太刀魚を釣りに行こう！
とにかく美味い。大物なら刺身もいけるし、塩焼きやムニエルでべらぼうに美味いのが太刀魚です。 銀色でスラリとしたボディから太刀のような魚ということで「太刀魚」となった魚。英語圏では「サーベル・フィッシュ」と呼ばれています。 顔の特徴は鋭い歯。獰猛な風体ですが貝やカニなど堅いものは食べません。漁師は太刀魚のことを「歯を大事にする魚」と言います。 この美味くてインスタ映えする太刀魚を釣りに行きましょう！
太刀魚はこんな魚だ！
ドラゴン級
最大で2ｍ以上にもなる太刀魚は釣り人の間では指の数で大きさを語られます。体側に指を揃えて手の平を置き、何本分の厚みがあるかで大きさを測ります。時期にもよりますが大きい物になると片手（指5本）を超す場合があります。「ドラゴン級」などと呼ばれますが、これは夏場の時期はなかなか出ません。 今回はドラゴン級も狙える情報も併せて紹介しますね。
狙いは夜？昼？
実は太刀魚は成魚と幼魚では生態が真逆になります。 昼は深海で群れて生活し、夜浅場に上がって来るのが幼魚。逆に成魚は夜深場で生活し、昼にエサを求めて浅場に上がって来ます。つまり本気で「ドラゴン級」を狙うなら秋から冬の時期の「昼」の釣行をおすすめします。
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太刀魚釣りの仕掛け1「テンヤ釣り」
1-1,大物狙いの船釣り仕掛け
まずは船釣りの基本の仕掛けからになります。 船釣りでは「テンヤ」と呼ばれる仕掛けに「生エサ」を付けて沈める釣法が一般的です。 歯の鋭い太刀魚に仕掛けを切られないために金属製の長いハリを持ったテンヤは、ワイヤーリーダーを装着せずとも太刀魚の歯がラインに届かない作りになっています。つまり太めのナイロンやフロロなどで充分対応できる作りになっています。ライントラブルなどが起こった時にはラインをカットして回避ができます。
1-2,腕に合わせて
テンヤ仕掛けはオーソドックスなだけに釣りメーカー各社が熱心に研究を重ねている仕掛けです。 初心者でも釣り易いものからベテランでなければ難しいものまでさまざまです。例えばアタリがあった時点でかなりの確率でフッキングされるものや、食い込ませは難しいけれど違和感なく何度もバイトさせるものなどさまざまです。自分の腕に合ったものを選んで下さい。
1-3,付けエサにも工夫を
生のエサを使う場合「食わせ」と「持ち」の両方を考える必要があります。 魚を寄せる力のあるエサを使っても1バイトで外れてしまうようではなかなか釣果は上がりません。イワシを使う船宿さんが多いようですが、おすすめはサンマの切り身です。集魚能力も持ちも抜群です。エサの作り方のコツは多めの塩でサンマを締めてやることです。
太刀魚釣りの仕掛け2「ジギング」
2-1,手返し最高
金属のキラキラ光る板をエサだと思わせて釣るジギングのメリットはその手返しの良さです。 船からタナまで落としてシャクるだけでいいので、初心者にとって簡単でおすすめの釣法です。ただし活性の悪い時には見向きもされない事がありますので、テンヤ仕掛けも携帯しておく事をおすすめします。 逆に活性の良い時にはその手返しの良さから爆釣もありえる楽しい釣りです。
2-2,ウエイトは何種類か用意
タックルの作り方は簡単で、初心者は水深に応じた重さの目安を「深さ＝重さ」と覚えておくのがコツです。つまり80ｍなら80ｇ、100ｍなら100ｇです。 ただし船釣りの場合、隣の人との兼ね合いや潮の早さなど他に加味する要素が多々あるので、落とす前に船長に聞いて下さい。ジグは80～200ｇほどの物を幾つか用意しておくことをおすすめします。
2-3,ワイヤーリーダーについて
