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スカイウェイブ250でツーリング:はじめに
スズキのスカイウェイブ250は1998年の2月に販売が開始され、2017年まで生産された250ccビッグスクーターです。ビッグスクーターでもっとも充実していると評価されたスカイウェイブ250の快適さや迫力あるシルエットは今も輝きを失っていません。中古車在庫数は比較的に多めですし、お買い得な中古車価格に注目しているツーリングライダーは多いことでしょう。
スカイウェイブ250で長距離ツーリング!
国内正規販売されるバイクのラインナップがグローバルモデルで埋め尽くされようとしている現在、スカイウェイブ250は魅力を再確認されるべき時期に突入したといえます。最新モデルのような新鮮さはありませんが、国内市場を意識した設計は快適そのもの。ここではスカイウェイブ250の長距離ツーリングクルーザーとしての素質を検証します。なお、この記事は2020年8月10日現在の情報をもとに作成しますことをご了承ください。
スカイウェイブ250の年式とモデル
スカイウェイブ250には①スカイウェイブ250(STD)②スカイウェイブ250リミテッド③スカイウェイブ250タイプS④スカイウェイブ250SS⑤スカイウェイブ250タイプSベーシックといった5つのモデルが存在します。なお、スカイウェイブ250のタイプSとタイプSベーシックは同線上にあるモデルだと捉えましょう。
タイプSベーシック(CJ46A)のスペックを検証する
スカイウェイブ250の5つのモデルの違いは用途に合わせた仕様にあり、エンジンや車体の基本構造は共通です。スカイウェイブ250の年式による違いを大まかに分けると①SOHCエンジンを搭載したキャブモデル②SOHCエンジンを搭載したFIモデル③DOHCエンジンを搭載したFIモデルに分けられます。ここでは最終型のスタンダードモデルとされるスカイウェイブ250タイプSベーシックのツーリング性能を検証しますね。
スカイウェイブ250タイプM(CJ45A)
スカイウェイブ250タイプMが独自の型式を持っているのは、7速マニュアルモードを備えているためです。CVTを介したATスクーターでありながら、疑似的なシフトチェンジを可能にしているのが特徴。カーブへの進入前にシフトダウンすれば、リヤタイヤの蹴り出し感を維持でき、車体を安定させられます。
スカイウェイブ250の車体サイズ
車体サイズのスペックを現行モデルと比較
現行モデルの軽二輪スクーターと比較すると、スカイウェイブ250の車体サイズは大柄です。ツーリングでの長距離走行で安定感を得られるサイズで、全長はアメリカンクルーザー並だといえます。街乗りでの取り回しで苦労する可能性がありますし、保管場所の余裕も必要ですが、スカイウェイブ250の大柄な車体サイズは長距離ツーリングでの疲労を軽減してくれるでしょう。
スカイウェイブ250 タイプSベーシック |
ATスクーター 軽二輪平均値 |
|
全長 mm |
2270 | 2017.2 |
全幅 mm |
760 | 746.7 |
全高 mm |
1385 | 1213.9 |
車体サイズの評価
スカイウェイブ250の車体サイズに関するユーザーレビューを確認すると、余裕あるライディングポジションに対する評価が高いですね。ス車体サイズが大柄な割に重心が低いのはアメリカンクルーザーに似ています。長距離ツーリングでの疲労は楽しさが半減しますし、安全上も問題ありです。カイウェイブ250の大柄な車体サイズは長距離ツーリングにふさわしいといえます。
シートの座る位置によってお尻の設置部分が変わりますし、ステップボードの何所に足を乗せるかでも体重の分散がかわりますので、疲れ方が普通のバイクと全く違います。
【乗り心地】これが一番気に入りました。低重心の走りは今までに感じたことのない独特の安定感と安心感があり、一日700㎞のツーリングも全然疲れませんでした。
スカイウェイブ250のエンジン
エンジンのスペックを現行モデルと比較
スカイウェイブ250には水冷DOHC4バルブの単気筒エンジンが搭載されています。現行モデルの軽二輪ATスクーターと比較するとパワフルです。現行モデルの軽二輪ATスクーターの平均値には150ccスクーターのスペックも含まれていますので参考値。しかし、エンジンスペックはホンダのフォルツァやヤマハのXMAXより高いですね。発生させるエンジン回転数は違いますが、最大トルクの数値はホンダの250ccスーパースポーツCBR250RRと同じです。
スカイウェイブ250 FI/DOHC |
軽二輪平均値 ATスクーター |
|
最高出力 馬力/rpm |
26/7500 | 17.1/7944 |
最大トルク Kgf・m/rpm |
2.5/6000 | 1.64/6139 |
エンジンの評価
スカイウェイブ250のユーザーレビューを確認すると、パワフルなエンジンが購入動機になっています。スカイウェイブ250のエンジンは回転数でトルクを稼ぎ、プーリーで加速するタイプのエンジン。通勤快速の異名を持つアドレスV125や万能ツーリングクルーザーとして人気のバーグマン200と同じ手法です。低速時のエンジン回転数が高めなことに煩わしさを感じるものの、長距離ツーリングでは心地いい加速感を得られます。
