はじめに
ヤギはペットにできる?
ヤギは家畜というイメージがあり、あまりペットとしてのイメージが強くない動物です。しかしかわいらしい外見や穏やかで人になつく性格から「ペットとして飼いたい!」と人気が高まりつつあります。気になるヤギの性格や寿命を徹底解説します。
ヤギの飼育種類や値段を解説
ヤギにはたくさんの種類がありますが、ペットとして飼うには比較的小柄に育つ種類がおすすめです。ヤギのおすすめ種類や値段・ペットに迎え入れるための準備費用・必要なものを解説します。万全の準備を整えて人になつくように育ててあげましょう。
飼い方や注意点も
実際にヤギを迎え入れたときの飼い方を室外・室内に分けて紹介します。ペットとして気になる臭いなどの対策も併せて解説しますのでチェックしておきましょう。
地方によってはペットとして定着しているヤギですが、犬や猫などと比べると一般的とは言えませんので、臭い・脱走対策を万全にし、周囲の理解を得られるように努めましょう。
ヤギとは?
山岳に住む動物
ヤギ(山羊)は山の岩場などに生息している動物です。人間が苦労しないと登れないような急斜面や崖も楽に登ることができ、西アジアの山岳地帯に広く分布していました。厳しい環境下でも生き抜くタフさがあります。
古くから家畜として
元々は野生だったヤギを家畜化し、遊牧民がヒツジやウシ・ウマなどと併せて重要な家畜として飼育されてきました。日本でも戦前まではヤギは家畜としてありふれた存在でしたが、ウシやブタの生産増加によって減少傾向にあります。
乳や肉・毛皮が利用される
ヤギの乳は牛乳アレルギーの代替食として取り入れられています。他にも独特の臭いがありますが、食肉として焼いたり煮たりして食べられています。
日本では南西諸島・世界ではベトナム・中国などで伝統料理としてポピュラーな存在です。また毛皮や柔毛としてカシミア・アンゴラなどが有名な利用法となります。
ヤギをペットにしよう1:種類
ペットにおすすめの種類を紹介!
ヤギには生息地方・環境によってたくさんの種類が存在します。大型に育つ種類では成体で80キロを超えるなどペットとして飼育するには大変。ここでは比較的飼育しやすい小型のヤギを2種類に分けて特徴を解説します。
種類1:ミニヤギ
ミニヤギは体重が40キロ未満のヤギです。厳密に言うと種類というよりも小型のヤギを掛け合わせて作られたものとなります。基本的にはさまざまな種類のヤギが混血しているため、大型になる遺伝子が発現すると成体が大きくなる可能性もあります。
基本的には大型犬程度の大きさになると考えておくとよいでしょう。
種類2:シバヤギ
シバヤギは日本の五島列島などで古くから飼育されていた種類のヤギです。元々は食肉用として飼育されていました。こちらも混血が進んでおり、純血種はほとんどいません。温厚な性格と小柄ながら強靭な体格が特徴的です。
ヤギをペットにしよう2:値段
入手経路によって値段が異なる
ヤギは前述しましたが、犬や猫と異なりペットとしてあまり普及していないため、ホームセンターや小規模なペットショップで見かけることはありません。しかし近年、人気の高まりから取り扱っているお店も増えつつありますので探してみましょう。ここでは入手経路ごとの値段の目安を解説します。
値段の目安1:ペットショップ
近くのペットショップでは見かけることがないかもしれませんが、ペットショップでヤギが販売されている場合の値段の目安としては10万円から15万円程度が目安となります。ペットショップの注意点としてはヤギの親がわからないため、大きく育ってしまう可能性があることとなります。
値段の目安2:牧場
牧場で生産された子ヤギを分けてもらうことも可能です。値段の目安としては7万円から10万円程度となります。ペットショップと異なり、両親を知れたり飼育の相談ができたりと心強い点もあります。牧場によっては安い費用で設備を整えてくれることもあるのでおすすめです。
ヤギをペットにしよう3:寿命
寿命は比較的長い
ヤギの寿命は比較的長く、15年から18年程度と言われています。病気やケガをしにくい動物ですが、事前に病気の予防や治療に関する知識と診察してくれる動物病院を見つけておくことが大切です。ストレスの少ない環境を整えてあげましょう。
昔から救貧動物として
ウシやブタと言った家畜が全国的に広がる以前は少ない飼料や過酷な環境でも育つことができるヤギは救貧動物として飼育されていました。もちろん環境によって寿命は変化しますのでこの頃のヤギは今と比べると寿命は短かったようです。
オスは去勢しよう
寿命を伸ばしたり、ストレスを少なくしたりするためにはオスのヤギを飼育する際は去勢することをおすすめします。性格が大人しくなり、臭いも抑えられるため飼いやすくなるとともに発情期が来なくなります。
ヤギにも無用なストレスを与えずに済み、寿命を伸ばすことにつながります。動物病院にもよりますが、費用は1万円から2万円程度です。
ヤギをペットにしよう4:性格
ヤギはなつく?
