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ホウセンカの種がはじけるのはナゼ?その理由や収穫・種まき方法まで解説!

指でぎゅっと触ると皮がめくれて種がはじけるホウセンカ。子供の頃に試した経験のある人は多いと思います。でも、実が熟して黄色くならないとはじけないのは知っていましたか?ホウセンカの種がはじけるしくみや種のまき方・取り方などについて解説していきます。
2020年8月27日
atsugon
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ホウセンカの一生とは?

小学校の理科の教材でも使われることが多いホウセンカ。 子供でも育てられることから分かるように、育て方は簡単です。 ホウセンカの一生は、種まき→発芽→成長→開花→種ができる→枯れるという、ほかの多くの種子植物と同じプロセスを辿ります。 日本では一年草として生育し、春に種をまくと夏にかけて成長・開花し、夏の終わり頃にたくさんの種をつけます。 その後、植物体は枯れてしまいますが、こぼれ種で来年も同じ場所から芽を出すほど生命力の強い花です。

ホウセンカの実の構造や種の大きさは?

ホウセンカの黄色く熟した実を指と指で挟んでぎゅっと力を込めると、皮がはじけて種が飛び出します。 子供の頃、面白がって何度も種を飛ばした経験のある人も多いのではないでしょうか? ホウセンカの実の大きさは1.5~2cm、種は茶色をしていて大きさは2mm程度です。 まだ熟していない緑色の実は、同じように触ってもはじけることはなく、力を入れすぎるとつぶれてしまいます。 実が熟して乾燥すると、人が手で触れなくても自然にはじけて種が飛んでいきます。 ホウセンカの実には、よく見ると縦に何本もの筋が入っているのが分かります。 実が熟すと、この筋がちょっとした刺激で割れてくるりと内側に入り込み、その勢いで種がはじき飛ばされて外に出るというしくみになっています。 このように成熟するとはじける種は、「蒴果(さくか)」と呼ばれており、ホウセンカのほかにもアサガオやオクラ、ヤマユリなどが朔果の仲間です。 見た目がクローバーに似ている雑草のカタバミも朔果で、庭などにひと株生えるとどんどん種を飛ばして増殖していくやっかいな植物です。

ホウセンカの種はどのくらい遠くまで飛ぶの?

ホウセンカはひとつの実に10~20個の種が入っていて、遠くへ飛ぶものだと1m先に落ちるものもあるそうです。 少し離れた距離に飛んだ種から芽が出て大きく成長し、やがて花が咲いて実ができたら、また種がはじけて少し離れたところに落ち…という繰り返しで、長い年月をかけてホウセンカが花壇のように長く連なっているところを見かけることがあります。 これは人が植えた訳ではなく、自然に増えているんですね。


ホウセンカがはじけるのは何のため?

ホウセンカの種がはじけるのは、子孫をできるだけ広い範囲に繁殖させようとするメカニズムによるものと考えられています。 また、ホウセンカを何年も同じ土で育てていると連作障害が起こるといわれていますので、少しでも離れた場所に種を飛ばすことで、植物体へのダメージを少なくしようとする自然の摂理なのかもしれません。

ホウセンカの種まきの時期と植え方・育て方・種の取り方

それでは、ホウセンカの種まきから、成長~開花~種の収穫まで、順を追って見ていきましょう。

1.種まきの時期について

ホウセンカの発芽温度は20℃くらいなので、気温が十分に上がってきた4月以降の時期に種まきをします。 目安としては、桜が満開になる頃と覚えておけば失敗がありません。 丈夫な植物なので特に土は選びませんが、大きく育てたいならホームセンターなどで売っている花用の培養土を使うとよいでしょう。 ホウセンカは太い1本の根で育つ直根性の植物なので、種をまいたらなるべく同じ場所で育てるのが望ましいです。 花壇や庭植えの場合は、土を深めに耕して柔らかくしておきます。 鉢植えの場合は、十分深さのあるものを使いましょう。 種まきの方法は、土一面に種をまく「ばらまき」、土の上に細い溝をつくり、その中に種を1粒ずつ入れていく「すじまき」、土の中に小さな穴をつくり、1ヶ所に2~3粒ずつ種を入れていく「点まき」のどれでもかまいません。 種を置いたら、うすく土をかぶせ、種が流れないように優しく水をかけておきます。 発芽するまでは、水を切らさないようにしましょう。 「ばらまき」でまいた種から固まって発芽してしまった場合は、本葉が4枚ほどになった頃に元気そうな苗を選んで間引きします。

