はじめに
つるむらさきの栽培方法を解説!
つるむらさきは初心者でも育てやすい野菜です。そんなつるむらさきの栽培方法を環境や種まきの方法から収穫までのコツを解説します。プランターでも庭の家庭菜園でも取り入れやすい野菜となりますので、栽培に挑戦してみませんか。
挿し木での増やし方や注意点も
つるむらさきは種まきから栽培することが多い野菜となりますが、つるを伸ばしたつるむらさきを摘芯することでたくさん収穫できるようになります。さらに挿し木することで栽培個体を増やすことができますので、栽培に慣れたら挿し木に挑戦してみてください。つるむらさきを家庭菜園やプランターで栽培する上での注意点も解説します。
美味しく食べる調理法も紹介!
つるむらさきは摘芯して、収穫時期を迎えると次々と新しい芽を伸ばしてくれます。それは食べきれないほどになるかもしれません。そんなつるむらさきを美味しく食べられるおすすめの調理法も紹介します。自分で育てたつるむらさきをたくさん食べて、暑い夏を元気に迎えましょう!
つるむらさきとは?
東南アジア原産!
つるむらさきはツルムラサキ科に分類されるつる性の一年草です。東南アジアが原産地と言われており、栽培品種によって紫色になるものと緑色になるものがあります。つるむらさきという名前なので紫色の品種が多くあると思いがちですが、食味は緑色のつるむらさきの方が勝るため、現在では主に緑色になる品種が野菜として育てられることが多くなっています。
栄養豊富
つるむらさきはビタミンやミネラルを多く含む野菜です。夏に収穫できる数少ない葉物野菜として、家庭菜園やプランターに植えておくとたくさん収穫できます。夏の栄養補給に効果的な野菜として栽培することをおすすめします。
観賞用だった!
つるむらさきの特に紫色の品種は花が綺麗で野菜ではなく、観賞用品種として育てられていたこともありました。栄養価が高いことから野菜として品種改良が進められました。過去、日本ではトマトが観賞用として育てられていたことに近いものがあるかもしれません。
つるむらさきの栽培環境
日当たり
つるむらさきは日当たりを好みます。熱帯に近いところが原産なだけに高温多湿の環境を好みます。暑さには強いのですが、寒い時期を苦手としていますので、栽培時期には注意が必要です。早く植えると発芽しにくいため、育苗期間を設ける場合は室内や保温できる環境を準備しましょう。
支柱は必要?
つるむらさきはツル性植物となりますので、支柱を立てると支柱に沿って長く生長します。早い時期から収穫しながら育てる場合は支柱を立てなくても栽培できますが、ベランダや庭に観賞を兼ねて栽培したいときは支柱ときゅうりネットを設置してみましょう。
つるむらさきの収穫と育て方①時期
植え付け時期から収穫まで
つるむらさきは前述したように寒さを苦手とし、暑い気候が適切な栽培環境となります。植え付け時期は霜の心配がなくなる4月中旬から5月頃までが種まきに向いており、その頃に苗も出回り始めます。苗の場合は6月までに植え付けましょう。
夏から秋に掛けて
植え付けてからしばらくは生長を感じにくくなっていますが、気温の上昇に比例してツルを伸ばして一気に大きくなります。気温の低下とともに生長速度が鈍ってきます。中間地の場合、長くても10月の下旬頃までが栽培・収穫の時期です。
つるむらさきの収穫と育て方②必要なもの
露地栽培
庭の家庭菜園に露地栽培するときに必要なものは後述する用土と鍬、じょうろと支柱を準備しましょう。つるむらさきは乾燥を苦手としますのでマルチング資材や敷きわらがあると育てやすくなります。
プランター
プランターで育てるときは野菜用培養土と鉢底石・大型で深さのあるプランター、じょうろと支柱が必要です。つるむらさきは大きくなると横に広がるように育ちますので小さなプランターで育てると日当たり不足になりやすくなってしまいます。
つるむらさきの収穫と育て方③土づくり
土づくり方法
