トウゴロウイワシの釣り方を知って料理しよう!
トウゴロウイワシの生態や特徴を紹介
トウゴロウイワシは鱗が固くカタクチイワシやマイワシのように一般的に出回って食べる魚ではありません。しかし、釣り人の間では「一手間掛けて料理するととても美味しい」と知られています。餌取りとして嫌われがちなトウゴロウイワシの生態や特徴を紹介します。
釣り方や仕掛けと生きルアー釣り「泳がせ」の方法も解説
トウゴロウイワシの釣り方を時期や仕掛けに分けて解説します。また釣れたトウゴロウイワシ を生きたルアーにした「泳がせ釣り」の仕掛けや釣れる魚も紹介します。トウゴロウイワシは群れを作って回遊しており、トウゴロウイワシを捕食するフィッシュイーターが近くにいるかもしれません。トウゴロウイワシの釣り方と併せてチェックしておきましょう。
釣ったトウゴロウイワシを美味しく食べる料理も
前述したようにトウゴロウイワシは鱗が硬く、ときには釣り人でもリリースしてしまう魚となっています。釣れたトウゴロウイワシを美味しく食べるための捌き方と料理の調理法を解説しますので、「外道だ」と邪険にせず持ち帰って食べることをおすすめします。初心者でも回遊の時期であれば簡単に釣れますので釣果情報を調べてから釣り場へ出掛けてみましょう。
トウゴロウイワシの生態や特徴
トウゴロウイワシとは?
トウゴロウイワシとはトウゴロウイワシ科ギンイソイワシ属に分類される海水魚です。ここではユニークなトウゴロウイワシの名前の由来や生態の特徴を解説します。一年中回遊している魚となりますので、時期や回遊によっては青森県より南の海域で釣り上げられるかもしれません。
特徴1:名前の由来
トウゴロウイワシを漢字で書くと「藤五郎鰯」となります。「藤五郎」とは九州の方言で「着物を着たまま寝入ってしまう」様子を「とんごろ」や「とんころ」と言っていたのが転訛して「トウゴロウ」と呼ばれるように変化しました。硬くて取れにくい鱗を「服を脱がない」様子になぞらえた由来となっています。地方ごとにたくさんの呼び名があり、「ウロコイワシ」や「ボライワシ」とも呼ばれている魚です。
特徴2:生態・生息域
トウゴロウイワシの生態としては表層を大群の群れで回遊しており、体長の多くは10センチ程度、大きくなっても15センチほどまでにしか成長しません。イワシの名前が付けられていますが、イワシよりもダツやボラに近い魚として分類されています。日本での生息域としては日本海側では新潟から鹿児島、太平洋側では青森県より南の海域に生息しており、沿岸によくいる魚で河口付近の汽水域までトウゴロウイワシが見られる場合があります。
トウゴロウイワシの見分け方は?
まずよく釣れるイワシとトウゴロウイワシの見分け方は鱗の剥がれやすさでわかります。イワシの鱗が剥がれやすいのには理由があり、群れが襲われたときに鱗を撒き散らして目くらましのようにする役割があると言われています。そのため釣り上げてもポロポロと鱗が取れてしまいますが、トウゴロウイワシの場合はしっかりとした鱗となり、手で触ったくらいでは取れることがありません。ここでは似た魚であるギンイソイワシとの見分け方や特徴の違いを解説します。
こちらはギンイソイワシです。トウゴロウイワシの仲間として近い種類となりますが、ギンイソイワシの場合は腹ビレを基準に肛門が後ろについていることから見分けられます。
こちらはトウゴロウイワシです。こちらも胸ビレから肛門の位置を確認することで見分けることができ、腹ビレよりも前に肛門があるとトウゴロウイワシと断定できます。
トウゴロウイワシの釣り方
釣り方をチェック!
