はじめに
寒桜など冬に咲く桜の種類と見ごろ時期・名所など
冬に咲く桜といえば寒桜が有名ですがそれ以外の品種も寒い時期に開花を迎える寒咲種はいくつかあるのをご存知ですか?日本のあちこちに冬の桜の名所といわれる場所があります。今回はそんな冬から楽しめる寒咲桜の種類紹介とその見た目の特徴・名所の場所へのアクセス方法など見ていきましょう。
冬に咲く桜について
桜というとソメイヨシノやしだれ桜などを見にいかれる方も多いでしょうが、それ以外にもたくさんの種類があるのをご存知ですか?中でも秋から冬にかけて花をつけるものを寒咲桜・冬桜などといい風情があるものとする方も少なくありません。
意外と多い冬に咲く桜
寒咲桜とも呼ばれる冬に開花時期を迎える花には数種類あって、冬桜・十月桜等々探せば日本全国あちこちの場所で冬のお花見をすることができます。春はソメイヨシノを見る方が多いでしょうが冬はバリエーションに富んだいろいろな寒咲桜があるので、こんな花もあるのかと新しい発見ともなるでしょう。
冬に咲く桜の咲き方の種類
品種によっても開花時期が違うだけでなく、咲き方にも特徴があるのが冬咲きの興味深いところ。秋に一度咲きそのままずっと春まで枯れずに咲き続けたり、秋に咲いて少し休んでまた早春に開花時期を迎えたりと寒咲種はそんな面白さも楽しめます。
冬咲く桜の品種1:冬桜
数ある寒咲の桜の中でも、名所といわれていたり有名で多くの人が足を運ぶようなものを厳選して4種類・4つの場所を紹介していきます。まずは寒咲の代名詞ともされる冬桜について。この花の特徴や見た目はどのようなものでしょうか。
冬桜について
まずはその名前も冬桜という種類からご紹介します。こちらはコバザクラ(小葉桜)と呼ばれるものと同じものです。冬桜を冬に開花時期を迎える桜すべての総称だと思っている方もいらっしゃるようですが、れっきとした桜の品種のひとつ。
冬桜の見た目など
花色などの見た目はソメイヨシノと似ています。しかし大きく違うのはその開花時期。秋から翌年の春までずっと咲き続け、とても長く楽しめるところが一番の特徴。マメザクラとオオシマザクラを親として自然に混雑してできた種類がこの冬桜です。
冬咲く桜の品種「冬桜」の見ごろ時期と名所
日本で最大の三門を持つのが京都の知恩院。ここは冬桜の名所として知られているところで、中でも有名なのがその門の両脇に植えられている大きな冬桜の木。
こちらは訪れる人が必ずやる見方があって、それが門を額縁のようにする方法。フレームのように門で囲んで桜を撮影する場所が定番の撮影ポイントとなっています。訪れた際はぜひ三門の内側から見た桜の写真を撮ってみてくださいね。
冬桜の見ごろ・開花時期
開花時期は10月から3月ころですが、少しずつ花数が増えてくるので場所にもよりますが11月末から翌年1月ころが一番の見ごろとなるでしょう。寒咲の桜の中では長い期間花を愛でることができるので、今行かなくてはという焦りは必要ありません。冬のあたたかい日を選んででかけてみてはいかがでしょうか。
冬桜の花見の名所・京都知恩院
施設・場所名:知恩院
住所:〒605-8686 京都市東山区林下町400
連絡先:075-531-2111
入場時間:9:00-16:00
アクセス:東山駅から徒歩8分
*拝観料が必要ですが無料で入れる阿弥陀堂前前で寒咲の桜を見ることができますので桜だけなら入場料は不要。
冬咲く桜の品種2:四季桜
寒咲にも冬にしか咲かないものと春と冬に咲く花があります。四季桜は数少ない2度開花時期がある種類。その特徴と見た目から見ていきましょう。
四季桜について
園芸品種の中で年に2度咲くのがこの四季桜。正確には四季すべてに花をつけるわけではないので、場所によっては二季桜と呼ばれることもあるようです。冬に開花時期を迎える種類の中でも2度咲くものはあまり数がありませんので一度は見ておきたい花のひとつといえるでしょう。
四季桜の見た目など
この花も一重で花びらは5枚。色はwikiでは薄桃色とありますが、いろいろな画像を見ると白いものもあるようです。しかもひとつの枝に薄くピンクに色づいたものと白い物が混じって咲いているのも確認できます。これは四季桜がソメイヨシノのような単一の系統ではないのに由来しているのではないでしょうか。
