はじめに
家で飼える猿の種類は?飼育方法も解説
猿のなかまは昔から見世物やペットとして長く人の近くにいる動物。賢くて人の言葉や顔色を理解して教え込めば芸もしますので小さいサイズの猿であればプロでなくても手乗りくらいはできるようになるものも少なくありません。その可愛い姿は多くの人を魅了し続けています。今回は小さいペットとして飼いやすい猿の種類とその性格や特徴・値段をご紹介しつつ、はじめての方でもわかりやすい飼い方を解説していきましょう。小さい猿を飼ってみたいと思われている方必見です。(値段は2020年9月18日現在のペットショップ価格を参考としています)
ペットにおすすめ!可愛い猿の人気種類1.リスザル
猿といっても見た目や大きさはバラバラ。飼ってみたいお好みの猿はもう見つけていますか?まだどの種類にするか決まっていない方は見た目だけでなく人になつきやすいか・性格は大人しいの活発かなどいろいろな面からこれは!という一匹を見つけてみましょう。人気の飼いやすい小さい猿の種類と特徴・性格・買う時の値段目安からまず御覧ください。
リスザルの特徴・性格
小型の猿といえばリスザルはペットとして多く流通されており、飼われている方も多い人気種。賢い猿の中でも特に頭がよくきちんとしつければ人との生活にも問題なく慣れてくれるでしょう。少々活発な面がありますがいたずらなのではなく体を動かすのが大好きな性格のせい。年齢を増すと共にだんだんと落ち着いてきて大人しくなってくるものが多いです。
リスザルの値段目安
リスザルの中のコモンリスザルという一番多く流通している種類で販売されている値段は50-70万程度。珍しいものになると100万近くになる個体もいます。平均して少し高めな子犬や子猫と同程度と考えるとよいでしょう。
リスザルの飼育で気をつけること
リスザルは小さな猿の中では個体数が多く手に入れる方法も多くて、ペットショップの他ブリーダーさんや里親募集などでも取引されています。まず確認して欲しいのはワクチン接種は済んでいるかということ。人に影響する病気を持っているものもいるため、購入したらすぐに動物病院へれていき検査する必要もあるでしょう。安心して長く飼うためには定期的な検査もお忘れなく。
ペットにおすすめ!可愛い猿の人気種類2.スローロリス
スローロリスの特徴・性格
ご覧のようにくりくりとした大きな目が特徴的な小さな猿の種類。しっぽは非常に小さいためほとんど目立ちません。その性格は名前に表されており、英語名のスローロリスとは動きがゆっくりな道化者・インドネシア語でこの猿を指すマルマルは引っ込み思案・内気な性格という意味を持ちます。
スローロリスの値段目安
スローロリスはペットショップでも扱いがありますが、レアなので100万程度を値段の目安としておきましょう。
スローロリスの飼育で気をつけること
この猿はとても大人しく動きもゆっくりで攻撃的な面を持っていないため脇から臭いを分泌してそれによって他の動物から体を守るという性質を持っています。家で猫などを飼っているとそのにおいのせいで寄り付かなくなってしまったというくらい動物を忌避する効果があるようです。恐怖や驚きによってよりこの臭いを強くする行動にでますのでストレスを与えないよう気をつけましょう。
ペットにおすすめ!可愛い猿の人気種類3.マーモセット
マーモセットの特徴・性格
南米原産でとても小さいサルとして有名です。ピグミーマーモセットは最近まで世界最小と呼ばれていましたが現在の最小種類はピグミーネズミキツネザル。それでも体長10cmほどと軽く手乗りにできるくらいの可愛い姿をしています。流通が多く手に入りやすいコモンマーモセットはもう少し大きくて20-25cmくらい。マーモセットは全般的に少し神経質な面があるといわれるのでストレスには気をつけてあげてください。
マーモセットの値段目安
マーモセットの種類の中ではコモンマーモセットが日本でもペットとして流通しています。値段は50万程度で高いものであれば80万以上するものもいるようですが、比較的買い求めやすい値段の珍しい小さい猿といえるでしょう。
マーモセットの飼育で気をつけること
寒さに弱い種類の猿ですので家の中でも温かい日なたにケージを置く・エアコンで室内温度をいつも調整できるようにする・ライトで温かい場所と涼しい場所を作ってあげて猿が自分の意思で移動できるように工夫してあげるという飼い方が必要となってきます。
ペットにおすすめ!可愛い猿の人気種類4.ニホンザル
ニホンザルの特徴・性格