単気筒なのに滑らかによく回るエンジンにより、ビッグスクーターでも走りを楽しめます。6000~8500回転の間での力強さが良いです。
発信時に4000回転まで回るのも、トルクの太いところを使う為でしょう。(中略)よく使う回転域が元気なので面白いですよ。
スカイウェイブ250の最高速度
最高速度のスペックを現行モデルと比較
スカイウェイブ250を現行モデルの軽二輪ATスクーターの平均値と比較すると、理論上の最高速度は速いといえます。常用域で不満を感じないレベルの最高速度だといっていいですね。しかし、軽二輪ATスクーター現行モデルの平均値には150ccATスクーターのスペックも含まれています。250ccATスクーターであるホンダのフォルツァやヤマハのXMAXと比較すると、スカイウェイブ250の最高速度は低めです。
スカイウェイブ250 FI/DOHC |
ATスクーター 軽二輪平均値 |
|
最高速度1 km/h |
118.0 | 111.1 |
最高速度2 km/h |
94.4 | 86.1 |
※最高速度1:最高出力を発生させるエンジン回転数での理論上の最高速度 ※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論上の最高速度 |
最高速度に関する評価
スカイウェイブ250の最高速度に関するユーザーレビューを確認すると、不満を漏らすコメントは少ない印象を受けます。スカイウェイブ250のパワフルなエンジンは高く評価されているものの、不必要な最高速度を求めるユーザーは少なめ。スカイウェイブ250のユーザーは紳士的だといっていいですね。ちなみに、フォルツァやXMAXのエンジンは今もSOHCエンジンが搭載されています。
一般道路でも高速道路でも、常識的な速度域で乗る分には特に大きな不満はありません。
加速性能は馬力と重量を天秤にかけた予想通りのモッサリとしたものですが、このバイクにはそれ以上の卓越した優雅さがあります。
スカイウェイブ250での高速道路走行
高速道路走行のスペックを現行モデルと比較
高速道路走行を想定したエンジン回転数を現行モデルの軽二輪ATスクーターと比較すると、スカイウェイブ250には余裕があるといえます。しかし、これも150ccATスクーターのスペックを含む平均値と比較した結果。高速道路での余裕はホンダのフォルツァやヤマハのXMAXに近いといえます。最大トルクを発生させるエンジン回転数で時速100キロ巡行する設定ですね。
スカイウェイブ250 FI/DOHC |
ATスクーター 軽二輪平均値 |
|
100km/h | 6356rpm (105.9%) |
7213rpm (117.2%) |
※高速道路走行を想定した理論上のエンジン回転数 ※()内は最大トルクを発生させるエンジン回転数を占める割合 |
高速道路走行での評価
スカイウェイブ250ユーザーの高速道路走行に関するレビューを確認すると、制限速度以上には期待できないものの、常用域では不満を感じないとのこと。追い越し加速では距離を必要とするものの、快適さゆえに追い越しする気になれないというユーザーもいます。スカイウェイブ250は大人のツーリングクルーザーにふさわしいキャラクターですね。
高速での走行時に、DOHCエンジンの恩恵を感じる時があります。80㎞/hからの走りが安定してます。
一般道路でも高速道路でも、常識的な速度域で乗る分には特に大きな不満はありません。追い越しを多用したり、常に流れをリードするような運転をしたいという方には物足りないかもしれません。
スカイウェイブ250の重量や取り回し
街乗りのスペックを現行モデルと比較
街乗りでの取り回しに関するスペックを現行モデルの軽二輪ATスクーターと比較すると、スカイウェイブ250は重い車両重量が目立ちます。最小回転半径も大きいので、取り回しでは苦労するかもです。しかし、低いシート高は街乗りで魅力的。最高速度の項では「重量が重くてもっさりしている」と評価されていましたが、重量を最大トルクで割ったトルクウエイトレシオは優秀です。
スカイウェイブ250 タイプSベーシック |
ATスクーター 軽二輪平均値 |
|
シート高 mm |
710 | 773.1 |
車両重量 kg |
212 | 151.9 |
最小回転半径 m |
2.7 | 2.21 |
トルクウエイトレシオ kg/Kgf・m |
84.8 | 94.315 |
取り回しに関する評価
スカイウェイブ250ユーザーの取り回しに関するレビューを確認すると、重い車両重量にさえ慣れれば取り回しで苦労しないとのこと。重い車両重量は長距離ツーリングで安定感をもたらしますが、街乗りでの取り回しでは不安材料。しかし、スカイウェイブ250は重量が重くても重心は低いので扱いやすいと評価されています。長距離ツーリングでは市街地走行もしますので、街乗りでの取り回しは重視すべきです。
最初は少し重いかと思いましたが、慣れてしまえばどうと言う事はないですね。
