はじめに
大トロの赤身中トロとの違いや意味を紹介
大トロといえば脂がのった高い寿司ネタとしても話題にのぼるめったに食べる機会はないけれどその名前はほとんどの大人なら(子供でも)知られている有名なマグロの部位。でも具体的に大トロは魚のどこの部位なのかその量や見た目・味は?と知らないことも多いでしょう。今回は今さら質問しづらい大トロとは何なのかを詳しく解説していきます。(値段などの情報は2020年9月22日調査によるものです)
大トロとは?1.名前の意味
大トロの意味1.マグロの部位のひとつ
大トロはご存知の方も多いとおりマグロの中の身の呼び方・部位のひとつです。ただしマグロの種類によってはこのトロ部分がほとんどないものもあるため、限られたマグロの希少部位でさらに少ない特に脂がのった部分だと考えるのが良いでしょう。
大トロの意味2.トロとは脂を含む身の意味
大トロのトロですが、これは脂身という意味があります。ですのでマグロ以外でも〇〇トロと呼ばれる肉は見つけられます。例えば豚トロなどが良い例ですね。
大トロの意味3.大トロの大は大きいではない
トロが脂身の意味なら大トロの大とは?と考えるでしょう。この大、普通に考えると大きいをイメージされる方も多いと思います。しかし魚の肉の中でほとんどを占めるのは赤身部分。トロも大トロ以外の方が多い場合が一般的。大トロの大は大きさではなく脂の含有量または部位のグレードと考えると良いですね。
大トロとは?2.マグロのどの部位か
実はたくさんあるマグロのトロの部位
マグロのトロ部分といってもたくさんあります。中央に赤身がありそのまわりにトロが囲んでいると考えてください。それでは大トロを筆頭に各トロの部分と特徴を見ていきましょう。
部位1.大トロ
大トロはトロの中でもお腹の部分に限られた部位に付けられる名前です。脂の少ないマグロでもその部位なら大トロと呼ぶことができるでしょうが、あまりとろっとしたとろける脂を感じられないことも。本職の寿司職人さんであれば、部位を頼りに脂の乗り具合を見て中トロと大トロを切り分けられるそうです。お腹の部分ではあるのは間違いありませんが、正確にここからここ!とは言えず職人さんの腕によって決まると考えると良いですね。
部位2.トロ
大トロ以外のトロに赤身部分を囲うようについている身がトロです。これは大トロと背中の部分を除くすべての部位。このトロも細かく名前が付けられていますが、今回は大トロのお話なのでひとまとめでトロと呼称して分類するだけでお許しください。
部位3.背トロ
大トロ並に希少といわれて高い値段が付けられるトロの部位としてここだけは分けたい部位に背トロがあります。ヒラメでいうと縁側部分。背中の大トロよりも少ないごくごく一部をそう呼びます。トロなのに繊維質を感じられ噛みごたえと脂が同居している非常に味わい深く食べて満足感が得られるトロの部位です。
大トロは腹身で脂が多い部位名
このことから大トロはトロの中でもお腹部分に限定したごくごく限られた脂がのった部分のことを指す言葉だというのがおわかりいただけたでしょう。マグロにもよりますが筋肉質よりもほぼ脂身といった感じで、寿司としてお醤油を付けるとその表面に脂の膜ができるという逸話もあながち嘘ではないのです。
美味しさでおすすめ部位は背トロ
これは私情ではなく一般的にいわれることで、トロは脂だけで魚の美味しさを感じられないという方が多く見られます。そのため中トロや赤身が好きという人は多いですが大トロが美味しいという表現をされる方はあまりお見かけしません。味ではなく口に入れて溶ける魚の脂を楽しむための部位ではないでしょうか。それを踏まえて美味しさと希少価値の両立している部位としておすすめなのは背トロです!
大トロとは?3.中トロや赤身との違い
大トロについてはだいたい理解していただけたと思いますが、それではその他の中トロや赤身部位とはどう違うのか?を解説します。特に中トロと大トロの違いは気になる方も多いでしょう。
大トロとの違い1.部位名にはない中トロ
実は魚の身を部位別に分けたとき中トロという名前の部位は存在しません。これは中トロの柵の取り方に大きく関係します。
大トロとの違い2.中トロはトロと赤身のミックス
先程魚の身は真ん中に赤身があってまわりをトロが囲んでいると申し上げましたね。脂の乗ったトロ部分と赤身の中間を上手にとって美味しい!と感じてもらえるような柵の切り方をするのが本来の中トロといわれます。中トロは板前さんの腕によりその美味しさと部分が決まる、非常に繊細な場所です。
大トロとの違い3.赤身はマグロに一番多い部位
順番が多少前後しましたがマグロに一番多い中心部分の身が赤身となります。こちらにはほとんど脂はなく魚らしいさっぱりとした筋肉を味わえるところ。好みにもよりますが軽くヅケにして鉄火丼で酢飯とのマリアージュを楽しむ・刺し身としてさっぱりとした味わいをダイレクトでなど調理方法や食べ方によりバリエーションが出てくる部位です。
大トロと中トロ赤身の違いは部位と脂の乗り具合
魚図鑑や鮮魚店のホームページなどを見ると部位に分けられた図などが確認できますが、実際の赤身・中トロ・大トロは切り分ける方の技量やその魚の脂のノリ具合によって微妙に1本あたりの量の割合が変わってきます。はっきり分けるならば脂の量がポイントといえるでしょう。
大トロとは?4.小トロはあるか
大中とあれば小トロもあるのか
トロも大・中とくると小トロの存在が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?小トロという部位が存在するかというのはよく話題にものぼりますが、結論から申し上げるとありません!
