キャベツの栽培や育て方を徹底解説!
スケジュールを立てて上手に収穫しよう
近年、庭に菜園を作ったり、プランターで野菜類を家庭菜園で楽しむ方が増えました。自分で育てた野菜は、収穫の達成感も、喜びもひとしおです。特に結球するキャベツは、栽培に少し手間がかかりますが、育て方のコツを知っておくと、上手に収穫を楽しむことができます。ここではキャベツの収穫までの栽培の仕方や育て方のポイントをピックアップして解説します。キャベツの栽培のスケジュールを立てるときの参考にしてください。
キャベツの栽培は結球していく過程も楽しみ
生食でも、煮物でも、漬物でもと様々な料理に幅広く利用できる野菜の定番であるキャベツの栽培では、大きな葉が結球していく過程も育てる過程の楽しみの1つです。キャベツと言っても品種も色々あり、品種選びも楽しみです。品種選びから、生長過程の楽しみまで、楽しみ満載のキャベツ!上手に栽培して収穫ももちろん楽しんでください。
キャベツの栽培及び育て方の基礎知識
春まき、夏まき、秋まきが可能
地中海沿岸を原産国とするアブラナ科のキャベツは、使い勝手の良い結球葉の野菜です。定番の品種以外にも形が変わったものや、サラダ用のもの、ミニキャベツ、葉が紫や黒いもの、ちぢれたものなど多彩な品種があります。栽培は春、夏、秋の季節が最適な季節です。キャベツの種の発芽に最適な温度は15℃から20℃の季節。生育時期の適温も15℃から20℃の季節が栽培に良い季節です。地方によって季節の気温に違いがありますが、最適な気温の季節に合わせて栽培のスケジュールを立てましょう。
初めて栽培に挑戦するなら夏まきがおすすめ!
キャベツの栽培に初めて挑戦するなら、夏まきで10月中旬から12月に収穫するスケジュールを立てるのがおすすめの育て方です。夏まきは比較的害虫の被害も少なく作りやすいでしょう。また暑い時期は若苗の根付きがよいので、初心者はこの時期に栽培を始めるのがおすすめです。ただ注意点としてはまだ暑い時期なので、キャベツの種類の中でも耐暑性のある品種を選んで植え付けしましょう。
春、夏、秋キャベツの植える時期
春キャベツを植える時期
日本の地方を気候区分すると、年平均気温が9℃~12℃の地方を寒冷地、12℃~15℃の地方を中間地、15℃~18℃の地方を暖地を区別しています。上記の気温以下の地域(北海道、東北、長野など)は寒地や極寒地とみなし、年平均気温が18℃以上の地域(沖縄など)を亜熱帯と区分しています。4月~5月の季節に収穫する春キャベツは、中間地以西の温暖な地方で栽培可能で、11月下旬~12月上旬の冬の季節に苗を植え付けます。
夏、秋キャベツの植え付けの時期
ポピュラーな夏、秋キャベツの収穫の季節は11月~12月上旬です。苗の植え付けの時期は夏の季節の8月下旬~9月の上旬が最適な季節です。この時期になると、ホームセンターなどにも苗がいっぱい出回り、簡単に苗を入手できます。初めてキャベツを育てるなら、夏の時期に出回る市販の苗を利用して栽培を楽のしむのもおすすめです。この時期のキャベツは品種もたくさん出回ります。
キャベツの栽培ポイント1:種まきはポットから!
種はポットで苗を育成!
キャベツは種まきからでも、苗を購入して植え付けて栽培するのでもどちらで収穫を楽します。苗は種まきの時期になると園芸店やホームセンターの店頭に並びます。良い苗の選び方のポイントは、茎がしっかりとしていて、葉の色が鮮明であることと、また虫などが付いていないか、葉の表側だけではなく裏側もしっかりとみることです。元気の良い苗を購入してください。また種からの育て方のポイントは、ポットで苗を育成して栽培するのが植え方ポイントです。
ポットの種まきの仕方
広い菜園がありたくさんキャベツを栽培する場合は、育苗箱やセルトレーに種まきしますが、少ない数でよいのならビニールポットに種をまいて苗を作ります。ポットの中に8分目くらい用土を入れて1ポットに4~5粒の種をまきます。種をまいたら種に土をかぶせて、たっぷりと水を施してください。発芽したら、本葉が4~5枚出てきたら1本に間引きます。その後、週1回、液体肥料を与えて苗を育てます。この幼い苗にもチョウチョが卵を産み付けますので、ネットをかぶせておくのがポイントです。
キャベツの栽培ポイント2:土作り
土作りは植え付け1週間前から開始!
