大葉ニラ 種 固定種 にら
はじめに
土壌酸度に注意?簡単なニラの栽培方法
野菜を育てるには土の乾燥やまわりの気温・土の酸度に水やりや肥料と気をつけることがたくさんあります。栄養満点で他の作物にはないパンチのある香りがする野菜・ニラの栽培も多分に漏れません。
その一方ニラは話題の1度で何度も収穫が楽しめる再生栽培野菜のひとつでもあります。種まきからの苗の育て方・水やり肥料やりの時期から何度も収穫できるニラの増やし方など家庭菜園に役立つ情報をご紹介しましょう。
ニラについて
まず最初はニラの基本的な情報と美味しい旬の時期(収穫時期)のお話から。コンパニオンプランツにもなるニラはどんな種類の作物なのか、そのコスパの良さから見ていきましょう。
基本情報
科・属:ユリ科ネギ属
原産地:中国
英語名/学名:Chinese leekまたはChinese chive/Allium tuberosum Rottler
美味しい旬の時期
ニラは旬の時期がながく真夏を除いて春から秋までずっと収穫できます。一度収穫した株からも下から新しいニラが生えてきてそれを継続していただけるので、1本あたりのコスパが安く一度育てたらスーパーなどで買うのがもったいなく感じるほどでしょう。
ニラの栽培時期
ニラは2年かけて収穫する
ニラ栽培が他の作物と違う点は2年めに収穫できる植物であること。多くの野菜が数ヶ月から1年以内に採れるのと比べすこし時間がかかる野菜ですがその分収穫期間がながいという利点があります。
成長した株は何度も収穫可能な野菜
また収穫できる時期が長く続くのも特徴です。一度収穫してもひとつの株から次から次へと新しい芽が出て成長していくので、1年の間に何度も採ることができるでしょう。
水やりや肥料などをあげる期間が長い分、それを取り戻せる収穫量が期待できる作物といえますね。育てているうちに、誰しもきっと愛着が湧いてしまうはずです。
家庭菜園でのニラ栽培1.準備
それでは早速ニラの育て方を解説していきます。栽培に必要なものは、他の野菜類と同様です。種や苗の選び方は収穫時期や味・食感に関わる大切な要素なので、よくチェックして選んでください。
用意するもの
まず種まき用にプランターや育苗箱は必要です。畑をたがやすのにシャベルや鍬を用意しましょう。プランター栽培の方には不要ですがその代わりに鉢底石や培養土が要ります。その他水やりのためにジョウロやシャワー状に出る口がついたホースがあるといいでしょう。
種や苗
大葉ニラ 種 固定種 にら
蒔き時期 | 3~5・9~11月 |
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ニラは種でも売られていますし、植え付け時期になれば苗が流通します。また多年草ですので、株分けして自分で増やすことも簡単です。
品種によって大きさや葉の形・葉を食べるか蕾や茎を食べるかなど違いがありますので、好みや利用目的により栽培したいニラを選んでご用意ください。
家庭菜園でのニラ栽培2.日当たり
ニラの日当たり
ニラの日当たりは品種やその時期によって日当たりに工夫が必要になる場合があります。緑の葉ニラは日光のよくあたる日当たりの良い場所でずっと育てますが、黄ニラという色がしろっぽく柔らかい葉のものはある一定の期間を過ぎたら遮光をすることで完成します。
基本は日当たり良い場所、種類によって遮光の時期や必要もあるということです。
育て方のコツとポイント
黃ニラの日当たりは新芽が出る直前から光があたらないよう工夫します。また葉ニラも土寄せをしながら数度に分け根元6-7センチくらいは土の中に埋め、日光に当てずに大きくしていきます。
日当たりと遮光を上手に管理するのが、ニラを上手に育てるコツと言えるでしょう。
家庭菜園でのニラ栽培3.種まき
種まきの時期
ニラの種まきは春(3-4月)と秋(9-10月)の年2回の種まき時期があります。種まき時期によって、収穫できる期間は大きく変わってきます。
期間が変化する理由は、育苗完了までにかかる日数や定植時期が変わってくるためです。翌年の春から収穫したいのであれば、春まきに。株をしっかりと育てて、2年後3年後を見越した株分けを考慮に入れるなら秋まきがおすすめです。
初心者でも簡単!ニラの種まき方法
種まきの方法は、すじまきが一般的です。これは棒などで1センチほどの溝をつくりそこにパラパラと種をまいて間引きしながら育てるやり方で、育苗箱での種まきに向いています。
ポットにはじめから種まきする場合には、点まきという3-4粒ずつ1つのポットにまく方法にしてください。
育て方のコツとポイント
プランターで栽培しようとする場合でも種まきには元肥は必要ありません。土の酸度(pH)に気をつければ再生土を使用することも可能。以前ニラを栽培していた土でも続けて新しい株の種まきをすることができるでしょう。