冬咲く桜の品種「四季桜」の見ごろ時期と名所
四季桜の名所といえば名高いのが愛知県豊田市の小原ふれあい公園近隣です。植えられている桜の本数もすごいけれど、こちらの見どころは何といっても周りの紅葉とのコラボ。赤く色づいた葉と白い花がひきたてあってとてもきれいですよ。
四季桜の見ごろ・開花時期
11月初旬くらいからと春4月の2度開花時期がおとずれます。花の数は春の方が多いですが、春は葉の新芽と同時に花が出てきますので美しいのは葉が落ちた後花がつく冬。紅葉の美しい場所であれば、赤いもみじとの共演を眺めることができるでしょう。
四季桜の花見の名所・小原ふれあい公園
施設・場所名:ふれあい公園
住所:〒470-0531 愛知県豊田市孫八456
アクセス:名鉄豊田市駅から「とよたおいでんバス」小原・豊田線上仁木行きで1時間ほど
*小原ふれあい公園内の桜の本数は約300本。それ以外にも四季桜の里など近隣には四季桜の名所が数箇所あり総本数は1万以上。各場所の名称やアクセスは下記ホームページにて確認のこと。
冬咲く桜の品種3:不断桜
不断桜は日本でも天然記念物として保護対象となっている珍しい冬咲きの桜の木。しかし注意してほしいのは、不断桜といわれているものの中には別の種類をそう呼んでいるものもあるので、本当の本物を見たいというなら三重県鈴鹿市の白子までいく必要があります。
不断桜について
不断桜は国から天然記念物の指定を受けた白子にあるものがやはり観光地として名高い場所で見に行くのであれば断然おすすめ。しかしこの木から株分けされたものが京都の実光院にもありますので、寒咲桜を見るだけの目的で三重県までいくのは大変な方は京都観光と一緒にこちらにでかけても良いでしょう。
不断桜の見た目など
白子の不断桜の見た目は一重の品種ですが、不断桜と呼ばれている八重の花もあります。こちらは本物の白子の不断桜ではなく十月桜という品種をそう呼んでいるもの。インターネット辞書のコトバンクでも下記のように記されていることから八重の品種とは分けて考えるのが良いでしょう。
四季を問わず、5弁の白い花をつけるサトザクラ。三重県鈴鹿市の白子山観音寺の境内にあり、天然記念物。白子不断桜。
冬咲く桜の品種「不断桜」の見ごろ時期と名所
白子の不断桜として知られている子安観音寺の木は2本ありますがどちらも樹齢もわからないほど古く大きな木で樹高は6mほど。花の季節にはイベントもありますので合わせてでかけてみるのも楽しいでしょう。開花時期の終わり近くなると、春咲きと時期が重なるので2種類の桜の共演も見られます。
不断桜の見ごろ・開花時期
白子の子安観音寺の見ごろは、例年ですと10月下旬から4月上旬ころとなっています。2019年は3月17日に不断桜供養会という謡いの会がおこなわれ、4月上旬には同じ境内に植えられているしだれ桜も開花して両方見られるのでおすすめの時期です。
不断桜の花見の名所・子安観音寺
施設・場所名:白子山 子安観音寺
住所:〒510-0254 三重県鈴鹿市寺家三丁目2-12
連絡先:059-386-0046
入場時間:9:00-17:00
アクセス:近鉄鼓ヶ浦駅下車 徒歩3分/国道23号線より300m(駐車場あり)
冬咲く桜の品種4:寒桜
寒桜にもいろいろあって、その中でも大きなものは大寒桜といいます。その他修善寺寒桜という品種もありますが、これは寒桜とは直接関係ない別の桜の花。こちらは名前のとおり伊豆の修善寺に咲く早咲きの種類です。
寒桜について
寒桜といえば寒咲の桜の総称のようなイメージがある方もいるでしょうが、この名前の種類もしっかりと存在します。他の寒咲の桜と比較して秋から長く咲くタイプではなく、どちらかというとソメイヨシノよりも早く咲き始める早咲きの種類となっているのが特徴。
寒桜の見た目など
見た目は花の小さな寒桜と花びらが大きな大寒桜の2種類あり、花色はピンク色。ひとつひとつを見るとそんなに色濃いわけではないのですが、たくさん花を付けると木がピンクに染まってきれいです。
冬咲く桜の品種「寒桜」の見ごろ時期と名所
