はじめに
家庭菜園の地植えブルーベリー収穫にベストな季節
ブルーベリーは甘酸っぱい味ときれいな紫色の果実が人気な日本でもポピュラーな果樹です。大量に収穫するには木を成長させることが優先事項で立派な果樹になるまでは剪定を繰り返し数年かかります。成熟した木には取り切れないくらいたくさんの実を付け、収穫の季節は1年食べても余るくらいのたくさんの果実を道具を使って収穫しないと追いつかないでしょう。今回はこのブルーベリーの収穫のベストタイミングの目安となるサインや幼い木に必要な剪定・摘果の仕方を御覧ください。
ブルーベリーについて
まずはブルーベリーという木・果実の基本情報と特徴・栽培方法を簡単にご説明しましょう。どこで生まれた果樹なのかどのような場所が好きかというのを知ることは栽培には役に立ちます。
基本情報
科・属:ツツジ科スノキ属
原産地:北アメリカ
英語名/学名:blueberry/Cyanococcus
ブルーベリーの特徴
ブルーベリーは低木の常緑樹。日本の環境では冬に葉を落とす場合もあります。常緑樹の中でも半常緑と呼ばれる種類で葉が赤く紅葉するのが特徴。果樹として植えられるでしょうが秋や冬の庭の彩りとしても役に立つ樹木。花の開花時期は春でピンク色のかわいらしい鐘のような形のものが咲きます。
栽培法
栽培の特徴はまず土壌が酸性を好むということ。石灰などを定期的に巻いている庭土に地植えするには注意が必要となるでしょう。また果実を収穫するためには同種の花では結実しないため、異種で同時期に開花するものを近くに植え付けてやる必要があります。そのため結果的に収穫期間も長くなり回数も多く収穫できるでしょう。
ブルーベリー全般の収穫時期・期間
ブルーベリーという大きなくくりの中では複数回数の旬の時期が訪れます。いつ収穫できるかは品種によって大きく変わりも出てくるのが特徴。最大では3ヶ月くらい栽培期間が変わるでしょう。
収穫期間
収穫時期の目安は夏から秋。しかし秋に食べごろを迎える品種は少ないので実質夏の果物といえるでしょう。種類によって収穫できる期間も変わってきます。
品種による収穫時期の違い
一般的に園芸品種は大きく2系統に分けられ、それぞれ品種によって早生と晩生にわけられます。家庭菜園でのおおまかな分類ですがハイブッシュ系統は早くから収穫できるものが多く、ラビットアイ系統は真夏から秋まで収穫できると目安を立てておくと良いでしょう。
地植えブルーベリーの収穫の見極め1.株の年齢
果樹は結実まで時間がかかるものというのはご存知の方も多いでしょう。桃栗三年柿八年という有名な言葉があるくらいです。ブルーベリー栽培でも株の年齢というのは大きく収穫量に影響を与えます。
若い果樹に付いた実は摘果する
接ぎ木や株分けなどで栽培しはじめたばかりの幼木はまだまだ果実の数は少ないです。少ない数を収穫するよりも1-2年は剪定をして果実がならないようにしたり、付いた実は見つけ次第摘果するという育て方がおすすすめ。木が早く成長して結果的に早く回数もたくさん採れるようになるでしょう。
収穫目安は3年以降がおすすめ
植え付けてから収穫できる木に育つまでの目安は3年め以降。それまではブルーベリーの木を植え付けても大きくする作業となりますので、お急ぎの方は苗を購入するときに3年め苗を買ってしまうのもひとつの方法です。
地植えブルーベリーの収穫の見極め2.色
いよいよ具体的な収穫時期の見極め方をお教えしましょう。誰でもパッと見てわかりやすい目安に色があり、この色の見方とチェックポイントを覚えておくことでより甘くて食べごろの果実が見えてきます。
美味しい果実の見極めは色
木が大きくなり果実を収穫できるようになったら覚えたいのが美味しい果実の収穫の見極め方です。まずひとつめはその色です。はじめのうちは薄い緑色をした果実ですが、塾してくると濃い紫色となるのが一般的。品種によっては赤みが強いものもありますので、まずは収穫前に植えている木の実の色を図鑑などで確認しておくとよいでしょう。
果実の色の目安
紫でも赤いものでも一番色が濃くこっくりとした色合いになる頃が一番の収穫時期。ただしその色は上から見ただけではわかりにくい場合も。すべてが均等に熟して色づいてくるわけではないからです。
色の確認はおしりを確認
