はじめに
安い加工しやすい板は?特徴や強度DIYでの用途も紹介
木材を使ったDIYはホームセンターや100均のカット木材によってハードルが下がってきており手作り初心者からも注目を集めています。木材には木目の美しさや木によって変わる色合い・使い込むことで出てくる味・強度耐久性の高さなどナチュラル好きな方にはたまらないであろう良いところがたくさんあるもの。今回は、たくさんあるDIYの木製材料の種類の中から代表的なものの加工しやすいかそうでないかの特徴や値段・おすすめ用途など選び方ヒントを解説していきます。
DIY用木材の種類と選び方ヒント1.ツーバイ材
ツーバイフォー建築で使用される木材
最近のDIYで使われる木材の主流ともいわれるツーバイ材。1×4や2×4など使ったり耳にしたことがある方も多いでしょう。本来はカナダで生まれたツーバイフォー建築と呼ばれる建築方法で用いられるために作られていてSPF材とも呼ばれることも。
サイズ規格がわかりやすいのが特徴
ツーバイフォー建築というのが簡単にいうとある程度の枠を工場で作ってそれを現場に持っていき組み立てることで家を作る建築法。作り置きができるためコストが安い・施工が早いのが特徴で、そのため使用する木材も加工しやすいようにサイズがある程度決まっています。ワンバイは19mmツーバイはその倍の38mm厚のサイズがある板のことを指します。
強度や耐久性もあり安いのでDIYに使いやすい
SPF材はその材料となる木の頭文字を取っていて(トウヒ・パイン・もみの木)すべて発祥の地であるカナダではよく使われる成長の早い木。すべて無垢材なので強度と耐久性の高さは折り紙付き。その反面どの木も成長が早いゆえ木材の中では柔らかめで加工しやすいというメリットもあります。
おすすめ用途は小物以外いろいろ!
厚みがあるため小さな物を作るのには向いていませんが、規格がきっちりと決まっていること、簡単に取り付けられる接合パーツが揃っているなどによりスピーディーで強度のあるDIYが得意。壁すべてを活用した棚づくりや大きめのテーブルなどの耐荷重が必要な家具に向いているでしょう。
DIY用木材の種類と選び方ヒント2.無垢材
切り出したままの木材
ツーバイ材のところでも少し出てきましたが、天然の木を切り出してつくる木材のことを無垢材といいます。木の種類によって強度も耐久性も非常に高いものと言えるでしょう。
特徴は木の種類で色や木目が楽しめること
無垢材の良さは何といっても切り方によって木目が非常に美しく出ることという意見が圧倒的。このあとご紹介する集成材でもある程度の木目の美しさを感じることができますが、やはり一枚板(合板や集成材ではないという意味も含めて)というのは贅沢品であり豪華でそれを使用した家具や家を持っているのは一種のステイタスです。
おすすめ用途は木目を活かした作品
無垢材は決して安いものではないので選び方も慎重に。よく使われるのが無垢のフローリング材。面積も広く使われるので木目の美しさが際立つ使い方と言えるでしょう。この他テーブルの天板としても無垢材は人気があります。
DIY用木材の種類と選び方ヒント3.集成材
集成材とは?作り方を見てみよう
集成材もある意味無垢材と呼んでもよいのですが呼び方としては分けています。作り方の動画を見ていただけるとわかるのですが、無垢材との大きな違いは接着剤であらかじめ貼り付けて大きなものにしてあること。長さについてもこのような加工がされているため廊下や床に使われた場合木目が不自然な部分があります。
特徴は強度・耐久性があって角材より値段が安い木材
集成材は何も悪いところばかりでなく、接着剤を使用することによってより逆に強度と耐久性が高くなっています。1枚板として使えるような樹齢のある木はレアで高いですが、こちらは作ることができるのでコストも安いのが魅力。
おすすめ用途は家具や柱
集成材の使いみちとしては無垢材の代用品として家や家具を作ること。集成材のテーブル用天板などとても安く手に入るので使いやすいでしょう。DIYとしてはこの使い方が初心者の方にも気軽にコスパよくものづくりが楽しめるのでおすすめ!