太刀魚に違和感を抱かせるということでワイヤーリーダーを否定する釣り人がいますが、慣れるまではワイヤーリーダーを付けての釣りをおすすめします。 太刀魚の歯はナイロンハリスなど一瞬で切ってしまいます。金額的にもお安くないジグをその都度ロストするのはお財布にも優しくないですし、リーダーの付け替えなどで時間もロスしてしまいます。 ジギングの釣り方に慣れるまではワイヤーリーダーを使いましょう。
太刀魚釣りの仕掛け3「ウキ釣り」
3-1,おかっぱりの太刀魚仕掛け
防波堤や磯からの太刀魚の釣り方、いわゆるおかっぱり釣りは「ウキ釣り」がメインになります。 エサの刺し方や仕掛けの作り方など、個人個人の特色がよく出る釣り方ですが、基本は一つです。歯の鋭いヤツが相手であること以外、ハリとオモリとウキという子どもの頃から慣れ親しんだ釣り仕掛けの強力版なんです。
3-2,セットで楽々
当然フナやコイを釣るわけでは無いですし夜釣りがメインの釣りになるので、ウキ一つ取っても「電気ウキ」を用意しなければなりません。ハリスはワイヤーなど強度の高いものを使用しますから、結束の作り方なども勉強しなければなりません。 そんな時頼りになるのが「オールインワン」の出来合い仕掛けです。最近は各社から優れた製品が出ていますので、エサだけ持ってまずは釣り場に行ってみましょう。
3-3,あれば釣果アップ「集魚灯」
おかっぱりの夜釣りの場合、魚種によっては集魚灯の使用が爆釣を呼ぶことがあります。 太刀魚の場合は、集魚灯に集まる小魚を狙って上がってくるという事と、太刀魚自身が光が好きという二重の理由で集魚灯の使用は有効です。 集魚灯、投光器をお持ちの方は使ってみて下さい。おすすめですよ。
太刀魚釣りの仕掛け4「ルアー釣り」
4-1、これで釣れれば言う事なし
時期時合の大切な太刀魚釣りのコツは「手返し」の良さです。 エサの付け替えの無いルアー釣りはおかっぱりの太刀魚釣りでは一番有利な釣り方です。ぜひタックルボックスの中に太刀魚用のルアーを忍ばせておきましょう。 日が暮れてしまえばウキ釣りにはどうしても勝てないので、それまでのつなぎに使うのもおすすめです。
4-2、タナを探れ！
ルアーで太刀魚を狙うならおすすめなのが「バイブレーション」です。 遠投が効き、着底までそう時間がかからず、アクションの付け方が難しくないバイブレーションは初心者にも使い易く、コツのいらないルアーです。 着水させたらきちんとカウントし、（基本）ただ巻きしてアタリを待ちます。コツらしいコツといえばあたった時のタナを覚えておく事くらいです。次からはその辺りでちょっとアクションをつけてあげましょう。釣果アップ間違い無しですよ。
4-3、ルアー釣りの恩恵
太刀魚釣りに限らずルアー釣りには恩恵があります。 まずエサを用意しないでいい事。これは皆さん異論は無いと思います。 次に手返しが良い事。エサの付け替えがいりませんからね。そして基本「トレブルフック」が装着されているため「スレ」でも魚が掛かる事。「ああ、スレかぁ」ではなく「ラッキー」と思いましょう。 最後に「釣った感」が高い事。お気に入りのルアーで狙った魚が釣れたときほど嬉しいことはありませんよね。
太刀魚釣りの仕掛け5「引き釣り」
5-1、関西仕掛け？
一番最初に紹介させていただいた「テンヤ」仕掛けのおかっぱり版が「引き釣り」です。関西の太刀魚フリークには絶大な人気のある釣り方で、時期が来ると堤防はこの釣り方をする人で押すな押すなの大盛況となります。 仕掛けの作り方は簡単で、船釣りのテンヤより小さいサイズの物をルアー釣りのように使用しますが、ケミホタルなどの発行体をリーダーに取り付けることをおすすめします。
5-2、この仕掛けにはなぜか「どじょう」
