花言葉に由来するホウセンカの特徴
ホウセンカとは元々は中国名!
6月~9月に開花時期を迎えるホウセンカは、ツリフネソウ科ツリフネソウ属の1年草。学名はImpatiens balsaminaと表記します。ホウセンカという花名は、花の形が中国神話に登場する伝説の鳥の鳳凰(ほうおう)の羽ばたく姿に似ていることから付けられた中国名です。「鳳仙花(ほうせんか)」とは、その中国名を日本語読みにした和名で、別名では「爪紅(つまくれない)」「薄紅(うすべに)」「ていんさぐ」などと呼ばれています。
花言葉を意味する英名
ホウセンカの英名は「impatiens」「balsam」というほか、別名では「touch-me-not(私に触れないでという意味)」や「jumping betty(おてんばベティ)」という名で呼ばれています。「touch-me-not」や「jumping betty」という呼び名は、ホウセンカの特徴から由来する呼び名であり、これらの呼び名はホウセンカの花言葉を意味する呼び名でもあります。
触れると種が飛び散る特徴がある
ホウセンカの原産地はインド、マレー半島、中国南部などの東南アジアです。花色は赤やピンクや白色で、花に香りはありません。花びらは一重咲きの種類や八重咲きの種類もあります。性質の大きな特徴は、熟した実を触ると勢いよくはじけて種が飛び散る性質があるということです。そんな性質が、ホウセンカの花言葉の由来の1つとなっていて、この性質が「私に触れないで」という意味を持つ英名の由来にもなっています。
特徴が由来するホウセンカの花言葉
「私に触れないで」「短気」
熟した実はちょっと触れただけで、まるで怒ったようにパンとはじけて種をまき散らす。その特徴が由来し、ホウセンカの代表的な花言葉は「私に触れないで」「短気」という言葉が付けられています。ホウセンカは花が咲き終わるとフットボールのような形をした実ができます。この実が熟し触れるとはじけて、種が四方に飛び散ります。ちょっと触れただけ怒ったように種を飛ばすホウセンカは人間にたとえると、短気で怒りやすい性格の人にも似ています。ちなみにホウセンカははじけて飛んだこぼれ種からでも育つ丈夫な花です。
学名は「短気」という意味がある
ホウセンカの学名であるImpatiens balsaminaの「Impatiens(インパティエンス)」とは、ラテン語で「忍耐なし」という意味です。「Impatiens」とはホウセンカのツリフネソウ属をラテン語に訳した言葉ですが、この言葉をラテン語に訳した意味は、ホウセンカの「短気」という花言葉を象徴しています。
花色が赤やピンクの花言葉は「情熱」
ホウセンカの赤やピンクの花には特に「情熱」という花言葉が付いています。「情熱」というホウセンカの花言葉は、濃い色の花が寄り集まって咲くホウセンカの花姿の、見た目の印象から由来した言葉です。夏の暑い時期に楽しまれるホウセンカ。濃い色のホウセンカの花は、観賞していてもまさに情熱的に見えます。
花言葉の多くはギリシャ神話から由来!
多くの花の誕生説が語られるギリシャ神話とは
46億年前に誕生した地球の歴史を探ると、植物が誕生したのは遥か昔の話ですが、地球の歴史の中ではまだ新しい時代の話です。そして植物の誕生にはたくさんの神話が伝承されています。その1つがギリシャ神話です。過ぎ去りし大昔の伝承文化であるギリシャ神話は、多くの神々の人間のような愛憎劇が繰り広げられ、その中からたくさんの花が誕生しました。ホウセンカもその1つです。
ホウセンカの誕生説が由来する花言葉
ギリシャ神話の中で語り継がれている、ホウセンカの誕生説が由来する花言葉は「心を開く」です。まだ神々がこの世に存在し、世を司っていた時代に、神々や英雄らが人間らしく嫉妬し、いさかいを繰り広げる様々な愛憎劇を物語るギリシャ神話の発祥は定かではありませんが、紀元前15世紀にさかのぼる古代ギリシャ時代の物語が今に伝承されている話です。花言葉は、ギリシャ神話の中で語り継がれていた話が由来となるものばかりではありませんが、ギリシャ神話の中で語られる、その花の誕生説から生まれた言葉が多いのは事実です。
花言葉に由来するホウセンカの誕生説とは
切なく悔しいホウセンカの誕生説