ヤギは個体にもよりますが、基本的には温厚で従順な性格です。もちろん元気いっぱいのヤギや人をあまり好きでないヤギもいますので、それぞれに合わせたコミュニケーションの取り方が重要です。怒られると萎縮してしまい、トラウマになるおそれがあります。なつくように気長に育てて行きましょう。
オスの性格
オスのヤギはメスや去勢したオスヤギと比べると性格は荒くなります。性格以外にも臭いや力強さの違いが挙げられます。本能的に群れの中で順位付けするために威嚇や頭突きと言った特徴も見られますので、違いを知っておきましょう。
小さい頃から飼うとなつく
オス・メスいずれのヤギを飼うにしてもなるべく早い時期から人手によって世話をするとなつく傾向にあります。普段の声掛けや世話を通じて人は怖いものではないと理解させましょう。鳴き声や尻尾・全体を隈なく観察してヤギの感情を読み取るようにしてあげてください。
他の動物とも
ヤギは寂しがりで人になつく動物です。他の犬や猫とも一緒に飼うことができますので、すでに犬や猫をペットにしている人にもおすすめします。
ヤギの飼い方1:必要なもの
庭で飼育する場合
ヤギを庭で飼育する場合は寝床となる小屋が必要です。大型犬サイズのものか、日曜大工で建てましょう。加湿状態に弱いので空気が留まらないような場所と設置方法を検討しましょう。脱走しないように柵の設置と日を遮る木陰となる場所も併せて用意してください。
家庭菜園に注意!
庭に家庭菜園を作っている人はヤギが誤食すると危険な植物、野菜を植えないようにしてください。ツツジ科の植物やじゃがいもなどはヤギにとって有毒です。植えないようにするか、スペースを区切って事故を防ぎましょう。
室内で飼育する場合
室内で飼育する場合はペットケージとトイレが必要です。どちらも大型犬用のサイズが適切となります。またヤギは蹄で歩くのでフローリングの家庭では滑りやすく、ケガするおそれがありますので、滑りにくいコルクマットやビニール製のマットを敷いてあげましょう。
専用部屋があればベスト
ヤギは高い場所に登るのが好きなため、室内に高さのある家具を配置している場合に登ってしまう可能性があります。何もなければよいのですが、家具を倒して壊したりヤギがケガをしたりする危険性があります。
可能であれば飼育専用部屋を確保し、無駄な家具を配置しないようにすることがおすすめです。専用部屋は風通しがよく臭いや湿気がこもりにくい場所がおすすめとなります。
ヤギの飼い方2:飼育環境
飼育環境を整えよう
元気で人になつくヤギを育てようと考えたときに大切なのは適切な飼育環境です。過酷な山岳での生活をしていたので暑さ・寒さには強いのですが、適した空間と湿度の調整が重要となります。ここではヤギの飼育に適した環境を解説します。
飼育環境1:広さ
ヤギの飼育環境で大切なのは広さです。個体の大きさにもよりますが、1頭につき2〜4平方メートルの広さが必要となります。室内飼いの場合は散歩に連れて行くなどストレスを貯めないような工夫が必要です。基本的には広ければ広いほどリラックスして育ちます。
飼育環境2:湿度
ヤギは湿度が高い環境を苦手としています。庭で飼育する場合は小屋の中に水が入り込まないようにすることと、風通しがよく湿気・臭いがこもらない場所を選ぶようにしてあげましょう。室内で飼育する場合もケージの中にはすのこを敷いてあげると効果的です。
ヤギの飼い方3:餌
餌の与え方
ヤギはあらゆる草を食べるので近年では除草にも利用されています。庭に草を栽培すれば自分で好きなときに好きなだけ餌としますが、前述したようにツツジ科植物やナス科植物がないように注意してください。また習性として目の前に出されたものは口に入れてしまいますので、その点も気をつけましょう。
餌の量と回数
ヤギに与える餌の量は体重に合わせて変化します。牧草などを乾燥した草を与える場合は体重10キロごとに240グラム、水分を含んだ草であれば体重10キロごとに800グラムを餌として与えましょう。副食として穀物を少量与えると喜びます。餌の回数は朝・夕の2回が基本です。
水と必要なもの
ヤギはあまり水を必要としません。しかし気が向いたときにいつでも飲めるように水入れを置いておきましょう。またペット用の岩塩を好きなときに舐められるように水場の周りに吊るすか、設置しておきましょう。塩が不足すると食欲減退に繋がります。
ヤギの飼い方4:しつけ
基本的には褒めよう
ヤギは成体から飼育するよりもできるだけ小さいうちに飼い始めるとしつけしやすく、なつくようになります。基本的には人に慣れやすい個体が多くなりますが、強く叱られたり嫌なことが多くなるとストレスを抱えてしまいがちです。
特に新しい環境に馴染むまでは寂しがって鳴き続けてしまうので優しく見守るようにしましょう。
餌をご褒美に
人と暮らすためにはルールを覚えさせなければなりません。トイレのしつけやコミュニケーションは行動を促し、できたら褒めて少量の餌を与えるようにするといい出来事と行動が関連づけられて覚えます。叱るよりも合理的で結果的として人になつくため褒めて育てて行きましょう。
ヤギの飼い方5:費用
飼育費用をチェック!