家庭菜園でのニラ栽培4.育苗
ニラの育苗時期とやり方
ニラは育苗までに2ヶ月程度かかるので、育苗中にも追肥をおこないながら大きくしていきましょう。ただし秋まきの場合は成長に適した気温になる翌年春まで植え付けはおこなえません。
成長した苗も、ポットなどで冬越しさせて枯らさないよう育ててください。
育て方のコツとポイント
育苗は間引きと追肥をしながらおこないます。最初の間引きは本葉が2枚展開したとき。株間を2センチほどあくように健康そうなものを残すようにしておこなってください。
間引きは1度のみ。その後、育苗の間にも株は分けつして根元からいくつかの新しいものが出てきますが、間引かずに水やりと肥料をあたえつつ、そのまま植え付け時期まで苗として育てましょう。
家庭菜園でのニラ栽培5.土
畑の土作り時期
育苗をしながら植え付け時期が近づいたら畑の土壌酸度を中和するなど植物が大きくなるために向いている土づくりをしていきましょう。
古い土は雨で固くしまっていて根を張ることが難しいだけでなく、土の酸度があがっているので作物よは不向きです。時期目安は、植え付けの2週間前です。
土壌酸度に注意
雨に長くさらされた土のpHは酸性に傾き土壌酸度があがっている状態。それを中和するまでにしばらくの時間がかかりその目安が2週間。畑の土をよく耕したあと苦土石灰をよく混ぜておくことで酸度が高まった土壌を時間をかけて下げる処理を行います。
畝立てと元肥
苦土石灰で土壌酸度を下げたあと1週間後、堆肥と化成肥料で元肥すきこんでおきます。種まきのときとは違い、植え付け後根張りのために肥料が必要です。
少しでも早く根からしっかりと水分や養分を吸収できるよう、しっかりと根付かせるための養分として与えるようにしてください。与える量の目安は、1㎡あたり堆肥3kg・化成肥料3にぎりです。
育て方のコツとポイント
ただし、この土壌酸度の調整が必要なのは古い再生土の場合になります。プランター栽培であれば野菜用培養土を使うことで、酸度が調整された元肥いりなので、時間がない方もすぐに作業ができる点がおすすめです。
家庭菜園でのニラ栽培6.連作障害
野菜の連作障害とは
野菜には種類によって連作障害が出やすい出にくいが別れます。植物によっては成長が遅い・病気になりやすい・発芽や作物の数に大きく影響がでるなどが、この連作障害による影響です。
ニラは植えっぱなしOKの野菜
ニラは、多年草でこの連作障害がほとんどないと考えられている作物です。ただし、植えっぱなしにしておくと株がどんどん増えていき、1箇所にいくつもの株が密集します。
その後、栄養の取り合いへと発展して連作障害と似たような状態になることもあり得ます。2年で処分せず、3年以上栽培・収穫を続ける場合は株分けをおこないましょう。
ニラはコンパニオンプランツになる
ニラにはナスやトマト・きゅうりなどの立ち枯れ病の病原菌の抗菌作用があります。ニラ自身には連作障害がなく、これらの作物の隣に植える・育てる前にニラを育てた土を使うことでコンパニオンプランツとして役立ってくれる野菜です。
育て方のコツとポイント
連作障害はないけれど、その分増えすぎて成長が悪くなるニラ。不要であれば掘り起こし株の数を調整・もっと広範囲にたくさんのニラを栽培したいのであれば、株分けで再生するのが栽培のコツです。
定期的におこなうことで、また元のような収穫量・葉の大きさを取り戻します。
家庭菜園でのニラ栽培7.肥料と水やり
野菜の水やり方法
ニラの水やりのコツはあげすぎ注意。乾燥させぎみにお世話してください。地植えであればよほど乾燥しない限り与える必要はありません。
水が必要な時期は、種まきから発芽までと植え付けから根付くまでの間だけ。この期間に関しては、ある程度の土の水分が必要です。
肥料の時期とやり方
固形肥料であれば、月に1度を目安に与えましょう。8-8-8などのバランスのよいものがおすすめです。水やりと同時に、液体肥料を週に1度あたえてもかまいません。
冬に地上部が枯れてしまうようであれば、お礼肥として堆肥を1㎡あたり3キロを目安に与えます。こうすることで春には新しい芽が出てくるでしょう。
育て方のコツとポイント
水やりのポイントは乾燥させぎみに。肥料は特に収穫時期には必ず忘れず、定期的にあげることを注意してください。
花ニラの採り忘れも株が消耗しますので、そのような理由で株が枯れてしまう恐れもあります。堆肥をお礼肥として与え、来春以降の収穫を楽しみに管理してください。
家庭菜園でのニラ栽培8.植え付け
ニラの植え付け時期
ニラの植え付けは春まきであれば6-7月。秋まきで育てた苗なら翌年の3月いっぱいが適期。育成の適温である20-25度くらいの気温となったる時期が植え付け目安です。温かい地域では春まきの苗は植え付け気温に注意してください。