トウゴロウイワシは海の沿岸部を回遊していますので、回遊が確認されているポイントであれば1年を通して釣り上げることが可能です。ここではトウゴロウイワシが釣れやすい時期やポイント、仕掛けに分けてそれぞれ解説します。釣り方の特徴を押さえてたくさん釣り上げましょう。
釣り方1:時期
トウゴロウイワシが釣れる時期は5月から11月の海水温の温かい時期がもっともよく釣れます。気候のよい日は子供を連れてのファミリーフィッシングで狙ってみると数釣りを楽しめる魚だと言えます。また数は少なくなりますが、寒い時期でも釣れることがある魚です。
釣り方2:ポイント
トウゴロウイワシがよく釣れるポイントは防波堤か河口の汽水域の表層を狙いましょう。海鳥の群れがいる場合は表層を回遊している可能性が高いため海面だけでなく目に見える周囲の様子も観察しておきましょう。釣れやすいとは言え、そこにトウゴロウイワシが回遊してこなければいつまでもヒットしません。
釣り方3:仕掛け
サビキ仕掛け
初心者におすすめなのはサビキ釣りです。サビキ釣りの仕掛けはどこの釣具店でも扱っています。仕掛け選びのポイントはトウゴロウイワシの口はとても小さいため、小さめの針を選ぶようにしてください。コマセとして定番のオキアミを餌カゴに入れて時々ロッドを上下させてトウゴロウイワシを誘いましょう。
ジグサビキ 仕掛け
釣りに慣れている人は青物も一緒に狙えるジグサビキはいかがでしょうか?先端スナップにオモリ代わりにジグを付けていつも通りキャストしましょう。通常のサビキ仕掛けとの違いは仕掛けがらみしないように枝ハリスが少ない、魚によりアピールできる工夫がされている点が挙げられます。トウゴロウイワシを狙う場合は生態・特徴に合わせてジグをボトムまで沈めず、表層を通してみることが釣果を早く上げるためのコツです。
釣ったトウゴロウイワシを生きたルアーに
トウゴロウイワシは大型青物の餌
トウゴロウイワシは大型青物など俗に“フィッシュイーター”と呼ばれる魚の餌となります。トウゴロウイワシが釣れるということはトウゴロウイワシを捕食しにきた他の魚もポイントにいる可能性がとても高くなりますので、トウゴロウイワシが釣れ出したときのためにもう一本、ルアーロッドも準備しておきましょう。
生きたルアー仕掛けは泳がせ釣り
泳がせ釣り 仕掛け
前述したようにトウゴロウイワシがどんどん釣れるときは他の大物が潜んでいるかもしれません。トウゴロウイワシを生きたルアーとして仕掛けに使う「泳がせ釣り」に使うおすすめの仕掛けをロッドとリールに分けて解説します。泳がせ釣りをするときはトウゴロウイワシの鼻か背に針をかけて弱りにくいように工夫しましょう。また定期的に生き餌を付け替えることもポイントです。
泳がせ釣りの仕掛け
ダイワ 磯・波止釣りロッド
トウゴロウイワシを生きルアーにした泳がせ釣りは大物を狙うため硬さのある磯竿を選んでください。泳がせ釣りは生き餌が自由に泳ぎ回るので周囲に人が少ないポイントを選ぶようにしてください。ルアーフィッシングのようにロッドアクションを必要としないため初心者におすすめの釣り方となります。
ダイワ 18 レガリスLT 5000D-CXH
泳がせ釣りに初めて挑戦する初心者でも使いやすいコンパクト・軽量なスピニングリールを紹介します。ダイワから発売されているレガリスの5000番は大型青物の強い引きも難なくいなせるリールです。
トウゴロウイワシに似たルアー
トウゴロウイワシが釣れたら「大型青物がいるかもしれない」と感じて待っていられない人にはトウゴロウイワシパターンのルアーをおすすめします。釣り方の例としてはサビキ仕掛けかジグサビキを一方のロッドで行い、もう一方はいつでもルアーフィッシングに切り替えられるようにスナップをラインに付けて用意しておく方法です。
トウゴロウイワシが回遊しているときに
