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ハマボウの育て方!種まきの時期や植え付け方法を押さえて綺麗に咲かそう!

日本でも海岸や河口に自生し、夏には次々とレモンイエローのハイビスカスのような花を咲かすハマボウ。鉢植えや庭植え、盆栽としての育て方も自宅でできる楽しい植物です。この記事では、和風ハイビスカスとも呼ばれるハマボウの育て方をその特徴を踏まえてご紹介いたします。
2020年8月28日
gingerlemonade
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ハマボウとは?

夏に咲く日本原産のハイビスカス

ハマボウの花

ハマボウは西日本から韓国の済州島にかけて分布する夏の7・8月頃にレモンイエロー色の花を咲かせるアオイ科フヨウ属の落葉中木です。花は直径約5センチになり花弁が5つで、その姿から和風のハイビスカスとも呼ばれます。花は一日だけ咲いてその日のうちに枯れる一日花です。海岸近くの塩分濃度の高い環境で育つ塩生植物で、各地の群生地には開花の時期には多くの方が訪れるなど人気があります。

自宅での栽培や盆栽でも楽しめる

ハマボウは樹高が1メートルから5メートルの低木で、自宅で育てるのには庭植えが一般的ですが、鉢植えで花を咲かすのを目的に育てることもできます。レモン色のハイビスカスや芙蓉を思わせる花の中心の奥は暗褐色です。葉のかたちは細かい切れ込みがあり、葉は秋になると紅葉して落葉します。盆栽として、小さな鉢に林のような景色に育てる、花を咲かす以外の楽しみ方も人気を集めています。

市町村の花としても親しまれる絶滅危惧種

ハマボウは徳島県鳴門市や、熊本県天草市など市町村のシンボルの花として親しまれるほど身近な存在の植物である一方、災害対策などの河川の改修により群落が消滅、減少したり、自然な増殖が難しくなってしまったため、現在では自生する自治体の多くで絶滅危惧種として指定されています。神奈川県横須賀市天神島や愛知県田原市堀切の群落は天然記念物にも指定されており、各地で保全活動が行われています。

ハマボウの名前について

ハマボウは漢字でどう書く?

ハマボウの学名は「Hibiscus hamabo」で、江戸時代シーボルトによって発見され名づけられました。不思議な響きを持つハマボウですが、漢字で書くと「浜朴」です。「朴」は「朴の木(ホオノキ)」が由来だとされ、浜辺に育つ朴の木のイメージから来ていると考えられます。別の漢字を使い、「黄槿」とも表記されますが、こちらは黄色い花と、ハマボウと同じアオイ科フヨウ属のムクゲ(槿)が漢字の由来です。

ハマボウの花言葉

ハマボウの花言葉は「楽しい思い出」

ハマボウの花言葉は、「楽しい思い出」です。夏の海辺でハマボウの花々とともに楽しいひとときを過ごす場面が浮かぶ花言葉と感じられます。また、ハマボウは市町村のシンボルとして指定されるなど身近な植物でもあり、花言葉のように楽しい思い出のそばで爽やかに花咲いています。ハマボウの開花時期に各地の群生地に花を見にお出かけした楽しい思い出なども花言葉と一緒に蘇ってきそうですね。
 

他のアオイ科フヨウ属の花言葉

ハマボウに似ているほかのアオイ科フヨウ属の花言葉が気になる方もいらっしゃると思います。夏から秋にかけて白やピンク色の花を開花させるフヨウの花言葉は「繊細な美」「しとやかな恋人」、フヨウと似ているけれど雌しべが真っすぐなムクゲの花言葉は「信念」「新しい美」です。日本でも温暖な地域で自生するブッソウゲの花言葉は「常に新しい美」「新しい恋」などで、一日花が次々と咲く様子が由来だといわれています。
 

ハマボウに近い名前の植物

1:オオハマボウ

日本にはご紹介しているハマボウのほかにも、〇〇ハマボウという名前の植物が自生しています。ひとつは、種子島、屋久島以南、琉球諸島の海岸沿いなどに主に分布する「オオハマボウ」、別名「ゆうな」です。「ゆうな」は方言で沖積地の意味です。アオイ科フヨウ属で、花はハマボウに似ていますが、中心は黒茶色で、花弁は朝は黄色、夕方にはオレンジ色に変化する一日花です。花言葉は「清康」で、明るい花の様子と一致しています。

2:サキシマハマボウ

「サキシマハマボウ」は、沖縄各島やその付近の地域の海岸沿いに分布する植物です。ハマボウと名前にありますがハマボウが属するフヨウ属ではないアオイ科サキシマハマボウ属で、花冠は釣り鐘のように基部から膨らんでいます。開花時期は6月~8月です。方言では「トーユーナー」と呼ばれています。葉の形はハマボウより大きな細長いハート型で、一日花で黄色の花が夕方には濃いピンク色になり落下する可憐な花です。

