野宿ツーリングってどう?はじめに
妻がキャンプ場を選ぶ基準はトイレ。トイレがきれいなキャンプ場でないとOKが出ません。トイレが汚いのなら道の駅で車中泊するほうがいいというのです。いやいや、「車中泊」は自動車での野宿を浄化しただけの言葉。確かに我が家の日産クリッパーは車中泊最強の軽自動車なのですが、車中泊は野宿であってキャンプではありません。どうも!暮らし~のでライターをしておりますhosokawa_takaです。
一般的ではない野宿ツーリング
では本題!ここでは野宿ツーリングについて語ります。私がこれまでツーリングで野宿をしてきた場所、野宿ツーリングでの荷物について、野宿とキャンプの違いについて記しますね。野宿は一般的ではないのに車中泊は社会的に認められているのっていったい…。なお、この記事は2020年17日現在の私の心境をもとに作成しますことをご了承ください。
野宿ツーリングってどう?きっかけ
私が野宿ツーリングをするようになったのは1994年の春からです。当時の私は写真撮影を趣味にしていて、自動車で車中泊をしながら撮影旅行を楽しんでいました。しかし、自動車で行ける撮影スポットは限られていることに気付き、バイクで撮影ツーリングをしようと思ったのです。私が野宿ツーリングをするようになったのは車中泊の延長。野宿ツーリングに対する敷居は感じませんでした。
自然な成り行きで野宿ツーリング
当時の私はキャンプ場を探す方法を知りませんでした。キャンプ場の看板があっても見落としていたかもです。また、キャンプ場でのキャンプをしたことがなかったので、飛び込む勇気がありませんでした。えっ?野宿ツーリングのほうが勇気が必要?そんなことはありません。野宿ツーリングで勇気が必要なのは初めの1泊目だけです。
野宿ツーリングってどう?初めての野宿
私が初めて野宿ツーリングをしたのは北海道ツーリングに向けての練習を兼ねて訪れた能登半島。場所は国道沿いの休憩スペースです…のはずでした。国道沿いの休憩スペースにテントを設営すると、近くにダム湖か何かがあったらしく、定期的にサイレンが鳴るのです。そのサイレンが気持ち悪いのなんのって…実は私、幽霊が怖いのです。水辺に集まってくるといいますし…。
野宿ツーリングで怖がりは吉?凶?
学生時代に所属していたクラブの合宿で行われた肝試しで腰を抜かし、かわいい後輩女子部員から苦笑いされたほど私は怖がり。定期的に鳴り響くサイレンに我慢できなくなり、私はテントをたたんで国道沿いの休憩スペースから逃げました。私は高速道路へと入り、空いたパーキングエリアの駐車スペースにテントを設営し、やっとのことで眠りに付けました。
野宿ツーリングってどう?場所探し
情けない初めての野宿ツーリングにはまだ話の続きがあります。高速道路のパーキングエリアの駐車スペースにテントを設営したのは深夜2時。そのためか、私は明るくなっても目が覚めなかったのです。太陽が昇って暑さのあまりテントのファスナーを開けると…パーキングエリアは見事に満車状態!私のテントは自動車に取り囲まれ、不審者並みの異様さを放っていたのです。
私の野宿場所の選び方
それ以来、私は野宿場所を慎重に探すようになりました。①安全で②迷惑にならず③見られても不審な感じがしない場所、私はこの3点を意識して野宿場所を探しています。散歩をしている人を見かけると「こんばんは。ここで休ませてもらっても大丈夫ですか?お世話になります」とあいさつするのも重要。跡形もなく片付け、場合によっては周辺のゴミ拾いもします。
野宿ツーリングってどう?空腹は敵!
野宿ツーリングでは近隣住民に不審がられないよう、深夜設営と日の出前撤収を心がけています。当然、テントの設営や撤収をするのが面倒になり、テントを使う機会は少なくなります。利用するキャンプ場が決まっているツーリングではテントをパッキングしますが、キャンプ場を決めていない野宿ツーリングではテントを持って行きません。テントを積載するよりも、水や食料を積載したほうが有意義だからです
野宿ツーリングで空腹は最大の敵
情けない初めての野宿ツーリングの話の続きです。当時の能登半島はコンビニやスーパーが少なく、私は晩ごはんを買いそびれてしまいました。空腹に耐えながら珠洲市の見附島を望む駐車場で野宿をしたのです。明て朝、駐車場で地元の消防団さんが操法訓練をし始めました。そして「あまりものだけど食べる?」とピーナッツパンをくれたのです。そのおいしさといったらもう…。
野宿ツーリングってどう?荷物の選び方
それ以来、私は即席めんとお米だけは必ず荷物に加えています。野宿であってもクッカーやシングルバーナーは必ずパッキング。一晩の炊飯で使う水(1.5L)もバイクに積載します。見附島の駐車場では消防団のお兄さんに助けられましたが、そんな出会いはめったにありません。ましてや野宿ツーリングはすべての責任を自分で負わなければならない大人のツーリングスタイル。必要なものは惜しまず荷物にしなければなりません。
野宿ツーリングの荷物は思い切りよく切り捨て厳選
逆にいうと、不必要な荷物は思い切りよく切り捨てるのも野宿ツーリングのパッキング。見附島の駐車場で野宿をしたときは晴れていたので、テントを設営せずにマットとシュラフのみで就寝しました。星を眺めながら眠り、目が覚めると朝日に照らされたジェベル200が私を待っている…素敵な光景でした。野宿ツーリングの荷物は2泊ほどすれば、足りないものと余計なものが見えてきます。
野宿ツーリングってどう?林道
縁あってジェベル200をツーリングバイクに選んだこともあって、私は何度か林道野宿ツーリングもしています。雑誌「アウトライダー」の愛読者でしたし、寺崎勉氏にも憧れていました。しかし、林道野宿ツーリングは私のツーリングスタイルと合致せず、それほどののめり込まなかったのです。寺崎勉氏の林道野宿ツーリングは野に帰るのが目的ですが、私の野宿は単なる就寝場所に過ぎなかったのです。
林道野宿ツーリングでの荷物は軽量化を徹底
私は林道野宿ツーリングで荷物の軽量化を心がけました。林道走行での走行安定性を重視するためです。キャンプ道具は、シュラフ、銀マット、炊事道具、テントの代わりに2.7×2.7mのブルーシート、野生動物との遭遇を避けるために携帯ラジオをパッキング。展望のよさそうな林道の空き地を選び、星を眺めながら就寝しました。もしやを考えると、お酒を飲む気にはなれません。
野宿ツーリングってどう?私の居場所は?