意味を考えると小トロはありえない
ここまで大トロの大は大きいという意味ではない・中トロの中は中間の中であるということをお話してきました。大と中と頭に付いてはいますがそのふたつでさえ同じ尺度で測ったものではないのです。そのため小トロはありえないのですね。
大トロとは?5.大トロの値段
大トロの値段はなぜ高いのか
どなたでも感じる値段の感覚として大トロは高い!ということがあげられます。少ししか取れない部位だからという理由もありますが、これにはマグロの値段の決め方や取り引き方法が大きく関わってきます。
大トロはマグロの中でも値段が時価扱い
寿司やで見かけるお品書き。大トロなどの貴重な部位は時価となっていることが多いのにお気づきでしょう。種類によって脂身がほとんどなかったり、同じ種類でも乗り具合によっても取れる量が変わってきます。同じマグロの中で値段が高いというのは間違いありませんが、値段が前もって決められない部分なのです。
魚の買い付け方法はせりと呼ばれるオークション形式
まぐろのサイズにもよりますが、1本の値段はさまざま。1本1-200万程度のものもあれば1千万を超える値段が付けられるものも。小売店と違ってマグロ1本の場合売り手がこの値段でと提案するものではなく、欲しいと思った人が金額をあげていって一番高値の人が買えるというせりシステムを採用しています。そこから切り分けられ小売りされたり寿司やのガラスケースの中に並ぶのですから、特に希少価値の高い部位は自然と値段が上がってしまいがちです。
あえて大トロの値段相場を決めるとすると
このようにマグロの値段が変わることによってその中の部位のひとつである大トロの刺し身・寿司の値段も変わってきます。安いマグロから取れた大トロなら400円程度。1本数千万円もするマグロの大トロであれば寿司1貫で9000円ほどといわれています。現在まで寿司1貫の値段は1万円を超えたことはないといわれますが、今後マグロのせり争いが激化すれば値段も大台を超えることがあるかも知れませんね。
大トロとは?6.美味しい食べ方
さて、最後になりますがご家庭でも試せるマグロのトロ部分の美味しい食べ方のコツをご紹介しましょう。
冷凍マグロの上手な解凍方法
湯 45度前後1ℓ
塩大さじ2
マグロに限らず魚をできるだけ新鮮に食べるため冷凍された状態で保存・販売されているものもあります。これらをできるだけ美味しく食べるには塩の入ったお湯・ドリップを拭き取るという2点が大切。ドリップを丁寧に拭き取らないと生臭さが残ります。塩を入れたぬるま湯に表1分裏返して1分ほど付けてから水気を拭き取りゆっくりと冷蔵庫で解凍。これが自宅でもできるおすすめの方法です!
冷凍マグロはこの意外な方法で美味しく!
ドリップが魚の生臭さを左右する大切なポイントで、このレシピではそのドリップをなるべく出さないように工夫されています。詳しいやり方をご覧になりたい方は下記リンクよりどうぞ。
大トロといえば寿司!
解凍したものや柵で購入したマグロ。この切り方によっても味は大きく変わります。特に中トロや大トロは赤身の中に脂が入ってきます。美味しく切るためにはその向きに注意するのがコツ。やり方は繊維(脂)と包丁を直角に!です。
贅沢に焼き物にする食べ方も
トロには美味しい部分がもうひとつあって、それは頭部分にこれまた少しだけ含まれるカマトロと呼ばれる部分。時々刺し身しても売られていますね。マグロの頭が手に入ったら豪快に焼いて食べてみてはいかがでしょうか。カマトロ部分だけでなく目玉のまわりのゼラチン質の部分なども美味しくいただけるでしょう。
アウトドアでも作れるマグロのかぶと焼き
暮らし~のはアウトドアサイトですので、まぐろのかぶと焼きも豪快に焚き火で試してみて欲しいです。焼き方のコツはアルミホイルでくるんで焦げすぎに注意すること。なかば蒸し焼きに近い状態で焼けば薪を使用した調理でも中までしっかり火が通って美味しそうな仕上がりに。
まとめ
大トロは脂が乗った部位名!寿司や焼き物で食べよう
高価なマグロの中でも特に注目されることも多い大トロ部分。大トロの意味からどんな部位なのか・別の赤身などとの違いをご紹介してきました。いかがでしたでしょう。これで読者の方々に大トロに対する疑問が晴れたと感じていただければ嬉しいです。
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