関数を用いましょう。
張り方のイメージがしやすくなります。タープやテントのロープはナイロン製で、引張強度に優れているものの、紫外線で劣化しやすいのがデメリットです。キャンプへ行く前に劣化していないかを確認しましょう。
また、レジャーキャンプなら紫外線に強いポリエステル製のロープを用いるのもありです。
ロープが気になる人はこちらをチェック!
ロープワークを身に付ければキャンプが楽しくなります。まずは必要な結び方から覚え、徐々に身に付けていくのがおすすめです。輪っかを作るもやい結びはテントやタープを設営するのに必ず使うロープワークです。
自在結びを知っていれば自在金具を忘れても対応できますし、巻き結びを知っていればキャンプ場の立木を利用してシュラフや水着を干せますね。解けにくく解きやすいのがロープワークの基本!オリジナルのロープワークを模索するのもありですよ。

アウトドアのロープワーク講座!キャンプで必ず使える結び方をわかりやすく解説!
アウトドアで格の違いを見せつけられるのはロープワーク!アウトドアで代表的なロープワークを集め、永久ブックマークレベルにわかりやすく解説しまし...
【ガイライン】テントのマストアイテムの種類と正しい使い方をご紹介!
ガイラインの素材や種類についてまとめ、結び方も多めに記載しました。登山用テントに使うガイラインは高性能すぎる?レジャー用テントなら付属品で十...

絶対役立つキャンプ向けのロープワークおすす10選!これはすごい!
現在ではロープワークを使用しなくてもキャンプを行うことはできます。しかし、ロープワークを覚えておくと、普通なら専用の器具が必要となるようなこ...
www.photo-ac.com/main/detail/1308286?title=%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%88&searchId=186895491