はじめに
アベリアはどんな植物?
アベリアは簡単なお手入れで大きく育ち、開花時期がとても長い植物です。アベリアの植え付けに適した環境を知って、庭木や垣根として育ててみましょう。
栽培品種ごとの違いも紹介!
アベリアは園芸植物としてたくさんの栽培品種が販売されています。アベリアの栽培品種ごとの違いや特徴を解説しますので自分好みの品種を見つけて栽培してみてください。
日常の手入れから増やし方まで
アベリアの手入れの仕方から鉢植えでの植え替え・剪定に適した時期と方法を解説します。また、アベリアは挿し木での増やし方で栽培数を増やすことができますので挿し木時期と方法も紹介します。アベリア栽培のコツを覚えてガーデニングに加えてみましょう!
アベリアとは?
スイカズラ科
アベリアはスイカズラ科に分類される常緑低木です。関東より西の温かい地域では通年葉が枯れることなく庭を彩ってくれるため生垣として人気の植物となります。手入れがあまり必要でなく、非常に丈夫なため公園や街路樹など公共の樹木として街中にたくさん栽培されています。アベリアは人の手によって交配して作られた園芸用品種となり、好みのアベリアを探して植え付けてみましょう。
アベリアの原種
アベリアはタイワンツクバネウツギとイワウチワと言う種類の植物を掛け合わせて作られました。タイワンツクバネウツギはスイカズラ、イワウチワはツツジの仲間です。アベリアが栽培品種として作られてから120年ほどの歴史があります。
アベリアの花言葉
開花時期が長いアベリアの花言葉は「強運」や「謙虚」となります。「強運」は樹勢が強い時期がとても長く、可憐な花を暑い時期でも咲かせ続けることにちなんでいると言われており、「謙虚」は小さな花が慎ましく咲く姿からつけられた花言葉です。
アベリアの栽培品種
気になる栽培品種を探そう!
アベリアは花の色や葉の違いで栽培品種がたくさん分かれています。ここでは栽培におすすめの品種を3選して紹介しますので気になる栽培品種を見つけてみてください!
栽培品種1:グランディフローラ
グランディフローラはアベリアの代表的な栽培品種となります。丈夫で早く育ち、白やピンクの花をたくさん咲かせてくれます。冬場には比較的簡単に落葉しますが、心配せずに栽培してみましょう。難しく考えずに庭にアベリアを育ててみたい初心者におすすめの栽培品種となります。
栽培品種2:コンフェティ
コンフェティは葉に白い縁取りが入ります。新しく出た葉は薄らピンク色に色づき、寒気に当てると縁取りが紅葉します。グランディフローラと比べるとゆっくりと育ち、コンパクトに育てたい人におすすめの品種です。
栽培品種3:カレイドスコープ
カレイドスコープは「万華鏡」という意味です。その名の通りカレイドスコープは季節や温度によって葉の色が移り変わることが魅力的な栽培品種となります。こちらもコンパクトに育つアベリアです。季節ごとの移り変わりを庭に演出したい人におすすめの栽培品種となります。
栽培品種4:ジャックポット
ジャックポットは葉が黄金色で花が白い栽培品種です。ゆっくり成長し、他のアベリアと比べると樹高も低くなる傾向にあります。コンパクトな生垣や鉢植えにしたい人におすすめの品種です。
栽培品種5:レディーリバティー
レディーリバティーは鮮やかなライムグリーンの葉が特徴的な栽培品種です。班入りの葉に白い花が咲くので明るい印象の庭にしたい人におすすめの栽培品種となります。
アベリアの育て方1:栽培環境
アベリアに適した栽培環境
アベリアは強い植物ですが、何も考えずに栽培するよりもしっかりと環境を整えてあげると元気に育ってくれます。アベリアに適した栽培環境を解説します。アベリアに向いた環境を覚えておきましょう!
栽培環境1:土づくり
アベリアは弱酸性の土壌を好みます。庭に植え付ける場合は水捌けがよくなるように赤玉土や腐葉土を植え付け場所に入れてから苦土石灰を混ぜ込んで弱酸性に傾けておきましょう。アルカリに傾いた土壌だと生育不良になりやすいので注意が必要です。
栽培環境2:日当たり
アベリアは耐陰性もあるので日当たりが悪い場所でも育ちます。しかし、日当たりが悪い場所だと花付きが悪くなる傾向があるので、たくさん花を咲かせたい人は日当たりの良い場所に植え付けましょう。日当たりが良い場所に植え付けると元気な株を育てることにもつながります。
栽培環境3:植え付け間隔
アベリアを生垣として複数植え付ける場合は株間を30センチは開けて植え付けましょう。定期的な剪定でコントロールして上手に育ててください。
アベリアの育て方2:植え付け
植え付け方を覚えよう!
