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ミシンの糸調子の合わせ方!サッと簡単調整でおかしくなった縫い目を元通りに!

ミシンの糸調子とは縫い目のことで上糸と下糸がちょうどよい力加減で調整されていてはじめてきちんと縫えたといえます。この調整は多くはダイヤルで操作します。調子が強い弱いといったミシン糸調子の見極め方と、上糸下糸の強い弱いの合わせ方をそれぞれご紹介します。
更新: 2021年2月16日
佐藤3
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はじめに

糸調子とは?ミシンの縫い目がおかしい場合の調整

ミシンとは上糸と下糸の2本の糸が絡まりながら1本の縫い目を作っていて、そのどちらかが強い(弱い)ことで縫い目がおかしいことになってしまい、糸が切れやすかったりほつれやすくなります。

この糸調子を合わせることはミシンで縫うことの最初におこなうべきこと。うまく合わないという方へ合わせ方のコツやダイヤルでは調整できない糸調子に影響するおかしな縫い目例と直し方を解説していきましょう。

ミシンの糸調子とは

ミシンで縫えるしくみ

糸調子とは?ということを知るにはミシンで布を縫うしくみを知ることからはじめるとわかりやすいでしょう。手縫いでは1本の針とそれに通した糸のみを布の上・下と移動させて縫われます。

しかしミシンの場合糸は上側(上糸)と下側(下糸)の2本が絡み布のちょうどまんなかで引き合って固定されるようになっています。これがミシンの正しい糸調子です。

糸調子が合わないとは

2本の糸がちょうどよい力加減で引き合うのがきちんとしたミシンの縫い目・糸調子ということは、合わないのはそのどちらかが強い(弱い)こと。強ければ緩める・弱い場合はしめてあげることで正しい縫い目で縫うことができます。

ミシンの糸調子が合っていないとどうなるか

布どうしがゆるゆる

糸調子が弱い場合2枚の布を別方向に引いてみると、糸の引きがゆるいため隙間ができます。そこにものを引っ掛けやすく破れやすくなるだけでなく、服の場合中の下着や肌が見えてしまいとてもみっともない見た目になるので要注意。

布が引きつる

糸の引きが強いと起こることは、ギャザーを寄せたわけでもないのに縫い目にできるしわがあります。手で引っ張ったりアイロンで伸ばそうとすると糸が足りないことからせっかく縫った部分がほどけて縫直しになることも。そのままにしておくのも糸に無理な力が入っているので、切れやすくなるでしょう。

ミシンの糸調子を合わせる前に

縫い目がおかしいのは糸調子だけじゃない

縫い目がおかしいということはほとんどの場合が糸調子が合っていないことを疑って良いのですが、中には別の理由でおかしくなることも多いので注意が必要。

多くは針の不具合

縫い目がおかしいのにハッキリ気づきやすいことは目飛びでしょう。目飛びとは縫い目の幅が一定になるべきところ、2目分くらいある縫い目が時々でてくることをいいます。これは針先が摩耗していて丸くなっているためおこること。対処方法はとても簡単で新しい針に交換してください。

ボビン釜のゴミにも注意

ボビン釜には糸くず・糸ホコリなどのゴミが溜まりやすい部分です。ここにゴミが溜まっているとボビンの回転を邪魔して下糸テンションが強くなってしまうことも。掃除するだけで縫い目がきれいになることもあるでしょう。

糸の掛け方をチェック

ミシンはとてもたくさんの部品に糸をかけてセットしますね。そのどこかひとつでも外れていると上糸の調子が狂います。最初はしっかり掛けていても、途中で外れてしまう場合もあります。どこがはずれているのかわからない場合は、すべて外して最初から掛け直してみましょう。

ミシンの上糸下糸どちらを合わせるか見分け方

見分け方1.縫い目がゆるゆるか強すぎるか


縫い目がゆるく布を引くと隙間ができるのは糸を強める調整をします。逆に引きつっていてシワになっている場合は糸を緩めることが合わせ方となるでしょう。それでは上糸下糸どちらを調整したらいいかは、もうすこし縫い目の観察をしてください。

見分け方2.上下どちらが強いか

調子が弱い方の糸はきれいな縫い目と見分けがつきにくいので強い方の糸を見ましょう。縫っている上の方に電車(糸が強い状態)が出ていてゆるゆるであれば下糸を強く合わせ直します。

縫い糸がきつくシワになっていればダイヤルで上糸を緩めることになります。下に電車ができていてゆるゆるならば本体のダイヤルで強いに調整。縫い目がきつければ下糸を緩める調整をします。

ミシンの糸調子の合わせ方上糸編1.ミシンの種類

縫い目の状態からどちらの糸を緩める(しめる)かわかったら、早速調整していきましょう。まずは上糸でおこなう合わせ方から。上糸で調整できるミシンの種類から見ていきます。