2.子葉が出てから、本葉が増えるまでの育て方


種をまくと5~7日前後で発芽し、最初に子葉という丸い2つの葉っぱが出ます。 その後、子葉の間からギサギザした形の葉が出てきます。これが本葉です。 葉と葉の間から小さな葉が増え、茎もどんどん上に向かって伸びていきます。 ホウセンカの茎は直立性なので、枝分かれして伸びていくことはありません。 また、増えていく葉は、どの葉も重ならないような形に生えていきます。 上から見ると、まるで花が開いた時のような形をしています。 これは、ホウセンカの葉が太陽の光を効率的に受けるためと考えられています。 日当たりのよい場所で育ったホウセンカは、茎が太くなり、葉もたくさんつけます。 地植えの場合は、あまり水やりは必要ありませんが、晴天続きで土がカラカラに乾いていると感じたら、たっぷりめに水をあげましょう。 真夏は、朝と夕方、最低2回は水やりをして水分を切らさないように注意して育てます。

どうしても移植しなければならない場合の植え方は?

ホウセンカは、苗で出回ることはあまりありません。 根が切れたり、傷つくことのある移植を嫌うからです。 でも、沢山芽が出てしまった苗を処分してしまうのは忍びなくて、広めのプランターなどに植え替えてあげたいと思うことはありますよね? そのような場合は、なるべく根を切らないように土の塊をほぐさない植え方をするのがコツです。 移植する時期は、本葉が3枚ぐらいの頃が最も適しています。 生育が進んでからだと、上手く根付かないことがあるからです。 地植えする場合は、鉢植えよりも大きく成長するので、株と株の間を20~30cm空けて植え付けましょう。 育苗用のジフィーポットに種まきをすると、根を崩さずに苗を広い場所に移植することができ、ポットは数か月で土に還るので便利です。

3.つぼみができてから、花が咲くまでの育て方

葉の数が増えてくると、葉の付け根に次々とつぼみができ始めます。 しっぽのような形の「距」という部分も、つぼみの成長とともに伸びていき、種をまいてからおよそ2ヶ月ほどで最初の花が開花します。 ひとつの部分から2~3個の花が左右対称に咲き、花の大きさは2.5~4cmぐらいです。 ホウセンカの花びらとがくははっきり分かれておらず、一見花びらに見える部分ががくだったりします。 左右の大きな2枚の花弁は、もとは4枚だったものが合わさったものと考えられています。 ホウセンカは短日植物のなかまなので、昼の長さがある一定の長さよりも短くなると花芽が分化され、開花します。そのため、夜でも明るい外灯がつく玄関などに置いていると、花が咲かないことがあります。 鉢植えの場合は、置き場所にも注意して下さい。


4.ホウセンカの種の取り方について

夏の終わり頃になると、ホウセンカの実は成熟してきます。 完熟すると、何もしなくても実がはじけて種が飛んでいってしまいますので、種を確実に収穫したい場合は以下のような方法をとります。 1.実が黄緑色~黄色に色づき始めたら、実の根元に排水口フィルターやお茶パックのような細かい網目の袋をかぶせてホチキスなどで止めます。 2.種がはじけて袋の中に入っているのが確認できたら、袋を外し、種を集めます。 3.すでに成熟している実の場合は、袋をかぶせて根元をおさえてから、指で挟んで種をはじき出させます。 種を収穫した後は、茶封筒などに入れて乾燥させてから保存します。 ホウセンカの種の寿命はアサガオなどと並んで長く、なんと5年ほどといわれているので、収穫したことを忘れた頃にまいた種から芽を出すことがあるかもしれませんね。

ホウセンカの種がはじけるのはナゼ? まとめ

ホウセンカの種がはじけるしくみや、種のまき方・植え方・育て方、種の取り方までお分かりいただけたでしょうか? 基本的には、ホウセンカはとても育てやすい植物です。 学校から子供が持ち帰ってきたホウセンカにつぼみができない、花が咲かないといったお悩みをよく目にしますが、日当たりが良すぎる(悪すぎる)、水のあげすぎ(不足)などの単純な原因であることが多いです。 原因をしっかりと分析し、対策してあげれば、夏の間にはきっときれいな花を咲かせてくれるでしょう。 いつのまにか種がはじけてなくなってしまわないように、種の収穫もしてあげて下さいね。