林道野宿ツーリングでは朝起きたときに人口のものが目に入らず、人の気配も感じられません。自然の中で遊ばせてもらっている感謝の気持ちが湧きあがります。この山並みは何年前から変わっていないのだろう…寝ぼけながら考えていると、自分が生きてきた時間を肯定できなくなります。しかし、そんな壮大な自然を目にしながらも、私がいるべき場所ではないように思えたのです。
林道野宿に居場所を感じられなかった私
キャンプ場では人の多さに辟易しながらも、林道野宿ツーリングでは自然の中に自分の居場所を感じられない…なんだか矛盾しています。しかし、林道野宿ツーリングをして分かったのは、私が野宿ツーリングで求めているのは自然ではなく、ツーリングというバイク旅そのものだということ。私はその土地の風土も肌で感じたいのです。えっ?幽霊が怖いからだろうって?そう、それもあります。
野宿ツーリングってどう?キャンプ場は快適
私がツーリング先で初めてキャンプ場を利用したのは北海道函館市の恵山海浜公園キャンプ場です。奈良から北海道まで自走し、その間はずっと野宿でしたので、キャンプ場の快適さに感動したことを覚えています。当時は東屋とトイレがあるだけの無料キャンプ場でしたが、今は2人以下用テントで300円、3人以上用テントで500円の有料キャンプ場となり、道の駅やコンビニも近くにあるようです。
野宿とキャンプの決定的な違いは安心感
野宿とキャンプの違いは安心感。野営をするうえで公に認められた場所かどうかという違いは大きいですね。キャンプ場では不審者扱いされることはありません。野宿場所を探すよりもキャンプ場を探したほうが時間のロスはないのでは?初めてキャンプ場を利用するとそう思えてきました。また、水を荷物として持ち運ばなくていいのもメリットです。
野宿ツーリングってどう?災害
結婚してツーリングへ行く機会が減りましたが、それ以上に野宿ツーリングをする機会も減りました。また、かつては隠れるように野宿をしていましたが、今は車中泊する自動車が多い道の駅を選ぶようになったのです。それは2011年3月11日の東日本大震災が原因で、野宿をするのが怖くなったから。ツーリング先で野宿をしているときに大きな災害に遭ったら…そう思うと怖くなります。
自然災害も予測できる範囲で気をつける
ツーリング先での野宿では治安はもちろん、災害に遭いにくい場所かどうかも気にするべきです。川原は上流のダムの放流や大雨で増水しますし、林道脇は土砂崩れや道路の崩壊が怖いですね。海沿いでは津波の避難場所を確認するのがベスト。「ツーリングで野宿をしていたライダーが土砂の崩壊で行方不明に!」少数派を非難することで注目を集めたがるメディアは少なくありません。
野宿ツーリングってどう?野宿地を知らせる
野宿ツーリングで災害に遭ったときに備え、家族や友人に野宿地を知らせておくのも大切です。スマホの地図アプリ「グーグルマップ」の現在地共有機能でリンクを送信し、災害に遭っても救援を得られるようにしておきましょう。冒険家ほど慎重になるべきで、もしやに備えないのは無謀な行動。故植村直己氏は「生きて戻ってくるのが絶対」と言葉を残しながらも、冒険中の遭難で命を落としています。
野宿とキャンプの違いは向き合い方
管理された場所であるキャンプ場と公に認められていない場所である野宿地とでは、向き合い方に大きな違いがあります。キャンプテクニックや荷物の違いはありますが、それは単なる方法論。野宿ツーリングはお金がかからないだけがメリットではなく、自身を律するスペックを備えたバイク乗りだけに許された大人のツーリングスタイルだといえます。
野宿ツーリングってどう?まとめ
バイクは社会で少数派といえ、何をするにしても攻撃の対象となりがちです。少数派を忌み嫌うことで自己を肯定しようとする風潮はいかがなものかと思いますが、バイクが不安定で危険な乗り物であるのは確か。私たちは社会との融和を心がけなければなりません。住民さんから不審がられる場所での野宿は避けたいですね。野宿とキャンプの大きな違いは向き合い方。紳士的な野宿ツーリングをし、バイクの社会的地位を高めたいものです。
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