3:テリハハマボウ


小笠原諸島の固有種である「テリハハマボウ」は、アオイ科フヨウ属でハマボウに姿もよく似ています。漢字で書くと照葉浜朴、つるつると日を照り返すハート型の葉を持っています。ハマボウと違う内陸でも見られ、別名では「モンテンボク」と、英語のMountain(山)と日本語の木を組み合わせて呼ばれています。花は一日のうちに黄色から赤く変化し落下する一日花で、島名では「ヤマイチビ」です。
 

ハマボウの育て方①育てる環境について

ハマボウに適した環境の作り方

ハマボウは浜辺に自生する塩生植物ですが、塩分濃度が高い環境ではない内陸の自宅の庭や、鉢植えでも育てることができます。関東以西の比較的温暖な地方に自生するハマボウなので、庭植えの場合冬季に土が凍るような屋外環境では越冬が難しいです。しかし、寒冷地でも鉢植えにして屋内に取り込んだり、冷たい風を避けて温かさが保てるような環境の作り方で寒さ対策をすれば十分栽培はできます。

ハマボウの育て方②種まきの時期と準備

種まき時期は5月

ハマボウを種から育てる場合、発芽温度が高いので種まき時期は5月頃になります。種まき後、発芽までは2週間ほどかかります。

種まき前に一晩水に浸けて発芽を促進

コップの水

ハマボウの種の外側は硬いので、種まきをする前に一晩水に浸けて水分によって膨張させると発芽率が上がります。一晩水に浸けても膨張しない種があった場合は、種を入れたコップに80度程のお湯を入れて種皮を柔らかくし、お湯が冷めてから種まきをすれば発芽しやすいです。

ハマボウの育て方③種まきの方法

ポット蒔きでの種まき

ハマボウの種まきはポリポットを使ったポット蒔きで行うことができます。種まき用の培土は、市販されている種まき用のものなど、水持ちが良く発芽を助け、病原菌の心配のない清潔なものを選びましょう。ポリポットに鉢底ネットを敷き、土を入れて、5ミリほどの穴を作り種まきをして、軽く種に土を被せます。間隔をあけて2粒ほどずつ蒔いて発芽させましょう。発芽するまでは、霧吹き器等使って種が流れないように水やりします。

ハマボウの育て方④種まきした後の育て方

種まき後から発芽までの育て方

種まき後は、直射日光を避けた明るい環境で管理します。発芽した後は日当たりがよく風通しの良い場所で管理し、土の表面が乾いたらしっかりと水やりしてください。種まき後、数か月かかって発芽した例もあり、なかなか発芽しなくても水やりをしながら様子をみてみると良いです。

成長したらポリポットから植え替える

15センチ~20センチ程まで背丈が成長したらポリポット内で根も育ってきているので、ポリポットから根鉢ごと取り出し、一回り大きな鉢や庭に植え付けることになります。

ハマボウの育て方⑤植え付け方法

植え付け方法

ハマボウの植え付ける苗は園芸店などではなかなか見つからないので通販など使いましょう。植え付け時期は真夏は避けたほうが良いです。庭植えの場合は、30センチほど植え付けるための穴を掘り、土は庭土に腐葉土を3割ほど混ぜてください。鉢植えの場合は苗より1サイズ大きい鉢を用いて植え付けます。

植え付けに使う用土の作り方

用土は海辺の湿地の環境で自生する植物であることから、吸水力のある鹿沼土を赤土と腐葉土に混ぜての作り方がおすすめです。水はけと水持ちがよくなるように土を混ぜ合わせ、土:腐葉土の割合が1:2程度になるように作りましょう。


ハマボウの育て方⑥管理場所

日当たりの良い環境で育てること

ハマボウは日当たりが良く風通しの良い環境に植え付けて管理しましょう。日光にあたることで開花もしやすくなります。冬の時期は鉢植えなら屋内に取り込むなど、冷たい風や霜がつくのを避ける環境の作り方で冬越しさせてください。開花した花はその日限りですが、条件を整えて栽培すれば次々と開花していきます。植え付けから開花までに数年の月日が必要な場合が多いハマボウですがしっかりと丁寧に開花を目指していきましょう。

ハマボウの育て方⑦水やり管理

庭植えでも根付くまでは水やりを

ハマボウの水やりは、鉢植えの場合は土の表面が乾くたびに水やりをしましょう。庭植えの場合は、植え付けて2年未満の場合は鉢植え同様、土が乾いたら水やり管理が必要ですが、以降根が根付いた株では通常は水やりする必要は特になく雨水などで十分育ちます。しかし真夏の時期など晴れが続いたり、地面が乾燥した際にはしっかりと水やりしてください。水やり管理に注意することもしっかりと開花させるコツです。

ハマボウの育て方⑧肥料

幼木には寒肥を

ハマボウの肥料の与え方で重要になるのが寒肥です。寒肥とは、植物の成長があまりない冬の時期に与える肥料のことで、春の植物の目覚めに先駆けて肥料を与えて根が活動し始める春先の時期に肥料が効いてくる仕組みです。ハマボウの場合は2月頃化成肥料を幼木の頃、株元に50グラム程与えます。発根を促し1年の成長に関わってくる寒肥ですが、木が成長した後は特別与えなくても良くなります。