関東ではどじょうをテンヤに縛り付ける釣り方は昔の「タイテンヤ」くらいでしたが、関西では太刀魚にどじょうを使います。これが釣れる。 生きたままのどじょうでなくとも良いようで、関西では太刀魚用のエサとして冷凍どじょうエサが売られています。 匂いでおびきよせるのか、形が太刀魚を呼ぶのか何とも言えませんが、エサとして身持ちの良いどじょうエサは引き釣りにはかかせません。
太刀魚釣りの仕掛け6「ワインド釣法」
6-1、引き釣りとルアーの良いとこ取り
まず「ワインド釣法」という釣り方の説明ですが、簡単に言えばジグヘッドでのワーム釣りです。 使うのは矢じり型のヘッドにワームを装着したもの。形だけなら大まかに前述の「引き釣り」をイメージして良いと思います。 違うのはジグヘッドをロッドワークでずっとダートさせる事です。 なるべく遠くに投げ、着底から回収まで常にエギングのようにシャクる釣り方が基本になります。
6-2、便利グッズで時期を逃すな！
太刀魚のワインド釣法はまだ歴史が新しく、簡単な釣り方であるにも関わらず仕掛けの作り方などなかなか情報が入ってきません。 そこで画像の様な「コツのいらない」オールインワンセットの登場です。画像のものは単色ですが、同じシリーズで三色セットのものも出ています。 いつ時期が訪れるのか予測のつかない太刀魚釣り用に1セット持っておくことをおすすめします。
6-3、特殊な釣り方（コツあり）
慣れないうちはとても疲れる釣り方ですから、自分なりのコツを掴むまではとにかくシャクって下さい。イメージはエギングのシャクリです。 仕掛けの作り方にも実はコツがあり、ワインド釣法一番のデメリットの「フッキングしにくい」を解消するために「アシストフック」を付けることをおすすめします。 トレブルフック1本のものにはフックオンフック式のアシストフックがおすすめです。
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太刀魚釣りの仕掛け「おかっぱりタックル」
太刀魚に特化した製品も
防波堤などからの太刀魚釣りならばはっきり言えばシーバスロッドで何とかなります。ウキ釣りの場合は3号くらいの磯竿が扱い易いですが、それも10フィートほどのシーバスロッドやショアジグロッドで対応可能です。 初心者は太刀魚釣りにハマってから特化した製品を手に入れることをおすすめします。釣り具って高いですからね。
3000番から4000番推奨
沖釣りなどではよく「食い上げてくる」といわれる太刀魚も、水深の浅いおかっぱりの釣りではいきなり「ドン」が基本のアタリになります。 常に巻き上げて釣る釣り方の多いおかっぱりの釣りではリトリーブストレスの少ない、そしていきなり「ドン」に対応できる強力なリールが必要になります。 国内メーカーの3000番から4000番ならハズレはないでしょう。 「ドン」「ギー」は麻薬ですよね。
ラインシステム
太刀魚の場合ラインはPEラインが絶対的に有利です。1号のPEに80センチ程度のリーダー（20～30ポンド前後）、できればワイヤーリーダーも追加したいですね。飛距離を稼ぎ大合わせの効くPEと、鋭い歯にやられないワイヤーリーダーがあれば完璧です。 この仕掛けの作り方はおかっぱりでも船釣りでも同じ事で、ラインの番手を変えるだけです。
太刀魚釣りの仕掛け「船用タックル」
多少強引なやりとりのできるもの
太刀魚の船釣りで使用される竿は結構シビアで、ドンと持って行くアタリだけでなくつんつんするアタリ、下から上へ食い上げるアタリなど微妙なアタリに対応しつつ「ドラゴン級」とも戦わなくてはなりません。 敏感なティップと粘りのあるボディが必要になります。 高級機が良いと言うつもりはありませんが、太刀魚釣りの竿の作り方を知っているメーカーの物をおすすめします。
船釣りは「タナ」が命
