はじめに
海のギャングと呼ばれる生き物を紹介!
海のギャングと聞いて誰しも思い浮かべるのはウツボの存在ではないでしょうか?基本的には毒を持たないため、釣りの対象魚としても有名ですが、鋭い歯と強い顎の力で噛みつかれたときには大怪我を負ってしまうため、凶暴な魚と認識されています。
シャチやサメから意外な生き物まで
またウツボ以外にもシャチやサメなど海のギャングとして恐れられている生き物や特徴と海のギャングと呼び名がついた由来を紹介します。また私たちのイメージからはギャングとは程遠い生き物も恐れられていますので理由やギャングと呼ばれる由来を解説します。
ウツボの釣り方や仕掛けも紹介
海のギャングの代表格ウツボの釣り方を時期やポイント、仕掛けなどそれぞれに分けて解説します。海のギャングと恐れられているウツボですが、実はウツボを釣って食べてしまう私たちのほうこそギャングなのかもしれません。
海のギャングとは?
人間目線
海のギャングと恐れられている生き物には共通した特徴があります。それは漁師やダイビングを楽しむ人が怪我をしたり、水揚げ量が激減したりと海の利用を妨害すると考えられる生き物のことを指しています。
海のギャングと言われる生き物からしたら必死に生きているだけですが、関わり方や危険なポイントを理解して共生することが大切です。
凶暴と思われるが
捕食シーンや私たちから見える部分だけを見ると凶暴な生き物だと認識してしまいますが、ただ懸命に生きているだけです。ギャングと言われる生き物たちが暴れたり、噛み付いたりするのは私たち人間を恐れてパニックになっていると考えられます。
万が一出くわしたときには注意してその場を離れましょう。
凶暴な海のギャング1:ウツボ
ウツボの特徴
ウツボは全長が最大で4メートルになる生き物です。名前の由来は矢を収納しておく道具「靭」に似ているところからだと考えられています。基本的には岩礁地帯の穴を棲み家とし日中はあまり動きません。
日が暮れて夜になってからがウツボの活動時間です。タコや魚類を捕食し、岩礁帯食物連鎖の頂点に君臨しています。
海のギャング呼び名の由来
ダイバーや釣り人の間では鋭い歯と噛みつかれたときに深傷を受ける危険性が高いため海のギャングの代表と呼ばれていいます。凶暴な魚と考えられがちですが、基本的には臆病な性格でこちらが刺激しなければ噛み付いてくることはあまりありません。
ハタと共生関係にあり、協力して餌を獲ることも確認されてます。
1番身近な海のギャング
ウツボは温暖な気候の海であれば浅い場所の岩穴を寝ぐらにしています。岩礁地帯であるゴロタ場だけでなくテトラポッドの隙間にも生息しており、初心者の間では釣り上げる前に仕掛けを切ってしまうこともあります。
そのため臆病な性格でありながら身近な海のギャングとしてその呼び名が1番にあがることが多い魚です。
凶暴な海のギャング2:シャチ
シャチの特徴
シャチは全長5メートルから7メートル弱の大きな生き物です。シャチは英語で「killer whale」と呼ばれており、直訳すると殺し屋クジラとなります。興味が強く、ミンククジラやアザラシなどあらゆる海生哺乳類を捕食しています。
海の中の食物連鎖の頂点に立ち、人間以外の天敵がいない海洋生物最強の動物だと言われています。
海のギャング呼び名の由来
シャチは高い知能を持っており、無駄な行動や狩りをしないと考えられています。シャチが人間に危害を与える際は戯れた弾みに怪我をさせてしまうことがほとんどです。
人間を襲うよりも漁業被害の側面が大きく、大型のマグロや捕鯨船の仕掛けに掛かった獲物を横取りしてしまうと言った被害から海のギャングと恐れられています。
シャチはハイスペックな生き物
シャチは骨格やスピードが海洋生物の中でも桁違いの強さを誇ります。頭のよさも抜群でチームプレイで追い込み漁をしいたり魚を囮にして海鳥を補殺したりと狡猾な手段であらゆる動物を捕獲します。
もう一方のギャング、サメでさえも近くにシャチの存在を感知すると逃げ出すと言われています。
凶暴な海のギャング3:サメ
サメの特徴
サメにはさまざまな種類が存在します。世界中には500種類を超えるサメが確認されていますが、人を襲う可能性があるサメの種類は全体の10%に留まります。
歯は何度でも生え変わり、1本でも歯が掛けると後ろの歯が前の歯を押し出します。鋭い嗅覚を持ち、遠くからでも獲物や人間の存在を感知します。また前述したシャチが海の中で唯一の天敵だとされている動物です。
海のギャング呼び名の由来