ギリシャ神話の中で語られているホウセンカの誕生説とは、とても切なく、悔しい話です。それは1人の女神が宮殿で催された宴会で、リンゴの番を命じられたことに始まります。リンゴの番を命じられたのですが、その時に何者かによって宴会からリンゴが1つなくなってしまったのです。疑われたのはリンゴの番を命じられた女神。その女神にとっては、全く身に覚えのないことでしたが、美しいその女神に嫉妬した者がこの女神に罪をかぶせたのでした。
ホウセンカになった女神のとった行動が花言葉となる
無実の罪を着せられた女神は、怒りと悔しさのあまりに真っ赤な花に身を変えてしまったのだとか。その花がホウセンカであり、これがホウセンカの誕生説と伝えられています。ホウセンカの実がはじけて中身をさらす性質は、その女神が胸を開いて「私は黄金のリンゴなど持っていない」と無実を訴えていることを示すためだと言い伝えられています。そんなギリシャ神話の中に伝わる、ホウセンカの誕生説が由来して付けられた花言葉が「心を開く」という言葉です。
歴史上の出来事が由来するホウセンカの花言葉
「挑戦」
ホウセンカの花言葉ではあまり知られていない言葉ですが、ホウセンカは「挑戦」という花言葉も持ち合わせています。イギリスの1人の植物学者が、82歳からホウセンカの研究を始め、研究にピリオドを打つまで9年かかったのだとか。研究を終えた彼曰く、「あらゆる植物の中で、ホウセンカをはじめホウセンカ属は、最も人をだましやすく、まったくずるい植物だ」という言葉を研究の最後に残していています。そんなイギリスの植物学者が積んだ歴史が由来し、「挑戦」という花言葉が付けられています。
ネパールでは「幸福」という花言葉を持つ花
ネパールの民間伝承が由来する花言葉は「幸福」
ネパールでは、昔から伝わる習慣で、ホウセンカの花で作った染料でボディ・ペイントを施す宗教的な伝統があります。ホウセンカの葉を潰して、作った染料で手や体に褐色の模様を染め付けるという宗教的な習慣です。特に若い娘が行うそうです。喜ばしい儀式や祭りの時に行う習慣であるため、そんな習慣が由来して、ネパールではホウセンカに「幸福」という花言葉を付けているのです。
日本でも赤く染める習慣があった
昔、日本でもホウセンカの花汁で爪を赤く染める習慣がありました。女性がホウセンカの花びらを潰して爪にのせて、現在のネイルのように爪を赤くしておしゃれを楽しんでいた、そんな習慣が日本にもあったと言われています。別名の「爪紅」とはこんな習慣から由来した呼び名です。またおしゃれな話ではありませんが、沖縄でホウセンカの花の汁を爪に塗ると魔除けになると信じられていたそうです。
韓国ではホウセンカで恋占い!
韓国ではホウセンカの花の汁で爪を塗り、初雪が降るときまで、爪に色が残っていたら恋が叶うなどと言った恋占いをしたのだとか。花言葉以外にもホウセンカには、そんな数々の民間伝承が語り継がれていて、昔から民間の間で親しまれていた花だということがわかります。
ガーデニング初心者でも育てやすい花
丈夫なホウセンカは管理も簡単!
こぼれ種からでも丈夫に育つホウセンカは、ガーデニング初心者でも育てやすい花です。気温が十分に上がった4月下旬から5月に種まきすると、6月には花を咲かせます。庭に直まきする場合は日当たりと水はけのよい場所に種をまくのがコツです。密集を避けて、余分な葉をすきながら、株の中の風通しを良くして管理してください。水やりは土の表面が乾いたら与えるので大丈夫です。毎日施す必要はありません。また肥料も追肥の必要のない手間のかからない育てやすい花です。
花言葉を知ってホウセンカを観賞してみよう
ぬれ衣を着せられた女神の化身がホウセンカだとギリシャ神話の中で伝承されるホウセンカの誕生説。花に化身しても、身の潔白を晴らそうと、熟した実は、ちょっと触っただけでもパンとはじけて、自分の中にはリンゴなど持っていないと無実を訴え続けているという話を知ると、ホウセンカの観賞の仕方も、見る目が違ってきます。中国神話の伝説の鳥、鳳凰に姿が似ているから、和名は「鳳仙花」と呼びます。今年の夏は花言葉を知って、今まで以上にホウセンカを楽しんでご観賞ください。
ホウセンカについてもっと知りたい方はこちらもチャック!
当サイト「暮らしーの」では、ホウセンカの情報を他にもまとめています。ガーデニングでの育て方や、種の特徴など、ホウセンカの情報をもっと知りたい方は、こちらもチェックしてみてください。
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