アベリアは手入れが少なくても元気に育ちます。アベリアがより元気に育つためには植え付け時期や地植え・鉢植えの正しい方法を知ることが大切です。それぞれに分けて解説します。
植え付け時期
アベリアの植え付け時期は春先の4月か秋で涼しくなった9月下旬から10月までにしてください。夏・冬の極端に暑さ、寒さに当たる時期を避けて植え付けましょう。
植え付け方法1:地植え
アベリアを地植えに植え付ける方法はまず日当たりの良い場所と水捌けのよい土づくりが大切です。先に解説したように弱酸性の土壌をつくり、アベリア苗の根の大きさの2倍の大きさ・深さの植え付け穴を掘り、堆肥を混ぜながら耕してから埋め戻します。アベリアの根元が地面の高さになるように調整しながら苗を植え付け穴に入れて覆土し、水やりしたら植え付けの手順は完了です。
植え付け方法2:鉢植え
アベリアを鉢植えにする場合は鉢のサイズ選びから考えましょう。コンパクトに育てたい場合は苗よりひとまわり大きい鉢を、大きく育てたい場合は大きめの鉢を準備しましょう。鉢植えの場合は庭木用の培養土を鉢に入れてから植え付け穴を開けて苗を入れ、覆土し水やりをして植え付けは完了です。また、アベリアを植え付ける鉢は水捌けがよくなるように素焼きの鉢を選ぶのもおすすめします。
アベリアの育て方3:手入れ
日常の手入れ
アベリアは植え付けてしまえば放任でもよく育ちます。樹勢をコントロールする剪定以外の手入れ方法をここでは解説します。
手入れ1:水やり
地植えの場合は雨任せの水やりで大丈夫です。根が活着するまでの間と晴れの日が続いて極端に乾燥するときは涼しい時間帯に水やりをしてください。鉢植えの場合は鉢表面の土が乾いているのを確認したら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりしましょう。
手入れ2:肥料
アベリアの肥料の時期は寒さがましになる2月下旬から3月にかけて施します。鉢植えの場合は遅効性肥料を株元に置くようにし、地植えの場合は有機肥料を株元の近くに穴を掘って埋めましょう。樹勢が悪いと感じた場合は適宜、液体肥料を水やりに変えて与えてみてください。
アベリアの育て方4:開花時期
開花時期が長い植物
アベリアは開花時期が非常に長く5月から寒くなる11月頃まで可憐な花を咲かせてくれます。とても丈夫なので手入れをしなくても大丈夫です。花が咲かないときは日当たり不足や肥料のやり過ぎ・水捌けが悪いなどの栽培環境のミスマッチが考えられますのでひとつひとつ見直してみてください。
対処法
土の表面が湿っていると感じたときには水やりを控えて乾かし気味にして様子を見ましょう。日当たりが悪い場合は植え付け場所を変えたり、鉢の置き場所を考えてみてください。肥料過多が考えられる場合は春先の肥料は控えて、樹勢に応じて即効性肥料を与えるようにしてみましょう。
アベリアの育て方5:剪定
剪定時期と効果
アベリアは成長が早いので定期的な剪定で樹形を保つように栽培しましょう。剪定に向いた時期や剪定がアベリアに及ぼす効果を解説します。剪定は初心者にはとっつきにくい栽培方法の1つですが、アベリアは強いので難しく考えずに剪定に挑戦してみましょう!