サメといえばジョーズを始めとしたパニックムービーの題材となり、海のギャングと恐れられています。実際の所、サメが人を襲うのは獲物としているアザラシと勘違いして攻撃を仕掛けていると考えられています。いずれにせよ襲われないように近づかない方がよいでしょう。
シャチとの関係性
サメの中でも特にギャングのイメージが強いホオジロザメでさえシャチに捕食されている事例があります。積極的にサメを狩ることはあまりないようですが、ホオジロザメは縄張りをシャチに譲って他の海域に移動している説が有力です。
凶暴な海のギャング4:オオカミウオ
オオカミウオの特徴
オオカミウオは全長約1メートル、冷たい海域の岩礁帯に生息しています。恐ろしい顔と鋭い歯からオオカミウオと呼ばれており、貝や甲殻類を易々と噛み砕き餌にしています。
恐ろしい顔からは想像もできませんが、性格は臆病で大人しい魚です。日本ではあまり利用されませんが海外では貴重な白身魚として流通しています。
海のギャング呼び名の由来
オオカミウオが海のギャングと呼ばれるのは鋭い歯でカニや貝類をすりつぶすように食べる貪欲さからです。恐ろしい顔が特徴的で水族館の観賞魚としてよく飼育されているため、臆病な性格とは逆にオオカミウオは海のギャングとしてよく知られています。
凶暴な海のギャング5:ダツ
ダツの特徴
ダツは全長約1メートル群れで生息している魚です。細長い体に尖った顎が特徴的で、英語では「needlefish」針の魚と呼ばれています。小魚の鱗に反射したわずかな光を目掛けて狩りを行うため、夜間には光るものを目掛けて猛スピードで突進し事故に遭う事例が後を絶ちません。
海のギャング呼び名の由来
実際にダツは夜間のダイビングや船上からライトで照らしたときに突進し、人体に刺さり死傷する事故が発生しています。海の表層を泳いでいることが多く、世界中で釣りやダイビングなど海のレジャー中に体を貫通する事故が頻発しているため、海のギャングと言われています。
凶暴な海のギャング6:タチウオ
タチウオの特徴
タチウオは全長が最大で2メートルを超える大きさになります。ショア・オフショアで釣りの対象魚となる魚です。刀のような出で立ちと鈍く輝く銀色の体色から「太刀魚」と呼ばれています。キビナゴやイワシを仕掛けに通した釣法やルアーフィッシングに人気の魚です。
海のギャング呼び名の由来
タチウオは鋭い歯と獰猛なフィッシュイーターとして海のギャングと呼ばれています。海中を立ち泳ぎしながら獲物を捕らえる様子はギャングと呼ぶに相応しい姿です。釣り上げたときもフィッシュグリップを使ったり、確実に締めてからクーラーボックスに入れたりと注意しましょう。
凶暴な海のギャング7:ハモ
ハモの特徴
ハモは全長が最大2メートルにまで成長する大型肉食魚です。旺盛な食欲で生簀に入れておくと共食いし合う様子も確認されています。ウナギなどと同じく詳しい生態は解明されていない魚の一種です。
大きな口やのこぎりのような歯で一気に獲物を仕留める様子はスナイパーのような風貌を醸し出しています。
海のギャング呼び名の由来
京都・祇園祭や大阪・天神祭の名物料理として有名なハモですが、肉食性が強い魚として知られており、餌を捕食するときには体をくねらせたり、鋭い歯・大きな口で噛みつこうとしてくるため漁師の間で海のギャングと呼ばれています。
意外な海のギャング!
意外な海のギャング!イルカの特徴と由来
水族館で優雅に泳ぐ姿や賢い水生動物として知られているイルカも漁師の間では海のギャングと考えられていました。それは漁場の魚介類を食い荒らし、漁獲量が激減するためです。実際に世界中で議論を引き起こした「壱岐イルカ事件」を知る人もいることでしょう。
こちらも意外!ヒョウアザラシ
水族館で人気のヒョウアザラシも性格が獰猛で他種のアザラシやペンギンを捕食し、南極海のギャングと呼ばれています。生息域が南極のため、人を襲う頻度は高くありませんが、観測中の海洋学者が海に引き摺り込まれて死亡する事故も発生しています。
魚・哺乳類だけじゃない!海のギャング
オニヒトデ
オニヒトデは全身をびっしりと刺で覆われている生き物です。サンゴ礁に生息し、プランクトンやデトリタスと呼ばれる有機物を餌にしています。海中環境により大量発生する場合があり、餌が不足した環境下ではサンゴ礁そのものを餌にしてしまうと言われており、海のギャングと呼ばれ駆除の対象になっていました。
ツメタガイ
ツメタガイは水深の浅い砂地に生息しています。肉食性でアサリの貝殻に穴を開けて捕食し、大量発生した年には観光資源として開かれた潮干狩りのアサリを駆逐してしまうことから海のギャングと呼ばれています。貝に穴を開けて中身を吸い取る捕食の様子も恐ろしいため、恐れられている生き物です。
ウツボの釣り方を紹介!