身長180cmの自分には、跨ってバックしたり切り返す限りでは、足つき性も良いのであまり苦になりませんが、やはり重いですね。
スカイウェイブ250の乗り心地
乗り心地のスペックを現行モデルと比較
長距離ツーリングでもっとも重視したいのは乗り心地。スカイウェイブ250のリヤサスペンションはユニットスイング式ながら、リンク式が採用されているのが大きな特徴。路面追従性が高いだけでなく、快適な乗り心地にも大きく貢献しています。プリロード調整は7段で、初期設定値は標準の「4」。カバーを開いて車載工具で回すだけで調整できますので、荷物が多いキャンプツーリングで重宝します。
乗り心地に関する評価
スカイウェイブ250ユーザーの乗り心地に関するレビューを確認すると「乗り心地が良くて快適」と高く評価されています。現行モデルのグローバルモデルでは「硬い」と評価されがちですので、スカイウェイブ250の特筆すべき美点だといっても過言ではありません。サスペンションがソフトすぎると評価されがちですので、積極的にプリロード調整しましょう。なお、この乗り心地の良さはバーグマン200にも引き継がれています。
【乗り心地】高速道でのつなぎ目なども安定しています。
リアショックは純正出荷時の設定だと、ちょっとした段差を越える時やバンプした時にガリっとスタンドを擦ることもしばしば。
スカイウェイブ250の燃費
燃費を現行モデルと比較
現行モデルの軽二輪ATスクーターの平均値と比較すると、スカイウェイブ250の燃費は良好とはいえません。重い車両重量が原因だと考えられます。150ccATスクーターには太刀打ちできない燃費性能です。しかし、250ccATスクーターと比較するとまずまずの燃費性能。ちなみに、軽二輪ATスクーターで実燃費がもっともいいのはPCX150(43.65km/L)、燃費が悪いのはフォルツァ(26.93km/L)でした。
スカイウェイブ250 タイプS |
軽二輪平均値 ATスクーター |
|
WMTCモード値 km/L |
- | 39.67 |
定値燃費 km/L |
39.0 | 46.26 |
実燃費 km/L |
27.14 | 35.49 |
※実燃費はみんカラの数値を参照 |
燃費の評価
スカイウェイブ250の燃費に関するユーザーレビューを確認すると、不満を露呈するコメントは少なめです。これは「車両重量の割に燃費がいい」と捉えられているからだと考えられます。通勤などの街乗りでは燃費が悪いものの、長距離ツーリングではすこぶる良好!200キロを超える車両重量で40km/Lオーバーは驚異的です。これは特定のエンジン回転数で効率的にパワーを引き出すエンジン特性が原因だと考えられます。
通勤時で20前後。信号の少ない下道ツーリングで意識して走れば 44kmを記録したこともありました。高速道路での100キロ巡航となると 一気に落ちて15~20ぐらいでしょうか。
良いですね。通勤で23㎞/lを下回った事はないし、ツーリングで30㎞/l以上、最高は42㎞/lです。
スカイウェイブ250のカスタム
ツーリング派は見た目より駆動系重視でカスタム
スカイウェイブ250は高めのエンジン回転数でクラッチがつながり、プーリーで加速するのが特徴です。しかし、クラッチのつながるタイミングやローギヤード気味な変速比が好みに合わず、カスタムされる事例を多く見かけます。静粛性の高いノーマルマフラーのまま加速性を変更できるカスタムは長距離ツーリングで有効です。
ゼロ発進からクラッチミートまでの待ち時間がちょっと長い気がします。わりと高めで繋がる設定なんでしょうが、信号停車が多い市街地ではかったるく感じるかもしれません。
ハイスピードプーリーでカスタム
スカイウェイブ250でのツーリング向けカスタムにはハイスピードプーリーへの換装を検討しましょう。低いエンジン回転数で速度を稼ぐためのカスタムです。ライダーの好みに合わせて変更するのがベストですが、星野設計のハイスピードプーリーが一番人気。次におすすめするウエイトローラーも同時に変更したいですね。
ウエイトローラーでカスタム
デイトナ ウエイトローラー φ24 25g×3個
ウエイトローラーはクラッチがつながるタイミングに関わるパーツです。スカイウェイブ250はエンジン回転数を上げないとクラッチがつながらないので、ウエイトローラーの変更でクラッチがつながるタイミングを最適化します。ウエイトローラーのサイズはΦ24×18mm。25gに変更されるケースが多いですね。好みに合ったウエイトローラーを探す楽しみもあります。ウエイトローラーは消耗品ですので、交換時にカスタムするのもありです。
スカイウェイブ250でツーリング:まとめ
スカイウェイブ250は大柄で大らかなキャラクターがツーリングに適しています。軽快なハンドリングはもちろん、リヤヘビーな重量配分は長距離ツーリングで安定感を高めてくれます。特筆すべきなのは快適な乗り心地。目的に合ったスペックはてんこ盛り、合っていないスペックは大胆に切り捨てる…スズキ車ならではの味付けがスカイウェイブ250のスペックにも垣間見られます。
ATスクーターが気になる人はこちらをチェック!
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