家庭用ミシン

Photo by duck75

上糸での調整はほとんどの家庭用ミシンでおこなうことができます。とても古いタイプの足踏み式であっても上糸の糸調整機能は付いていますので、どんな家庭用ミシンでもできると考えてよいでしょう。

水平釜ボビンのミシン

下糸のボビン釜(ボビンではないことに注意)がミシンのテーブル(天板)に対して並行についているのが水平釜ミシンといいます。これは下糸調整ができないタイプのミシン。最近の電子ミシン・コンピューターミシンのほとんどがコンパクト設計のためこの形式を取っていますので上糸のみで糸調子を合わせることになります。

下糸で調整できない機械

この他下糸がないミシンというのも存在します。こちらはそもそも下糸がないので上糸のみで糸調子を合わせるしかありません。

ミシンの糸調子の合わせ方上糸編2.ダイヤル

上糸の調整はダイヤルでおこなう

上糸をしめる緩めるという調整はどのミシンでもダイヤルでおこないます。本体に付いていますがその場所はさまざま。説明書かメーカーのホームページで確認しましょう。ダイヤルですから回すことによって糸の強さが変わります。

ダイヤルの表示を確認

ダイヤルにははじめての人にでもわかるように、強い・弱いと書かれているものもありますし数字しか書かれていないものも。家庭用ミシンの場合はオートと書かれているものもあるでしょう。

これは自動糸調子機能なのでほとんどの場合これで大丈夫。オートが付いているのに合わなくなるのはミシンの故障も考えられるので買ったミシン屋に点検・相談をしてみるのがおすすめ。

ミシンの糸調子の合わせ方上糸編3.しめる緩める

糸調子ダイヤルでの調整の仕方

オートではなく数字にダイヤルがあっている場合、緩めるには数字を小さなものへと切り替えていきます。数字はほとんどが5段階。5はかなりきついですし1だとゆるゆるです。いっきに変更せず1-2つくらいの数字の変化で様子を見るのが良いでしょう。

緩めるには弱いを選ぶ

数字ではなく強い・弱いと書かれたダイヤルの場合緩めるには弱いを選んでください。逆にしめたい場合は強いを選ぶことになります。

ミシンの糸調子の合わせ方上糸編4.試し縫い

上糸調整をしたらチェックする

ダイヤルを回して調整したら必ず試し縫いしてチェックしましょう。1度で合うこともありますが最初は様子見。試し縫いは何度かするつもりで。

試し縫いの見方


縫い目は必ず表と裏両方を見ましょう。緩めすぎて今度は裏が電車になっているかも知れません。その場合は少しダイヤルの数字を大きくまたは強いと書かれた方に回してまた試し縫いしてください。両側から見てどちらも普通の縫い目になるまで微調整を繰り返します。

縫い目以外も確認!下糸調整が必要なことも

縫い目が合っているように見えても両方ゆるすぎ・強すぎということも。これは前述の布を少し引っ張ってみたりシワになっていないか確認することでわかります。上糸だけで調整しきれない場合は下糸調整も合わせておこなってみましょう。

下糸調整ができないミシンの場合

ただし最近の家庭用ミシンは簡単操作・水平釜のために下糸は調整できないものも多いです。どうしても上糸だけではきれいな縫い目にならない場合は針を交換・ゴミ掃除・ミシン油をさすなど家でできるだけのミシンのメンテナンスを試してみてください。

ミシンはデリケートな機械なのでちょっとしたことで糸調子に影響がでることも珍しくありません。それでも直らないならばプロに点検・修理をお願いしてください。

ミシンの糸調子の合わせ方下糸編1.ミシンの種類

下糸の糸調整ができる機械は

ミシンには家庭用のコンピューターミシン以外にもいろいろな種類があり、それらには下糸も糸調子を調整できるものもたくさんあります。両方で合わせなくてはいけないので糸調子合わせは面倒と感じることもあるでしょうが、いろいろな縫い目が合わないパターンに対応できることも多いです。

ボビンケースがあるミシン

下糸の調整はボビンの入っているケースのネジでおこないます。そのためこのケースがない水平釜では糸調子の調整ができないということに。ボビンケースがあるミシンの例として足踏みミシンや電動でもコンピューターミシンが出る前の家庭用ミシンが当てはまります。

職業ミシン・工業ミシン

ボビンケースがあるのは古いミシンばかりではなく、ハイパワーが売りの職業ミシンやボタン付けなど特定の機能だけに特化した工業ミシンもボビンケースがありそこで下糸の調整ができるようになっているものが多いです。

ミシンの糸調子の合わせ方下糸編2.ボビン

下糸で糸調子を合わせるにはボビンケースで

上糸の調整はそれ専門のダイヤルが付いていましたが、下糸調整はボビンケースについているネジで行うのではじめてする方はわかりにくいでしょう。ボビンをケースに入れて糸を出してくる板を押さえているネジがあるでしょう。