釣り方1:時期
ウツボは1年を通して釣果を見込める対象魚として人気です。特に釣れる時期としては5月から11月に掛けてとなっています。夏から秋に掛けては水温が高く、活性が上がりやすいため釣りやすく、秋から冬に掛けては脂が乗り、食味が増します。
冷たい海にウツボは生息しておらず関東より南の温かい海に分布しています。
沖縄地方では真冬でもウツボの釣果を見込めますので、季節に合わせて釣り場を意識しましょう。
釣り方2:ポイント
ウツボは岩礁域に生息しているため、ゴロタ場や堤防、テトラポッドから狙う穴釣りなどがポイントです。昼間は岩の隙間に隠れていますので隠れている穴を探しながらウツボを狙いましょう。ウツボは昼間でも頭の上に餌を見つけると食いつきますので餌が集まりやすい場所は一通りポイントとなります。
釣り方3:仕掛け
ウツボ釣りは仕掛けの消耗が激しい釣りとなります。釣りへ行く際は多めに仕掛けを準備して出掛けましょう。ロッドは強めのバスロッドやルアーロッドを準備し、リールは中型のスピニングリールでよいでしょう。
仕掛け1:ぶっ込み
ぶっ込み釣りの仕掛けはオモリとハリだけのシンプルな仕掛けです。針はイシダイ用の14から16号のものをハリスとして丈夫なワイヤーを用意してください。オモリは根がかりしても大丈夫なように捨てオモリとして15号から30号のものを複数持って行きましょう。
仕掛け2:ブラクリ
根魚を狙う定番の仕掛けであるブラクリも仕掛けとして使用できます。特に根がかりしやすい場所を狙うのでソロバン型のオモリを使うと有効です。ハリのサイズはタチウオバリの大きめサイズを使用してみてください。
釣り方4:餌
ウツボは肉食性の生き物です。生きている魚・死んでいる魚を問わずに食べますので、スーパーに売っている小魚をそのまま餌にすることも可能です。
サンマやサバの切り身を掛けたり、もう一本釣り竿を出しておき、サビキ仕掛けに掛かった小魚をそのまま餌にできます。釣具店で購入する場合はタチウオ用の冷凍キビナゴも有効です。
釣り方5:嬉しいターゲット
ウツボの近くには先にも解説したハタ類が近くにいる可能性が非常に高くなります。ハタな中でもキジハタやアカハタは高級魚として人気の魚です。他にも根魚としてカサゴが釣れることもあります。
ウツボ釣りの注意点
前述した通り鋭い歯と顎が強いため、釣り上げたときは噛まれないように注意が必要です。基本的には大人しい魚ですが、釣り上げたときには暴れます。うっかりと触ると大怪我につながりますので、一旦仕掛けを切ってから息絶えるまで待ってから締めましょう。
毒にも注意!
ウツボの中には毒を持つ種類もあります。ドクウツボに分類されるウツボは生態環境に依存するもので自分が毒を作り出している訳ではありません。生物濃縮により体内に毒素を保有します。その個体を人間が食用にすることで食中毒起こす危険性があり、注意が必要です。
ウツボの締め方
ウツボは皮膚のヌメリが強くすぐに締められません。クーラーボックス内に氷で冷やした海水を入れておき氷締めにしましょう。
絶命したのを確認してから頭付近にある延髄を切断し、逆さまにしてから海水に浸けて血抜きすると鮮度を保ち、ウツボの身が生臭くなりません。
もう一点の注意点は締めたあとに内臓を取り除いておきましょう。腐敗することを予防できます。
まとめ
海のギャングに要注意!
海のギャングと呼ばれる生き物を11選して紹介しました。鋭い歯や体の形態などの特徴や人間からみて残忍に見える捕食の仕方から海のギャングと恐れられている生き物ばかりでした。
意外なイルカも漁師からは水揚げを激減させる原因となりますので違う意味で恐ろしい生き物だと言えます。
ウツボは釣りの対象魚にもなりますので、紹介した釣り方を参考に磯へ出掛けてみてもいいかもしれません。根掛かりしやすい釣りとなりますので、仕掛けは余裕を持って行きましょう!
海の生き物が気になる方はこちらもチェック!
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