はじめに
カエルアンコウって知ってる?
カエルアンコウという魚を知っていますか?食用として一般には流通しない魚となりますので、カエルアンコウの生態や分布を知っている人は魚通かもしれません。近年特徴的な見た目からペットとして人気があるカエルアンコウについて解説します。
カエルアンコウの生態や特徴を解説!
あまり知られていない生態や特徴とどんな生息環境の場所に分布しているかを解説しますので覚えておきましょう。丸々としたかわいらしい見た目からは想像しにくいのですが、実は海底の捕食者として水深の浅い場所で獲物を狙い澄まして生息していると知れば驚きかもしれません。
飼い方と知られていない食べ方も
カエルアンコウの飼い方や飼育に必要なものを解説します。またカエルアンコウは食用として流通していないため、あまり知られていませんが食べられる魚です。カエルアンコウの食べ方も解説します。カエルアンコウのことを知ってみましょう!
カエルアンコウとは?
アンコウ目
カエルアンコウは「アンコウ」と名前が付けられているだけあってアンコウ目に分類される魚です。多くのアンコウ目と同じように海底の岩礁や砂地に生息しながら特徴的な誘引突起を使って待ち伏せ型で小魚やエビを捕食しています。
新しい名前
カエルアンコウは2007年に改名された魚です。カエルアンコウと呼ばれる前にはイザリウオと呼ばれておりました。イザリウオにはさまざまな意味があるとされていますが、イザリには漁をすると言う意味と一方で、イザリが足が不自由な人を指す差別表現だとも言われていたことからカエルアンコウと改名された経緯があります。
小さく食用としては
日本周辺に分布しているため定置網漁などで水揚げされることはありますが、種類にもよりますが体長が15センチ程度にまでしか成長しないため食用魚としてはあまり知られていません。そのため食べ方は知られておらず、地元で自家用に食べる程度の留まります。カエルアンコウ自体に毒はなく、珍味としてわずかではありますが食べることがある魚です。
水族館で飼育されていることも
カエルアンコウは食用魚としてよりも水族館やアクアリウムなどで飼育されるペットのような存在として知られています。丸々とした体や発達した前ビレで海底を這うように移動する姿が愛らしい魚です。かわいらしい見た目と誘引突起と呼ばれる擬似餌を使って捕食する様子のギャップが愛好者の間では人気となっています。
カエルアンコウの寿命
カエルアンコウの寿命に関してははっきりしていないことの方が多く、推測の域を出ません。飼育されるまでに育ってきた年月を正確に測ることができませんが、長くても4年から5年と考えられています。成体として購入した時期や飼い方にもよりますが、購入してから1年から2年程度が飼育環境下での寿命となります。
カエルアンコウの生息地・分布
カエルアンコウはどこにいる?
カエルアンコウは食用に流通していないこともあってどこに生息・分布しているかあまり知られていない魚です。カエルアンコウの生息地や分布を解説します。ダイビングでは九州の延岡がカエルアンコウをよく見られるスポットとして有名です。
カエルアンコウの生息地
カエルアンコウは伊豆・小笠原諸島や相模湾よりも南の太平洋側に生息しています。基本的には水深が浅い岩礁や砂の海底が主な生息地です。種類によっては200メートル程度の水深がある海域でも捕獲されています。
カエルアンコウの分布
カエルアンコウは南日本・太平洋東部を除く世界中の温帯や熱帯地域の沿岸部に生息しています。また水深が深い場所にはあまり生息しておらず、20メートル程度の浅い砂底に多く分布しています。カエルアンコウを狙った漁をすることはないため、知られていないこともたくさんある珍しい魚です。
カエルアンコウの特徴と生態
特徴と生態1:丸々とした見た目
カエルアンコウの特徴は丸々とした見た目とたくさんの突起で体が覆われていることです。海底や岩の上で周囲の風景に擬態して小魚などを捕食しています。ペットとしては特徴的な見た目が人気となっています。
特徴と生態2:海底を這う
カエルアンコウはあまり泳ぎが上手ではありません。発達した胸ビレを器用に使って海底を這うような生態があります。多くのカエルアンコウは岩礁の影や砂地に隠れるように生息していますが、身の危険が迫ったときには速く泳ぐことも可能です。
特徴と生態3:海底の捕食者
カエルアンコウは頭の先にある誘引突起で小魚を誘い出して捕食します。誘引突起はエスカと呼ばれており、エスカを巧みに動かして小魚を誘ったり、擬態して忍者のように視界の外から狙ったりと餌を捕食します。捕食の瞬間はとても速く瞬きしている間に終わってしまうほどです。
カエルアンコウの種類
カエルアンコウは種類が豊富!