ハマボウの育て方⑨病害虫対策 

ハマキムシに注意

ハマボウの病害虫対策で特に注意しなければならないのがハマキムシですが、栽培は比較的簡単で、病気によって枯れてしまう例はあまりありません。ハマキムシは、ハマキガ科の幼虫のことで葉などを食い荒らしてしまい、光合成を妨げて生育に影響をもたらします。ハマキムシを見つけ次第、葉ごと摘み取り、大量発生してしまった場合などオルトラン水和剤を使えばむらなく駆除するのに効果的です。

ハマボウの育て方⑩植え替え・剪定

冬の時期に行うのがダメージを防ぐポイント

ハマボウの植え替えは、根があまり多くないこともあり3年に1度ほどが目安です。水やりしても水はけがよくないと感じるようになったら、根腐れを起こしやすい環境なので新しい土に入れ替えましょう。植え替えの際は根を傷めないように注意してください。植え替えに適しているのは落葉している2月頃で、強い刺激に耐えやすい時期です。剪定も伸びすぎた枝などはこの冬の時期に切り詰めるようにしてください。

ハマボウの育て方⑪挿し木での増やし方

挿し木は梅雨頃が成功しやすい

ハマボウの増やし方は、挿し木、取り木、種まきでの増やし方があります。ハマボウの挿し木に適した時期は、梅雨ざしと呼ばれる5月~6月です。植物がよく成長する環境で、真夏だと暑さで発根が妨げられる場合もあり、この時期を選ぶのが挿し木をうまく成功させるコツです。種から発芽させる増やし方より、伸びた枝を用いた増やし方の挿し木は比較的簡単なので、園芸初心者の方もコツを抑えて挿し木に挑戦してみてください。

ハマボウの挿し木での増やし方

ハマボウの挿し木の方法は、鋭利な刃物で枝を切り口を斜めに15センチ程度切り取り土に挿して行います。挿し木する前に、切り取った枝を1日程度水に浸けておきます。挿し木用の土は肥料分のない清潔な土を使い、涼しい場所で水をたっぷり与えて管理します。植え付けから1か月程で発根し、2か月程で植え替えです。鉢植え時は挿し木に使用した土と同じ種類の土に腐葉土など混ぜて土環境を大きく変えないように注意してください。

ハマボウの育て方⑫取り木での増やし方

主茎を使って増やす

取り木でハマボウを増やすことも可能です。取り木とは、幹を傷つけたり皮を削った部分から発根させて、新しい株を作る植物の増やし方です。取り木では主茎を使うため、取り木後の成長が挿し木よりも早くなります。ハマボウの場合は高取法で、時期は5月から8月にかけて行い、水苔で環状剥皮処理をした部分を覆って上からビニールを巻き付けたら1か月程で発根するので、覆いを外して切り離し植え付けしてください。


ハマボウの育て方⑬種の採取

ハマボウの種を開花後に採取して蒔こう

種での増やし方で必要な種は、夏の開花後に果実が実り、1つの実の中には5ミリ程度の種子が十数個程ずつできて採取することができます。浜辺に自生するハマボウの種は海を漂った先で陸に上がって育つことができるほど、ハマボウの種は外側も硬く強いです。

種の保管方法について

種を採取した後は、しっかりと乾燥させた後、種まき時期である5月頃まで、直射日光や湿気を避けて保管してください。冷蔵庫の野菜室も種の保管場所におすすめです。

ハマボウの育て方⑭盆栽の作り方

林のように見立てる「多粒まき」での作り方

ハマボウは盆栽として楽しむのにも人気です。ハマボウを通して自然の風景を作り上げます。ハマボウの盆栽で特に多いのが、小さな鉢に複数の種を密に蒔いての作り方「多粒まき」での盆栽です。この作り方だと盆栽は小さな林のように見立てられ、新緑や秋の紅葉の時期の丸い葉の色付きなど季節ごとに楽しめて可愛らしいです。この盆栽の作り方の場合根の量も少なく、開花は難しいですがとても素敵な風景を楽しめます。

高さを抑えてのミニ盆栽としての作り方

1つの株を用いたミニ盆栽として、高さをおさえて長年にわたって小さな鉢で持ち込む作り方では、10年以上かけて開花させた例もあります。同じ鉢を使って植え替えをする盆栽の作り方だと、小さいままで育てられます。根が回っている場合は3分の1程根をカットして元の鉢に植え替えましょう。小さな鉢では開花まで時間が特にかかるハマボウですが、四季を楽しみながら将来の開花を目的にじっくりと盆栽を育てるのも素敵です。

ハマボウの育て方まとめ

ハマボウを育てて、花言葉のように「楽しい思い出」を!

夏の浜辺で爽やかに次々とレモンイエローの花を咲かせて楽しませてくれるハマボウについて、自宅での鉢植えや庭植えでの育て方を中心にご紹介いたしました。じっくりと開花を目指して丁寧に育てたり、盆栽で小さな林のように仕立てて紅葉を楽しむのも素敵ですね。この記事でよりハマボウを身近に感じていただければ幸いです。ぜひ魅力的なハマボウを育てて日常に彩りを取り込んでみてください。

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