ニホンザルは日本の固有種。動物園や野生にも多く存在しますので、ご覧になったことがある方も多いでしょう。中型程度まで成長する種類。顔と臀部は無毛ですがそのほかの部位には長めの毛が生えていてふっくらとした体つきに見えるのも可愛いところですね。群れで生活して強いボスに従うという社会性を持っているのは有名。とても頭のよい種類でしつけはもちろん、簡単な芸も覚える個体もいるといわれます。
ニホンザルの値段目安
ニホンザルは猿を扱うペットショップであれば時々入荷が確認できます。価格は他の猿よりも少し安めで、30-60万程度で取引されているようです。
ニホンザルの飼育で気をつけること
ニホンザルを家で飼育する場合は許可を取る必要があります。届けは都道府県に対して行うためそれぞれのお住いの地域のしかるべき施設へお問い合わせください。下記に東京都の場合の届けの出し方や必要な動物一覧などのページをリンクしてありますので、他府県の方もどのような手続きが必要か参考になるでしょう。
ペットにおすすめ!可愛い猿の人気種類5.フサオマキザル
フサオマキザルの特徴・性格
フサオマキザルは南アメリカの猿でとても頭が良いのが特徴です。日本名の由来は顔の両側に黒い房毛があることから来ています。非常に知能が高いため南米の類人猿またはチンパンジーと呼ばれていて、他の猿と共同生活を送ったり中にはマーモセットの子ザルを飼育するフサオマキザルも野生で観察されるほど文明的で人に近い思考能力を持った猿と言われています。
フサオマキザルの値段目安
フサオマキザルがペットショップで販売される時の値段の目安は100万円前後となっています。これは人気の猿ということもありますが、フサオマキザルが2年に1度たった1頭しか子供を産まないという生態にも理由があるのかも知れません。
フサオマキザルの飼育で気をつけること
フサオマキザルの飼育は人の子供を扱うような感覚でおこなうと良いでしょう。実際その程度の知能はあって道具を使う・人の行動を見て学習するのは個体差なくほとんどのこの種類の猿ができることといわれています。そのためケージの鍵を開けて脱走するケースも。昨日はできなかったのに今日は出来ているということもありますので、彼らの知能には十分注意をして危険排除や対策をしてあげてください。
ペットにおすすめ!可愛い猿の人気種類6.ショウガラゴ
ショウガラゴの特徴・性格
ショウガラゴは見た目が他の猿とは大きく変わっているアフリカ大陸に住む種類。大きな耳が愛らしいですね。愛称はブッシュベビー(またはブッシュベイビー)と呼ばれていて小説やアニメーションにもこの猿が登場したりモデルにして描かれることも少なくない可愛い姿をしています。野生の猿でも人が異臭と感じる臭いはほとんどなくそれもペットとして人に好かれる理由。人を怖がらないことが多いので肩に乗ったり手乗りをして餌をもらったりとなつきやすいのも特徴です。
ショウガラゴの値段目安
ショウガラゴはペットとしての取引規制が霊長類の中でも比較的ゆるい方で、日本でも手に入れるのにはそれほど大変なものではありません。値段は20-50万ほどで比較的高くなることはないといわれています。
ショウガラゴの飼育で気をつけること
大きさはコモンマーモセットと同じくらいの小さい猿で、そのためかとても臆病で特に音へは強い恐怖を感じている反応を示します。大きな耳をくしゃくしゃと丸めるのが音がうるさい!というショウガラゴのストレスサイン。掃除機の音ですら嫌いますのでできるだけテレビもラジオもない静かな環境にケージを設置して、掃除をするときは別室に移動させるなど音に対して充分に対策してあげてください。
【ペット】小さい猿の飼い方1.用意するもの
ケージ
猿用のケージは鳥かごが向いているといわれます。体が大きめなものはその中でもオウム用や多頭飼い用の大型のものがおすすめ。中にとまり木なども設置することを考え十分なサイズのケージを選んでください。
運動不足解消にとまり木
ケージの中にぜひ入れて欲しいのが猿が捕まって運動したり、時々かじったりするとまり木となる枝。かじることを前提として考え安全な品質のもので消耗品と考えて購入しましょう。
給水器とエサ箱はケージの外に

マーモセットやショウガラゴのような小さな猿でも運動量が大きな動物。できるだけ広いスペースを取るためにケージの外に給水器やエサ箱を置いて手を伸ばして取るようにしてあげるのがおすすめ。子ザルでも取りやすいようにあまりエサ箱は高さのないものがよいですね。
保温器具
アフリカや南米など日本よりも温かいところで生まれた子も多いです。特に日本の寒い冬はこごえて可愛そう。エアコンを24時間付けられないというご家庭ではその代わりに保温用の器具を設置して温かい場所を作ってあげてください。