剪定時期
アベリアの剪定時期は花後の11月から花芽をつけ始める3月までに済ませてしまいましょう。開花時期でも樹形を整えるための軽い剪定はいつ行っても切った箇所から新しく鞘を伸ばしますので適宜、剪定しながら栽培しましょう。
剪定の効果1:風通し
アベリアはあっという間に枝が混み合ってきますので剪定を怠ると湿気が篭りやすくなってしまいます。基本的にアベリアは病害虫に強い植物ですが、過剰に湿気が篭ると病害虫の温床となりますので、風通しがよくなるように剪定しましょう。
剪定の効果2:高さのコントロール
アベリアは2メートルほどの高さにまで成長します。高くなりすぎると一度の剪定が大変になるので自分が目的とする高さになったらこまめに剪定して伸び過ぎないように高さをコントロールしましょう。
剪定の効果3:更新剪定
アベリアは枝が大きくなりすぎると花付きが悪くなりますので、大きくなり過ぎた枝を根元から間引くように剪定しましょう。新しい枝をバランスよく残すように更新剪定してください。樹高を保つ効果もあります。更新剪定する場合は花後の11月に早めの剪定を行うようにしましょう。
アベリアの育て方6:植え替え
鉢植えの場合は
アベリアは成長が早く、1年で根が鉢の中で回ってしまいます。そのままにしておくと根詰まりを起こして生育不良につながるおそれがありますので、定期的に植え替えるようにしましょう。
植え替え時期
アベリアの植え替え時期は植え付けと同じく、4月か9月下旬から10月の間に植え替えましょう。極端な暑さ、寒さのない時期であればいつでも植え替えは可能です。
植え替え方法
アベリアを植え替える手順は古い鉢から株を傷つけないに優しく抜き取り、根周りについた土を軽く落として、根の状態を確認します。変色した部分があればハサミで切り落としましょう。植え付けと同じ土をひとまわり大きな鉢に入れて植え付け、水やりをしましょう。
地植えの植え替え
庭に地植えにしていても植え替える必要が出てきた場合は株を掘り上げて植え替えるようにしてください。他の樹木と異なり、生命力が強いので比較的簡単に植え替えできます。
アベリアの育て方7:増やし方
増やし方を知ってたくさん育てよう
アベリアは1株から挿し木をすることでたくさん栽培数を増やすことができます。増やし方に適した時期や方法を知って増やしてみてください。
挿し木での増やし方がおすすめ
アベリアの増やし方は取り木や接ぎ木も可能ですが、挿し木が初心者でも簡単にできます。剪定で取った枝を挿し穂として使えますので、剪定と一緒に挿し木に挑戦してみましょう。
挿し木の時期
挿し木での増やし方に適した時期は樹勢が高まる6月から7月か9月頃が最適です。その年に伸びてきている枝を挿し穂に選ぶと成功しやすくなります。
挿し木に必要なもの
挿し木の増やし方に必要なものはアベリアの枝・ハサミ・ナイフ・ネメデールなどの発根促進剤、無肥料のバーミキュライトと植え付けポットとビニール袋を用意してください。
挿し木の方法
挿し木は湿度が高い日や朝に採集してください。虫や変色のない元気な枝を選び10センチの長さを目安にハサミで切ってください。採集したらナイフで斜めに切り、すぐに切り口を1時間程度浸水させて乾燥させないようにしましょう。あらかじめバーミキュライトで充した植え付けポットに水やりをしておき、挿し穂の切り口にネメデールをつけてポットに差し込みます。倒れないように土を寄せて安定させ、水やりをして挿し木の手順は完了です。
挿し木での増やし方のポイント
挿し木は根が発根するまで直射日光を避けて湿度を高く保ちましょう。乾燥する時期はビニール袋を被せて保湿するのが手軽です。秋・冬は温度管理に注意して外気に当てるようにしてください。新芽が出る前に挿し木した翌年の植え付け時期に定植しましょう。
アベリアの育て方注意点
アベリアは強い植物!
アベリアは基本的に生命力が強く、痩せた土壌でも放任でもグングン育ちます。却って肥料過多や水やりのし過ぎが生育不良や花付きの悪さにつながります。成長具合を確認しながらその都度手を掛けてあげるようにしてください。
病害虫
アベリアに付きやすい害虫や罹りやすい病気はあまりありません。剪定不足で混み合うと加湿状態になり病害虫の温床になってしまう可能性がありますので、適切な剪定を心掛けてください。また肥料過多はアブラムシやうどん粉病を引き寄せる原因となりますので注意しましょう。肥料、水やりともに「少し足りないかな?」と感じるくらいが適切な栽培環境となります。
植え付け場所
アベリアは耐寒性・耐暑性ともにとても強い植物です。しかし、寒い風に当てると葉が傷みやすく、落葉の原因となります。生垣として育てている場合は仕方ありませんが、観賞用としてアベリアを栽培している場合は風の吹きさらすような場所を避けてあげるとよいでしょう。鉢植えの場合は置き場所を考慮すると元気な冬越しにつながります。
まとめ
アベリアを植え付けてみよう!
アベリアは成長も早く、簡単なお手入れで元気に育ち、開花時期も長い植物なので庭木や生垣として人気の植物です。日当たりの良い場所を選んで植え付けてください。すぐに大きくなるので剪定して樹高を上手にコントロールするような育て方をしてください。鉢植えの場合は根が詰まりやすいので定期的に植え替えながら育てましょう。挿し木での増やし方で栽培数を増やせますのでコツを覚えて庭をアベリアで彩ってみましょう!
植物の育て方が気になる方はこちらもチェック!
当サイトでは【初心者】アベリアの育て方!植え付けから手入れ、挿し木までこれでバッチリ!以外にも植物栽培や育て方に関する記事をたくさん掲載しています。気になる方はチェックしてみてください!

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