ヤギは飼い方や設備の整え方で飼育費用が大きく変わります。基本的には乾燥して、適度な広さが取れれば問題なく育ちますので、拘らなければ安い費用で飼育できます。ここではヤギの飼育費用の目安を紹介します。
費用1:餌代
基本的に庭草を与えるので費用はあまり掛かりません。餌代は雨の日や草が生えてこない冬に準備しておく干し草などの準備に費用が掛かります。他にも岩塩などを合わせても1頭あたり1万円に満たない場合が多いようです。
費用2:ワクチン・設備
ヤギ小屋や散歩するときに必要なリード、病気予防のワクチンを合わせると5万円程度の初期費用が必要です。掛けようと思えばいくらでも掛けられるので上手に設備を整えてあげましょう。ワクチンや駆除薬は元気に育てるには必須となりますので購入してくことをおすすめします。
ヤギの飼育注意点1:届出
ヤギは家畜として
ヤギは家畜として法律に記載があり、ペット目的で飼育する場合でも管轄する家畜保健衛生所に届出をする必要があります。各都道府県に事務所が設置されていますので、最寄りの家畜保健衛生所を調べておきましょう。
年に1度の届出が義務
ヤギを1頭でも飼育する場合は1年に1度管轄の家畜保健衛生所に定期報告することが義務づけられています。これは家畜に疫病を蔓延させないための仕組みとなっていますので必ず守りましょう。
リンク先でチェック
普段ではあまり携わることのない機関である家畜保健衛生所は私たちには敷居の高い存在かもしれません。詳しい場所や業務内容は農林水産省のリンクを参照してください。
ヤギの飼育注意点2:臭い対策
体臭・排泄物の処理
ヤギは体臭が強い動物ではありません。主に排泄物の処理が上手くできていないことが原因で臭いが残ります。庭飼いの場合は近隣から苦情が寄せられる可能性がありますし、室内で飼う場合には根気よくしつけをしましょう。
基本的に草食動物はいつでもどこでも排泄をしてしまうため「最初は失敗して当たり前だ」という寛容さが必要です。
オスの発情期は特に注意
ヤギにあまり体臭がないと解説しましたが、発情期のオスに限っては話が違います。発情期のオスはメスを引き寄せるために普段は分泌しないフェロモンを発したり、自分のおしっこを掛けたりします。
発情期は臭い・鳴き声などが普段より気になるのでペットとして飼育する場合は早めに去勢しておくとよいでしょう。
ヤギの飼育注意点3:脱走対策
ジャンプ力が高い
ヤギは人が苦労しなければ登れない場所でも楽々と登れるジャンプ力があります。1メートル程度の柵ではあっさりと脱走してしまう可能性がありますので、注意が必要です。高さだけでなく柵の隙間から脱走しないような作りにしておくことも忘れないでください。
事前説明
庭でヤギを飼育するには周辺住民の理解も必要です。臭いや鳴き声など事前に知らせておけば無用なトラブルを避けることにもなりますし、脱走したときにいち早く手掛かりをつかむことにもつながります。庭は自分の敷地だとしても密集している住宅地では周囲への配慮が欠かせません。
まとめ
ヤギをペットにしよう!
ヤギは温厚な性格で小さい頃から飼育するとよくなつくためペットとして飼育できます。ヤギには種類がたくさんありますが、ペットしては小型のミニヤギ・シバヤギがおすすめです。
入手経路によって個体の値段は変わりますが、10万円程度が目安となります。餌代などのランニングコストは比較的安い傾向です。気になる寿命や臭いなど飼い方のコツも解説しましたので、飼育のコツを押さえてかわいいヤギをペットにしましょう!
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