ニラの植え付けと土寄せ方法
種まきから追肥を与えて育てた苗は、植え付け時期ころには株が分けつして2-3本まで育っているはずです。掘り上げて1株ずつに分けて株間20センチくらいを目安に植え付けてください。
はじめの覆土は5センチ程度と浅め。3週間ごとに3センチ程度の土寄せを3回おこない、最終的には地中から9センチほど深く埋めることになるでしょう。
育て方のコツとポイント
植え付け時に地上に出ている葉は根元から3-4センチを目安にハサミでカットしてしまってください。株分け時の植え付けの場合は、まとめて3本程度を一箇所に植え付けてしまってかまいません。
土寄せをしっかりしないと株が倒れて葉の収穫に差し支えが出るので、必ず定期的に3度十分におこない分けつを制御しましょう。
家庭菜園でのニラ栽培9.収穫
ニラの収穫時期の目安
種まきから植え付けまでと比べて、一度植え付けまで進めば収穫には1ヶ月もかかりません。葉が大きくなりすぎて固くなる前に採るのがおすすめです。
一般的な葉ニラの場合、美味しい収穫時期は植え付けて古い葉をカットしてから20日後長さ20センチ程度になっている頃が最適です。
収穫方法が特殊なニラ
黄ニラにするのであれば、植え付け後は光を遮断します。また花ニラは夏場にとう立ちしてきたものを茎ごと収穫して食べます。
収穫ポイントは花を咲かせないこと。小さなつぼみのうちが収穫に適した時期であり、株の無駄な消耗も防げるためおすすめです。
育て方のコツとポイント
一度収穫した株からもまた20日もすれば同じように葉が再生します。収穫・栽培を繰り返すことができますが、採りすぎないよう年に4回程度を目安にそれ以降は休ませてあげてください。
家庭菜園でのニラ栽培10.ニラの再生栽培
ニラの増やし方
ニラは根っこの部分さえあれば、再生栽培が可能です。種まきからでは時間がかかるとお悩みの方は、ご自宅でニラを育てている知人から増えすぎて破棄するような株があれば、数本で良いので分けていただきましょう。
そのあと、分きゅうしたものを株分けするという方法でどんどん増えます。
再生栽培の時期ややり方
再生栽培時期は植え付け時期を目安に。ニラの成長適温20-25度の時期ならばまず失敗することのない、栽培が簡単な野菜です。やり方は土の上に株元が少しでる程度に植え付け、苗と同様3週間ごとの土寄せをおこないましょう。
育て方のコツとポイント
根だけ手に入れた株の植え方は苗とまったく同じです。最初は浅めにして、土寄せを繰り返ししっかりと土に固定し株が倒れるのを防ぎます。
いろいろある!人気野菜にらの種類
1.大葉ニラなどの葉ニラ
これは、一般的な食用ニラに当たる種類です。緑色の葉部分を収穫して食べるのが基本とされており、その中でも大葉ニラなどたくさんの品種があります。
それぞれに長さ・幅・食感の違いなどそれぞれ特徴があるので、家庭菜園でこのニラを作る場合には種や苗などお好みで選ぶようにしましょう。
2.栽培法で作る黃ニラ
黃ニラは専用品種はなく葉ニラを日陰で育てることによって黄色く仕上げています。緑のものと比べるとにおいが控えめ・やわらかい歯ごたえなどが特徴。
3.テンダーポールなどの花ニラ
ニラのつぼみが出たものを花が咲く前に収穫して用いるのが花ニラですが、近年は花ニラ収穫用専用野菜の品種改良も進んでいます。
品種改良で生まれたものの中でも、代表的なものがテンダーポールという種類です。中華料理の炒めものなどに使われるのが一般的とされています。
まとめ
土の酸度や水やりに気をつけニラを上手に栽培
ニラの育て方で注意する点は、苗の栽培期間が長いということだけです。乾燥しがちでもよく育ちますし、肥料も固形肥料であれば月に一度パラパラとまいて土と混ぜておくだけで大丈夫。
一度収穫できるようになれば、株分けでどんどん増やすことも可能です。自宅で食べるだけでなく、お友達におすそ分けするくらいはすぐに増えてくれるでしょう。
押さえておくべきポイントは、定期的な肥料やりと冬場のお礼肥の二点です。連作障害もなく、コンパニオンプランツにも使えるニラづくりを楽しんでみませんか。
野菜が気になる方はこちらもチェック
暮らし~のでは、この他にもいろいろな野菜についての解説記事をご用意しています。
他人にはなかなか聞けない野菜のことから、土の酸度調整に使う苦土石灰の効果、種まきから始めて水やり、肥料など管理に関するコツやポイントなど野菜の育て方で知っておくべき内容をたっぷりご紹介しています。
是非、家庭菜園をする際にお役立てください。

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