リトルジャック METAL ADICT-01 60g
トウゴロウイワシが釣れて回遊を確認したときは海面からすぐに釣り上げずにトウゴロウイワシの様子を観察しましょう。追われて逃げているような素振りがあれば近くに捕食している魚が居ついている可能性が高まります。ルアーをトウゴロウイワシのヒットがあった辺りにキャストしてみましょう。
トウゴロウイワシの美味しい料理・調理方法
トウゴロウイワシの捌き方
トウゴロウイワシの捌き方はまず包丁で鱗を丁寧に取っていきます。小さい魚ですがびっしり鱗が付いていますので包丁をこまめに動かしてください。鱗が取れたら頭を落として背中側から包丁を入れて背開きにします。開けたらワタと黒い部分を指で掻き出すようにしましょう。詳しい手順は動画を参考にしてみてください。
美味しい料理・調理方法1:刺身
材料
いわしお好み量
まず捌いたトウゴロウイワシをしっかり洗ってキッチンペーパーで水分を拭き取ります。皮目を上に向けて尾の部分を切り落としてから指で皮を剥いていきましょう。半身ずつ一口大のそぎ切りにして大葉や生姜と盛り付ければ刺身の完成です。
詳しい調理法はクックパッドをチェック!
トウゴロウイワシの回遊が始まると夏釣りの時期が始まります。最初は小さめのトウゴロウイワシだったのが、季節の深まりごとに大きくなっていきます。時期ごとに違う味を楽しんでみましょう。どの時期でも釣れたてのトウゴロウイワシを新鮮なうちに捌いて食べるのは格別の味です。
美味しい料理・調理方法2:塩焼き
材料 (2人分)
真鰯(下処理済)6尾
塩適量
大根おろし適量
柑橘類(レモンなど)適量
下処理したイワシを水洗いして水気を取ってから塩を全体に振り1時間以上寝かせておきます。魚焼きグリルを余熱しておき、振り塩して出た余分な水分をイワシから拭き取ってから魚焼きグリルにクッキングシートを敷いてからイワシを並べて両面をしっかり焼いてお皿に盛り付ければ完成です。
詳しい調理法はクックパッドをチェック!
トウゴロウイワシの塩焼きは身がほかほかとしていて旨味を活かした食べる方法となります。お好みで大根おろしやレモンやスダチを絞って食べるとより一層美味しく食べられ、食が進みます。迷ったときは定番の塩焼きにしてみてください。
美味しい料理・調理方法3:唐揚げ
材料 (4人分)
トウゴロウイワシ24匹
から揚げ粉50g
揚げ油適量
下処理したトウゴロウイワシをクッキングペーパーの上に置いて水気をしっかりと切ってください。唐揚げ粉を全体にまぶして180度の油で揚げましょう。油を切って盛り付ければトウゴロウイワシの唐揚げが完成します。
詳しい調理法はクックパッドをチェック!
トウゴロウイワシの唐揚げはごはんにもお酒にもぴったりな食べ方です。サクサクと香ばしく食べる手がとまらない料理となります。こちらのレシピはイワシを使っていますので骨ごと調理していますが、トウゴロウイワシは骨がしっかりとしているので別々に分けて骨だけじっくりと揚げて食べるようにすると骨せんべいのように美味しくいただけますので、ぜひ試してみてください。
美味しい料理・調理方法4:蒲焼
材料
小鰯6匹
薄力粉適量
日清オイリオ キャノーラ油大さじ1/2
本みりん大さじ1
タカラ「料理のための清酒」大さじ2
CO−OP だししょうゆ大さじ1弱
下処理したトウゴロウイワシの水気をしっかり取ってから、頭の部分から身を押さえながら背骨を取りましょう。尻尾の手前で骨を折り外してください。骨が取れたら満遍なく薄力粉をまぶしてから余分な粉を落としておきましょう。フライパンを加熱し、油を敷いたら皮目を下に焼き、皮目に焼き色が付いたら裏返して身側にも火を通します。全体に火が通ったらキッチンペーパーで油を拭き取ってから調味料を入れて煮絡めれば蒲焼の完成です。
詳しい調理法はクックパッドをチェック!
