コバノセンナの特徴
コバノセンナの花の特徴
かわいい楕円形の小さな葉に、黄金色の花。葉は6cm前後で、花びらは2cmぐらいの大きさを持つ5枚の花びらの中に、緑色の雌しべを包み込むように先の曲がった茶色い雄しべがコバノセンナの特徴です。まるでおし雌しべのナイトのようで、魅力的。「輝かしい未来」という花言葉たる所以でしょうね。植木に咲く花で、高さは通常1~2mです。3mにもなる高さのものもあります。南米出身で、マメ科の植物で、さやのついた実もなります。
ふしぎなコバノセンナ
コバノセンナは、夜になると葉を折り畳み、まるで扇子のようなかたちで眠りにつきます。変わった特徴のふしぎな花ですね。また、稀ですが、インゲンのような、青唐辛子のようにも見える実もつけます。大きさは15cm前後。実の中には、45個前後の種が入っています。実がなるのは稀だと聞くと、なおさら自分で育ててみたいと思うでしょう。
コバノセンナと間違えられるハナセンナ
コバノセンナの同属で、ハナセンナという花もあります。アンデスの乙女(別名)ともよばれ、よくコバノセンナと間違えられます。黄金色の花びらに、似たような高さの木で、ぱっと見た目は変わりません。ハナセンナとの違いは、雄しべが多く、葉の先端が尖っていること。雄しべが10個もあります。よく観察しないと見間違いますね。開花時期も8~10月です。なので、夏から秋にかけて花が咲くのはハナセンナ。秋から冬にかけて咲く花はコバノセンナと覚えておくといいでしょう。花言葉は「輝かしい未来」になります。
コバノセンナの名前の由来
コバノセンナを漢字で書くと、「小葉の旃那」。属名sennaは、sana(アラビア語)耳の意味、さやの形が耳に似ているので命名されています。種小名はpendula。垂れ下がる、の意味。垂れ下がった耳。夕方になると葉を扇子のように折り畳む形につけられたと言われています。またの名を、カッシアや、英名ではスクランブルエッグとも呼ばれています。カッシアは、シナモン(桂皮)の古い名前からきています。シナモンは、元々、ヘブライ語の「樹皮を剥ぐ」から、ラテン語に訳され「cassia」と、AD1000年前に記録されたのです。スクランブルエッグは、花びらを現しているのでしょう。
コバノセンナの育て方その1:種や苗から肥料や水やりも
種の選び方
種の選び方について抜粋して、解説します。種の中には、早生(わせ)、中生(なかて)、晩生(おくて)があります。早生とは、短期間で栽培できるため、育てやすさがメリットです。中生は、普通に育つもの。晩生は、長期間栽培しなければいけません。しかし、よい味に育ちます。早生は初心者、晩生は上級者向けと言えますね。
苗の選び方
苗の選び方を抜粋して紹介します。まず、太い茎で厚みのある葉は、根が発達して丈夫なものが多いのです。背が高い苗は、栄養分が茎と葉にとられて、根がしっかりしていないものがあります。気をつけましょう。また、発色がいいものを選びましょう。窒素不足だと、葉の色が薄かったり、黄色っぽくなったりしています。逆に窒素過多になると濃くなり、病気などにかかりやすくなり、うまく成長しないかもしれません。また、直根性(ちょっこんせい)の苗のなかでも、若々しいものを選びましょう。直根性とは、根から伸びる太い茎、枝の数が少ないタイプのことです。苗選びは重要です。これらの点に注意していい苗を選びましょうね。
コバノセンナの種や苗を購入
コバノセンナの種や苗は、秋ごろにホームセンターや園芸店などで購入できます。インターネット通販サイトでも購入できるのです。種の値段は、10粒ほどで、1,200円前後になります。苗の値段は、2,000円前後。植木にしては、お手ごろな値段ですね。ただ、秋を過ぎると、売り切れてしまうので、気をつけましょう。
コバノセンナを種から育てる