家庭菜園で露地栽培するときは育ちやすい土壌環境を整えましょう。中性から弱酸性の酸度がよく育ちますので、植え付け2週間前に苦土石灰を1平方メートルに100gを目安に混ぜ込んでおき、1週間前に堆肥を1平方メートルあたり2kg・化成肥料100gをよく鋤込んで耕しておきます。
培養土が手軽
プランターの場合は野菜用培養土が手軽です。つるむらさきは連作障害の心配もありませんので、以前他の植物を栽培していた土を使うときでも肥料と基本的な消毒を行っていれば問題なく栽培できます。
つるむらさきの収穫と育て方④種まき
種まき方法
つるむらさきの発芽適温は20度以上となっており、発芽率を上げるには温かくなる頃合いを見計って種まきする必要があります。寒冷地や気温の上昇が遅い年は育苗ポットに撒いて温度管理をしながら苗を作って植え替えるように育てるようにしましょう。直接種まきするときは1つの種まき穴に3・4粒を目安に重ならないように種まきをしましょう。複数植えにするときの株間は30cmは取りましょう。種まき穴の深さは2cmくらいにしてください。本葉が2枚の頃に元気な新芽だけを残して1本立ちにします。
種まきのコツ
つるむらさきの種は堅い殻に覆われています。そのまま種まきするよりも種まき前日に種を水に浸水させて種の殻を柔らかくしてからまくようにすると発芽率を上げられます。また発芽まで1週間ほど掛かりますが、その間乾燥させないように水やりすることも大切です。
つるむらさきの収穫と育て方⑤水やり
露地栽培
露地栽培の場合は水やりは基本的には不要ですが、つるむらさきは乾燥に弱いので、晴天続きで極端に土が乾燥している場合は水やりをしましょう。つるむらさきにとって乾燥は大敵ですので、可能であればマルチングをして乾燥予防に努めましょう。
プランター栽培
プランター栽培の場合は露地栽培に比べて土の量が限られており、乾燥しやすい状態となります。土の表面を観察して乾燥が見られたらプランターの底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをしてください。特に生長時期の夏は蒸発する水分と伸びるのに必要な水分が多くなりますので、朝・夕の2回土の状態を点検しながら水やり管理しましょう。
つるむらさきの収穫と育て方⑥肥料
基本的に追肥不要
露地栽培、プランター栽培いずれの場合も最初に準備した堆肥や化成肥料で十分大きくなります。しかし、株の状況によっては肥料をあげるとよく育ちます。施す肥料の種類は土づくりのときに使ったものと同じ化成肥料で大丈夫です。
肥料をあげた方がいいとき
肥料を上げた方がいいときは気温が高くなっても生長があまり見られないときに試してみてください。プランター栽培の場合は園芸用の液肥が手軽でおすすめです。露地栽培の場合も生長が悪いと思ったときに化成肥料をひとつかみ置いてから軽く耕して株元に土寄せすると有効な手段となります。
つるむらさきの収穫と育て方⑦摘芯
摘芯する理由
つるむらさきに限らずわき芽を伸ばして栽培する植物や野菜は摘芯することによって縦への生長を止めて横に広がるように育ちます。摘芯するまで主枝はどこまでも伸びていきます。家庭菜園やベランダに合わせて摘芯時期をずらして栽培してみましょう。
摘芯する時期の目安
摘芯時期の目安は草の高さが30cm頃を目処にしてください。摘芯する場所はつるむらさきの1番てっぺんにある生長点です。生長点を清潔なハサミかナイフで切り取るか手で折り取ると摘芯の手順は終わりです。このときに支柱を立てたり、きゅうりネットを使って誘引するとネットや支柱に沿ってわき芽を伸ばし始めます。
つるむらさきの収穫と育て方⑧収穫
収穫方法
つるむらさきの収穫方法はわき芽を切り取って収穫します。収穫の目安はわき芽が15cm程度の長さになったら摘み取りましょう。あまり長く育ててから収穫するとアクが強く感じますので、早め早めの収穫を心掛けてください。
収穫時期はいつまで?