カエルアンコウには種類が豊富で日本で確認されているものには3属・15種類が知られています。色や形が複雑で同定が難しい魚としても有名です。ここでは飼育するのによく選ばれるカエルアンコウを3種類紹介します。
種類1:ベニカエルアンコウ
ベニカエルアンコウは「ベニ」と名前についていますが、赤くない個体も存在します。見た目の特徴としては体に大きな斑点があることと背ビレと尻ビレがそれぞれ独立してつながっていないことです。体長は約8センチ程度と小さな部類に属しています。分布としては比較的深い200メートルを超える岩礁にも生息確認されている種類です。
種類2:イロカエルアンコウ
イロカエルアンコウの特徴は背ビレが薄く、ヒレ膜との境界が曖昧なところです。また環境によって赤や黄色・白など色の種類がたくさんあり、色だけで見分けられません。頭のトゲと二つ目のヒレが肉厚な三角形だと言う点で見分けます。体長は約16センチ程度までの大きさに育ちます。分布としては75メートルまでの海底に生息確認されている種類です。
種類3:クマドリカエルアンコウ
クマドリカエルアンコウは特徴的な模様で見分けれらます。クマドリとは歌舞伎用語で「隈取り」のこととなり目の周りや口角に入れる化粧のことです。白と黄色の個体にはクマドリがありますが、色によってはクマドリがありません。芯が通ったトゲと皮膚の薄さで見分けられます。分布としては沿岸部の岩礁やサンゴ礁に生息確認されている種類です。
カエルアンコウの値段
観賞魚としての値段
カエルアンコウは食用には流通していませんが、独特の見た目や色でペットとして人気がある海水魚となります。大きさや人気の種類・同じ種類でも見た目が大きく違うため個体によって値段が大きく異なる魚です。観賞魚としての値段・相場の幅としては2000円から15000円ほどとなっており、目安となる販売価格は3000円から4000円程度となります。
販売場所
ネットショップや海水魚の販売があるペットショップで取り扱われていることが多くなります。環境の変化に弱い魚となりますのでできれば実店舗に足を運んで生体の状態を確認してから購入することをおすすめします。ネットショップでは保証の有無を確認しておくと安心です。
状態の見分け方
状態のよいカエルアンコウの見分け方は肌が整っているか、呼吸は落ち着いているか、肛門まわりは綺麗かとチェックしましょう。最初のうちは店員さんに見分け方を聞いたり、一緒に確認してもらったりと慎重な生体選びを心掛けてください。
カエルアンコウの飼い方1:飼育環境
カエルアンコウの飼い方を知ろう!
カエルアンコウの飼い方は海水魚としてはやや難しい部類に分類されています。いろいろな魚と混泳させることもできますが、ある程度の大きさの魚までは捕食してしまうおそれがありますので避けるようにしてください。ここではカエルアンコウの飼育に必要なものと適した環境を解説します。
カエルアンコウの飼育1:必要なもの
カエルアンコウを飼育するためには1匹飼いの場合は30センチ、2匹飼いにする場合は60センチの水槽を用意しましょう。他には人工海水・濾過装置・水温調整器具と水温計、水質測定器具・底砂と照明を準備してください。
カエルアンコウの飼育2:適した環境
カエルアンコウの飼育に適した環境は水温は23度から26度程度です。急激な水温・水質の変化を苦手としますので注意しましょう。また循環装置を設置することで水流が生じますが、強すぎる水流は弱る原因となりますので、水流を和らげたり、つかまりやすくなったりするように適度に石やレプリカを配置してあげるようにしてください。環境の変化が体調の悪化につながりやすいとされていますので安定した飼育環境を整えましょう。
カエルアンコウの飼育3:混泳
カエルアンコウは同じ種類であれば混泳しても問題なく過ごします。違う種類の混泳のコツとしては捕食方法で考えましょう。大別してベニ・ソウシ・エナガカエルアンコウは待ち伏せタイプ、クマドリ・イロ・オオモンカエルアンコウは貪欲に餌を追いかけるタイプとなります。違う種類のカエルアンコウを混泳させる場合は同じ捕食方法か組み合わせる場合は待ち伏せタイプの方が体が大きい個体を混泳させるようにしてください。
カエルアンコウの飼い方2:日常の手入れ
