ツーリングにおすすめの景色:はじめに
セクシーな絶景ワインディングロード、遠くまで見通せる尾根道、自然が放つ鮮やかな色彩など、ダイナミックな景色に心を揺さぶられるバイク乗りは多いことでしょう。ロングツーリングではありふれた景色に故郷のにおいを感じることもあります。時間をかけて楽しむ目的地より、一瞬で通り過ぎる景色のほうが鮮明に残るのはツーリングならでは。旅は快適さをそぎ落とすほど目的地より過程が重視されます。
私がツーリング先で感じることっていったい…
実は私、おすすめのツーリングスポットをまとめる記事を書くのが苦手です。何度か書いてはいるものの、読み返してみるとその魅力的を的確に伝えられていないような…。ツーリングスポットを紹介する記事はトラベル系ライターさんには敵いません。では、私がツーリング先で感じていることって何なのでしょうか?どうも!暮らし~のでライターをしておりますhosokawa_takaです。
ツーリングで目的地を決めない私
初心者時代から目的地を決めずにツーリングをする私、たまたま絶景スポットを見つけてもどこだったのかを記憶しておらず、再度訪れることはありません。景色に見とれて写真を撮り忘れることも多々ありますし、迷子になった末に気持ちいい道を見つけることも…。では本題!ここではツーリングと景色の関係について語ります。なお、この記事は2020年8月12日現在の私の心境をもとに作成しますことをご了承ください。
ツーリングにおすすめの景色:海
私が住んでいるのは海に面していない奈良県です。そのためか、衝動的に出発するツーリングでは海を目指します。よく行くのは航続距離が短いXR250でも無給油で帰宅できる海岸です。短距離でもロングツーリング気分を味わえます。海が見えた時に「海や~」とつぶやくのは奈良県民の習性とのこと。東大寺やならまちの歴史的な価値は認識していますが、自宅から歩いていける気軽さがありがたみを半減させています。
ツーリングで初めて見た海
初めてのツーリングで見た海の景色は今も脳裏に焼き付いています。当時の紀伊半島の三桁国道は道幅が狭く、うねうねと曲がりくねり、行けども行けども山の緑と空の青。延々と続くアクセスルートが行く手を阻みます。しかし、トンネルを抜けたとたんに長くダラダラと下る坂道に変わり、少し視線をあげると水平線が見えました。白波が立つ海はキラキラと輝いていて、陰鬱な私は恥ずかしさを感じたのです。どこの下り坂ですかって?教えません。
ありふれた景色にも心を揺さぶられる
ツーリング初心者だった私は海を見ただけで満足できました。浜を歩くと潮の香りが満ちあふれ、奈良では感じられない濃密な風が吹いています。普段の生活にはない景色がツーリングをバイク旅へと昇華してくれたのです…いやいや、ちょっと待って!実際は文字で記すほどかっこよくありません。地元の人にとってはありふれた日常の景色でしょうし、穴場なツーリングスポットでもないのです。
ツーリングにおすすめの景色:穴場
私はツーリング初心者だった頃から人出が多い観光地が苦手でした。観光客だけでなく、バイク乗りがたくさん集まってくる場所も苦手です。景色を独り占めしたいからという独占欲が原因。景色が絶景でも人がたくさん集まってくる場所では興ざめしてしまうのです。当然ツーリングは穴場狙いとなります。おしゃれなバイク用ウエアを着ている集団に劣等感を持ってしまうから?実はそれもあります。
たまたま見つけた誰もいない岬
北海道のとある岬を訪れた時のこと、たまたま観光バスのお客さんが到着したところらしく、一人で景色を噛みしめられる状況ではありませんでした。観光名所だから一度くらいは…と思って立ち寄ったのですが、私にはざわついた空気が耐えられなかったのです。とある岬を後にし、荒涼とした気持ちいい道を走ると、灯台がぽつんと立っている岬を見つけました。人出が多いとある岬と違って、その岬にいるのは私だけです。
バイクは穴場探しが得意な乗り物
バイクは土地の空気を鋭く感知できる乗り物で、穴場スポットのにおいをキャッチするのに適しています。適当にうろついて穴場の景色を見つけられる機動力もバイクならでは。私はその岬に誰もいないことをいいことに、ロールマットを出して灯台を眺めながら昼寝をしました。その灯台はグーグルマップの口コミ数も少ないので、今もひっそりとたたずんでいることでしょう。えっ?なんという灯台ですかって?教えません。
