はじめに
ホウセンカを栽培しよう!
ホウセンカは小学校の教材にも使われる程栽培しやすく、病気・害虫に強い植物となっています。栽培環境に注意すればよほどのことがなければ育たないということはありません。一年草となっていますので種を採って翌年に種まきでの増やし方をすることができます。
種まき方法〜増やし方を解説!
ホウセンカの種まき方法から植え付け、栽培に適した環境を解説します。発芽してからの水やりや肥料などの手入れの仕方と栽培の注意点を紹介します。ホウセンカの育て方を覚えて庭植え・鉢植えでホウセンカを栽培してみましょう!
ホウセンカとは?
ツリフネソウ科の一年草
ホウセンカはツリフネソウ科ツリフネソウ属に分類される一年草です。「鳳仙花」名前の通り特徴的な美しい花を夏の間咲かせてくれます。花後に種を付け、鞘が刺激されると弾けてしまう様子から「私に触れないで」という花言葉があります。
日本の気候は栽培環境にぴったり
ホウセンカは東南アジアが原産地となっており、日本の高温多湿な環境は栽培にもぴったりです。日光の加減や用土の栄養不足・肥料不足などがない限りは丈夫に育ってくれます。
ホウセンカの特徴
丈夫で栽培しやすい
ホウセンカは丈夫で栽培しやすい為、小学校の理科の時間に育てたことがあることを覚えている人もたくさんいるのではないでしょうか?難しい手入れもありませんのでガーデニング初心者でも挑戦しやすい植物となります。
ホウセンカは直根性
ホウセンカは直根性と言って根が下に下にと真っ直ぐ伸びる性質があるので植え替えをする時には根を崩さないよう掘り上げたり、育苗ポットから取り出して植え付けをする必要があります。
身近な花
ホウセンカは「爪紅」という別名があります。昔から女の子が爪を赤く染めるのに使われたり、種が弾ける様子から歌や小説のテーマとして扱われたりと人々の身近に昔から存在していた花だったという特徴があります。
品種も様々
ホウセンカは品種改良が盛んで、代表的な品種のプリンセスサクラは花びらが多く、大きい草丈・八重の花びらになるカメリア・フラワード、草丈は小さくても大輪の花を咲かせるトム・サムなど様々な品種のホウセンカが出回っています。パッケージや苗の説明書きを読んで好みのホウセンカを栽培してみましょう。
ホウセンカの育て方1:栽培の流れ
ホウセンカ栽培の流れ
ホウセンカは春の時期に種まきをし、植え付け〜開花を夏から涼しくなる時期まで特徴的な美しい花を見せてくれます。ホウセンカ栽培の流れを目安となる月を解説します。丈夫で強い植物となりますので植え付けの時期を押さえておくと上手く栽培することに繋がります。
種まき
ホウセンカの種まきは4月から5月が適した時期となっています。発芽温度は20度以上となりますので、気温が安定してきた時期を待って種まきをしましょう。
植え付け
種まきをしてから10日程で発芽し、育苗管理をしながら栽培します。本葉が2・3枚になる頃に鉢や露地に植え付けをしましょう。
肥料
土づくりで肥料をしっかりと混ぜ込んでいる場合は特に追肥として肥料を施す必要はありません。生長が悪いと感じた時には6月頃を目処に置き肥を肥料として施しましょう。
開花時期
6月から9月の間にホウセンカは特徴的な美しい花を咲かせてくれます。気温が下がり始める時期になると花の時期は終わり、ホウセンカは種を作り始めます。
ホウセンカの育て方2:肥料・土づくり
地植えの肥料・土づくり
地植えをする場合の土づくりは植え付けをする場所に腐葉土と遅効性の化成肥料を混ぜ込んでおきましょう。ホウセンカは水やりを気をつけてしてやる必要がありますが、水捌けが悪い土だと根がしっかりと張りませんので水捌けの良い環境を作ってあげるようにしましょう。
鉢植えの肥料・土づくり
鉢植えにする時は赤玉土:腐葉土を7:3で混ぜ込んで地植えの時と同じく遅効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。また、草木用の園芸培養土をそのまま使うと手軽に栽培環境を整えることができます。
ホウセンカの育て方3:種まき時期
種まき時期は4月〜
ホウセンカの種まき時期は4月から5月が適しています。暖地は1ヶ月早く、寒冷地は1ヶ月遅く読み替えて植え付け時期を調整するようにしてください。
発芽温度