栽培地域によりますが、寒冷地では9月頃、中間地や暖地でも10月の気温が下がる頃には生育が衰えてきます。また、つぼみや花を見られることもありますが、花を咲かせるために力を使うと株の勢いが弱まりますので、つぼみを見つけたときは花を咲かせる前に摘み取って、葉や茎と一緒に食べるようにしてください。
つるむらさきの収穫と育て方⑨挿し木
挿し木に向いた時期
つるむらさきの挿し木に向いた時期は生長の勢いがある6月から7月が適した時期となります。支柱立てや摘芯の時期に剪定を兼ねて勢いのある小枝を挿し木にして栽培する数を増やしたり、室内に持ち込んで水耕栽培を楽しんでみてもいいかもしれません。温度管理できる室内であれば長期間つるむらさきを栽培できます。
挿し木方法
挿し木方法は小枝部分の先端から15cmを目処に清潔なハサミやナイフで斜めに切り、切り口を乾燥させないようにすぐ浸水させます。そのまま水に挿しておくと10日ほどで根が出てきますので、植え替えたり、水を替えながら水耕栽培を楽しんでみましょう。
挿し木以外にも
つるむらさきは挿し木以外にも種を採る増やし方も可能です。栽培が終わりかけの時期に花を残しておくと身が結実します。実が黒く色づいたら収穫し、実の中にある種を洗いながら取り出して清潔にして乾燥させます。翌年の植え付け時期に種まきすることで、夏の家庭菜園を毎年つるむらさきで彩ることができます。
つるむらさきの収穫と育て方⑩注意点
病害虫に強いが
つるむらさきは害虫や病気に強い植物ですが、他の植物にも寄生したり、罹りやすい病気になる可能性があります。注意点と対策を解説します。またつるむらさきからではなく、家庭菜園で栽培している他の植物や野菜から感染する場合もありますので、注意しながら栽培しましょう。
アブラムシ
アブラムシはさまざまな植物に寄生して汁を吸う食害を引き起こします。食害よりも深刻なのはモザイク病を媒介することです。モザイク病は感染してしまうと完治させるのは難しく、手の施し用がありません。そのためアブラムシが近づきやすい環境にしないことが大切です。過湿状態を好みますので、剪定と収穫を兼ねて混み合っている部分をなくしたり、支柱に上手に誘引して混み合わないように栽培しましょう。
ヨトウムシ
ヨトウムシは日中は植物の根元付近に潜み、日が落ちてから活動を始めます。食欲旺盛なため葉や茎を酷く食い荒らしてしまうこともあります。葉に食害のあとが見られたときは近くの土を軽く掘り返してヨトウムシが潜んでいないかを確認しましょう。
べと病
べと病はカビが原因の病気です。高温多湿な環境で発生しやすく、つるむらさきの栽培環境と一致します。感染すると白や黄色の斑点が見られますので、病変分は切除して処分しましょう。カビが原因ですので丁寧に扱わないと悲惨して家庭菜園内に蔓延する可能性があります。予防法としては適度な剪定と水やり時に水が跳ね返って葉につかないようにしましょう。もうひとつは適度な土の肥料管理を行い、株を元気にすることが大切なことになります。
つるむらさきの美味しい食べ方!
おすすめ①おひたし
栄養豊富なつるむらさきをたくさん摂れる調理方法のおひたしのレシピです。つるむらさきを洗って茹でておき、食べやすい大きさに切ります。その間に調味料を合わせて、切ったつるむらさきを混ぜるだけの簡単調理です。
材料 (3人分) つるむらさき1パック(約150g) 松の実大さじ1 ごま(白・黒どちらか)大さじ1 醤油大さじ1 水大さじ2 鰹節ひとつまみ
詳しい作り方はクックパッドで
つるむらさきは生育時期に次々と伸びてくるので大量消費にもおひたしはおすすめです。家庭菜園で収穫したてのつるむらさきをたくさんおひたしにして美味しく食べましょう。
おすすめ②スープ
つるむらさきとベーコンを食べやすい大きさにそれぞれ切ります。水と白だし、ベーコンを鍋に入れて沸騰させ、沸騰したらつるむらさきを入れてサッと加熱したら美味しいスープの完成です。つるむらさきに火を入れすぎないように最後に加えて短時間加熱するのがコツとなります。
材料 つるむらさき80~100g ベーコン2枚 水400cc 白だし30cc 白ごま適宜
詳しい作り方はクックパッドで
おひたしも作り飽きたなと言うときにおすすめできるレシピです。つるむらさきは栄養満点な野菜となりますので、たくさん収穫して食事に加えてみましょう。
まとめ
つるむらさきをたくさん収穫しよう!
つるむらさきは家庭菜園やプランターで簡単に育てられる野菜です。夏の時期にはトマトやきゅうりがたくさん収穫時期を迎えて、葉物野菜があまり収穫できない中、つるむらさきはたくさん収穫できます。必要な資材もプランターと培養土・支柱と手軽に揃えられるもので栽培に挑戦でき、さらに栽培しやすいので初心者にもおすすめします。挿し木で栽培数を増やすこともできますので、栽培に慣れたら挑戦してみてください。美味しいつるむらさきのレシピも紹介しましたので、栄養豊富なつるむらさきで食卓を彩ってみましょう!
野菜の栽培方法が気になる方はこちらもチェック!
当サイトではつるむらさきの育て方ガイド!栽培方法から収穫時期&方法までイチから解説!以外にも野菜の栽培方法に関する記事をたくさん掲載しています。気になる方はチェックしてみてください!

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