外見は紫色になっていても、果実のおしりの部分の色が赤みがあるようであればもう少し収穫までおいた方がよいでしょう。よく熟れたものはすべて皮と同じような色になっています。しかし内側に赤みがあっても食べられないというわけではありません。ジャムやソースなど砂糖と一緒に煮込む料理になら使えるので無駄にせず役立ててくださいね。
地植えブルーベリーの収穫の見極め3.手触り
色を見極めたら次にチェックしたいのが手触りです。どれだけ熟れているのか的確にわかるでしょう。収穫するときの手応えも参考になりますよ。
熟した果実はやわらかい
食べごろ果実の見極め方は色だけでなく手触りでも確認できます。果実は熟すとやわらかくなるのは多くの方が体験的にご存知でしょう。より甘いブルーベリーを収穫するにはやわらかくなるまで木に付けておき、それから収穫してください。
見極めのため1個もいでみる
同じような大きさ・色をしていてもその柔らかさで熟し具合はずいぶんと変わります。確認のためには触って見るのがよい目安となるでしょう。ひとつもいでみるのも良いですね。硬いものはすんなりと枝から離れてくれず無理をすると枝ごと折れてしまうものも。果実が柔らかくなりすんなりと枝から離れるような熟し具合を目安にしてください。
地植えブルーベリーの収穫の見極め4.時間
完熟した実の見方がわかったら、その中でも特に甘いものを採るコツを実践してみましょう。これを気にかけておくだけでいつもよりも実が甘いと感じることができます。
収穫に向く時間帯がある
同じように熟した果実。実はいつ収穫するかによって甘さが変わるのをご存知でしょうか。肥料も十分で果実の大きさや色も申し分ないのにあまり甘くない。またはより甘いブルーベリーを収穫したいと思っているなら、この時間帯にも注意するのがおすすめ。
糖度があがっている朝に収穫する
果実の多くは一日のうち朝方が一番糖度が高いといわれています。この果実もご多分に漏れず甘くなるのは朝採りのもの。よく市場などで朝摘み〇〇などといわれるフルーツに人気があるのは、新鮮さもありますがこの糖度の高さも関係しているのです。
地植えブルーベリーの収穫の見極め5.鉢と地植え
時期や期間には変わりがないが
ここで気になる栽培方法・植え方と収穫についてもお話しましょう。鉢植えと地植えの違いです。結論から申しますと鉢でも地植えでも時期や期間にはほとんど変わりはありません。ですので土の関係で地植えにしづらいという方は最初は鉢に植え付けてあげても問題ないでしょう。
回数や量を増やしたいなら地植えで
ただし鉢植えはどんなに大きな鉢に植え替えを繰り返しても地植えと比べると収穫量やその回数に限りが出てきてしまいます。1年分くらいまとめて収穫して冷凍保存で長く使いたいというブルーベリー好きな方ならば、早いうちに栽培方法を地植えにしてしまうことがおすすめです。
季節ごとのブルーベリーの収穫1.初夏
収穫の目安の見極め方や量や回数を増やす方法について説明したところで、具体的にもっと効率よく回数や量を増やし確実に長い期間収穫するための季節ごとに旬を迎える品種をご紹介します。複数の系統で収穫期間を考えて植え付ければ多くの回数・ながく・たくさん美味しい果実が楽しめるでしょう。
初夏の季節に楽しめる品種は
ブルーベリーの収穫期間でもお話したとおり6-9月の初夏から秋の季節が全般の収穫時期となります。初夏はブルーベリーの出はじめの頃なのでその年の収穫を楽しみに色づくのを待つ季節でもあります。ハイブッシュは早生でも晩生でも6月が収穫期間にあたりますので、このどちらかを植えておけば良いでしょう。
ハイブッシュの早生種が季節のブルーベリー
特に6月しか収穫できないのがハイブッシュの中でも早生種。家庭菜園の場合2種類を植え付けないと結実しないので少し栽培が難しいですが、早めに季節のフルーツを味わいたいならぜひ欲しい果樹。6月末くらいまでが旬となるので同じ時期に開花するような多品種のブルーベリーと一緒に栽培しましょう。
季節ごとのブルーベリーの収穫2.夏
暑い季節に採れるブルーベリー
7-8月の夏の季節に収穫できる品種は誰でも比較的育てやすく、苗木を買う時も選択肢がいくつかあり違ったものが同時期に採れ味比べもできるでしょう。ハイブッシュ(晩生種)とラビットアイがちょうどこの時期の収穫となります。
ラビットアイの早生種が旬の季節