ホウセンカには発芽に適した温度があります。20度から25度以上となっており、寒冷地で生育期間を長くしたい場合は育苗ポットで温度管理をしながら植え付けることで栽培することができます。発芽から育苗をしたあと、栽培環境が整ってから植え付けすると失敗なく育てることができます。
ホウセンカの育て方4:種まき方法
種まき方法
ホウセンカを種まきする方法は直播きと育苗ポットを使った2種類があります。ホウセンカは直根性という特徴がありますので暖地や中間値で直播きにすると根を傷める心配がありません。育苗ポットを使うのにおすすめするのは寒冷地などで栽培期間が短くなりそうな地域の人におすすめします。
種まき方法①直播き
直播きにする場合は植え付けする場所に浅く種まき溝を掘って筋まきにします。ホウセンカの種は軽く、小さいので浅く覆土します。種が流れてしまわないように優しく水やりをして発芽するまで乾燥させないように発芽環境を整えます。
種まき方法②育苗ポット
育苗ポットを使って発芽させる場合は育苗ポットに3粒程度間隔を開けて種まきをします。発芽するまでは直播きと同じく乾燥させないようにしましょう。発芽したのちに最終的に1本立ちになるように生育の良い苗を残して間引きをします。本葉が2・3枚になるまで待ってから鉢や庭に植え付けましょう。
ホウセンカの育て方5:栽培環境
日当たり
ホウセンカの栽培で大切なのは日当たりの良さです。半日陰の日当たりでも育てることができますが、日当たりが良いほど丈夫に育ってくれます。
温度
ホウセンカは暑さには強い植物となっていますが、気温が低いと上手く生育してくれません。種まきのところでも解説しましたが、温度が低い日が続くと発芽・生長が遅くなります。寒冷地での栽培の際は温度管理ができる育苗ポットを利用して育ちやすい環境を整えてしっかりとした苗を作るようにしましょう。
ホウセンカの育て方6:手入れ・水やり
地植えの水やり
ホウセンカに限りませんが、露地栽培の場合水やりは天気任せにしておいて大丈夫です。しかし、開花時期に雨が降らない日が続く時はホウセンカの状態を良く観察して元気がない時は水やりをしてあげると復活してくれることがあります。水やりをする時は朝・夕の涼しい時間にするようにしましょう。日中に水やりをすると根が傷む原因となります。
鉢植えの水やり
鉢植えの場合は地植えに比べて用土に限りがありますので土の表面が乾いているのを確認したら鉢底から水が流れるくらいたっぷりと水やりをしましょう。地植えの水やりと同じく日中の暑い時間は避け、朝・夕の時間帯に土の確認、水やりをするようにしましょう。
ホウセンカの育て方7:手入れ・肥料
開花時期の前に肥料を
ホウセンカを植え付けた4月頃からどんどんと草丈を伸ばしていきます。6月頃から徐々に花を咲かせてくれますが、花付きを良くしようと思った時には置き肥を株の近くに置くようにしましょう。土づくりのところでしっかりと化成肥料を混ぜ込んでいる場合は特に肥料を施す必要はありません。
元気がない時は
あまり手入れを必要としないホウセンカですが、元気がない時は水やり不足か肥料不足など手入れに失敗があった可能性があります。植え付けからの手入れと日当たりの良い置き場所など生育環境を整えられているかを見直すと復活してくれます。
剪定
株が生長して込み入ってくると加湿状態となり病気・害虫の原因となります。基本的にホウセンカは剪定をする必要はありませんが、込み入ってきた場合は剪定して風通しを良くする手入れをしてみましょう。
ホウセンカの育て方8:増やし方
ホウセンカの増やし方
ホウセンカの増やし方は「種まき」と「挿し木」の2通りがポピュラーです。種まきでの増やし方は翌年の栽培で同じように植え付けをすることができます。種ができる前の増やし方は生育時期の6月頃に伸びている生長点を摘み取って挿し穂にし、挿し木をすることで増やすことができます。それぞれの増やし方を解説します。
増やし方①種採り
開花時期が終わる9月頃から花がついていた場所に鞘が膨らみ始めます。鞘が熟すと弾けて種が散らばりますので弾ける前に鞘をティーバッグを鞘に被せて弾けるのを待つか、ビニール袋を被せて指で鞘を刺激して種を採りましょう。種を採ったあとは風通しの良いところで紙袋などに入れて乾燥させ、乾燥剤と密閉容器に入れて冷暗所で翌年の種まき時期まで保存しておきましょう。