太刀魚の船釣りの場合、仕掛けをかなり深く降ろすことがあります。ですから手返しの事なども考えて、できれば電動リールを使いたいものです。 そして1番大事なのが「タナ」を見極める事です。「太刀魚はタナを釣れ」と言われるほどタナが重要です。リールは時期や時間によって刻々と変わるタナに正確に落とすセンサーやカウンターの付いたものを選びましょう。
防波堤からの太刀魚釣り
おかっぱり総括
まず陸からの太刀魚釣りの時期ですが、冬場は深場に移動することの多い太刀魚は「夏から秋」を狙いましょう。 そして仕掛けは日中はジグやルアーの疑似餌、日が暮れたらウキ釣りや引き釣りのエサ釣りで狙いましょう。 ロッドは太刀魚釣りにハマるまではシーバスロッドで対処しましょう。 一度釣れたらあっという間に虜になることは間違いないですけれどね。
うんちくを一つ
関西の有名太刀魚釣り場に「武庫川一文字」があります。他にも「明石一文字」や「垂水一文字」など「一文字」という地名を釣り用語としてよく聞きます。 一文字とはなんぞや？ 関東から釣りに行った時、釣りの話に入れないといけませんのでお教えいたしますが、関東で言う「沖堤」や「沖堤防」のことを関西では「一文字」と呼びます。 逆に関西の釣り人は関東で釣り場を探す時は「沖堤」と言って下さいね。 ところ変われば呼び名も変わりますね。
船からの太刀魚釣り
船釣り総括
数釣り大物釣りを目指すなら秋から冬の日中に釣行しましょう。 タナが重要な太刀魚釣りは「船長の言う事を聞く」ことが何より大事です。最近の魚探は高性能ですし、船長の経験もあります。海の状況で使うエサも仕掛けの作り方も変わります。 自分のボートで沖に出る以外はとにかく先輩、船長の言葉に耳を傾けましょう。
経験を積みましょう
ボートなどで沖に出る場合はある程度の装備を自分で持っていないといけませんが、釣り船で出港する場合は装備一式をレンタルすることも可能です。 初心者は仕掛けの作り方などに頭を悩ます事の無いよう、まずは乗合船での釣行をおすすめします。 最近はあまり流行っていない天秤釣りなども経験できるかもしれませんよ。
太刀魚釣りのコツ
得意の釣法を探しましょう
太刀魚釣りは時期や場所で千変万化する釣りです。ですから「これがコツだ」というものがありません。もちろんご自分の性格や姿勢、得意分野などもありますが、まずは色々な釣り方を試してみて下さい。 特にシーバスロッド一本あれば何とか形になるおかっぱりからの釣りはおすすめです。 それぞれの釣り方のそれぞれのコツを体で覚えましょう。
太刀魚の美味しい食べ方
まずく作れない！
淡白で上品な甘みのある太刀魚はどうやっても美味い魚です。 作り方の説明ははぶきますが、画像の料理の名称のみお教えいたします。 上中央「からあげ」その左下「かば焼き」斜め右「香草焼き」すぐ左「ロール塩焼き」その左下「骨せんべい」右「あぶり寿司」その下「カルパッチョ」柑橘とばして「太刀魚汁」 特に秋から冬の時期の太刀魚は最高です。おすすめは塩焼きですけどね。
太刀魚の旬な時期とおすすめの調理の仕方！見分け方や栄養価などもご紹介
秋刀魚のような細長い体、口にはするどい歯がたくさん。こんな魚を見たことがあるでしょう。それが太刀魚です。太刀魚は旬に食べると美味しい魚です。...
太刀魚釣りの時期まで待てない！
年が明けて寒さが日本列島を覆っていますが、太刀魚の残党はまだ関西地区を中心にいるようです。 ドンピシャの最盛期のように容易には釣れませんが、腕を上げるには最高の時期かもしれません。 夏からのオンシーズン目指して今から道具と腕の用意をしておくのもいいことです。まずは近くの釣具屋さんなどから情報を得て下さい。 脈があるようならぜひ今から太刀魚釣りに出かけましょう！