ハイブッシュは早めに終わってしまうので、夏の時期のブルーベリーといえばラビットアイの早生種がおすすめ。早いものなら7月・8月いっぱいくらいまで長期間きれいな紫色に色づいた美味しい果実を収穫可能。このほか晩生種で気の早いものであれば期間が切れずに8月から食べごろとなるでしょう。
季節ごとのブルーベリーの収穫3.秋
9月になっても収穫できる種類
9月はもうブルーベリーの収穫の期間も終わりに近づき色づく果樹も限られてきます。この時期には初夏から数えてもう何回もいろいろな品種の旬の回数が来ていますが、フレッシュな果実は少なくなっている時期なので珍重されがちです。
ラビットアイの晩生種なら秋も旬
ブルーベリーの品種の中で一番収穫期間が長いのがラビットアイの晩生種です。早ければ6月から色づき始めるも果実も出てくるのでずっと収穫できるでしょう。早生種の苗と一緒に地植えにするのにもおすすめ。
ブルーベリーをたくさん収穫するために1.植え付け
最後になりますがブルーベリー栽培の中で特に良い果実のために気をつけたり、あると良い道具の3つのポイントをそれぞれ御覧ください。
家庭菜園では植え付けは酸性の土に
植物を栽培する場合、野菜でも花でも酸性土を嫌うものが多いため石灰をまいて土を中和させる作業が必要となりますがブルーベリーは酸性土が好きな樹木。他の植物とは分けた中和しない土の一角を作ってあげる必要があります。もしない場合は植え付けは鉢にしてブルーベリー用の培養土を使うとよいでしょう。降雨によって自然と酸性に傾いてきますので、あとから地植えに植え替えてあげると良いですね。
複数系統の株を複数本植え付ける
また植え付けで大切なことは結実のために違った系統の複数品種を植え付けるということもポイント。ただし花の時期がうまく重ならないと違った種類を植えていても受粉せずに実がつきません。最初に植え付ける苗の選び方や木どうしの間隔にも注意しましょう。
ブルーベリーをたくさん収穫するために2.剪定
家庭菜園に役立つブルーベリーの木の剪定基本
ブルーベリーは果樹ですので家庭菜園では特に収穫しやすい樹形に整えることは大切です。また日当たりをよくしてあげることで美味しい実もつきやすくなるでしょう。時期は春と夏の2回が好ましいといわれます。日当たりと収穫しやすさの両方をクリアするためドーナツ型に中央を開けて外へと枝ぶりが広がるように仕立ててください。
剪定に役立つ果実が付く枝・つかない枝の見極め
上手な剪定には果実の付き方を知ることが大切です。付き方で知っておきたいポイントはふたつ。その年の春以降出てきた若い枝には実は付かないが来年の収穫のためには大切な枝。もうひとつは一度結実した枝には翌年は実が付かないということ。このことから剪定するには、今年実がなった枝(茶色くなった古いもの)から優先的に切っていけば良いというのがわかりますね。
ブルーベリーをたくさん収穫するために3.道具
収穫量が増えてきたら道具も便利
低木樹とはいえ成熟した果樹になってくるとけっこうな大きさで、上手に育てられれば非常にたくさんの実を付けます。手でひとつひとつ収穫するのも良いですが数が多くなったら収穫用の道具ももっておくと良いですね。主に野生種のブルーベリーを採る用に作られた道具ですがベリーピッカーというものがあります。複数本の成熟した木をお持ちでいつも採るのが大変というくらい実がなる方はぜひ購入も検討してみてはいかがでしょう。
家庭菜園におすすめの道具ベリーピッカー
ベリーピッカー
ベリーピッカーの使い方は簡単。枝や葉をよけ果実のみを取ってくれます。ブルーベリーは枝の先端に果実が付きますので、下から差込み手首のスナップを効かせて軽く上に持ち上げるだけ。枝先についた果実のみを一気に収穫してくれるでしょう。
まとめ
ブルーベリーの収穫時期を見極める
家庭菜園でのブルーベリーの収穫量を増やす植え方・栽培方法から食べごろ果実の見極め方目安・品種による収穫期間や時期の違いなどご紹介してきましたが、いかがでしたか?特に複数系統の花粉でないと受粉せず結実しないというポイントは最重要で、わかりにくいという方は購入するときに最初から園芸店で相談し開花時期が重なる別の系統の品種苗を選ぶのがおすすめ。この株の組み合わせを上手におこなうことで、1年で何度も別の種類のブルーベリーをたくさん楽しむことができるでしょう。この記事を選び方のヒントにしてくださいね。
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