DIY用木材の種類と選び方ヒント4.コンパネ
コンクリートパネルの略
合板のことを何でもコンパネと呼ぶ風潮がありますが合板≒コンパネで、あくまでもコンクリート敷設に使う木枠用板として作られている合成木材のこと。そのため組み合わせて何枚も使うことを想定されていて、サイズ規格は統一性があり厚さ12mm縦横900mm×1800mmが一般的です。
基礎工事用の木材なので値段は安いが見栄えは良くない
使い捨てではありませんが、目的はものを作るのではなくコンクリートの枠として使用してコンクリが固まったあと解体・再利用と建築補助材とでもいった位置にある木材です。そのため繰り返しの使用にある程度耐える強度・耐久性があり値段は他のものより安いですが表面の見栄えなどは度外視。DIYでもコンクリートを使用する場合の枠板として使うのがベストな選択。それには以下のような重要な理由もあります。
おすすめの用途は屋外用
コンパネを室内の家具などに使うのはおすすめできません。その理由は耐久性や水に強いなど良い問題ではなく、建材用ではなく工事用合板なのでホルムアルデヒドの含有量など無視されているため。コンパネを使用した物を長く室内に置きつづけると体への影響が心配となってくるでしょう。
DIY用木材の種類と選び方ヒント5.ベニヤ板
ベニヤ板は合板の元と考えよう
ベニヤ板を説明するのに一番わかりやすいのが大根のかつら剥きでしょう。丸い木材をできるだけ薄く、ロストする部分がなく使うためコストも安く仕上がる木材です。これだけで使うこともできますし、重ねて層にして接着すれば厚みのある合板を作ることができる素材。
ベニヤ板は加工しやすい
この木材の特徴として薄いためとても加工しやすいことがあげられます。最近はDIYでも電動工具がないと作業が進まないというお悩みもありますが、ベニヤ板であればのこぎりとかなづち、小さな釘で作品づくりもできるでしょう。
おすすめ用途①間仕切り
ベニヤ板だけでは強度や見た目の良さは期待できないため、DIYではその上に何か貼るなどとして作品作りするのがコツ。たとえば100均などで売られているリメイクシートを貼り付けて間仕切りや棚の背面板として活用するのが使い方例のひとつ。
おすすめ用途②風よけ・目隠し
もうひとつ安くてサイズが大きいメリットを利用した裏庭の風よけや目隠し用の囲いとして使ってみてはいかがでしょうか。手動の道具でもカット・打ち付けが容易であるため、そのほかにも見た目度外視の広範囲での木材使用の場面などで使えるはずです。
DIY用木材の種類と選び方ヒント6.合板
ベニヤ板を貼り合わせたものが昔からある合板
合板といえば何層にも薄い板が貼り合わせられているものをイメージされる方も多いでしょう。昔からある合板のスタイルです。薄いベニヤ板を接着剤によって層に貼り合わせたもので、板厚が出ることによりより強度・耐久性がアップしています。またベニヤ板だけでなく中間層にチップを固めたものを使用することで、さらに安いコストで柔らかく(または硬く)加工しやすく仕上げた合板もあります。
注目されるもうひとつの合板OSB材
一枚の薄いベニヤ板を合わせた木材で合板という呼び方でしたが、最近はOSB合板というチップを接着剤で圧着して板状にしたものもおしゃれなDIY用木材として話題になっています。どちらの合板も圧力を掛けて接着しているのでその強度・耐久性、接着剤によっては防水・防虫とさまざまなメリットがあるものも多いのが特徴。
特徴は木目や色など選べること
合板は材料によってその木目であったり色などの種類が豊富です。〇〇合板と材料名を頭につけたものも売られているので、用途によってニュアンスを合わせたり逆にいろいろな色や木目のものを使ってモザイク的な使い方と幅広くアイデアが広がるのが特徴であり良いところでしょう。
合板のサイズ規格
板を貼り合わせて作るという制作方法のためサイズを規格により合わせることが可能となっています。一般的に売られている合板の大きさは910mm×1820mm(ツーバイ材と合わせやすいサイズ)・1220mm×2430mm(床から天井までに合わせやすい壁材サイズ)と大きさからも手軽に加工しやすい用途が見えてくるのも特徴でしょう。
おすすめの用途は木目を活かした小物作り
合板もベニヤ板のあのお世辞にも美しい木目とはいえないザラザラとしたささくれた表面のものから化粧ベニヤなどを一番外側におき見た目や使いやすさがアップしていたり、OSBのように今までにない木材の美しいデザインを作り出したものとさまざま。使用する合板に合わせておしゃれな小物作りから棚の背板などあまり見えない部分まで幅広く活用できるでしょう。
