人工木材とは
木材・プラスチック再生複合材
人工木材とは、主に木材・プラスチック再生複合材(WPRC)のことをいいますが、メーカーによってはメーカー独自の素材を原材料として製造するほか、混合による配合の比率もさまざまです。また、人工木材の呼び方として、「人工木」、「樹脂木」、「再生木」、「合成木材」などの呼ばれかをすることもあります。これらは、すべて同じ人工木材のことを表しています。
公共工事でも多く利用
人工木材の原材料は主に、リサイクルされた木質原料やプラスチック原料などの樹脂で、それらを人工的に加工し、混ぜ合わせることで新たな部材としています。 また近年では、この人工木材が家庭用のウッドデッキやフェンスなどのエクステリアとして加工利用されるほか、教育施設や公共施設でも多く利用されています。
おおよその価格は
ウッドデッキ用の部材として、パネルであれば一枚の価格は数百円から購入できます。また、ウッドデッキの床材などの部材は、おおよそ3,000円前後〜1万円前後の価格で販売されています。さらに、ウッドデッキを作るためのキット組になったものが、おおよ10万円前後くらいの価格です。人工木材の価格は、使われている原材料や配合の比率によって差がでます。
人工木材の特徴
長期に劣化しにくい
人工木材は、木質原料とプラスチックを混ぜ合わせて作られていることで、木材としての良い面とプラスチックとしての良い面の両方の良さを引き出しています。そのことから部材としては強度や耐候性、安全面などでも高く評価されています。また、メンテナンスにおいても、簡単なお手入れをするだけで長期に劣化しにくいという特徴があります。
加工作業ができる
人工木材は、天然木を加工するのと同じように、家庭にある一般的なノコギリで切断することも可能です。あまり切断して使うイメージはないかもしれませんが、原材料は木材とプラスチックなので、簡単に長さの調整や曲線などの切断加工も可能になります。このように手軽にDIYできるのも人工木材の特徴です。
価格はやや高め
人工木材は、安価で手軽に購入できる天然木(ソフトウッド)に比べると価格はやや高めです。ですが、長い目でみてメンテナンスの必要性や耐久強度を考えた場合に、長期コストが抑えられるという特徴があります。そのような点から、人工木材は選ばれているのではないでしょうか。
人工木材の種類
大きく分けると3種類
人工木材の種類は、使う原材料の違いによって大きく分けると3種類に分けることができます。 ○最も多い、廃材などの木粉と樹脂を混ぜ合わせて成形したもの ○樹脂のみ(ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂など)を原材料に成形したもの ○廃材などの木粉や樹脂以外のメーカー独自の素材などを原材料に成形したもの また、これらの木粉や、混ぜ合わせる樹脂の種類によっても、仕上がりに違いがでます。
配合の比率による違い
そして、原材料となる木粉や樹脂などの配合の比率にも違いがあります。配合の比率での大きな違いは、強度と質感です。木粉の比率が高いものは、より天然木に近く、木の質感が強くなります。それに対して樹脂の配合が高いものは、強度がしっかりとした仕上がりになります。また、あまり安価な人工木材では、劣化の早い竹粉などを混ぜ合わせていることがあるので注意しましょう。
仕上げ加工による違い
さらに表面の仕上げ方法では、リブ加工、エンボス加工、サンディング加工などがあります。 ○リブ加工は、表面に溝やギザギザの加工を施したもの。これにより強度が増し滑りにくくなります。 ○エンボス加工は、表面に凸凹の加工を施したもの。これにより見た目がより木目に近くなります。 ○サンディング加工は、表面を研磨する加工のこと。サンドペーパーで削り、木目の雰囲気をだしています。 このように仕上げの加工方法で人工木材の特徴や見た目にも違いがでます。
人工木材のメリット
人工木材の強度
人工木材のメリットは、その強度です。人工木材は原材料に樹脂を混ぜ合わせることで、耐久性や耐候性に優れ、部材自体が腐りにくくなっています。そのため白アリによる被害が激減し、雨風や湿気にも強いというメリットがあります。このことで、メンテナンスの必要がなくなり普段のお手入れも楽ちんというわけです。また、ささくれができることもないので、子どもの怪我防止にも人工木材はおすすめです。
人工木材の見た目
人工木材は見た目にも、色あせや腐朽による劣化がしにくいことから、数年ごとの防腐剤などの塗り直しによるメンテナンスは必要ありません。また、人工木材は万が一、表面に小さな傷がついてしまっても、サンドペーパーで軽くこするだけと、ちょっとしたDIYですぐに修復できてしまいます。人工木材は、木の質感を残しつつ見た目が劣化しないというのもメリットのひとつですね。
人工木材のコスト
人工木材はここまでで述べたように、強度に優れ、見た目が劣化しないというメリットがありました。そのことが、長期的に使用した場合のコスト削減につながるのではないでしょうか。また、人工木材を購入する際も、インターネットで簡単に注文でき、メーカーによっては、自宅で簡単にDIYできるように組み立ての加工が施してあります。自宅でDIYすれば、施工会社に依頼する費用が掛からなくて済みますね。
人工木材のデメリット
人工木材の性質