カエルアンコウの手入れ1:餌やり
カエルアンコウの餌は生き餌です。エビや小魚を別の水槽に用意しておきましょう。慣れてくれば魚の切り身や人工飼料も食べてくれるようになりますが、基本的には生き餌しか食べません。与える目安としては1週間に5センチのカエルアンコウに3センチ程度の小魚・エビを5匹程度となります。消化能力が弱いので適度な間隔を取って餌をあげるようにしてください。
カエルアンコウの手入れ2:水換え
カエルアンコウはうろこがなく、水質や環境悪化による影響を受けやすい魚です。硝酸塩や不要な物質をフィルターで濾過しますが、定期的な水換えが必要となります。水換えの方法としては温度合わせをして容量の1/3ずつ入れ換えるようにしてください。
カエルアンコウの手入れ3:トリートメント
カエルアンコウは明確な飼い方が確率されていないため、飼育下の寿命が短くなる傾向にあります。新しくカエルアンコウを既存の水槽に迎える前にはトリートメントを行いましょう。購入前日にトリートメント用海水をつくります。規定量以下のグリーンFゴールドを溶かし、バケツや水槽にヒーターとエアレーションを入れます。1週間程度水を入れ替えながらカエルアンコウの様子を見て本水槽に入れましょう。
カエルアンコウの飼い方3:注意点
注意点1:餌のやりすぎ
カエルアンコウの消化期間は原始的なもので大量の餌を一度に処理できません。ダイナミックな捕食の瞬間見たさや早く大きくなって欲しいからと餌をやりすぎると弱る原因になります。餌をあげるときは前の餌を糞として排出したり、お腹が凹んで内容物が空っぽになっているのを確認してから生き餌を水槽の中に入れてあげましょう。また自然界では毎日のように安定して餌を得られることはありまえんので、適度な間隔を見極めることが長生きさせるための秘訣です。
注意点2:水質
カエルアンコウの飼育に適した水質は水温が23度から26度の間です。比重の目安は1.020から1.023となります。硝酸塩濃度も定期的に測定して高くならないようにしてください。Phの目安は7.8から8.2を維持しましょう。Ph値が下がってきたら水換えの時期となります。こまめなチェックをして適した環境を作ってあげましょう。
カエルアンコウの食べ方
一般には流通しない
アンコウと名前につきますが、カエルアンコウは一般的な食用魚として流通していません。そのためアンコウ鍋のように季節の食事に取り入れられたり、サンマやタイのよううに日常的に食卓に登ることはありません。そのためカエルアンコウの旬や食べ方はあまり広く知られていることがないのではないでしょうか?そもそも食べられるのか?ということや食べ方の参考になるリンクを紹介しますのでチェックしてみてください!
毒がないので獲れたときには
カエルアンコウには毒はありません。基本的に漁の対象魚とならないため獲れたときに地の人が食べるくらいに留まります。基本的な食べ方である味噌汁や鍋の実にしたり、唐揚げにしたりとされることが多いようです。味としてはあっさりとしていながらハリのある白身魚の食感があります。
食べ方はリンク先を参考に!
実際の食べ方としての資料や記録が少しではありますが存在します。基本的な魚の食べ方としての調理法で美味しく頂けるようです。詳しくはリンク先を参照してみてください。食べられる機会があればとても幸運かもしれません。
まとめ
カエルアンコウはかわいい魚!
カエルアンコウは世界中の水深が浅い、熱帯域の生息環境に分布してる魚です。生態としては特徴的な外見と手のように発達した前ヒレを使って海底を移動しながら生息しています。食性としては頭の先から飛び出している誘引突起で小魚や甲殻類を誘い出し、捕食するフィッシュイーターです。カエルアンコウは体長が小さく、漁の対象魚とならないいため、食べ方はあまり知られていませんが、鍋や唐揚げとして地元では食べられている隠れた珍味のような魚となります。カエルアンコウには種類がたくさんあり、食用よりもペットとして飼育されることが知られている魚となります。かわいいカエルアンコウの飼い方を覚えてペットにしてみましょう!
魚に関することが気になる方はこちらもチェック!
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