ツーリングにおすすめの景色:自力で探す
私は穴場のツーリングスポットを探すのにグーグルマップを活用しています。おすすめのツーリングスポットを紹介するときには口コミ数が多く評価が高い場所を選び、周辺の気持ちいい道もチェックします。しかし、ツーリングの計画を立てるときは口コミ数が少ない場所を選ぶことが多いですね。評価の高い低いは問いません。その場所が私の心を揺らしてくれるかどうかは行ってみないとわからないからです。
口コミ数が少ない穴場を狙う
グーグルマップの口コミ数をチェックするのは混雑具合を把握するためです。マスツーリングで定番スポットを組み込むときには口コミ数も評価も多い場所を選ぶべきでしょうが、一人で景色を噛みしめるには誰もいない場所に行きたくなるのです。そうやって探した穴場スポットは「おすすめツーリングスポットの記事にはかけないなぁ」という場所が8割、通行止めが1割。しかし、残り1割の確率で穴場のツーリングスポットを見つけられます。
日頃から穴場探しに余念なく
ハズレが多いのなら候補をたくさん上げるのが正攻法。グーグルマップで見つけた穴場のツーリングスポットは「カラーノート」というメモアプリにどんどん蓄積していきます。グーグルマップの共有ボタンを押し、カラーノートを選択するだけでURLを残せるのです。この尾根道は気持ちいい道かも!ここから夕陽が見えるのはこの方向かな?航空写真や地形をチェックし、そこに広がる景色をイメージするのも楽しいですね。
ツーリングにおすすめの景色:気持ちいい道
気持ちがいい道の定義は難しいといえます。それはバイク乗りによって「気持ちいい」と感じるカギが違うためです。快走路を好むバイク乗りもいれば、景色を重視するバイク乗りもいます。私にとっての気持ちいい道はカーブ半径が小さくて高低差のある山岳路や海岸線。大してバイクの操作が上手でもないのにジェットコースタールートが好きなのです。タンデムツーリングや初心者を含むマスツーリングにおすすめできないルートばかり。
バイクの種類によって気持ちい道は変わる
気持ちいい道はバイク乗りの好みだけでなく、バイクの種類にも左右されます。私はこれまでオフロードバイクやネイキッドバイクといったフレームが柔らかいバイクばかりに乗ってきましたので、狭路を苦に思ったことがありません。しかし、フレーム剛性が高いバイクは速い速度域で長距離走行できる快走路が楽しいでしょう。気持ちいい道というキーワードで検索しても、私のXR250に合っているかどうかは別問題です。
初心者にはおすすめできない私のツーリング
誰かが気持ちいい道だと教えてくれた道路が自分にとっても気持ちいい道になりえるか?答えはノーです。気持ちいい道は自分で探すしかありません。また、気持ちいい道だという情報に惑わされ、実際に行ってみると期待するほどではなかったというケースもしばしば。「hosokawa_takaがおすすめする関西の気持ちいい道〇選!絶景の穴場ツーリングスポットは?」という記事があったとしても、すべてのバイク乗りを満足させられないことでしょう。
ツーリングにおすすめの景色:まとめ
トラベル系ライターさんはバイク乗りでは思いつけないツーリングスポットを提案してくれます。そこにたどり着くまでの過程を読み手のバイク乗りにゆだねているのもトラベル系ライターさんの特徴。また、ツーリング先で出会う景色に対する感じ方はバイク乗りの数だけあります。誰かからおすすめのツーリングスポットを教えてもらっても、あなたの心を揺らす要素がそこにあるかどうかは別問題なのです。
独占欲が強い私
私はツーリングスポットに対するこだわりが少ないかもです。誰かと同じ場所を訪れ、心の揺れを共有したいという欲求もありません。いや「この景色は誰にも知られたくない」という気持ちは強いかも…。バイクで行きたいそんな景色、あなたにもありますよね?ツーリングは場所を巡る観光旅行ではなく、自分の中を巡る旅の要素が強いのではないでしょうか
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