コバノセンナを種からの育て方です。プランターや植木鉢などに園芸用の土を入れます。マメ科ですのて、肥料はいりません。マメ科は、窒素固定ができるからです。窒素固定とは、空気中の窒素を窒素化合物に変換して、栄養素として取り入れます。土にペットボトルの蓋で穴を掘り、種を入れ、種が隠れるていどに土をかぶせます。たっぷりの水をあげましょう。本葉が出るまで日陰で育てるのです。苗のまま、1年間育みます。九州やおきなわでは、直播きできます。
コバノセンナを苗から育てる
コバノセンナの苗からの育て方です。コバノセンナは、原産国が南米ですから、寒さを嫌います。耐寒温度は、マイナス2どです。苗から育てるさいは、秋に購入したら、植木鉢に植えたまま育み、次の5月まてに植え替えましょう。高さは3mほどになり、横にもひろがります。そのあたりを考慮して、北風にさらされない、日差しがあたる場所を選んで植え替えをします。
コバノセンナの肥料や水やりは⁉︎
コバノセンナの肥料と水やりの方法です。マメ科なので、肥料はいりません。ただ、植木鉢に植えた際は、春と秋に少なめに置肥をあげます。置肥は、錠剤や顆粒状の緩効性の肥料です。水分を含むと、徐々に栄養素が溶けだすタイプで2ヵ月ぐらいは持続します。原産国が南米のため、乾燥には強いので水やりは、土が乾いてからあげるようにしてください。
コバノセンナの育て方その2:霜除けから病害虫対策まで
コバノセンナの霜除けは必須!
幼木のうちは、越冬するために霜除けは必須です。コバノセンナの耐寒温度は、マイナス2度まで。軒下におくか、マイナス2度以上になるときは家の中に入れます。越冬の仕方もさまざまです。まずは樹皮や落ち葉をたくさん集めておいて、コバノセンナの根元に5cm以上の厚みになるように敷き詰めておく方法。これは、藁でも代用可能です。次は、コバノセンナの周りに支柱をさしたてて、支柱のまわりをビニールで覆う方法。強風には弱いですが、周りがしっかりしたもので囲われてる場所であれば、北風にもたえられるでしょう。3つ目はコバノセンナの上から、笹のはがついた枝を斜めに覆う方法。そして最後は網目状のものをコバノセンナの上から被せる方法です。やはり、南米出身なので寒さに気をつけなければいけません。
コバノセンナの植え替え
植え替えのほうほうです。高さと横の広がりを考慮して場所を決めてから、コバノセンナの植え替えをします。増やし方で作っておいた挿し木の植え替えも一緒です。根鉢の3倍くらいの穴を掘ります。掘り起こした土の3割くらいの腐葉土や堆肥を混ぜておきましょう。園芸の世界では、土づくりが1番大切です。花を生かすも殺すも、土づくりにかかっているといってもいいでしょう。穴に苗をそっと置いて、根に先ほど腐葉土や堆肥と混ぜておいた土をかぶせます。やはり、水をたくさんあげましょう。
コバノセンナの病害虫
コバノセンナの病害虫その1:ガムテープと摘み取りで対策!
コバノセンナにも病害虫があるのです。さび病や、斑点病の病気にかかることがあります。カビやウィルス、細菌などに感染することで病気にかかります。キチョウ、タイワンキドクガ、アブラムシ類の虫の発生にも注意。葉の裏と表をチェックしまし。黄ばんでいたり、穴を見つけたりしたら病害虫を疑いましょう。虫や卵を見つけたら、ガムテープ などで取り除きます。変色したり、穴がある部分は、すぐに摘み取ってあげましょう。日あたりと風通しをよくし、湿度の低いところにおきます。また、土の上に落ちた花びらや葉などは、見つけたら、撤去しましょう。
コバノセンナの病害虫その2:たっぷりの薬剤
病害虫には、薬剤で予防できるものもあります。病気対策には、「殺菌剤」を、害虫対策には、「殺虫剤」を使うこと。「殺虫殺菌剤」は、病気と害虫の両方に効果があります。また、その中でも、そのまま使えるAL剤と、希釈タイプがあるのです。希釈タイプは、水で薄めて使います。AL剤の方が簡単でいいですね。まず、変色した葉などを取り除きます。葉の表と裏、茎の根元までたっぷり薬剤をかけましょう。
病害虫その3:アルミホイルや防虫ネットで予防!