野菜の育て方のスケジュールに欠かせない土作り!プランターで栽培する場合は、市販の野菜・草花用の培養土を使用するのが簡単で便利です。市販用の培養土には、すでに元肥も含まれているので、わざわざ元肥を加える必要もありません。家庭の菜園に地植えする場合は、株を植え付ける1週間前から当日までに、土作りをするようにスケジュールを立ててください。
キャベツの育て方に最適な土作りとは
キャベツの育て方のスケジュールに大切な土作り。地植えする場合は、収穫に影響する大切な作業です。キャベツが酸性度に弱い野菜。日本は雨が多いので土壌が酸性度に傾きやすい傾向にあります。キャベツの育て方で最適な土壌のpHは、6.0~6.5です。ホームセンターや園芸店へ行くと酸度計が売っていますので、1つ購入して置くと、花を栽培するときなどにも便利です。酸性度の強い土壌には、アルカリ性に傾かせるため、苦土石灰をしっかりと土壌に施しておきましょう。
キャベツの栽培ポイント3:元肥をしっかり施す
結球野菜は肥えた土壌でよく育つ!
結球野菜のキャベツ。育て方の土作りのポイントで大切なのは、土壌が酸性でないことと、元肥をしっかりと施して耕しておくことです。元肥は市販の緩効性の野菜・草花用の化成肥料で構いません。土作りにおいて、キャベツは肥えた土を好むので、堆肥をたっぷりとすき込んで水はけのよい状態に耕しておきます。しっかりと結球させて収穫するために、土作りの段階で、しっかりと元肥と堆肥を施しておくことが大切です。
苦土石灰、堆肥、元肥の施す量の目安
市販の苦土石灰、堆肥、元肥となる緩効性の化成肥料のものには、袋に使用量の説明が記載されてます。施す量は記載に従って分量を施すとよいでしょう。一般的にキャベツの栽培の土作りの際には、1㎡当たり苦土石灰は約100g(大人の手で2握り)、完熟堆肥は約2kg、元肥の化成肥料(チッ素:リン酸:カリウムが8:8:8の肥料がおすすめ)を約100g(大人の手で2握り)ほどとされています。
キャベツの栽培ポイント4:植え方
植え方は生長した株を想定すること!
キャベツの苗の植え方のポイントは、生長した時のサイズを知っておくことが必要です。ポピュラーなキャベツの株は、生長すると横50cm~60cmくらい、高さ30cm40cmくらいの大きさになります。2株以上植える場合、株の植え方のポイントとしては、生長した大きさを考えて、株間を40cm~45cmほど開けて植えましょう。植え方の大切なポイントです。
その他の植え方のポイントは
購入する苗にしても、種からポットに育てた苗にしても植え付ける時期は、本葉が4枚~5枚出た苗を植え付けます。地植えの場合は土作りを済ませた畝に40cm~45cm間隔で植え穴を土壌にあけて、まずその穴にジョウロで水を注いでおき、苗を植えます。ポットから苗を外すときは、根元をしっかりと持って、苗を逆さにし、ポットから抜きます。根を傷めないようにそっと植え穴に入れて植え付けてください。植えらた、最後にもう一度たっぷりと水を施しておきましょう。幼い苗は折れやすいので、扱いにくれぐれもご注意ください。
キャベツの栽培ポイント5:プランターの植え方
プランターでの植え方は1個ずつ!
キャベツの栽培は、プランターでも栽培可能です。土作りもしなくてよいし、ベランダでも栽培できますが、土の量やプランターの大きさに限りがあるので植え方には工夫も必要です。たとえば40cm×40cm×35cmくらいの正方形の大きさのプランターには1苗が目安。65cm×32cm×25cmの横長のプランターもポピュラーな大きさに生長するキャベツは1苗を植えるのがよいでしょう。プランターで2苗植える場合は、正方形のプランターに1苗ずつ植えることをおすすめします。
プランターはミニサイズの品種もおすすめ!