小さい猿への首輪はよく考えて
猿に首輪をしてリードを付けることは飼い主さんの中でも事故などの危険性が高いがやんちゃすぎるので仕方なくやっているという方がほとんど。動き回るうちに首輪がひっかかり首が締まってしまうからです。できるだけ首ではなく胴に付けるタイプを利用してリード活用し、リードも胴体につけてあげましょう。
【ペット】小さい猿の飼い方2.エサ
小さい猿のエサは
猿の販売をしているペットショップでは猿用のフードが売られているでしょう。また引き渡しまでそこで食べていた餌から最初にはじめるのはどんな動物の場合でも応用できる餌やりのコツ。月齢(年齢)に合わせたバランスを考えた餌やりをしましょう。
エサの回数と与え方
餌は人と同じ日に3回程度が目安。便の様子を見てゆるい場合は食べすぎですので2回にしても。人のようにきれいに食べるというお行儀の気持ちはないので、散らかるものと考えて掃除をしやすくすぐ取り替えられるシートなどの上で食べさせるとペットまわりの悪臭対策にも役立つでしょう。
タンパク質を積極的に摂取させる
こちらでご紹介している猿の多くは新世界ザルという大きな分類でタンパク質の必要量が猿の中でも多いものです。たとえばゴリラが食事の10%のタンパク質量で良いところリスザルは25%摂らなければいけないといった具合。またビタミンD2を食事に混ぜられないのでビタミンD3で代用するなど口に入るものに対して気を使う必要がでてくるでしょう。
【ペット】小さい猿の飼い方3.臭い対策
猿はトイレのしつけができないペット
動物を飼うときに気になるのがその臭いですね。猿はトイレのしつけができません。そのためケージの中でトイレをしてから外に出すなど、飼い主がニオイ対策をしやすいように工夫するのが一般的なやり方です。
臭いのない種類でも排泄物はくさい
スローロリスのように猿そのものが臭うものとショウガラゴなどほとんど臭いが無いものと種類によって変わってきます。しかし体はにおわなくても排泄物などが付着して不潔になれば異臭がするのは仕方ないこと。猿に限らずケージやトイレの掃除や体に付着していないかのチェックなどの異臭対策は飼い主さん本人次第といえるでしょう。
【ペット】小さい猿の飼い方4.健康管理
ペットのクル病に注意
ビタミンDは日光に当たるとできるビタミン。サプリメントなどでも摂取できますが、前述の餌のところでもご紹介したように新世界ザルはとても多く必要とします。不足するとクル病という骨が変形する病気になってしまいます。
紫外線ライトで対策
餌によるビタミンD摂取・日光浴がクル病対策には必要とされていますが、窓際は寒い・外の騒音でストレスになるなどなかなか日当たりのよいところにケージを置けないケースも出てくるでしょう。そういった場合は紫外線ライトを設置して積極的に照射させるようにしてビタミンDを生成させてあげてください。
猿を手乗りにするには
人気の猿のペット。小さいものが良いという理由に手乗りにしたいからという方も多いでしょう。サイズによってはできないものもありますが、小さなうちから飼えば温厚な種類なら手乗りで餌を与えることだって可能です。
手乗りにおすすめな種類
小さくて人を怖がらないのが手乗りに向いています。今回ご紹介した種類の中ではマーモセットやショウガラゴなどは大きくなっても20cm程度ですので、幼体のうちは十分手乗りできる大きさといえますね。
手乗り動画をチェック
こちらの動画ではショウガラゴの赤ちゃんが手乗りでミルクをもらっている姿を見ることができます。この猿の大きさなどを知ることできてとても参考になるものでしょう。
まとめ
可愛い猿を家で飼いたいならペット向きの種類がおすすめ
人気のペットとして飼える猿の種類や飼い方をご紹介してきましたがいかがでしたか?猿は家庭で飼育する場合届けが必要であったり、人に病気をうつす(またその逆も)あるため定期的な検査も必要となってきます。しかしそれを差し引いても余りある賢さと人になついたり芸を覚えたりと可愛い姿を見せてくれる動物です。臭いやストレスによる大きな鳴き声など自分や家族・ご近所などまわりの方々・猿自身のことも十分考慮して楽しくペットとお付き合いしていきましょう。
家で飼える動物の値段等気になる方はこちらもチェック
珍しい動物を家でペットとして飼いたいなら気になるのがその飼い方や値段ではないでしょうか。暮らし~のでは猿の他にも家で飼育可能な動物の値段や飼い方講座記事をご用意しています。気になる記事があったらぜひクリックしてみてくださいね。