静岡県伊東市にあるさくらの里はその名があらわすようにたくさんの桜が植えられている名所。種類もたくさんあり、その中には寒桜も。それだけでなく同時期にみられる早咲き品種にしだれ桜やオオシマサクラなどもあり白やピンク色とりどりの花が楽しめます。
寒桜の見ごろ・開花時期
寒桜の見ごろ・開花時期は短くて3月上旬から中旬くらいまで。他の寒咲桜と同じ感覚で日を選んでいるうちに咲き終わってしまうので、花見にいく方は注意が必要です。
寒桜の花見の名所・さくらの里
施設・場所名:さくらの里
住所:〒413-0231 静岡県伊東市富戸1317−4
連絡先:0557-37-6105
入場時間:特に無し(上記連絡先への問い合わせは9:00-17:00まで)
アクセス:伊東駅発シャボテン公園行終点
*寒桜の他大寒桜や十月桜も寒咲の花として楽しむことができます。冬にこだわらなければそのほかにもソメイヨシノ・しだれざくらなど5月くらいまで花見を楽しめるでしょう。約40種1500本。公益財団法人日本さくらの会のさくら名所100選認定
その他の冬に咲く桜の種類
1.コバザクラ
冬桜のことですが分けて呼んでいる地方もあるようです。名前の由来は葉が小さいこと。群馬県の藤岡市のサンバガワフユザクラなどが有名です。
2.ジュウガツザクラ
ジュウガツザクラの名前の由来は10月に開花時期が訪れるため。木全体に付く花のうちの1/3が秋から冬に、残りが春に咲くという面白い性質を持っています。
3.コブクザクラ
ジュウガツザクラ同様年に2回咲く品種。名前の由来はひとつの花で2つの実がなることから子宝に恵まれるということで付けられました。八重咲きの桜の種類。
冬の花見に気をつけたい注意点
奥山も多い冬桜の名所
冬桜は植物園や公園の中などに植林されているところもありますが、珍しい種類を見に行こうとすると奥山に入っていくこともあります。長時間ドライブしたり歩いたりということも考えられますので、時間の予定もしっかり立てて花がきれいに見える明るい時間に到着するようにしましょう。
服装による寒さ対策と怪我対策をしっかりと
秋から冬という寒い時期の屋外でのお花見となりますので、防寒着や枝による怪我の防止のためにしっかりとした厚手の上着着用、ボトムズはジーパンやコットンの厚手のパンツなど足の防護もお忘れなく。
木の保護を第一に
ときたま美しい花を持ち帰ろうと枝を折ってしまう方もいるようです。人の手が入ってきちんと保護されている木ならはまだ回復の見込みはありますが、奥山でひっそりと自生しているような山ザクラの場合そんな人が増えると木がだんだんと絶えてしまうことも考えられます。花はその場で眺め楽しみ持ち帰ろうとはしないでください。
冬桜の育て方
日当たり・置き場所
日当たりと風通しが良い場所が冬桜に向いている場所です。庭に植える場合も自分たち家人だけでなく通行する方、ご近所の方にも楽しんでもらえるよう植える場所を厳選できると良いですね。
植え付け・植え替え
植え付け・植え替えは10月ころにおこなうのが一般的。植え替えを好まない木ですので、苗を買って植え付けたら移植しないでよいような場所に植えてあげてください。土は赤玉土に腐葉土を混ぜた基本的な培養土に川砂などをまぜて水はけを良くすると健康に育ちます。
日常管理
水やりは地植えにする場合には必要ありません。鉢植え管理の場合はかわいたらあげるを心がけるとよいでしょう。肥料は開花時期の前に油かすなどを株元に。
増やし方と時期
種からも増やすことができますが、何年もかかります。挿し木などで増やすのが一般的。時期は2月ころにおこないます。
まとめ
ひと足早く冬に咲く桜を楽しもう
春だけでなく冬の季節にも楽しめる桜の花。多くは花見といえばソメイヨシノだと思うでしょうが冬は、ひとつだけでなくいろいろな種類が長い期間楽しめます。中には国天然記念物まであり、それだけでも他の人にも見たことを自慢できるので一見の価値は十分あるでしょう。日本各地で見られる寒咲の桜をぜひご堪能ください。
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