人工木材はメリットだけではありません。嬉しくないデメリットも存在します。それは、人工木材に使われる原材料にあります。なぜなら樹脂を原材料とすることで、夏は熱く冬は冷たいというデメリットがあるのです。 特に、真夏の直射日光を浴びた人工木材の表面は、素足では歩けないくらい熱くなることがあります。それによる注意が必要です。また、水を吸収しにくいので、表面が濡れてしまうと滑りやすくなるので転倒にも注意が必要になります。
人工木材の質感
天然木に比べると木のぬくもりや風合いが劣るというデメリットもあります。やはり人工的に作られた部材ですので、天然木からでる自然の風合いにはかないません。そのため昔ながらの自然の温かみのある質感を好む方は、天然木の方がおすすめかもしれませんね。
人工木材のメンテナンス方法
汚れた場合のメンテナンス方法
普段のお手入れ方法は、軽く水拭きするだけです。これだけで人工木材はきれいな状態を維持することができます。また、長い時間かけて汚れが蓄積されたような場合でも、ウッドデッキに直接水をかけ、デッキブラシなどでこするだけで、特に洗剤など使用しなくても汚れを落とすことができます。
傷がついた場合のメンテナンス方法
傷がついた場合のメンテナンス方法は、削って気になる傷をなくす方法です。サンドペーパーでウッドデッキの木目に沿って、傷を直接こするだけです。傷がついた部分だけ少し削ってあげると、傷ができる前のきれいな状態に戻すことができます。
人工木と天然木の違い
人工木と天然木の違い①|価格
まずは、天然木にはヒノキやスギなどのソフトウッドと、ウリンを使ったハードウッドと呼ばれるものがあります。人工木材と、これらの天然木との価格を比較してみましょう。 価格が手頃なものから、天然木ソフトウッド→人工木材→天然木ハードウッドの順で価格が高くなります。人工木材の価格は中間に位置し、長期使用にも向いています。
人工木と天然木の違い②|強度や耐候性
強度や耐候性の面から比較すると、ヒノキやスギなどのソフトウッドは、強度や耐候性は弱いです。ウリンなどのハードウッドは衝撃や白アリに強く腐朽しにくいのが特徴ですが、定期的に防腐剤のメンテナンスが必要となります。人工木材は、強度や耐候性があり、メンテナンスはほぼ不要となります。
人工木と天然木の違い③|加工のしやすさ
加工のしやすさでは、ヒノキやスギなどのソフトウッドは、その加工のしやすさからDIYでもよく利用されています。人工木材は、天然木と同じようにカットから穴あけなどの加工作業も可能で、薄いものは曲げて使用することも可能です。そして天然木のハードウッドは固く加工はプロでも難しいほどなので、とてもDIYには向きません。
人工木と天然木の違い④|性質や質感
人工木材が夏は熱く冬は冷たくなるのに対して、天然木は熱を吸収してくれるので、人工木材ほど熱くなりません。また、質感も天然木のほうが自然の風合いがあり、日本人に向いているということもあります。人工木材を考える際はどの程度、木の質感を残したいかも考えるといいでしょう。
人工木材の選び方
人工木材の質感から選ぶ
人工木材を選ぶ際に参考にしてほしいことをまとめています。まずは、人工木材をどこで何に使うのか。ウッドデッキかフェンスか、もしくはそれ以外の用途かなど。それによって、人工木材の原材料や加工の違いからどのような質感のものがいいのかを考えましょう。
加工や施工のしやすさから選ぶ
人工木材には簡単に繋げるだけの手軽なものから、DIY上級者が組み立てるような部材までさまざまあります。どの程度のDIYまで組み立てることができるのかで、比較的簡単なキットになったものやジョイント式のものまで自分に合ったものを選びましょう。また、選ぶ際は形状やサイズもしっかり確認した上で選びましょう。
原材料や価格を調べる
長年使うものなので、人工木材の部材に使われている原材料や人工木材の価格にも注意が必要です。配合の比率や安価過ぎてはいないか?なども気をつけて見ておくとイメージ通りの人工木材を選ぶことができるのではないでしょうか。
人工木材の使用上の注意点
施工の際の注意点
ウッドデッキなどを自分で組むときの施工を行う際の注意点です。手には軍手をつけ、足には怪我を防止するように靴を履きましょう。また、人工木材でウッドデッキやフェンスを組む場合は、組み始めると途中で違っていた場合も、簡単にはやり直せないので、説明書にしっかり目を通し、手順通りに組んでいきましょう。
幅に余裕をもたせる
人工木材は、原材料に樹脂が含まれるため、樹脂の性質から熱や湿気などの影響で部材が伸び縮みします。ウッドデッキやフェンスを自宅で組む場合は、取扱説明書に沿って、幅に余裕を持たせて施工することが大切です。
使用中の注意点
人工木材を使用していく上で気をつけたいことは、人工木材の表面が熱を吸収するということです。そのため、熱を持つと困るようなものは人工木材の上で使用するのは避けるほうが良いでしょう。また、人工木材は可燃性なので火は使わないようにしましょう。
人工木材のまとめ・評価
人工木材にはさまざまなメリットやデメリットがありました。使い方次第では、とても利点の多い部材ではないでしょうか。また、ウッドデッキなどが簡単に組み立てられるキットになった商品やパネルなど、自宅でも簡単にDIYができるようになっています。まずは、そちらから選んでみるのもいいですね。
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