DIY用木材の種類と選び方ヒント7.カット材
100均などにもある安い木材
カット材とはある程度の長さに切られた状態で売られている木材。100均などで安価で手に入ります。店にもよるため一概には決めつけられませんが、100均では小さめで薄めのもの。ホームセンターではある程度の厚さがあり長さが短いものが多いという傾向が高いです。欲しいサイズが見つからない場合は両方ハシゴしてみるのもおすすめの選び方。
サイズは小さく加工しやすい
サイズはお店ごとに違いがあるようですが、一例としてセリアとダイソー製品をご紹介。セリアは9mm厚で長さ450mmの幅違いバリエーション。ダイソーでは長さが400mmで統一されており厚みが6・9・12と3パターン・幅は60-150の4パターン用意されています。どれも同じ店で買い集めるならば小物づくりには統一性があって加工しやすいものといえるでしょう。(2020年9月19日現在の調べ)
おすすめ用途は子供の工作から小物作り
フィギュアやおもちゃなど比較的軽いものを乗せる飾棚やゴミ箱・ドールハウスや子供の夏休み工作など1枚あたりの単価が安く、手軽に同じサイズの板が必要数買い求められて使い勝手が良いのがこのカット材の特徴です。
DIY用木材の種類と選び方ヒント8.古材
古材は古い木材のこと
ホームセンターなどで常時売られているものではありませんが、市販されている材木に古材があります。古材にこだわった家具作りをされている方もいるほど根強いファンがいる木材。古材として価値があるくらい木の質が良い・珍しい・もともとは高額のものが安いといろいろなメリットがある材木です。
多くは取り壊した家の柱などの角材
古材として人気があるのはどうしても高い無垢材の柱など高額な木材のリサイクルですが、床や壁などに使用されている板材も古材として出てくることも少なくありません。新品ではないことが前提ですのでいつでも手に入るものではない・すでにカット使用されたものを解体した状態で売られているのでサイズがまちまちの場合も多いでしょう。
新品の無垢材よりも値段が安い
サイズがなかなか選べない・欲しいときに手に入るとは限らないというデメリットもあるものの高価な無垢材の柱が安い値段で手に入るのはとても魅力的でしょう。表面の木目も焼けた色あいも魅力ですがカンナをかければきれいな面も出てきます。
おすすめ用途は家具や家の補修・作成
DIYへの用途としては大きなサイズの物作りに向いているでしょう。家具であったり古材にこだわって手作りの家づくりをされている方もいらっしゃいます。安いといっても合板などの値段と比べると新品の無垢材よりも安いという価値観なので、それなりの作品に使用しないと値段と作品のバランスが合わないということも。手軽に使うというのはなかなかに難しいですが、こだわりの作品づくりには是非活用して欲しい木材です。
まとめ
安い・加工しやすい・おしゃれな木材でDIY!
足早ではありますがDIYで使える木材の種類を8つ見ていただきましたが、いかがでしたでしょうか。いつもホームセンターや100均などで同じ材料しか使ったことがないという方もいらっしゃると思いますが、いつもとは違う素材が手に入るとまた違ったアイデアも湧いてくるもの。それぞれの材木の耐久性や加工しやすさ等に合わせた用途もヒントにしてぜひ素敵な作品づくりにお役立てください。
DIYが気になる方はこちらもチェック
木材はある程度サイズ規格があるので作品づくりなどに加工しやすいというメリットがあります。しかしたくさん種類があるのが初心者には悩ましいところではないでしょうか。DIYが気になる方はこの他の木材記事についても是非チェックを入れてみてはいかがですか。
SPF材とは?DIYでよく見かける2×4材の基礎知識と良質な木材の選び方!
2×4工法にも良く使われるSPF材は、大手ホームセンターなどでも手軽に購入できます。SPF材は、価格も安くDIYには最適な木材です。材質もや...
人工木材を買う前に!特徴・選び方・知っておきたい基礎知識!
最近は人工木材でできた商品を目にする機会が増えました。自宅の庭にウッドデッキやフェンスを設置しようと思ったとき、人工木材と天然木で作られたも...
ダイソーの木材が安くて便利!100均木材の種類やDIYでの活用事例をご紹介!
今やありとあらゆる物が揃う100円ショップ。代表格のダイソーにもさまざまな商品があります。そのダイソーにある木材を使って手軽にDIYを楽しむ...