また、虫除けとして、コバノセンナの近くに、アルミホイルをおくのもおすすめです。虫は、キラキラして、反射するものを嫌うから。網目の小さな防虫ネットなどをかけておくのもいいでしょう。
コバノセンナの育て方その3挿し木と増やし方、剪定方法
コバノセンナの挿し木と増やし方
コバノセンナの挿し木の作り方と増やし方を解説します。コバノセンナの増やし方は、挿し木を作るのです。生長した新しい茎を18cm前後で切ります。葉を先から3枚ほど残して、他の葉を取りましょう。これが挿し穂です。挿し穂を何本か多めに作っておくと、どれかは新しい根が出て、成功する可能性が高くなります。この挿し穂を2時間ほど水につけておきます。割り箸など、挿し穂よりひとまわり大きく、長いものでつちに穴を開け、その穴の中に挿すのです。これで挿し木となります。土が乾き気味のときは、水をたくさんあげましょう。明るめの日陰で、風通しの良いところに置きます。新しく根がでる時期は、1ヶ月ほどです。時間がかかるのも楽しみの一つです。増やし方は、挿し木を作ることが何より大切です。待ちましょう。
コバノセンナの剪定
コバノセンナの剪定は、花が終わる時期に、切り戻しをします。切り戻しとは、枝の先から1/3から半分くらいを目安に切り落とすことです。日あたりや風通しをよくするために、枝の密度を低くすることを目標にして枝を切ります。剪定が難しいな、と感じたら、人の手入れの入った里山や公園などを参考にしてみるのもおすすめです。幹を保持して、形を乱さないことが重要です。剪定をすることは、生長を促し、病気の予防や害虫を寄せつきにくくします。ぜひ、コバノセンナの健康のためにがんばりましょう。
まとめ
まとめその1:コバノセンナの魅力
ここまで、コバノセンナの育て方や増やし方などを解説しました。コバノセンナは、耐寒温度はマイナス2度まで。暖かい場所で育てることが必要です。越冬の処置をすれば大丈夫。でも、乾燥には強いので、土が乾いてから水をあげても遅くはないこと。種や苗の購入時期は、秋になります。種から育てる際は、5月までに種まきをしましょう。植え替え時期も同様。植え替えの際は、高さと横の広がりも考慮しましょうね。増やし方は、挿し木を作ること。剪定時期は、花が終わってからが最適です。次の花がきれいに咲きますよ。お庭の植木にコバノセンナを加えてみてはいかがでしょう。稀なる実も成るかもしれませんよ。
まとめその2:コバノセンナへの思い
コバノセンナの魅力は伝わりましたか?冬の時期まで黄金色にかがやく花が咲き、夜になると葉を扇子のように畳むなんて、凄い特技を持った花ですね。高さもちょうどいい植木です。ちょっと見上げればめのほようができます。九州や沖縄地方では、秋から冬にかけて、公園などで普通に見かけます。関東以西いがいでは、植木鉢で。増やし方は挿し木を作ること。高さが高くなると大変ですが、剪定もお忘れなく。病害虫や寒さに注意すれば、育て方もさほど難しくはないでしょう。稀にできる実を、自分で育てあげてみたいと思いませんか。この記事を読んで、育ててみよう、と思ってくれると嬉しいです。
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