蒲焼はついつい箸が止まらずごはんを食べる量が増えてしまいがちな料理です。魚が嫌いな人も甘辛い味付けの蒲焼なら食べられるという人もいるのではないでしょうか?あつあつのごはんの上に蒲焼を乗せて、ごはんをかき込むのは至福のひとときと言えます。
美味しい料理・調理方法5:マリネ
材料
イワシ5尾
新玉ねぎ(玉ねぎ可)1個
人参(彩り用)少々
●白だし昆布つゆ20cc
●めんつゆ(指定無し)20cc
●ミツカンカンタン酢20cc
●砂糖大さじ1~2(お好み量)
●ゴマ油大さじ1
■ ※カンタン酢がない場合の代用
酢20cc
砂糖大さじ1
片栗粉(イワシ揚げ用)適量
塩(イワシの水分抜き)少々
サラダ油(イワシ揚げ用)適量(鍋の大きさに合わせて下さい
小ネギ(彩り用)少々
玉ねぎはできる限り薄くスライスして水に晒しておきます。調味料を全て合わせてから玉ねぎは水をしっかりと切って人参と混ぜておきましょう。トウゴロウイワシは開いてから1尾を4枚に切り分けて、片栗粉を満遍なくまぶして油でキツネ色になるまで揚げます。油をしっかりと切ってから調味液に漬け込み、容器へ野菜と交互に積み重ねて冷蔵庫で冷やせばマリネの完成です。
詳しい調理法はクックパッドをチェック!
冷たいマリネは暑い季節になると食べたくなる料理です。旨味の強いトウゴロウイワシに玉ねぎの辛みと酸味の効いた味付けはさっぱりといただけます。ごはんにもお酒にもぴったりなマリネの作り方は押さえておきたい調理法です。
美味しい料理・調理方法6:煮付け
材料
いわし2〜4尾
ショウガ1片
長ネギ少々
梅干し1粒
塩(イワシを洗う際に使用)小さじ1/2
■ 煮汁(調味液)
しょうゆ小さじ4
砂糖大さじ3
酒大さじ3
みりん大さじ3
水150cc
煮付けにする場合トウゴロウイワシは背開きにせず、お腹に少し包丁を入れてワタと血合いを取り出してよく洗いましょう。煮汁を先にボールで合わせておき、一煮立ちさせてアルコール分を飛ばします。しょうがは薄切り、梅は種を取って軽く叩いておきましょう。煮汁を沸騰させたらしょうが・イワシ・梅干しの順番で鍋に入れ、弱火にしてから落とし蓋をして6〜7分煮込み、煮汁が詰まったら完成です。
詳しい調理法はクックパッドをチェック!
イワシの煮付けは定番のレシピです。しょうがと梅干しで生臭さを抑えるので食べやすい調理法となります。こちらのレシピは短時間で柔らかく煮えますのでサッと作りたいときにもおすすめです。冷蔵庫に入れておけば日持ちもしますので、作り置きしてみてもいいかもしれません。
トウゴロウイワシは美味しい魚!
まとめ
トウゴロウイワシはイワシに似ていますが、生態や特徴はボラなどに近い魚と言われています。イワシと異なり、固い鱗は手で触っても取れないため、釣りでは外道とされていますが、食べるととても美味しいので餌取りと嫌わずに料理に使ってみてください。トウゴロウイワシの釣り方や仕掛け・ルアーに関しても解説しました。春先からの時期に掛けて釣りに出掛けてみましょう!生態や特徴を押さえて釣果につなげてみてください!
魚の釣り方や調理法が気になる方はこちらもチェック!
当サイトではトウゴロウイワシとはどんな魚?生態や釣り方のポイント、美味しい調理法までご紹介!以外にも魚の釣り方や美味しい調理法に関することを取り扱った記事をたくさん掲載しています。気になる方はチェックしてみてください!
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