プランターでキャベツを栽培する場合は、ポピュラーな品種ではなくミニサイズのキャベツを選んで栽培するのもおすすめです。ミニサイズのキャベツも植え方や収穫の季節は普通のキャベツと同じです。ミニサイズの品種は球の大きさが直径10cm~12cmくらいです。この品種なら、植え方で株間を10cmくらいあければ、横長のプランターに2株植え付けることも可能です。
キャベツの栽培ポイント6:防虫ネットは必須!
苗を植え付けたら防虫ネットをかけよう!
苗を植え付けたあとのスケジュールに欠かせないのが、防虫ネットを張る作業です。キャベツの育て方の必須項目です。プランターのものはプランターにしっかりと防虫ネットを張り、隙間ができないようにゴム紐などでしっかりと防虫ネットを塞いでおきましょう。地植えの場合は、植え付けた直後に畝にトンネル支柱をさして、防虫ネットをかけ、すそを土に埋めておきます。
水やりは防虫ネットの上からでOK
防虫ネットもトンネル支柱も、園芸店やホームセンター、またネットでも簡単に購入することができます。日頃の水やりは防虫ネットの上から水を施すので大丈夫です。いちいちネットを外す必要はありません。キャベツの若葉は、とくに虫にとってとても美味しいご馳走です。苗を植え付けたらすぐに防虫ネットを張って対策する作業をスケジュールの中に必ず加えてください。
キャベツの栽培ポイント7:肥料の追肥について
定植したら肥料を追肥!
苗を植え付けてから収穫まで約3ヵ月くらいかかります。苗を植え付け定植後の2週間目ごろから、月に2回、肥料を追肥して株を大きくしていきます。追肥は市販の化成肥料、土作りから始めた場合は元肥に使った肥料を追肥するので構いません。液体肥料でも構いませんが、液体肥料を追肥する場合は、週に1回水やりの時に追肥します。液体肥料を追肥する際は、株元にしっかりと水で薄めた液体肥料を追肥してください。
肥料の追肥と一緒に土寄せする
粒状の肥料を追肥する場合は、株の周りにまき、軽く土と混ぜて株元に土寄せします。土寄せというのは、株の根元に土を寄せ上げる作業のことです。株が大きくなると株丈も伸び、株の根元がぐらついてきます。この時に土で株元を押さえ根元のぐらつきを防いであげます。土寄せは茎が見えている時期までで、葉が地面に広がるくらいに大きく育ったら、肥料を追肥するだけで構いません。
キャベツの栽培ポイント8:収穫時期
球が堅く締まってきたら収穫の時期
スケジュールの終盤は、収穫の時期を見極め収穫することです。本葉が20枚くらいになると、外葉が大きく広がり結球が始まります。結球が始まり1ヵ月ほど過ぎると、そろそろ収穫の時期を迎えます。結球が大きくなり、球の上部を手で押さえてみて堅く締まった手ごたえがあれば、収穫の時期です。収穫の時期には、大きな外葉から球が盛り上がるようになります。結球したキャベツの葉の下に包丁などを入れ、株元を切り収穫します。
収穫時期を逃すと列球する
収穫時期を逃すと、球の内部の葉が生長してしまい、結球が進みすぎて球が割れてしまうことがあります。これを「列球」と言います。食べられないことはありませんが、味が悪く美味しくありません。収穫適期になったら、速やかに収穫して美味しいうちに収穫してください。
キャベツの栽培ポイント9:病害虫について
害虫被害の多いことが育て方の難点
アブラナ科のキャベツにはアブラムシ、アオムシ、ヨトウムシ、コナガなどの害虫の被害がとても多いのが栽培の難点です。アブラムシは葉の裏や茎に寄生して汁を吸います。それ以外の害虫は葉をかじって葉を食いあさり、放置しておくと葉脈だけが残った憐れな姿になってしまいます。
特にモンシロチョウには気をつけよ!