合わせる前に糸を引いて強さを覚えておく

下糸調整はダイヤルとは違い本当に微妙な加減もできます。まずは合わせる前の糸の強さを確認して覚えておいてください。

正しい下糸の張り具合はケースに入れたボビンの糸だけを持ってぶら下げ、そのままでは糸が出てこないけれど少し上下に揺らすとスーッスーッと糸が出てくる強さです。最終的にはこの強さで糸が電車にならないことを目指しましょう。

ミシンの糸調子の合わせ方下糸編3.しめる緩める

調整の目安

まずは先程ご紹介した糸だけをもって振る方法をやってください。きついと感じたら緩める。振らなくても糸が出てきてしまうならゆるすぎるのでしめることになるでしょう。

ボビンケースでの調整の仕方

ボビンケースの糸を出す金具に目立つネジが付いています。それをしめる・緩めることで糸に対するテンションが変化するでしょう。右に回すと糸が強く・左だと弱くなりなるのであとは少しずつ調整して正しい縫い目になるようにしてください。

ミシンの糸調子の合わせ方下糸編4.試し縫い

下糸調整したあとも試し縫いは必須。しかしどれだけ調整してもきれいな縫い目にならなくて困る場合があるでしょう。これは他のところに問題があるということです。

下糸調整ができる機種はほとんど上糸も調整可能!


下糸調整でだめなら糸調子ダイヤルもいじってみましょう。両方調整できるミシンであればその両方の力加減で糸の張り具合も変わります。両方調整できるミシンの直す順番としては下糸・上糸で下糸だけで直そうとせずに糸調子ダイヤルを見直すのもポイント。

下糸調整できれいな縫い目にならないときは

下糸上糸の調整をしても縫い目が合わないのは他のところに問題があるということです。繰り返しになりますがミシンはとても精密な機械です。小さな針先の摩耗だけでも縫い目が変わってしまうのです。まずは自分でできる限りのメンテナンスをしてください。

ミシンの糸調子でできる小技・テクニック

最後になりますがオート糸調子機能があるミシンでも強い・弱いの調整ができるようになっている理由をご存知ですか?これはミシンでギャザーを寄せるときに多くの方が糸調子を緩めることで手早く均一なシワを作るテクニックを使うからといわれています。

上糸を緩めるギャザーの寄せ方

まずはギャザー押さえがない方・ミシンの場合。糸調子のみでギャザーを寄せる方法です。まずは上糸の糸調子ダイヤルを一番弱いテンションに合わせます。そのままギャザーを寄せたい部分にミシンをかけます。さらにその縫い目と平行にもう1本同じ糸調子で縫ってください。

ギャザーの寄せ方

そのままでは上糸が弱いだけのただの縫い目です。ギャザーを寄せるには上糸だけ2本持ちます。両方の糸を同時に少しずつ引いてください。ギャザーが寄ってくるので、それを均一にシワになるようにして好みのギャザーまで調整しましょう。あとは縫い代部分にだけアイロンをかけ、糸調子を直して普通に縫えば完成です。

ギャザー寄せ押さえを使う場合

ミシンによってはギャザー寄せ押さえが付いていたり、使えるものもあります。これは糸調子を調整しなくても布送りによってしわを寄せるもの。しかしこれも糸調子を変えることでギャザーのより具合が変わってきます。

ギャザーの分量の変更

先程は弱くしてギャザーを寄せましたが、こんどは糸のテンションを強くすることでギャザー分量を増やしていきます。動画のサムネイル画像だけでも確認できるでしょう。ギャザー押さえを普段から使っている方でも時々この違いをご存知ない場合もありますので、もっとギャザーが欲しいというときに是非試してみてくださいね。

まとめ

ミシン縫いの糸調子の強い弱いを解決

ミシンは手縫いにもずっと早く、丈夫に布などを縫い合わせたりほつれ止め・ボタン付けやファスナー付けまでできることもある便利な機械です。うまく使いこなすことで裁縫・洋裁などの幅が広がりもっと手作りが楽しくなるでしょう。

そのためにはまずはきれいな縫い目で縫うための糸調子の合わせ方を知っておくのは大切です。調整ダイヤルをいじっても直らず故障かな?と思っても、針の交換・ゴミの掃除・油をさすことでも縫い目が直ることもあります。できる限りのメンテナンスを試してみることもおすすめ!

ミシンが気になる方はこちらもチェック

この他にも初心者が疑問に思ったり気になるミシン操作・使い方やメンテナンスの方法などをご紹介しています。ミシンにもたくさんの種類やメーカーがありそれぞれ付いている機能や位置・合わせ方なども変わってきますが基本的な共通の注意点やり方もあります。是非こちらもチェックしてくださいね。