増やし方②挿し木
挿し木での増やし方は6月から7月の生長期に行います。天気が良い日を選んで先端から10cm程を清潔にしたナイフで切り取って挿し穂とします。挿し穂を取ったらすぐに水に30分ほど付けて育苗ポットにバーミキュライトを入れて挿し穂を挿して水を切らさないようにすると1ヶ月程で根を出します。根が出ているのを確認したら傷つけないように鉢や庭に植え付けます。
ホウセンカの育て方9:注意点
育て方の注意点
ホウセンカを育てる時の注意点をまとめておきます。ホウセンカは丈夫な植物ですのである程度放任で栽培しても育ってくれますが、手入れや環境が悪い場合は上手く成長してくれないことがあります。
注意点①植え付け場所
ホウセンカの植え付けをする場所は日当たりが良い場所を選ぶようにするとよく育ちます。半日陰までは育ってくれますが、日当たりがする場所の方が丈夫で元気なホウセンカを育てることができます。
注意点②水切れ
ホウセンカは水切れを起こすと生長が止まり、花付きが悪くなります。植え付けをしてからの手入れは水切れをさせないように水やりをすることです。地植えでも土とホウセンカの状態を観察し、乾燥していると感じた時には水やりをしてあげましょう。この時に葉の状態を見て手入れをすると病気・害虫を未然に防ぐことにも繋がります。
注意点③連作障害
ホウセンカは連作障害の影響が出やすい植物となっています。翌年に植え付ける時は場所を変えるか、鉢植えの場合は違う植物を植えた土に肥料を混ぜ込むか新しい土を使うようにしてください。同じ場所に植え付けると上手く育たない環境となりますので注意しましょう。
ホウセンカの育て方10:病気
うどんこ病
うどんこ病はかび菌が原因の病気です。株に蔓延すると完治させることができず、株を抜いて処分するしかありませんので初期段階のうちに発見・対処することが重要なこととなります。うどんこ病の症状は葉の表面に白い胞子がびっしりと繁殖し、白い部分を目視することができます。
予防・対処法
適切な湿度と日当たりを確保できる生育環境を整えてやることがうどんこ病にならない為の予防法となります。うどんこ病は病名の通り葉が粉をまぶしたような特徴がありますので発見した時は葉を切除する、殺菌剤を散布するなどの対処法を早めに取りましょう。日常の手入れと注意を怠らないことが大切です。
自家製除去剤の作り方
うどんこ病に対処できる除去剤は自作することができます。必要な物はスプレーボトルと食用グレードの重曹・水です。作り方は水500mlに対して1gの重曹を溶かしてスプレーボトルに入れ、病気の特徴があるところに散布します。重曹の濃度を濃くし過ぎると変形や枯れてしまうことに繋がりますので注意が必要です。
ホウセンカの育て方11:害虫
センチュウ
センチュウはホウセンカの根に寄生する害虫です。生長が途中で止まっている時には寄生されている可能性があります。センチュウの特徴は根がコブのように膨らんでいる症状が出ることとなり、土から掘り返してみなければ寄生されていると確定できないところが難点です。
予防・対処法
センチュウを予防する為には同じ場所に連作しないこととなります。栽培環境に問題がないのに生長が止まっている特徴が現れた時には掘り上げて根の状態を確認しましょう。地植えで何株か寄せ植えをしている場合は掘り上げて違う場所に植え替えをしましょう。
コンパニオンプランツ
他にも対処法としてコンパニオンプランツを寄せ植えしておくとセンチュウを遠ざけることができます。センチュウを遠ざけるコンパニオンプランツはマリーゴールドとなります。複数の植物を植える事で連作障害を防ぐことができますのでホウセンカと寄せ植えをするようにしてみましょう。
まとめ
ホウセンカを育ててみよう!
ホウセンカは小学校の教材でも使われる植物です。暑さに強く、栽培しやすい植物となっています。少しの注意で病気や害虫を寄せつけることなく元気に栽培することができます。「鳳仙花」の名前の通り優雅な花びらを夏の間楽しむことができ、花後に種を取っておくと翌年も種まきでの増やし方で数を増やしながら栽培することができます。ホウセンカの育て方を覚えて栽培してみましょう!
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