キャベツの若葉は虫にとっては大変美味しいご馳走です。特にモンシロチョウの幼虫のアオムシは、このキャベツの若葉が大好きなので、苗を育てている時期は、キャベツの葉に卵を産みにモンシロチョウが飛んできます。ほおっておくと卵からかえったアオムシに葉を食べられてしまい、葉脈だけのさびしい姿になってしまいます。
予防は防虫ネット!
害虫からキャベツを守る対策としては、「キャベツの栽培ポイント6」で説明したように、苗の植え付けと同時に栽培スケジュールで必須の防虫ネットを張ることです。購入してきた苗などには、すでに葉に卵が産み付けられている可能性もあるので、植え付けの時は葉の裏などをよく見て、卵や害虫を見つけたらすぐに取り除いて駆除してください。できるだけ農薬などの薬剤を使用しないようにしたいものですが、やむを得ない場合は、天然成分で有機農産物栽培にも使える「STゼンターリ顆粒水和剤」などの天然微生物が作る有効成分からできている防虫剤もおすすめです。
コンパニオンプランツも利用しよう!
キャベツの栽培を始めると、とかくモンシロチョウが飛来してきます。防虫ネットももちろん必要ですが、モンシロチョウが嫌う香りであるキク科の野菜、たとえばシュンギクやレタスなどを近くに植えると飛来を防ぐことができます。このような野菜をコンパニオンプランツと言って、一緒に植えることで良い影響を与えあいます。
キャベツの栽培ポイント10:連作は避けよう
連作障害とは
連作というのは、同じ場所で同じ野菜を繰り返し作り付けすることです。ただ連作することで翌年の作物が生育不良となる場合があります。これを連作障害といいますが、連作することによってその科に特有の病害虫が集積しやすくなったり、土の中の養分で特定の養分だけが欠乏して土壌の養分バランスが崩れてしまうことで起こる植物障害のことです。
キャベツは連作は不可
プランターで育てるものは用土を変えれば問題ありませんが、庭に菜園を作り、地植えのキャベツは連作障害を起こす場合があります。同じ土壌に栽培する場合は、2年~3年間をあけて栽培するようにしましょう。
キャベツの上手な保存方法
野菜室で保存する場合
丸ごとキャベツを保存する場合は、包丁で芯を切り抜き、そこの濡らして軽く絞ったキッチンペーパーを詰め込んで、新聞紙に包み、なおポリ袋に入れて軽く口をしめて野菜室で保存します。また半分もしくは1/4の大きさのものを保存する場合は、芯に切れ目を入れてしっかりとラップして野菜室で保存します。これで約2週間は新鮮に保存できます。
冷凍して保存する場合
冷凍して保存する場合は、野菜室で保存するよりも長く保存できます。約4週間保存可能です。冷凍保存する場合は、キャベツを使いやすい形(千切り、ざく切りなど)にカットし、水にさらし、水気をしっかりと切ってジップロップなどのフリーザーバッグなどの密閉袋にいれて、冷蔵保存します。千切りなどでサラダに使う場合は自然解凍で美味しく頂けます。
冷凍保存したキャベツの味わい
冷凍保存したキャベツは、生のキャベツに比べて、味わいは変わりませんが、食感がしんなりした感じになります。ただ丸いキャベツは大きいので、家族の人数が少ない家庭では、少しでも長持ちさせたいところです。そんな冷凍キャベツのおいしい食べ方は、コールスローの利用すると、しんなりとしている分、カサがへって塩もみしやすく、やわらかくて食べやすくなり、冷凍のキャベツを美味しく食べる調理法におすすめです。そのほか、冷凍のままスープや煮込み料理や炒めものにも使用することもでき、冷凍保存したキャベツも便利に美味しく活用できます。
キャベツを栽培してみよう!
野菜の中でもだんだんに葉がまき、結球していく変化も楽しめるキャベツ。栽培のコツさえ覚えてしまうと、結球の仕方を楽しみながら、美味しいキャベツの収穫も楽しむができます。ただしキャベツの美味しさを知っているのは人間だけではありません。色々な虫も大好きであるキャベツの葉。とくにモンシロチョウの卵からかえったアオムシはキャベツの葉が大好物です。虫たちに食べられてしまわぬように、苗を植え付けらたしっかりと防虫ネットを張って対策して、上手に収穫を迎えてください。
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